マンションを購入する前にすること

購入後毎年かかる費用について確認する

家賃はいつまで払っても、その不動産が自分のものにはなりません。
しかしマイホームを手に入れると、家賃は住宅ローンに代わり、住宅ローンは払い続ければ、いずれその不動産は完全に自分のものになります。
せっかく払うのであれば、自分のものになる方がいいですよね。

ただ、住宅ローンは一旦契約すると、簡単には月々の返済額を変更することができません。
よって、借入額や借入期間を慎重に考えなければなりません。

その際忘れていけないのは、固定資産税・都市計画税の支払いです。
不動産を所有すると、市町村(東京特別区は東京都)に固定資産税・都市計画税という税金を払わなければなりません。
またマンションの場合は、マンションの管理規約に定められた共益費・管理費・修繕積立金等を払わなければなりません。
住宅ローンを利用するには、そのことを忘れてはなりません。

固定資産税や都市計画税を払わないでいると、市町村等によってマイホームは差し押さえられてしまいます。
共益費・管理費・修繕積立金等も払わないと、最後には管理組合から訴訟を起こされ、判決を経て、やはり差し押えられてしまうでしょう。
いずれも最悪の場合、マイホームは競売されてしまいます。
共益費・管理費・修繕積立金等はマンションの譲受人にも請求できることになっている(建物の区分所有等に関する権法第8条)ので、マンションを売却しようとするときに、売値から値引きされて精算されることがあります。

マンションにかかる固定資産税とは


では、その固定資産税について詳しく見ていきましょう。

固定資産税は、1月1日時点の不動産の所有者に課税されることになっています(地方税法343条以下)。
税額は、その不動産の価格をもとに算定された「課税標準額」に「税率(標準税率は1.4%、各市町村等の事情によって、条例によって異なる税率を定めることができる。)」を乗じて計算されます。

課税標準額となる評価額は、地方税法に基づき総務省が定める「固定資産評価基準」によって市町村長等が定めます(実際の評価方法はかなり技術的なので、ここでは、基本的な考え方のみ説明し、詳しい説明は省略します。)。
土地(市街化宅地)については、公示地価の7割を目途として標準宅地の適正な時価を評定し、路線価を定め、個々の土地の特殊性に基づく補正を行って算定します(路線価方式)。
ここでいう路線価は相続税、贈与税の課税の際に用いられる税務署が定める路線価とは別のものです。
税務署の定める路線価は、公示地価の8割を程度になるように算定されています。

家屋については、評価の対象となった家屋と同一のものを、評価の時点において新築するとした場合に必要となる建築費(再建築価格)を算出し、経年等による損耗を考慮して減額を行って算出します。
先に述べた固定資産評価基準には、建物の構造、設備仕様、内装材など詳細に区分されたチェックポイントがあり、それぞれに評価額が設定されており、その積算によって、評価額が決定される仕組みになっています。
実際の建築費の4から6割程度になることが多いようです。

いずれも、特別の事情がない限り、3年ごとに算出されます。
直近の基準年度は平成27年度でしたので、次の基準年度は平成30年度となります。

次に、都市計画税ですが、これは、都市計画法で定められた市街化区域内に所在する土地及び家屋の所有者(固定資産税と同様1月1日における)に課される税金です(地方税法702条以下)。
課税標準額は、固定資産税と同じものを使用します。
税率は0.3%です。当該マンションが、都市計画税の課税される不動産であるかどうかは市町村等で確認できます。

なお、固定資産税と都市計画税には、これを減額する特例があります。
まず、土地については、住宅用地は、以下の要件に該当すれば、「評価基準額」が以下のとおりに引き下げられます。
固定資産税
・ 小規模住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートルまでの部分)は評価額の6分の1
・ 一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートルを超える部分で、家屋の床面積の10倍まで)は評価額の3分の1
都市計画税
・ 小規模住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートルまでの部分)は評価額の3分の1
・ 一般住宅用地(住宅1戸当たり200平方メートルを超える部分で、家屋の床面積の10倍まで)は評価額の3分の2

マンションの敷地も住宅用地です。
マンションの敷地が上記に該当するかどうかは、敷地全体の面積をマンションの戸数で除した面積で判定します。
なお、1月1日に住宅が建っていない土地や住宅を建築中の土地には、原則としてこの軽減措置がありません。
ただし、1月1日現在に住宅を建て替え中の土地で、一定の条件に該当するものは、この軽減措置が適用される場合があります。

平成30年3月31日までに新築された住宅は、課税床面積120平方メートルまでの部分について5年間(3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅、それ以外は3年間)、固定資産税の2分の1が減額されます。
なお、認定長期優良住宅に該当すれば、その期間は7年間(または5年間)まで延長されます。
マンションは、通常耐火構造で作られていますから、5年間この特例を受けられる場合が多いでしょう。7年間特例を受けられる認定長期優良住宅であるマンションは、まだあまりないようです。
いずれにしても、購入時にはよく確かめておくことが大切です。

固定資産税計算例

では、マンションの固定資産税は、どのように計算されるのでしょう。
マンションは、通常、敷地である土地の持分と、家屋であるマンションの部分的所有権(区分所有権)がセットになっています。
ですから、マンションでも、土地と家屋に分けて、固定資産税を計算します。

まず、土地は、敷地全体について、先に述べた評価方法によって評価額が算出されます。
これに、マンションの部分的所有権とセットになっている土地の持分の割合を乗じて、各人の課税標準額が計算されます。土地の持分の割合は、登記簿上「敷地権の割合」として示されています。
(昭和58年度までは、共有者全員が土地の固定資産税について連帯責任を負うことになっていたため、代表者に納税通知書が送られていましたが、昭和59年以降は、ごく一部の例外を除き、土地の持分割合に応じて共有者各人が納税義務を負うことになっています。)

次いで、家屋については、
建物としてもマンション全体について、先に述べた評価方法によって評価額が算出されます。
これを、全体に占める各人の区分所有権の対象となる専有部分の床面積の割合で按分し、さらに共用部分についての持分についての評価額を加算して計算されます。

マンションの固定資産税を調べる方法とは


これまで、計算の仕方の考え方を説明してきました。
実際の課税標準額、税額を自分で計算することは実際には困難です。
具体的な税額はどのように調べたらいいでしょう。

中古マンションの固定資産税の調べ方

中古マンションについては、売り主から、市町村等から送付された固定資産税納税通知書や市町村等が発行した固定資産税評価証明書を見せてもらうことが確実で、現実的です。
正確には、その年の1月1日現在の評価額が記載されているので、次年度以降はどうなるか分かりませんが、その金額を上回ることは事実上ないといっていいでしょう。

また、実際の売買に当たっては、売買の行われた年度の固定資産税・都市計画税について、売り主、買い主の間で、どのように負担するかの割合について協議して契約上明らかにすることが通例ですから、売り主がこれらの書類を示すこともまた通例のことと考えられています。

新築マンションの固定資産税の調べ方

新築マンションの場合、土地についてはともかく、建物が完成していないと、売り主はまだ固定資産税・都市計画税を課税されたことがない、市町村等も、まだ評価額を計算していないという場合があります。
この場合は、後日実際に課税されてみないと分からないといわざるを得ません。
マンションの販売業者もだいたいの金額を計算することはできるでしょうし、市町村等もおおよその金額を示してくれることが多いでしょうが、明確な回答は得られにくいというのが現実です。

マンションの固定資産税、注意すべき点とは


固定資産税・都市計画税の納税通知書は、4月からに、1月1日時点の所有者のところに郵送されてきます。
年額を原則4回に分けて納税するように記載されています。
納税通知書には、必ず評価額、課税標準額が示されていますから、この額を必ず確認することが重要です。
マンションの販売業者や、市町村等の事前の説明と食い違う、あるいは、近隣の同じような物件の税額と食い違うなど、不審な点があれば、市町村等に問い合わせましょう。

土地や家屋の評価額の算出方法は、実際にはあまりに専門的ですから、通知された評価額が固定資産評価基準に正しくしたがっているか否かは、にわかには判断できません。
そのため、多くの人は、役所のやることだから大丈夫だろうとそのままにしてしまいがちです。
しかし、役所もときにはミスをします。
総務省が平成24年8月に発表した「固定資産税及び都市計画税に係る税額修正の状況調査結果」によると、平成21年度から23年度までに、税額を修正したことがある地方自治体は、調査に回答したうちの97.0%、実数にして1,544団体もありました。
評価額の修正は土地について、家屋についてともに約3割、特例措置(負担調整措置を含む)の適用の修正が、土地について2割強もありました。評価額の妥当性はすぐには判断できませんが、特例措置の適用の有無は課税通知書をよく見ると分かります。よく見ましょう。

さて、にわかには判断しがたい評価額ですが、これが適切かどうかを調べる方法としては、固定資産課税台帳の縦覧制度があります。
これは、自分の不動産だけでなく、他の人の所有する不動産の評価額も記載してある固定資産課税台帳を見ることができる制度で、自分の不動産の評価を他の不動産と比較するためのものです(他の人の所有する不動産の所有関係は必要ないので分からないようにされています)。
縦覧期間は、市町村によって差がありますが、概ね4月1日から固定資産税の第1期納期までとされていることが多いようです。

評価額に納得がいかないときは、市町村等の固定資産評価審査委員会に審査の申出を行うことができます。
この申出は、納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内にしなければなりません。
したがって、なお、審査の申出は、評価額対する不服であるため、基準年度でなく評価替えの行われなかった年は申し出ることができません。

評価額以外に点いての不服、例えば特例の適用に関する不服などは、市町村長等に対する審査請求という別の手続きになります。
この手続きも納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内にしなければなりません。

いずれにしても、不審に思ったら、行動はすぐに起こさなければならないのです。

マンションの固定資産税がいくらかかるのか調べる方法や注意すべき点を徹底解説のまとめ

不動産を取得すると必ずついて回る固定資産税についてご説明してきました。
不動産を所有しないうちは関わりのない税金ですし、いざ取得しても、不動産の評価という素人には取っつきにくいテーマに関わる税金で、その仕組みを理解するのは厄介かも知れません。
しかし、不動産を所有する以上は毎年払わなければならないものですので、マンションを購入する際には、安全な資金計画を練る上で、一度勉強してみることをお勧めします。

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