2017年03月15日

確定申告とは何か。該当者の条件や手続きの流れまで簡単に一から解説します

目次

毎年2月ころになると、確定申告がテレビや新聞などでも話題になります。
自分には関係ないのかなと思いつつも、気になっている方も多いでしょう。
特にここ数年、ふるさと納税や保険や医療費に関する税制の改正、さらには副業などの新しい働き方の浸透もあって、さらに確定申告の話題が増えています。

確定申告とはどういうものか、簡単にできるのか、自分に関係あるのか、所得税や年末調整とどのように関わるのか、気になることは多いけれど、何から調べたら良いかわからない。
今回は、そのような方のために確定申告についてご説明します。

確定申告とは


確定申告とは、前の年の1月1日から12月31日までの1年間の収入や支出について計算して、税金がかかる部分の金額を「確定」して、2月16日から3月15日の間に税務署に「申告」することです。
これは、実質的にいくらの所得があったのかを計算することです。

所得とは、収入のうち税金がかかる部分のことです。
サラリーマンであれば給料、個人事業主であれば売上など、それぞれ収入がありますが、それらすべてに税金がかかるわけではありません。
収入を得るために必要だった支出を差し引いたりして所得を確定し、それをもとに正しい税金を支払うための申告をするのが、確定申告です。

確定申告が必要な人とは

確定申告が必要になるのは、給与所得があった人、公的年金等に係る雑所得があった人、退職所得があった人などです。
また、個人事業をしていて収入があった人は、基本的にすべて自分で確定申告をすることになります。

つまり確定申告とは、基本的には収入があった人すべてが必要となる手続きと考えて良いものです。
しかし、実際には確定申告をしていない人もたくさんいます。それはなぜなのでしょう。

①給与所得がある人

確定申告が必要な人の条件に、給与所得がある人、という項目があります。
ということは、会社員はすべて確定申告をしなければならないのでしょうか。

本来はそうなのですが、会社から給与をもらっているほとんどの人は、会社が確定申告や税金を納める手続きまでしてくれています。
そのため、自分では確定申告をする必要はありません。
ただ、給与所得がある人の中で、以下条件に当てはまる人は確定申告が必要です。

該当条件①国税庁で定められた計算式で残高が出る人

以下の計算をした結果に残高がある人は、確定申告をする必要があります。
(1)各所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む)ー所得控除=課税される所得金額
(2)課税される所得金額×税率=所得税額
(3)所得税額ー(配当控除額と年末調整の際に控除を受けた(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額)=残高

この計算式で残高がでるときには、このままでは請求される納税額にズレが生じているということになります。それを正すために、確定申告が必要となります。配当や特別控除など、あまり多くの人には関わりのない要素がありますので、例外的なものとなっています。

該当条件②1~6の条件に当てはまる人


その他に確定申告が必要となるのは、これらの条件に当てはまる人です。

(1)給与の収入金額が2,000万円を超える
(2)給与を1か所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える
(3)給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える
(4)同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた
(5)給与について、災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた
(6)在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税を源泉徴収されないこととなっている

会社が確定申告をしてくれるのは、会社からの給与や退職金など、会社が把握できている収入についてです。ほとんどの人は、それ以外の収入がほとんどありませんので、会社がおこなってくれる確定申告だけで問題ありません。それ以外の人、国税庁で定められた計算式で残高が出る人は、いわば例外となりますので、自分での確定申告が必要になるのです。

②公的年金等に係る雑所得のみの人

給与所得がない人でも、確定申告が必要な場合があります。収入が、公的年金等に係る雑所得のみの人には、これに当てはまる人がいます。具体的には、
「公的年金等に係る雑所得の金額ー所得控除で残高がある人」が該当します。

公的年金などは収入ですが、そのすべてが税金を支払う対象である所得にはなりません。
所得控除という一定額までは、所得から省かれるのです。
所得控除を超えた部分にだけ税金がかかりますので、上記の計算式に該当する人だけ、確定申告が必要となります。

③退職所得がある人

退職所得とは、いわゆる退職金です。
ただし、一般的な会社からの退職金については、「退職所得の受給に関する申告書」というものを提出していたり、すでに源泉徴収がなされていたりします。
それらについては、退職所得があっても、確定申告は必要ありません。

ここで問題となるのは、国が把握していない退職所得についてです。
例えば、外国の企業から受け取った退職金などで、これは源泉徴収や申告がされていない場合があります。
このような、税金を計算するときに国が把握できていない収入がある場合には、確定申告をしなければなりません。

④その他の人

ここまでの条件に当てはまらないものの、確定申告をする必要がある人に、以下の計算式に当てはまるときがあります。
(1)各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む)ー所得控除=所得金額
(2)課税される所得金額×税率=所得税額
(3)所得税額ー配当控除額を差し引いた時に残高がある
これは、投資などをしている人が配当金を受け取った場合に起こりえます。その配当金の一定の金額までには、税金がかかりませんが、上の計算式の結果にズレがある場合には、配当控除を正しく計算し直す必要がありますので、確定申告が必要です。

確定申告の手続きが不要な人とは

確定申告が必要ない人とは、ここまでに説明した、確定申告が必要な条件に当てはまらない人ですが、大まかに言って以下のようになります。

①会社員(年末調整で精算済みで、確定申告による控除等の必要がない人)
収入があっても、会社による計算で正しい税額が計算されている場合には、確定申告は必要ありません。
ただ、会社での手続き時に、医療費控除や寄付控除などがされていなかった場合などは、必要以上に高い税額が計算されていることがありますので、確定申告をしたほうが良い、となります。

②専業主婦等所得がない人
③所得が少ない人(所得控除の額の合計額が所得額より多い人)
④年金収入額が400万円以下で、かつ、年金所得金額以外の所得金額が20万円以下の人

税金は収入に対してかかりますが、収入のうちの一定額には税金はかからないことと決められています。
専業主婦のようにまったく収入がなければ、もちろん税金はかかりませんので、確定申告は必要ありません。

また、収入が少しあっても、所得が控除金額よりも少なければ、税金がかかるほどの収入がないとされます。
いわゆる主婦のパートでの収入が103万円未満、というような場合です。これも確定申告は必要ありません。

収入のうちの税金がかからない一定金額とは、収入の種類によって異なります。年金の場合は400万円までの収入には税金がかかりません。
雑収入は20万円までは税金がかかりません。そのため、収入がそれらの枠内であれば、確定申告は必要ありません。

確定申告の手続きの流れとは

①申告用紙と必要な書類を取得する

確定申告をするには、いくつかの方法があります。
最も一般的なのが、税務署に行って申告書類をもらって、必要事項を記入して提出するものです。
毎年確定申告の時期になると、各地の税務署で申告書類の配布が始まりますので、そこに行けば入手できます。

もう一つの方法が、インターネット上で書類をもらい、作成するものです。
毎年確定申告の時期になると、国税庁のホームページに、確定申告書等作成コーナーが開設されます。
インターネット上で「確定申告」と検索すれば出てきますので、そこで必要な書類をもらうとともに、必要事項を入力して書類を作成することもできます。

また、申告のための書類とは別に、確定申告に必要な情報を証明する書類も必要となります。
具体的には、給与所得や公的年金などの内容を記した源泉徴収書、支払った保険の内容を記した生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書など、ふるさと納税をした際の証明書などです。
保険や投資に関する書類は毎年送られてきますし、寄付金についても寄付をした際に送られてくるはずです。
この書類は年末調整や確定申告に必要です、などと書かれていますので、保存しておくようにしましょう。

②申告書を作成・提出する

確定申告の申請書を入手したら、必要事項を記入して、作成します。
申請書の書き方は、申請書自体にも詳しく書かれています。
申請書の指示に従って、源泉徴収書や保険料支払い証明書などに記載されている必要な金額などを記入していくと、申請書が完成するようになっています。各税務署が相談所を開設していますので、そこへ行けば、詳しく記入の仕方を聞くこともできます。

インターネットでの書類作成ならば、必要な項目に沿って入力していくだけで、税額などの計算も自動的にしてくれるようになっています。
作成された書類をそのまま自宅のプリンターで印刷でき、それを提出すれば良いようになっていますので、パソコンの操作に慣れていれば、こちらの方法がおすすめです。

提出は、3月15日までに添付書類や、記入漏れなどがないことを確認して、自分の住所を管轄する税務署に提出します。
直接税務署に提出しに行けば、その場で形式の間違いや、書類の不足については教えてくれます。
慣れていれば、郵送での提出もできます。
こちらは間違いがあると、その年には訂正などができなくなることもありますので、注意が必要です。

③所得税の納付還付

確定申告をすると、納税する所得税の金額が決まります。
納税する必要があれば、税務署やその出張所に、自らその金額を納付しに行きます。
もしくは、金融機関に支払う、振替納付という方法もあります。

また、会社員などが確定申告をする際には、払いすぎていた税金が戻ってくることも多いでしょう。
それは、税金が還付される、と言います。
申告の際の書類作成時に、還付金額もわかります。申告時に指定した金融機関の、自分の口座に還付金は振り込まれます。
振込が行われたことは、別途通知ハガキが郵送されて通知されますので、通知ハガキがきたら振り込まれたかを確認してください。

確定申告をしないとどうなる?ペナルティについて

確定申告は、税金を正しく計算するための手続きです。
従って、確定申告をせずにいると、支払わなければならない税金をごまかすことになる場合もあります。
それは国にとっては損害であり、不正となります。すると、以下のようなペナルティを課せられてしまうことになります。

①無申告加算税が発生する

確定申告をしなければいけないのに、期限である3月15日までに必要書類を提出しなかった場合には、無申告加算税という罰則的な税金が課せられます。
確定申告をしないと、税務署が調べて税額などの計算をすることになります。

その場合には、もともとの納めるべきだった税金に加えて、無申告加算税という名目で税金が増えることになります。
無申告加算税は、税金の金額が50万円まではその15%、50万円以上の場合は20%を上乗せされます。
申告が遅れたことについて正当な理由があれば加算税が軽減されることもありますし、確定申告ができなくても税額を自主的に収めていれば加算税は不要となることもありますが、確定申告が必要な方は、必ず期限内に提出しましょう。

②延滞税が発生

確定申告の提出期限である3月15日は、そこで確定した税金額を納める期限でもあります。
この日までに税金を納めなければ、罰則的な税金として、延滞税が課せられます。

これは、支払わなかった金額の利息が請求されると考えて良いでしょう。
延滞税の税率は例外的に異なることもありますが、基本的には、納付期限の翌日から2か月までは、税額の1%となります。
延滞がそれ以上になると、請求額の7.3%が延滞税となります。

【注意】確定申告を故意に行わないと「ほ税」に

確定申告は、その前年の収入などから、税額を確定するものです。
ならば、確定申告をしなければ、税金が決まらないので支払わなくても良いのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。

故意に申告書類を提出しないことで納税義務を免れようとした場合、それは「ほ税」と呼ばれます。
漢字では「逋税」と書き、税金を逃れる行為のことです。

これは犯罪とされ、罰則もあります。5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または、その両方が併科されます。
故意でなくても、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられることがあります。
税務署の厳密な調査からは逃れられませんので、確定申告が必要な場合は遅滞なく手続きを行いましょう。

【確定申告とは】該当者の条件や手続きの流れまで簡単に一から解説します まとめ

いかがでしたか。
確定申告の基本的な役割は、それぞれの人の正しい税額を計算することです。

そのため、会社員が例外的な収入や支出がなかった場合には、会社が税額を把握できているので、確定申告は必要ありません。
例外的な収入や支出などがあった場合、所得の増減が発生するので、税額も変わることになり、確定申告が必要となります。

最近では保険料控除や、ふるさと納税などの寄付金控除が、その例外に当たる場合が多くなっています。
税額を正しく計算することで、払いすぎた税金が返ってくることもあります。

払い忘れているとペナルティが課されることもあります。ご自身が確定申告が必要ならば、遅れずに必要書類を提出しましょう。
また、確定申告が必要かどうか、よくわからない場合には、確定申告の時期に税務署に設置される相談所に行ってみてください。

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