住宅を購入する際に、購買価格を全額一括で支払う方は少ないでしょう。むしろ、住宅ローンを組むのが一般的と言えるでしょう。しかし、一言で「住宅ローン」と言っても、さまざまな商品が展開されていることから、どうしても難しく感じてしまいがちです。

そこで今回は、この住宅ローンについて説明することで、どのような視点で自分に合った住宅ローンを選べばよいのか、という手がかりを掴んでもらえればと思います。

家を購入したいけど資金がない!そんな時の住宅ローン


住宅ローンは、本人や家族が、住宅・それに付随する土地を購入、新築、増築、改築、既存住宅ローンの借り換えなどを行うために金融機関から受ける融資のことを言います。これに併せて、一般的に、購入する住宅や土地を担保に提供することもあります。

日本の住宅・土地は年収に対して高額となりますので、その必然として、住宅ローンを組むことによって、年収の数倍の金額を借り入れ、これを数十年にわたって返済し続けることになります。したがって、金利がわずかに違うだけで、最終的な支払い総額にはかなりの差が生まれてしまいます。

したがって、少しでも財布に優しい住宅ローンを組むために、情報を集めなければならないのです。

もっとも、単純に金利が安いものを選べばよいというわけではなく、それぞれの人の職業や年収、年齢などによって組むことができる住宅ローンも変わってきてしまいます。そこで、以下で具体的に注意しなければならないポイントについて概観していきます。

住宅ローンの金利について

有利な住宅ローンを組む上でかかせないポイントの一つに「金利」があります。各種金融機関では、金利の設定方法について様々な商品を展開していますが、ここでは大きく分類して、変動金利・固定金利・一定期間固定金利という区別を設けることで、簡単にそれぞれの長所短所をご説明します。

①住宅ローンには「変動金利」がある

変動金利とは、住宅ローンの返済中に、市場動向を反映した金利に都度設定され直すものを言います。契約時の金利に拘束され続けるわけではなく、基本的には、各種金融機関が、年に1回もしくは2回の見直しをすることで、市場動向に沿った金利が設けられることになります。もっとも、見直し時期、回数などについては商品によって異なります。

変動金利のメリット

変動金利制が採られることによって、市場動向を反映した利息を支払うことになります。

固定金利では、契約当初の金利に比べて市場金利がかなり下がったとしても、この下落が金利価格に反映されませんが、変動金利の場合には、この下落幅に対応した金利に見直されますので、固定金利ほどの損をすることはありません。

変動金利のデメリット

ただし、メリットの表裏一体として、契約時よりも市場金利が上昇したときにも、金利が見直される結果、支払い額が増えてしまうというデメリットも当然考えられます。一般的な金融機関であれば、原則として金利の上昇率に一定程度の上限を設けていることが多いですが、それでも負担が増えることには変わりません。

さらに、見直し時期のたびに金利が変動することから、毎月の支払い額が一定ではなくなり、返済計画を立てにくいというデメリットも挙げられます。

②住宅ローンには「当初金利固定」がある


住宅ローンを組む時の契約書で定められた金利がそのまま変動しない場合、その金利を固定金利と言います。

厳密には、借入全期間において金利が一律であるタイプのものと、11年目以降の金利が最初の10年のものよりも高くなる段階型のタイプに分けられますが、後者の段階型のものについても、契約段階に固定される金利が定められます。

固定金利のメリット

固定金利は市場金利の影響を受けないので、契約後に市場金利が上昇することになったとしても、固定された金利だけを支払えばよいということになります。したがって、この状況では「割安」の金利を支払うことで足りるというメリットが挙げられます。

また、毎月の支払い額が一定になることから、返済計画を立てやすいというメリットも挙げられるでしょう。

固定金利のデメリット

金利が見直されない結果、市場金利がかなり下落したときには、市場金利に比べてかなり割高の金利を支払わなければならないことになります。つまり、固定金利の場合には、契約した時の市場動向に以後拘束され続けることになるので、住宅ローンを組むときに市場調査をするなど、慎重な姿勢が求められることになります。

さらに、契約者から捉えたとき、市場金利が上昇することは相対的な意味でメリットになるのは上で述べた通りですが、これを金融機関側から捉えると、相対的に低額な金利だけしか当該契約者から受け取ることができないということになります。このデメリットを踏まえて、固定金利制では、変動金利よりも高めに金利が設定されるのが一般的です。

③住宅ローンには「一定期間固定金利」がある

借入れをする際に、借入れ当初からの一定期間については金利が固定される場合を、一定期間固定金利と言います。2年、3年、5年、10年、15年などの間から、任意で金利が固定される期間を選択できることから、固定金利選択型という言い方がされることもあります。

一定期間固定金利のメリット

一定期間固定金利を商品の内容としている場合には、そこで約定された「一定期間」が短いほど低い金利が設定されているというメリットがあります。

さらに、この「一定期間」が終了した後に、再びどのような金利体系にするかを選択することがでます(変動金利型とすることも、再び一定期間固定金利とすることもできます)。固定金利の場合と違って、再び選択する時点の元金残額や市場動向を前提に金利が計算されることになります。

一定期間固定金利のデメリット

住宅ローンを契約する際に、「一定期間」終了後についての約定は一切なされないことから、期間終了後の状況如何では、金利が大幅に上昇する可能性もありますし、その結果、返済額がかなり膨らむことにもなりかねません。

借りられる住宅ローンの限度額とは?


住宅ローンを組むときに、まずはいくらまでの融資までなら受けることができるのかが気になるのではないでしょうか。

この融資額によっては、購入することができる住宅の選択肢もかわってくることになるでしょう。その目安については以下で検討しますが、まずは人によって限度額が異なるということだけは指摘しておきます。年齢や年収、そして返済期間に応じて、融資可能額はかなり変動することになります。

年収によって住宅ローンの限度額は変わる!

特に、融資の際になされる重要なポイントは契約者の年収です。金融機関としては、融資が焦げ付く事態を一番憂慮しますので、焦げ付かない融資額を決定する際には、契約者の年収が目安とされざるをえません。

貴方はいくらまで住宅ローンが組める?おおよその計算方法

あくまでも一般的なイメージですが、おおよその金融機関では、税込み年収に占める住宅ローンの年間総返済額が25%となるように、融資額が設定されます。この割合のことを「返済負担率」と言いますが、年収などの諸条件に応じて、25%から35%の範囲とされるのが一般的です。

住宅ローン年間返済額+年収/100で借入可能額が見えてくる!

つまり、6で述べたように返済負担率を目安にすることで、融資可能額の目安をつけることができることになります。そこで、返済負担率を25%と低く見積もる前提で、具体的な年収に応じておおよその融資額について検討してみましょう。

①年収300万円の人の場合

300万円×0.25(返済負担率)=75万円
年収が300万円の人であれば、年単位で75万円の融資を受けることができることになります。

②年収400万円の人の場合

400万円×0.25=100万円
年収が400万円の人であれば、年単位で100万円の融資を受けることができることになります。

③年収500万円の人の場合

500万円×0.25=125万円
年収が500万円の人であれば、年単位で125万円の融資を受けることができることになります。

①②③で算定される金額を12で割れば、毎月の返済額を導くことができますし、また、返済期間をかけることによって、融資総額のイメージを掴むことができます。なお、先に簡単にご説明しましたが、年収や職種によっては、返済負担率が35%まで認められる場合もありますので、その場合には、融資可能額がさらに増えることになります。

詳しくは、実際に検討する金融機関に問い合わせるとよいでしょう。

住宅ローンには多額な諸費用が!借りる前に知っておこう


元本額以外に大切なこととして、上で金利についてご説明しましたが、この金利以外にも注意すべきポイントがいくつかあります。

住宅ローンを組む際には、金融機関によって元本・金利以外にもさまざまな費用が発生する場合がありますので、これらの諸費用についてもしっかりと把握をしておく必要があります。以下で具体的に検討していきます。

住宅ローンにかかる事務手数料

住宅ローンを組むさいに、事務手数料を請求されるのが一般的です。金融機関も仕事として住宅ローンを扱っていますので事務手数料が発生するのは仕方のないことですが、その内容については注意が必要です

事務手数料については、契約時に一定額(3~5万円程度)を一括で支払うタイプのものと、融資額に対する割合(1~2%)で算定されるタイプのものの2種類があります。後者の場合、仮に融資額が1,000万円だとしても、事務手数料で10万~20万円程度の金額を支払わなければなりません。

事務手数料についての条項は見落としがちですが、後者のような融資額を基準に算定される形式であれば思いのほか高額の手数料が発生することになります。

住宅ローンにかかる保証料

住宅ローンの契約をする際に、保証会社に保証を依頼しなければならない場合に支払うものを保証料と言います。

これに対応して、保証事務手数料が発生することになります。もっとも、金融機関によっては、金利の中に保証料が含まれている場合もありますが、この保証料が別途必要となる場合もあります。

住宅ローンにかかる団体信用生命保険特約料

住宅ローンの契約者が、ローンの返済中に死亡したり、高度障害状態に陥った場合に、ローンの残高を保険金で相殺するための生命保険のことを団体信用生命保険特約料と言います。

一般的な住宅ローンの場合であれば、この保険特約料は金利に含む扱いがされることになりますので契約者が負担する必要はないのですが、フラット35などの場合には、この保険に加入するかどうかは任意の扱いとされるので、契約者が自ら負担して支払わなければなりません。

住宅ローンかかるその他の諸費用

上述べた事項以外にも、諸費用が必要となります。
例えば、住宅ローンを組むということは、金融機関との間で金銭消費貸借契約を締結するということになりますが、この際には印紙税が必要となります。借入額によって異なりますが、おおよそ2万円程度が必要です。

また、通常の住宅ローンであれば、自宅・土地を担保に提供することになりますが、この際には抵当権の設定登記をうつ必要があります。ここで、登録免許税、司法書士への報酬、印紙代が別途必要になります。

さらに、火災保険料、地震保険料などに加入する場合には、この保険料も支払わなければなりません。

住宅ローンの返済方法は?

住宅ローンの返済方法として、元利均等返済と元金均等返済の二種類が挙げられます。また、付随的な返済方法として、繰上げ返済が認められている場合もあります。以下でそれぞれについてご説明します。

元利均等返済

元利均等返済とは、毎月の返済額の内訳について注目したときに、元金の返済額と利息額の「合計額」を一定額とする返済方法のことを言います。毎月の返済額が一定であることから、返済当初はその内訳において、利息額の占める割合が高くなり、返済が進むにつれて、元本の占める割合が増えていくことになります。

返済額が一定であることから返済計画を立てやすいメリットが挙げられますが、返済当初は元本に充当される金額が少ないことから、なかなか元本が減らないというデメリットがあります。

元金均等返済

元金均等返済とは、毎月の元金返済額を一定額に定め、これに都度算定される利息額を上乗せした金額を毎月返済するという返済方法のことを言います。元金が着実に減っていく点に特徴があります。

返済当初から元金がどんどん減っていくことから、元利均等返済に比べて利息に支払う総額が減るのがメリットですが、返済当初の支払い額が高額になるという意味で負担が大きいというデメリットが挙げられます。

繰上げ返済

毎月の返済とは別に、例外的に借入金額の元本部分に対する返済を行うことを繰上げ返済と言います。期間短縮を目指すものと、返済総額の減額を目指すものに分類されますが、多くの場合で手数料が発生します。

そもそも繰上げ返済を認めていない金融機関がありますので注意が必要です。

住宅ローンの審査基準って?


個人差はありますが、おおよそ、年収、返済比率、勤務先、勤続年数、職業、年齢、完済時年齢、カードローンなどの借入れ状況、金融機関の利用実績、健康状態、金融事故履歴などを総合的に考慮して審査がなされることが一般的でしょう。

住宅ローンとは。金利や限度額、審査基準、諸費用など住宅ローンについてのまとめ

いかがでしたか。

住宅を購入する際には、どのような物件を選ぶかという点も大切なことですが、どのような支払方法を選択するかという点も同じく大切なことです。今後数十年関わってくることになるのが住宅ローンですから、無理なく、納得した形で、住宅ローンを組むための視点として頂ければ幸いに思います。

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みんかね編集部

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