今回の記事では、相続税対策・節税をするための10個の方法をカンタンに解説させて頂きます。
生命保険を活用した相続税対策や生前贈与、不動産を活用した活用した相続税対策、その他にも養子縁組や仏壇、海外移住などといった少し変わった相続税対策などにも触れています。
また、相続税を払いすぎてしまった時のために相続税還付についてや相続争いなどについてもカンタンに書いたので、是非ご覧ください。

相続税とは

相続税とは、亡くなった方の遺産に課せられる税金です。
亡くなってから10か月以内に申告と納税をしなければいけません。

相続税改正で何が変わったのか

相続税は基礎控除という金額を超える財産をもっている人にだけかかる税金です。
この基礎控除の金額が平成27年1月1日に40%も減少しました。
その結果、相続税が課税される人が2倍に増えました。

一般的な法定相続人の範囲

遺産は相続人という立場のある人だけが相続できます。
誰が相続人になるかというと、原則は配偶者と子供、子供がいなければ配偶者と両親、子供も両親もいなければ、配偶者と兄弟姉妹となります。

相続税対策①:生命保険の活用


生命保険として受け取る金額は、500万×相続人の人数まで非課税です。
生命保険は相続人ではない方を受取人に指定できますが、相続人以外が受け取る場合には、非課税にはなりませんので注意です。

相続税対策②: 生前贈与の活用

生前贈与とは人に何かを無料であげる行為です。

110万までの贈与は非課税

1年間あたり110万を超える金額を贈与で受け取った場合には、その超えた部分に贈与税がかかります。
逆をいえば、110万までは非課税で渡すことができます。
この110万の判定はあくまでもらった金額で計算します。
例えば父母からそれぞれ110万をもらえば220万もらったことになりますので、贈与税がかかってしまいます。
一方で長男、次男にそれぞれ110万を贈与する場合には、二人とも110万以内なので、贈与税はかかりません。

教育資金贈与

教育資金として使うお金であれば、1,500万円まで贈与しても非課税にできる特例があります。
この特例を使うためには、銀行にそれ専用の口座を開設し、もらった人が30歳までに教育資金として使った実態が必要です。
なお、この特例を使わなくても必要な都度渡す贈与資金は非課税です。

夫婦の間で居住用不動産を贈与した時の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、自宅の不動産や不動産を買うための資金を2,000万まで無税で贈与できる特例です。
一見お得そうな特例に見えますが、結果として損する可能性が高いのです。

相続時精算課税制度

60歳以上の人が、子供か孫に対して贈与するときにだけ使える特例です。
贈与をするときは2,500万まで非課税で、2,500万を超える部分には一律20%の贈与税がかかります。
一見良い特例に見えますが、この特例で渡した財産は、贈与した人が亡くなった時の相続財産に足し戻して相続税を計算しなければいけません。

例えば、元々1億円の財産をもっている人が、この特例を使い2,500万を贈与していたとします。
その人が亡くなったとき、手元にあるお金は7,500万です。
しかし、相続税の計算は手元の7,500万+2,500万つまり1億円に相続税がかかります。

またこの特例を選択すると、二度と110万の非課税を使うことができなくなります。
税金を少なくしたい人はこの特例を使うと逆効果になる可能性が極めて高いと言えます。

住宅取得等資金の贈与税の非課税

子供か孫が住宅を購入するための資金援助であれば、700万円(省エネ等住宅の場合には1,200万)まで非課税になる制度です。
注意点としては、非課税の金額以内の贈与でも必ず申告しなければいけない点です。
期限内申告が条件なので、遅れると大変なことになります。

相続税対策③:不動産の活用


不動産を購入すると相続税対策になるとよく言われますが、このカラクリは、相続税を計算する上での不動産の評価額にあります。
ざっくりいうと、不動産の評価額は甘めにつけられているのです。

例えば1億円で売却できる土地であれば、評価額は8,000万前後になり、1億円で売却できる建物であれば、7,000万前後の評価額となります。
さらに不動産を賃貸した場合には、その評価額はさらに低くなります。
この本当の市場価格と評価額の差額を利用して相続税を節税するというやり方です。

ただ、私は節税ありきで不動産を買うのはお勧めしません。
なぜなら、不動産を購入して本当に損する場合もあるからです。
大きな買い物なので、慎重に見極めることが大切です。

小規模宅地等の特例

亡くなった方が自宅として使用していた土地は、配偶者か同居している親族が相続すると8割引きになります。
8割になるのではなく、8割引きです。
都市部にお住いの方であれば、この特例が使えるか否かで支払う相続税が何千万と変わります。

その他の相続税対策

養子縁組

養子縁組によって相続人の人数が増えると、相続税は大きく減少します。
ただし、節税目的の養子と税務署から認定された場合には、養子は相続人の人数にカウントできなくなります。
また、養子縁組をすると逆に、相続人の人数が減る場合もありますので、注意が必要です。

お墓や仏壇を買う事

お墓や仏具には相続税は課税されません。
そのことから、お墓などは生前中に購入した方が相続税は少なくなります。
近年、この解釈を乱用し、金の仏像を何千万円で販売する業者がいるそうです。
ただ、仏具などは「日常礼拝に供しているもの」であれば非課税になるので、金庫の中にしまっているようなものは相続税の対象になります。

海外移住

海外移住による相続税対策は、税制改正によって現実的ではなくなりました。今の税制はシンプルなので、次のように覚えていただくといいです。
亡くなった人、もしくは、財産を受け取る人のどちらかが日本に住んでいる場合には、全世界の財産に日本の相続税が課税されます。
つまり家族全員でシンガポールなどの国に引っ越して、全ての資産を日本から持ち出さない限りは、日本の相続税から逃げられないということです。

相続税還付とは


相続税に不慣れな税理士が相続税の申告書を作ると、必要以上に相続税を納めてしまうことが多々あります。
相続が発生してから5年10か月以内に、正しい申告書を提出しなおすと、多く納めた分の相続税が返ってきます。
ただ、還付した税理士に報酬として返ってきた税金の半分近くを払わなければいけないので、最初から相続税に強い税理士に依頼するのが得策です。

【番外編】相続争いの原因やもめない相続をするコツ

私の経験則ですが、最も揉めやすいのは、生前中の介護を相続人の一人がしていた場合です。
他には、会社の経営者であれば、株式を一人に相続させると他の相続人とのバランスがまったく取れなくなってしまうケースなどです。
揉めないためには、生前中のコミュニケーションをしっかりととることが重要です。

相続専門税理士が教える相続税対策・節税をするための10コの方法のまとめ

相続税対策について本当にざっくりとまとめました。
相続対策は処方薬のようなものです。一つの対策には効果と副作用が存在します。
まずは健康診断をしっかりとしたうえで、必要な処方箋を服用しないと、結果として問題を悪化させてしまうことも多々あります。
是非、相続専門の税理士にご相談のうえ、ご自身にあった相続対策をしていただければと思います。

(著者:表参道相続専門税理士事務所 代表税理士 橘慶太

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著者情報

表参道相続専門税理士事務所 橘慶太

表参道相続専門税理士事務所 橘慶太

表参道相続専門税理士事務所 代表税理士
通算申告件数150件、年間130回のセミナー講師、延べ3000人以上の相談実績があり、業界初となる税務調査で追徴課税となった場合や相続税の過払金を出した場合、税理士報酬全額返金という品質保証付き相続税申告を行っている相続専門税理士です。