個人型確定拠出年金(iDeCo)とは

2001年10月から導入され、2017年1月からは国民年金加入者なら、基本的に誰でも加入できるようになったiDeCo(イデコ)と呼ばれる個人型確定拠出年金をご存知でしょうか。

通常の年金制度とは違い、加入者が自分で資産運用を行い老後に備える制度です。資産運用なので当然運用次第で貰える額がそれぞれ変わってきます。

話だけ聞くと難しそうでリスクが高そうなイメージを持ちますが、加入者数については年々右肩上がりに増えているのです。では実際に加入することによって、どのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく説明致します。

自分で運用できる?個人型確定拠出年金と通常の年金との違い


先程も軽く話に触れましたが、国に毎月納めて老後に決まった額を支給される国民年金や厚生年金と個人型確定拠出年金の一番の違いは、自分で資産運用を行う事にあります。
では、色々な年金制度の違いを下記にまとめます。

国民年金(基礎年金)

20歳から60歳までの全ての方が加入する義務のある公的年金です。

平成29年度以降は毎月16900円の保険料となっており、毎年段階的に納付額が上がり一度ストップする予定です。25年以上納付して受取資格が得られる制度となります(10年以上納付に変更されます)。
40年間滞りなく全て納付し65歳から満額(100%)の受取が可能です。
上記の様に満額納付したケースで受取額は毎月約65000円になります。

60歳から70歳までの間で受取開始を何歳にするかは決める事ができます。60歳であれば70%(毎月約45500円)、70歳であれば142%(毎月約92300円)と受取開始の年齢により結構な差が出ます。

仮に70歳で受取開始したとしても毎月92300円ですから、不自由のない暮らしが出来るかと言うと厳しいのが現実です。支給年齢の引き上げや支給額の少なさが不安を煽り加入者数は毎年下がり続けています。

厚生年金

厚生年金制度のある会社に勤めている方は基本的に加入が義務付けられている保険制度で、厚生年金保険料の中には国民年金保険料も含まれています。つまり、国民年金に厚生年金部分が上乗せされ、会社と加入者が半々で負担し毎月納付しています。

負担額としては、給与の総支給額×約18%となっておりますので、実際に加入者が負担する額は総支給額の約9%となります。総支給額300000万円だとしたら会社の負担額は約27000円で加入者の負担額も約27000円となります。

受取額としては、納付期間・平均給与・賞与・掛け率など複雑に絡み合う為、詳細な受取試算額の知りたい場合は日本年金機構などに登録する事により算出する事が可能です。国民年金同様に60歳から70歳の間で繰り上げ・繰り下げは可能です。納付額が国民年金だけの方と比べ、会社も負担して多く支払っているので将来的に国民年金+厚生年金として貰える受給額も当然多くなります。

厚生年金基金(企業年金)

厚生年金は国に納付し、国から受給しますが厚生年金基金は企業が加入する年金基金が国に代わり厚生年金の一部を運営し、加入者の将来の年金受給額を増やす為の会社独自の制度なのです。

毎月の支払額や将来の受給額は基金の資産運営により変わるので一概には言えません。厚生年金の代行している一部を退職時に一時金として受け取るか、毎月に分けて年金にプラスして受け取るかを選ぶ事が出来るのが一般的です。

しかしながら、ご存知の通り厚生年金基金については積立不足により、ほとんどの基金が解散する事となりました。解散後は今までの積立分を厚生年金に返上するか、別の代替制度へそのまま積立分をスライドさせる措置を取っています。

国民年金基金

この制度は会社員が厚生年金に加入出来るのに対し、自営業など国民年金にしか加入できない方が年金を上乗せする為の国の運営する任意制度です。

【地域型基金】と【職能型基金】があり、どちらか片方の基金にしか加入は出来ません。
掛金(支払額)ですが、自由に設計ができて何口加入するかによって将来の受取額も変わってきます。また、途中で掛金を増減するも出来ます。一度加入すると途中で辞める事は出来ないので注意が必要です。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

最近では国民年金基金ではなく、こちらの任意制度を選ぶ方が増えています。国民年金基金との一番の違いは自身で上乗せ分を運用する事にあります。

掛金は5000円から積立が可能で、1000円単位で増やす事が出来ます。また、国民年金基金と違い一度加入しても辞めたり再開したり出来ます。受取額は自身の運用により上下します。

個人型確定拠出年金のメリットとは?


国民年金や厚生年金では将来に不安のある方が、貯蓄の代わりに資産運用する事になるのですが、通常の銀行への貯蓄では利息をご存知の通り『ただ貯金しているだけ』になります。

しかし、個人型確定拠出年金を貯蓄として考えると、この後に詳しく書きますが控除等の恩恵が多く受けられます。

国民年金基金ですが、厚生年金基金同様に積立金の膨大な不足が発生しております。将来的に受取額の減少だけでなく破綻リスクも高いと推察されます。

では、通常の年金制度に個人型確定拠出年金をプラスして運用するメリットを項目ごとに説明したいと思います。

所得税、住民税に節税効果?

個人型確定拠出年金に支払った積立金は全額所得控除の対象となります。毎月最大で68000円まで掛金を増やす事が出来ます。また、所得が多い方ほど所得税率は高くなりますので、更に節税効果は増えます。

分かりやすく節税の例を課税額の違う2つのケースで出してみます。

①課税額2000万円の方なら所得税40%と住民税約10%も掛かりますが、個人型確定拠出年金に年間50万円支払いがあった場合は、25万円もの節税が出来ます。
②課税額400万円の方なら所得税20%と住民税約10%掛かります。個人型確定拠出年金に同じく年間50万円支払いがあった場合は、15万円の節税が出来ます。

この2つのケースを比較して分かるように、所得税率により節税効果は変わりますが、どんな方でも長い年月になる程、節税効果は多くなります。

資産運用して利益が出ても税金は0

個人型確定拠出年金加入は自分の為の資産運用ですが、通常の資産運用だと利益が出た場合には約20%もの税金が掛かってしまいます。しかし、個人型確定拠出年金は運用益が出たとしても全額非課税になります。

あくまでも年金として受け取る為の資産として国が認識しているからだと思います。この運用益が非課税になるメリットだけでも通常の資産運用をするよりも堅実と言えます。

利益を受け取る時にも税制優遇


個人型確定拠出年金の給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金控除」が受けられます。これだけ聞いても分かりにくいと思いますので、モデルケースや詳細を下記にまとめます。

※退職所得控除→企業などを退職する際に退職金を貰えるとします。その場合、退職金も課税対象となります。退職所得控除については((退職金+個人型確定拠出年金)-退職所得控除額)×2分の1が計算式になります。
退職所得控除は企業勤続年数と個人型確定拠出年金加入年数の長い方が20年以上と20年未満で計算式が変わります。

①20年以上→800万円+70万円×(どちらか長い年数-20年)=退職所得控除額
例.勤続年数30年で退職金+個人型確定拠出年金加入28年で2600万円だとします。
2600万円-1500万円(30年の退職所得控除)=1100万円×2分の1=550万円
550万円が課税対象額となります。

②20年未満→40万円×どちらか長い年数=退職所得控除額
例.勤続年数15年で退職金+個人型確定拠出年金加入18年で2600万円だとします。
2600万円-720万円(18年の退職所得控除)=1880万円×2分の1=940万円
940万円が課税対象額となります。
上記のようになり20年以上企業に勤めるか、個人型拠出年金を長く掛ける方が控除額は多くなります。

公的年金控除
年金として受け取る場合ですが、65歳未満で受け取るか65歳以上で受け取るかにより控除額が変わってきます。

①65歳未満:収入額70万円までは全額控除となり、70万円~130万円未満:70万円控除となります。
②65歳以上:収入額120万円までは全額控除となり、120万円~330万円未満:120万円控除となります。

受取開始年齢により控除額が変わりますので、慎重に受給開始年齢を考えて一番節税効果のある年齢を60歳までに計算しておくと安心です。

個人型確定拠出年金のデメリット・注意点

ここまで色々と説明をして、メリットが沢山ある事は理解頂けたかと思いますが、当然デメリットもあります。

・途中で休止などは出来ますが、原則60歳まで積立を引き出す事は出来ない
・資産運用を行う事により積立金が減るリスクがある
・口座管理、加入時などに手数料が掛かる

このようなデメリットが挙げられますが、節税効果を考慮すると通常の投資よりは遙かにお得ではあります。

年金とは言っても資産運用であることを忘れずに


年金制度とは言え、資産運用を自身で行うのである程度の知識は必要です。そこまで必死に勉強をしなくても良いですが色々と調べてから始める方が自身の為となります。

リターンですが、運用次第で得る事の出来る運用益です。これは値上がり、利息、配当金などで確定します。ハイリスク・ハイリターン(利益が大きい程、リスクも大きい)やローリスク・ローリターン(利益が小さい程、リスクも小さい)は通常の投資と全く同じです。

リスクは一般的に物価上昇・金利変動・株価下落・為替変動など他にも多数ありますが、リスクに挙げられる物は逆にリターンにも挙げられます。
リスクを回避したい方は、一ヶ所に積立をせずに多数の投資先へ分散させる事がおすすめです。新聞やニュース等からも情報は取り入れられますので長期的な目で運用しましょう。

おすすめの個人型確定拠出年金

基本的に【投資信託】【定期預金】【保険】の中から選び運用する事になります。
【投資信託】のメインは日本の株式で、元本は確保されませんがリターンは多いです。

【定期預金】【保険】は元本が確保されますが、ご存知の通り利息も全然付かないので通常の積立と何も変わらなくなってしまいます。
では【投資信託】での私のおすすめを3社ほどピックアップします。

野村證券
商品がかなり多く、長期運用するにはベストです。
楽天証券
商品数は少ないですが、手数料が安くて低コスト商品が多いです。
SBI証券
SBI証券は、商品数が多くて手数料が低く利用することができます。

個人型確定拠出年金とは。メリットデメリットやおすすめ個人型確定拠出年金のまとめ

最後に、年金に関しては真剣に向き合う機会があまりないかと思いますが、まずは将来の自分が生活していく上で毎月いくら必要なのか、このままだと毎月年金受給額はいくらになるのかを計算してみてはいかかでしょうか。

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みんかね編集部

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