出産費用は医療費控除を受けることができる

わたしたちの住んでいる日本では、医療費の負担が家計に重くのしかかって圧迫してしまうことがないよう、さまざまな制度によって国民をサポートされています。その1つが「医療費控除」制度です。
これまで医療費控除の申請をした経験がないという場合は何のことかさっぱり分からないと思いますので、まず医療費控除がどんなものか説明していきましょう。

医療費控除とは?

医療費控除は、年間で計算して一定以上のお金を医療のために用いたとき税金の負担を軽減することによって結果的に家計の負担を軽減する制度のことです。支払った医療費に対して直接的な払い戻しという形ではありませんが、税負担の軽減という形でのサポートになります。

具体的には次のような計算になります。

1年間に支払った医療費の合計金額-加入している保険などでカバーされた金額-10万円

この図式を注意深く見るとわかるのですが、目安として単純計算で、「1年間に10万円以上を医療費として支払った場合、税負担を減らしてもらえる」ということになります。

医療費控除の際に注意しておきたいこと


注意しておきたい点として、税金の負担を減らしてもらうためには確定申告によって自分で申告する必要があることです。申告しなくても行政の側から通知してくれるということはありません。年間で計算して10万円を超える金額を医療費として支払っている場合は、忘れずに確定申告をしてください。時には不測の事態によって多くの医療費がかかる年があると思います。

出産の時にも医療費控除が適応可能

一例として、人生の大きなイベントである出産があります。出産の年には、国によって定められているさまざまな制度についてよく知って、実際に活用してみることをおすすめします。出産費用は医療費控除できるので、かならず病院から発行される領収書を保管するようにしてください。

出産費用の場合もその他の医療費用の場合と同じで、年間の合計が10万円を超えるなら、翌年の2月15日から3月15日の間に確定申告を行うことによって、払い過ぎた税金として還付してもらうことができます。せっかく用意されている親切な制度ですから、利用できるときには積極的に申請してください。

医療費控除を受けられる目安は

もう少し医療費控除について考えていきましょう。出産費用を医療費控除することを考える場合の選択肢として、お母さんが適用を受けられるようにするための方法もあります。例えば世帯でまとめて申告することもできるので、配偶者の医療費と共に計算して、合計金額が10万円を超えるようであればまとめて申告することができます。

節税効果を高めるには所得の多い方にまとめよう

今回のテーマである医療費控除の場合、税金の負担を軽くするという役割になっていますので、単純な払い戻しではありません。
この場合、結論から言えば所得の多い方にまとめてしまう方が節税効果は高くなるでしょう。通常妊娠して出産をする年というのは、お母さんよりも旦那さんの方が所得は多いはずです。もちろんその逆なら所得の多い妻の側にまとめる方が良いでしょう。

医療費控除は、控除される対象額に所得税の税率が乗じられる計算になるので、所得の高い方が1人で受けるなら、結果的に軽減額が多くなって節税できます。単純に考えてしまうと、「出産の年なんて余裕で10万円を超える医療費になる!」と思ってしまいます。たしかに出産のために入院して分娩すると40万円から50万円くらいは平均して必要になりますので、これだけでも十分な金額です。

「出産一時金」の給付を受ける場合

その他の制度の利用も視野に入れると、例えば「出産育児一時金」として42万円の給付を受けることが可能です。残念ながら、医療費控除は取得できる補てん額を引いた分からさらに10万円を引いた金額で算定されるため、出産費用が42万円を大幅に超える場合にのみ医療費控除の申請の額に加算されることになります。

まずは取得できる補填金の合計も計算してみましょう。最終的に医療費控除の対象になるかどうかは、1年の最後になってみないとわかりません。それで特に家族として出産を経験することになる年には、1つずつ明細や領収書を大切に保管しておくようにしてください。最後に計算して控除の対象になりそうなら、忘れずに2月15日から3月15日の間に確定申告を行ってください。

医療費控除を受けられる出産費用の範囲


医療全般に言えることですが、医療に関係する出費すべてが「医療費」として認められるわけではありません。
出産費用を医療費控除する場合も、自分で「これは医療費だ」と思うものがすべて控除の対象になるわけではありません。
ではどんなものが出産費用として控除の対象になるのか見ていきましょう。

医療費控除の対象となる出費とは

国税庁はホームページ上で種々の情報を公開していますが、そこには「出産に伴う一般的な費用」という表現が用いられています。
つまり、それが一般的とみなされるならそれは控除の対象になるということです。

例えば妊娠していることがわかってから定期健診や検査を受ける費用は一般的なので医療費控除の対象になります。その際の通院にかかる費用についても控除の対象になります。ただしその都度領収書などが発行されるわけではないと思いますので、いつ、どの検査のためにどれだけの交通費を支払ったのか一覧できるようにしておかなければなりません。ちなみに、出産後の検査や健診も控除の対象になりますので、出産の翌年も出費をしっかりと記録・保管しておくことをおすすめします。もし妊娠する前に不妊治療を行なっていて、不妊治療を経て妊娠した場合はそれらの費用も控除の対象になります。

医療費控除の対象にならない出費とは

一方、出産するためにかかる避けられない出費でも、医療費控除の対象にはならないものがあります。たとえば、入院するときに必要となるパジャマや寝具、洗面に関係するものなどは医療費控除の対象になりません。また、入院している間の食事代は基本的に控除の対象になるのですが、本人が希望を出して出前を取るなどする場合は控除の対象になりません。入院することになる部屋についても、診察のために必要と判断されれば「一般的」な出産に伴う費用とみなされますが、個人の希望で個室に移動した場合は控除の対象にはなりません。出産を経験する年には、出産費用のうちどういったものが医療費控除対象になるか確認しておく必要があります。

医療費控除の受け取りと申請方法

どこで医療費控除の申請書を受け取る?

出産費用を医療費控除する場合、申請は加入している健康保険の窓口ではありません。
申請は確定申告書類の提出先になりますので、自分の住んでいる地域の管轄の税務署になります。これまで確定申告をしたことがないという方も、この機会に確定申告を含めて税制面での優遇を受けるための申請について知っておくと今後参考になるかもしれません。

医療費控除の申請方法は?

いくつかの方法がありますが、1つは税務署で直接受け取る方法があります。また、税務署によっては郵送してくれるところもあります。他にも、住んでいる自治体によっては役所で受け取ることも可能です。インターネットを使用でき、プリントアウトする手段を持っているなら国税庁ホームページから必要書類をダウンロードして印刷することもできます。最初に書類を印刷しなくても、直接記入した後で印刷すると便利です。確定申告のための書類以外にも、医療費控除を受けるための必要書類があります。医療費の明細を添付する必要がありますし、付随する交通費もそのすべてがはっきりわかる一覧表を添付しましょう。さらに、マイナンバーの写しと本人確認書類も忘れないようにしましょう。確定申告の用紙を見れば、必要な書類について確認できますので安心してください。書類が揃ったら、担当する税務署に持っていくか郵送します。

出産費用は医療費控除で負担を軽減!医療費控除の目安と方法のまとめ

医療費が多くかかった年には、自ら申告しなければ国の定める税制面での優遇を受けることはできません。出産費用は医療費控除の対象となりますので、必ず関係するレシートなどを保管しておくようにしてください。医療費控除の対象になるものについては、明確な判断ができるものもあれば医師や税務署によって判断が分かれるものもあります。不明な点については、確定申告の時期よりも十分余裕をもって税務署に問い合わせてみてください。せっかくの制度なので、活用できるものはどんどん活用していきましょう。

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