私的年金の位置づけとは

ひとことに年金と言っても、年金には大きく分けて国民年金や厚生年金などの公的年金企業年金・国民年金基金などの私的年金とがあります。
私的年金とは、任意に加入することで公的年金に上乗せして年金を受給できる制度です。

公的年金とは

公的年金とは加入義務のある年金を指します。
すなわち、基礎年金である国民年金、社会保険加入義務のある事業所に務める人が加入する厚生年金、公務員等が加入する共済年金がそれにあたります。

公的年金の内容と問題点

公的年金のみに加入している人の、老後のくらしをことを考えてみます。
老齢基礎年金の受給は、平成28年4月分から780,100円となっています。
月額に直すと約6万5000円です。
老後は生活費が少なくなりがちとは言え、老齢基礎年金のみでは、生計を立てること自体が困難だといえるのではないでしょうか。

もう一つの公的年金である、厚生年金等の受給額については、収入と加入によって変動しますので一概には言えませんが、例えば厚生年金において平均給与を50万円、加入期間40年として計算した場合は月々およそ15万円程度になります。
基礎年金と合わせると、約21万5000円ほどになります。
これくらいの受給額があれば、現役時代ほどではないにしてもそこそこの家計を保つことはできそうです。

しかし、平均給与が50万円以上で加入期間が40年という方はそう多くありません。
多くの方は厚生、共済年金を受給したとしても21万5000円を下回ってしまうのではないでしょうか。

そのうえ、貯蓄や充分な退職金等がない場合は現役時代より著しく生活水準を下げることになってしまいますので、日本には公的年金制度があるにもかかわらず多くの方が老後の生活に不安を抱えているというのもうなずけます。
公的年金制度がいつまで続くのかわからないといった根本的で解消の難しい疑問もこの不安に拍車をかけているといえるでしょう。
公的年金の受給年齢の引き上げといった縮小傾向に目を向けるならばなおさらその不安は募るばかりです。

私的年金の種類・制度内容

年金に対する不安の解消法としては、老後の蓄え、すなわち貯蓄をしておくというのも有効な手段ではあります。
しかし、老後を見据えて貯蓄をするには継続的で根気が必要ですし、限界のある貯蓄で計画的に生活を立てていくことには、かなりのストレスが伴いがちです。
うかつな資産運用であっという間に資産自体を失うといったケースも考えられます。

対して、私的年金は加入してしまえば掛け金の支払いは引き落としや給与天引きでほぼ自動化できますし、受給についても一定金額が定期的に支払われますので、老後に対する心理的負担と老後の心理的負担をかなり軽減できる制度だといえます。

私的年金は冒頭に述べたように公的年金に上乗せして受給できる年金です。
その代表格としては、企業年金、国民年金基金、個人年金、財形年金があります。

企業年金

企業年金とは、事業主が独自に実施する年金制度です。
企業年金に加入するには、自分の務める企業が企業年金を実施している必要があります。

事業主が独自に行っている制度ですので、掛金や受給額についてはまちまちです。
自分自身で、務めている企業が企業年金を実施しているかどうか、実施しているならば掛金と受給額はどうなっているのかを確認する必要があります。

また、確認の際には、給付建て年金であるのか、拠出建て年金であるのかという点をチェックしましょう。
積み立てた年金は、企業が運用しています。

前者の場合では、運用した結果得られた利益が拠出のための利回りを下回ったとしても、約束された受給額の満額を受給できます。
しかし、後者の場合は、受給額が運用によって生じた損益に左右されますので注意が必要です。

国民年金基金


国民年金基金はその名の通り国民年金基金が実施する公的な個人年金制度です。
この年金の一番の魅力は、掛金が所得控除される点です。掛金や受給額は加入時の年齢、プランによって異なります。国民年金基金のサイトで詳細にシミュレーションできますので、是非、自分自身の年齢を入力して確認してみてください。
参考までに、平成27年度の平均掛金は一口目が11,023円、二口目以降が12,980円、合計で24,003円となっています。

個人年金

各保険会社の提供する個人年金も、公的年金に上乗せして受給できる私的年金です。
掛金、加入できる年齢も掛金も商品によって様々ですが、掛金についてはおよそ1万円から3万円の間です。

利率については、企業年金や国民年金基金に比べて高く設定されていることがほとんどです。
個人年金については、ランキングサイトなどもあり、情報が充実していますので、自分に合った商品を探してみてください。

財形年金

財形年金貯蓄とは、労働者が、事業主に給与から一定金額を天引きしてもらい、財形年金商品の扱いのある金融機関に掛金を支払って老後の資金を貯蓄していくという仕組みです。
この年金は財形制度を行っている企業に務める55歳に満たない人が加入することができます。
ただし、二重に財形年金契約をすることや、預け替えはできませんので、財形年金商品を検討する際には、いずれか1つに決定する必要があります。
 

公的年金と私的年金の違いとは。年金の種類や内容について基本をおさらいのまとめ

よほど計画的で自制心の強く働く方でない限り、長年の間継続して自分自身の意思で老後の蓄えを積み立てていくのは、そう簡単ではありません。
公的年金は、強制加入ですのでそういった意味では「貯蓄をするぞ」という継続的で根気強い意思の力を借りずに、必要最小限度の安定した老後を約束する制度だといえます。

しかし、先に述べたように、公的年金のみで物理的にも精神的にも豊かな老後を送ることは非常に難しいといえます。
このように考えるならば、私的年金は、加入のときさえ「さあ、老後も豊かな生活を送るために貯蓄をするぞ」と意志の力を発揮ししてしまえば、後は知らず知らずのうちに豊かで安定した老後を送るための安定した収入を確保できるシステムだといえます。

実際、「老後のことなんて考えたことがない・考えたくない」という方は多くいらっしゃいます。
そのような思いの方にとっては、老後の貯蓄を自分で形成することはかなりハードルが高いのではないでしょうか。だからこそ、「老後のことを考えたことがない」という方は是非とも、貯蓄よりもずっとハードルの低い私的年金の加入を検討してみてはいかがでしょうか。
 

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