個人再生とは、財産を手放すことなく債務整理の手続きが行え、債務が5分の1に減額されることをいいますが、住宅ローンはどうなるのでしょうか。

個人再生手続きには住宅資金特別条項(住宅ローン特則)が適用できる


個人再生の手続きでは、条件を満たせば住宅資金特別条項を適用することが出来ます。

住宅資金特別条項とは、住宅ローン特則とも言います。正しくは、「住宅資金貸付債権に関する特則」というもので、民事再生法196条に定められています。

この規定では、住宅ローンの債権については、今までどおり支払いを行うことによって、マイホーム等は手放さずに、個人再生によってその他の借金だけを分割や減額を行うことができることが定められています。

個人再生手続きで住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を適用させるための条件について


では、ここで住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を適用させる条件について紹介します。

①個人再生本体の条件を満たしていること

まず根本的な話として、個人再生本体の条件を満たす必要があります。小規模個人再生手続の場合は、借金(住宅ローン除く)が5000万円以下であることと、継続的な収入の見込みがあること。給与所得者再生手続では、前述の条件に加えて収入が給料で、安定していることが条件となります。

②対象債権が「住宅資金貸付債権」に該当すること

次に、対象債権が住宅資金貸付債権に該当している必要があります。

住宅資金貸付債権とは、住宅の建設や購入に必要な資金、またはリフォームなどに必要な資金の貸付における分割払の定めのある再生債権であって、債権または債権における債務の保証人の債務者に対する求償権を担保するための抵当権が住宅に設定されているものをいいます。

③利害関係人による弁済が行われていないこと

保証人など、債務者の利害関係のある人が代わりに弁済をしたことがある場合、適用の対象外となります。

④担保に抵当権以外のものがないこと


対象の住宅に、住宅ローン以外の借入の担保として抵当権が設定されているなどの場合、適用できなくなります。

⑤共同抵当権が設定されていないこと

1つの担保に、複数の不動産に当権を設定する共同抵当が設定されている場合、適用ができなくなります。

個人再生後の住宅ローンについて

では、個人再生を行ったあとの住宅ローンはどうなるのでしょうか。個人再生後はそのまま残ります。場合によっては、少し返済の調整を行う場合もありますが、基本的には住宅ローン以外の借金について、減額や分割が行われます。

個人再生後は住宅ローンの審査が通れないのか。

個人再生を行うと、信用情報として5年から10年事故情報として残ります。俗にいうブラックリストです。もちろんその期間は住宅ローンの審査はかなり厳しいですが、ある程度時間が経てば可能性が出てきます。

個人再生後に住宅ローン審査を通過するためにはどうすればいいのか。


では、期間経過後住宅ローンの審査を通過するにはどのような方法があるのか紹介していきます。

①個人信用情報機関の開示を行い自分の信用状況を確認する

個人の信用情報は、信用情報機関へ開示請求をすることが出来ます。

信用情報機関は、株式会社日本信用情報機関(JICC)、株式会社シー・アイ・シー、KSCの3つがあり、それぞれの会社で開示請求を行うことが出来ます。

②住宅購入に関わる資金を多く貯蓄しておく

審査において個人の預金も影響を与えます。また、住宅ローンの資金を多めに貯蓄しておくことで、借入の金額を抑えることが出来るので、審査に通る可能性も高くなります。

③信用実績を積んでおく

信用情報から過去の履歴が消えると、一旦リセットされ、信用情報はまっさらになりますが、なにもないと逆に審査をする上で不審に思われてしまうことがあります。そのために、実績を積んでおくのが良いです。

1番分かりやすいのがクレジットカードで、カードを利用しそれをきちんと支払うだけでも実績は積まれていくので、信用実績を積んでおくことが大切になります。

④個人再生を行った金融機関とは違う場所で審査を行う

金融機関では、信用情報とは別に顧客情報として過去の個人再生などの履歴が残っている場合があります。それが消えることは考えにくいので、個人再生を行った金融機関とは違う場所で審査を行うのが良いでしょう。

⑤【※可能性は低い】3回に渡る引っ越しを行う


これは、可能性が低いですが、引っ越しを3回以上行うと信用情報が追い付かず、消えてしますという話があります。

しかし、はっきりとした根拠もありませんし、引っ越しをする資金を貯蓄に回した方が賢明だと思います。

個人再生に関わらず!住宅ローンの審査の流れとは?

ここまで審査に通りやすくなる方法について紹介しましたが、そもそも住宅ローンの審査はどのように行われるのでしょうか。

個人再生に関わらず!住宅ローンの審査の流れ①「事前審査」

まず事前審査が行われます。詳細について見ていきましょう。

事前審査で見られるポイントについて

事前審査では、年収は勤務先、借入額や返済能力など、基本的な情報で借入が出来そうか短期間で審査を行います。

審査において、申込人の年収や資産に対して、借り入れの額が大きくないかなど、申込人の返済能力を中心に見られます。

事前審査にかかる時間について

事前審査では、1日から1週間程度で審査結果が届き、承認であれば本申込への手続きへ移ります。

個人再生に関わらず!住宅ローンの審査の流れ②「本審査」

事前審査で承認になった場合、続いて本審査を行います。詳細について見ていきましょう。

本審査でみられるポイントについて

本審査では、事前審査よりも詳しく審査が行われます。

対象物件の詳細や、担保価値、住宅ローンでは団体信用生命保険へ加入することになるので、申込人の健康状態まで見られます。事前審査で承認となった場合も本審査で否承認になる場合もあります。

本審査にかかる時間について

審査期間は一般的には1-2週間かかります。

個人再生の住宅資金特別条項の適用条件や個人再生後の住宅ローン審査についてのまとめ


個人再生において自分の家を手放さず債務の整理を行うことができる、住宅ローン特別条項について紹介しました。せっかく手にしたマイホームを維持したまま債務の整理をすることが出来るので、ぜひ活用したい制度です。

また、信用情報も時間が経てばまた1から信用実績を積むことが出来るので、ブラックリストに登録されても審査に通る可能性は多いにあると思います。

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