かってバブルが崩壊した当時、上場企業はほとんどが持ち合い株という有価証券や不動産などを保有しており、その株価が大きく下落していたために大きな含み損を持っており、その含み損の処理をどのようにするかが問われていました。

その含み損などを吐き出したことにより、株価はさらに大きく下落し、特に金融機関は21世紀に入り、金融再編とともに不良債権とともに含み損も吐き出したため、日経平均は7000円を切ることになりました。

しかし、それにより、企業や金融機関が抱える不良債権や含み損は評価損や売却により処理され、身軽になったことにより、株価は一時の最悪の状況からは脱しています。

そこで、その処理された含み損について説明をしたいと思います。

含み損とは?


含み損は、企業などが所有する外貨資産、有価証券(主に対象は株式)、不動産などの帳簿簿価が相場の下がったことにより、時価が簿価よりも金額価値が目減りした状態になり、その差額を含み損と言います。

バブル期以前の我が国は株価、不動産などはほぼ右肩上がりであり、当時の会計処理基準では、購入時の価格を簿価として、それが上がっても下がっても評価益、評価損は計上する必要がなかったために、特に問題視されていませんでした。

しかし、バブルが崩壊した以降、株価も不動産価格も必ずしも右肩上がりにならないことが認識され、含み損が意識され、戻る可能性のなくなった資産についてはその処理を会計基準上でも求められることになったのです。

含み損を抱えたら「損切り」の覚悟を持とう!

我が国の株価も不動産もバブル崩壊後は、バブル時までの価格に戻ることはなく、下がった状態で上がり下がりを繰り返しています。このような時代においては、株価も不動産も大きく値下がりして、もはや回復の見込みがなくなった場合、当然含み損を評価損としての計上が求められます。

従って、もし投資に失敗して含み損を抱えてしまった場合には、損切りする覚悟が必要になります。損切りしなくても、含み損は計上せざるを得なくなりますので、それまでに多少でも高く売却して損切りする覚悟が必要になります。

含み損で失敗してしまう具体例について

含み損で失敗するケースにはどのようなものがあるのでしょう。有価証券などは今でも投資として所有をされている会社も多いようです。

そのような場合の失敗例について、具体的に見てみましょう。

含み損で失敗してしまうケース①「待っていれば上昇するかも!」と思い込んでしまう


人間の期待感というのは恐ろしいもので、なかなか株価などは下がってもまだ待っていれば戻ると思ってしまい、大きく下がってもそのまま持ち続けてしまうことが多いものです。多少戻しても、購入価格まで戻すまでは我慢しようとなり、結局売れずにさらに下がるという事態を招いてしまいます。

しかし、半値を切ってしまいますと、会計基準では客観的に戻らないと判断されてしまいますので、含み損を評価損として計上することを求められてしまいます。そうなりますと、決算で事業そのものには利益が出ているのに、最終損益では赤字となってしまい、会社としての評価を下げてしまうことになってしまいます。

それによって銀行などからの評価が下がり、追加の借入が難しくなると言う事態にもなってしまうのです。一定限度下がったら損切りで売却するという社内の規定を作って、そのような事態に陥らないようにしておく必要があるでしょう。

含み損で失敗してしまうケース②「損切りしない限り、実際に損はしない」と思っている

個人の場合は、含み損の計上を求められませんから、損切りしない限り、実際には損はしないとタカをくくれますが、会社の場合には、評価損という損が発生します。そうなりますと、銀行の評価が下がり、せっかくの事業の拡大機会があっても資金を調達することができない場合が出てしまいます。

また、損切りしても売っていれば、売却した資金を別の運用に使うことが出来、損を取り戻すチャンスがありますが、持ち続けることにより、再投資の機会も失われ、新しい事業機会も捕まえることが出来なくなってしまいます。損切りしなくても、実際に機会損失を被ることになりますので、実際に損はしないと言い切れないのです。

含み損とは反対に「含み益」がある!


含み益というのは、株式などの有価証券や不動産が購入した価格よりも上がっている状態で、簿価と時価との差額を言います。

基本的に含み益は、含み損とは違って、会計制度上は為替差益以外は計上されませんが、簿外の含み益として、投資家や銀行には評価されます。

そのために、財務体質を実際の決算の貸借対照表よりも高く評価されますので、銀行などからの借入金はし易くなります。但し、有価証券などは基本的に相場物であり、いつまでも含み益がそのまま残っているわけではありません。
下がって、結局は含み損に転換する可能性もあります。

取引先との持ち合いなどの場合は別ですが、有価証券については、決算状況も睨みながら、売却基準を決めて利益を確定させることが必要です。

含み損を抱えたら損切りを!含み損の意味や基本知識 まとめ


バブル崩壊以降、株価や不動産はそれまでの右肩上がり伝説が崩壊し、大きく下落したことにより、それまで計上されていなかった含み損が回復の目処がない場合、会計上も評価損として計上されるようになりました。

そのために、過去のように持っていれば、いつかは上がって利益が出ると言うものではなくなり、評価損が計上されるため、下がったまま所有していることについては、金融機関からの信用面、資金運用機会の損失など企業運営に支障が出ることになっています。

有価証券などは、社内的に売却の基準を明確にして、含み損が大きくなる前に損切りでも売却する体制をしっかり作るとともに、含み益が生じた場合も利益確定基準を決めておく必要があります。

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