「ロボットアドバイザー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ロボットアドバイザーとは、サービスに登録して投資を行う人の「嗜好」を入力すると、投資家に最適な「投資方法」をAI(人工知能)が分析し、適した種類の投資信託を投資家に提示するサービスです。

インターネットスキルの高い若年の投資家を中心に現在、利用者が拡大しています。主なロボットアドバイザーのサービスは投資商品として、ETF(上場投資信託)を提供しています。

ETFは日経平均株価に準じた商品などがあり、投資初心者が不安を持つ「大きなリスク」の可能性が(ほかの投資方法に比べ)低い商品です。これから投資を始める!という人に適しています。

では、ロボットアドバイザーという言葉を聞くようになる前は、投資家はどのような方法で投資をしていたのでしょうか。

ロボットアドバイザーはそれまでの投資に「AI」を導入


投資は、ベンチャー企業の経営者が行う投資と、貯蓄に少し余裕のある会社員が行う「投資」があります。漢字としては同じ言葉ですが、この意味合いは大きく異なります。

前者は億を超えるお金を、若手で有望な経営者などに投資すること。一方で後者は元本のお金をかけて110%や120%に増やそうとすること。両者は期待できるリターンもリスクもまったく異なりますが、投資先の決定においては「投資対象は伸びそうか」という点で共通です。

ロボットアドバイザーの登場前は、投資家は自身で判断して投資先を決めていました。数年後にオリンピックが開催されるから道路や鉄道、電力やガスといったインフラ株だ、携帯電話が登場したときは、これは絶対に1人1台持つようになるから携帯キャリア会社の株だと予測して購入に動いていました。

ただ、それはとても難しい予測です。その難しさが、投資に対する「敷居の高さ」に繋がっていきました。

「ラップ口座」の登場

そこで証券会社は、「ラップ口座」という商品の提供を開始しました。ラップ口座は投資家のお金を証券会社の営業マンに「丸投げ」し、投資先を決めて貰うというものです。

営業マンは証券の世界で生きている「プロ」なので、少なくとも素人の投資家が判断するよりは「利益を出す可能性が高くなる」ことは間違いありません。ラップ口座が提供されると、「何に投資すればわからないけど投資自体に興味はある」というニーズを着実に掴み、一躍メジャーの投資方法になりました。

ただ、ラップ口座は大きなデメリットがあります。それは、証券会社に丸投げをするという特色からくる「手数料の高さ」です。少し利益を出しても、その利益を受け取るのは証券会社となることに、ラップ口座を敬遠する投資家も多い、という状態が続きました。そこで現れたものが、ロボットアドバイザーです。

そのため、ロボットアドバイザーはラップ口座の自動化ともいわれます。ラップ口座はETFに投資する場合が多いのも理由のひとつです。

ロボットアドバイザーの魅力のひとつは「手数料の低さ」


投資には自信はないけれど、かといってラップ口座は手数料が高いので始めるのは抵抗感がある。その一方で、資産をどうにかして増やしたい。これら背反する3つの希望を叶える投資のサービスがロボットアドバイザーでした。

ロボットアドバイザーの魅力のひとつは「手数料の低さ」です。ラップ口座と同じ品質のサービスを受けられる一方で、ラップ口座ほど手数料がとられない。これまで、「いつか投資を始めたいけど自信がない」という投資家のニーズを上手に「拾った」といえるでしょう。

ロボットアドバイザーのAIの品質(難しい言葉を使うと、これをアルゴリズムといいます)は、日々進歩しています。当初ロボットアドバイザーのサービスはスタートアップと呼ばれる短期間で成長したベンチャー企業が提供していましたが、最近はメガバンクなど銀行、金融機関もロボットアドバイザーの提供を開始しています。

今後は更に投資を推奨する世の中に


世の中は年金不安が叫ばれています。現在65歳から受け取りを開始できている公的年金も、10年後にはどうなっているのは年金も納めているも不安、という人も多いでしょう。その時に「投資」というのは将来不安を解決する方法のひとつ。

実際に現在、老後資金を貯める方法として専門家からお勧めされていた確定拠出年金が、それまで加入対象外だった会社員や無職の人も対象として拡大し、大きな注目を受けています。この年金のポイントは、加入者が自身で投資先を決めるところにあります。

最近は「iDeCo」というキャッチ―な愛称もつき、今後は更に加入者を増やしていくでしょう。

ロボットアドバイザーは投資をめぐる環境が大きく変わったタイミングで登場した新時代の投資方法。今後も更に注目されていくことでしょう。「ロボットアドバイザーという言葉は聞いたことがあるけど、詳しいことはわからない」という方は、まずは気軽に一度サービスを試すところから始めることをお勧めします。

みんなのお金ドットコム(みんかね)とは

みんなのお金ドットコムでは、「お金のコトを身近に」をミッションに節税や保険、投資、ローン、クレジットカード、節約などお金に関する情報を正しくわかりやすく専門家や編集部から配信しています。
みんかねを通して、家計や資産形成などをはじめとするお金に関する事を能動的に考えて対処していくきっかけを作る事を目指しています。

また、みんかねでは下記の記事のようにロボアドバイザーのサービスを具体的に比較した記事を公開しています。興味のある方は合わせてご覧ください。

日本のロボアド比較!AI(人工知能)活用したおすすめロボアドバイザーで投資信託・資産運用の時代へ

著者情報

工藤崇

工藤崇

FP-MYS代表取締役社長兼CEO。
ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。Fintechベンチャー集積拠点FINOLAB(フィノラボ)入居。執筆実績多数。