2017年04月01日

偽装質屋とは!?偽装質屋の手口やターゲット、対処法を知り防犯知識を!

目次

偽装質屋について知りたい!

近年流行している特殊詐欺の一つとして「偽装質屋」という手法があります。

通常の質屋の看板を背負って表向きは質屋としての営業をしているかのような外観を装っていますが、その内実は、非常に悪質な詐欺行為を行っているというものです。

偽装質屋という言葉は耳慣れないかもしれませんが、もしかするとあなたの街でもひっそりと営業をしているかもしれません。

今回は、このような偽装質屋がどのようなものであるのか、どのような手口によって利益を得ているのか、という点について説明していきます。

気を付けて!偽装質屋は「闇金」です


特殊詐欺と言ってもその手口はさまざま考えられるでしょうが、今回ご紹介する偽装質屋の内実は「闇金」と同じような手法をとっています。

つまり、大まかな構造は、債務者に対して不当にお金を貸し付け、その返済の際に、異常な利息を要求することによって暴利をむさぼることを目的としているのです。

闇金が違法な存在であることから、当然、これと同種の営業を行っている偽装質屋も違法な存在となります。

闇金が一般的に「消費者金融」のような形態をとっているかわりに、偽装質屋は「質屋」の看板を背負っているという違いがあるに過ぎないのです。

そもそも偽装質屋ってなに?

偽装質屋がいかに違法な存在であるかを知るうえで、まずは一般的な質屋における取引について説明します。
通常の質屋では、まずは担保となる物を質屋に預けることから手続きがはじまります。

例えば、この担保となる物の価値が10万円と査定された場合には、これを持参した人は、質屋にこの物を預けることによって、7~8万円の融資を受けることができます。

ここで現金と預かり証を受け取ることになります。

そして、基本的には三ヶ月の期間を経て、この期間以内に借りたお金と利息を返すことによって、債務者は質屋から当該担保に提供したものを取り返すことができますし、返済を行うことが出来ない場合には、担保に提供したものは質屋のものになります。

担保に提供したものが質屋のものになった場合には、そのものを諦めるかわりに、債務者は借りたお金を返す必要がなくなります。

このように、通常の質屋では、価値のある担保物を提供することによってお金の借り受けができる、という仕組みがとられているのです。

大切なのは、質屋である以上、「ものを担保にしてお金を貸す」という形式がとられなければならないという点です。
本来の質屋であれば、お金を返すことが出来ない場合には、ものを提供していることで換価にあてることができるはずです。

しかし、偽装質屋では、この点を一切念頭に置かないのです。形だけものを担保として出させますが、その最終的な目的は、だまして貸し出した金銭から発生する利息を払い続けさせることを目的としているのです。

偽装質屋の悪質な手口について

①価値のないものを質に入れさせ融資を受けさせる

偽装質屋は、あくまでもその外見上の営業形態が「質屋」であることから、まずは担保を提供させる必要があります。

しかし、偽装質屋の目的は、お金が返済されない時に担保の換価を行うことが一切念頭に置かれていないことから、この担保に提供されるものは何でも良いことになります。

そのことから、あくまで形式を守るということを目的とされますので、担保に提供されるものは金銭的な価値のないものが選ばれることが多いです。

これに対して、3万円から10万円程度のお金を貸し付けるのです。
お金を借りる人も、担保に提供しているものに金銭的な価値がないことを分かっていますから、「担保に提供したものを手離せばお金を返す必要がない」という質屋であれば当たり前のことを意識の外から外してしまうことになります。

このように、担保に提供させるものを無価値なものとするのが偽装質屋の手口の特徴の一つです。
場合によっては、100円ライターを担保として提供させるという事例もあるようです。

②支払いを口座振替にして年金振込と同時に引き落とす

偽装質屋が確実に利息を回収するための手段として、口座振替による回収方法を選択することが多いです。

具体的に言うと、年金が振り込まれる度に、銀行口座から自動で引き落としができるようにすることで、確実に支払いを受けることができるようにするのです。

偽装質屋の場合、融資が焦げ付くケースが非常に少ないと言われています。

これは、このように融資の最初の段階で、年金の自動引き落としの手続きをさせることに理由があるのです。
国からの年金が支払われないことはありませんので、非常に効果的な手段と言えるでしょう。

例えば、二ヶ月に一度、勝手に年金を引き落とすことによって、受給者は生活が困窮するという事態が導かれてしまいます。
これによって、更に受給者は偽装質屋から借り入れを行わざるをえなくなるという状況が作られてしまいます。

③年金口座の通帳やキャッシュカードを預かる場合も

さらに悪質な偽装質屋においては、担保として、年金手帳や通帳、キャッシュカードを提供させてしまいます。

偽装質屋がターゲットにするのが年金受給者であることが多いのは、このように年金手帳等を担保に提供させることを目的としているからなのです。

つまり、年金手帳を担保に提供させることによって、「担保をうけとる」という質屋の概形を備えることもできますし、それ以上に、これを悪用することによって、同時に利息の支払いの確実性を増すという効果も得られるのです。

口座の通帳・キャッシュカードを握ってしまえば、年金受給者の金銭管理を完全に掌握することができ、融資が焦げ付く恐れはほとんどなくなるでしょう。偽装質屋が勝手に引き落としてしまうというケースもしばしばです。

④勧誘は高齢者向けにと「チラシ」で行われることが多い


高齢者は働くことによる収入が見込めないことから、金銭的に困窮した場合であったとしても、合法の消費者金融から融資を受けることが厳しくなるという現実があります。

そのような高齢者に対して、チラシ等で融資が可能であることを勧誘するのです。
偽装質屋はあくまでも闇金の一種であることから、その営業形態も違法であることが多いです。

したがって、大々的に広告をうつことが難しいことから、チラシ等で質屋としての広告を出すことによって、カモを狙うことになります。

偽装質屋のターゲットは「年金受給者」

年金は毎月確実に入っている収入ですので、偽装質屋はこれをターゲットにしています。
年金暮らしのお年寄りは、生活資金が不足することになったとしても、通常の消費者金融からの融資を受けにくいのが実情です。

さらに言えば、年齢を重ねることによって判断能力が低下してしまっている場合も多いと思われます。
このような事情につけいる形で、偽装質屋からの勧誘に応じてしまった高齢者の方や、チラシをみて電話をかけてきた方、あるいは実際に質店を訪れる人を狙い撃ちします。

摘発された業者について言えば、例えば病院などに出入りすることによって、高齢者の名簿を作成していたというケースもあったようです。
また、このような偽装質屋を利用している高齢者の名簿は、偽装質屋の間で取引もされているようです。

偽装質屋が出回っている背景とは?

偽装質屋の実態を考えると、それは実質的に貸金業であると言えますが、偽装質屋は貸金業を営んでいることを表向きにはしたがりません。
これはまず、貸金業を営むためには、貸金業法上の登録を行う必要がありますが、これを行うには諸費用が必要となってしまいます。

さらに、そもそもこれらの違法行為によって利益を上げようとする者がわざわざ登録をすることによって、利息制限法等の規制の監視が厳格となる状況に自らを追い込むとも考えにくいでしょう。

ここで、利息制限法という言葉が出てきましたが、貸金業を行っている場合には、利息制限法及び出資法により、元本に対して上乗せすることができる利息は20%までであるとされています。

つまり、貸金業という営業形態による場合には、一応法律の上限が20%と設定されてしまうことになります。
これに対して、質屋の場合には、質屋営業法に基づいて都道府県公安委員会の許可を受ける必要がありますが、この許可を得た場合には、この許可を受けることができた場合には、金銭を貸し付けた場合の上限金利が1年あたり109.5%まで加算することが法律によって認められているのです。

質屋について、このような一見「暴利」ともとれそうな利息をとることが認められていることに違和感をもたれるかもしれません。
しかし、そもそも正規の質屋での取引を考えた時に、そもそも融資ではありませんし、万が一返済ができない場合であったとしても、その担保さえ諦めてしまえば、このような利息を支払う必要はありません。

また、通常の質屋取引では、その返済期間は三カ月程度の短期間と設定されるのが通常です。
このような質屋営業の特殊性を考慮した結果、質屋の場合には、年利にして109.5%の金利を付加することが認められているというわけです。

つまり、わざわざ貸金業という営業形態を選択することによって合法とされる範囲を限定するのではなく、質屋営業の許可を受けたという形式を利用して、合法の傘を被ることができる範囲を拡大させようという意図があるのです。
摘発された事例の中には、偽装質屋であっても、質屋としての営業許可を受けている場合も散見されます。

しかし、場合によっては、第三者が受けた質屋の許可を違法に買い受けて偽装質屋として行動しているというケースもあります。
このようなことからも、「質屋」という形式を利用できることがいかにこれらの悪徳業者にとってメリットがあるか、ということを読み取ることができます。

偽装質屋に対する防犯知識を身に着けよう!


ここまでは偽装質屋の悪質な手口について説明してきましたが、ここからは、万が一偽装質屋のターゲットにされた場合などに備えて、いかに自分の身を守るべきか、ということを説明していきます。

偽装質屋に対する防犯知識①

偽装質屋では、年金を担保に提供させるということを説明しました。

しかし、そもそもこのように、年金を担保にしてお金を借り受けることは、原則として、国民年金法、厚生年金保険法、労災保険法などによって禁止されています。

但し、それでは年金受給者が困窮した場合の対処を行うことができませんので、国は限定的にこれらの例外を認めていて、年金等を担保に金銭の貸しつけを行うことが出来る組織を、認可を受けた独立行政法人福祉医療機構だけに限定しているのです。

つまり、どのような形態であったとしても、この公的年金担保融資制度以外の形で年金を担保にしてお金を貸しつけるという方法をとる業者は、確実に違法な営業をしていると言えるのです。
これからお金を借りようとしている相手が違法であるかどうかを知るためのメルクマークとして、覚えておくとよいでしょう。

偽装質屋に対する防犯知識②

そもそも、年金を担保とすること自体が違法行為ですが、通帳・印鑑までも渡してしまっている場合には、偽装質屋によって勝手に引き落とされることがあります。

しかし、そもそもこのような行為は、窃盗罪、あるいは詐欺罪にあたりうる行為なのです。
偽装質屋にではなくても、決して安直に自分以外の第三者に通帳などを預けてしまってはいけません。

さらに、質屋が自動引き落としによって債務者の年金口座からお金を得ることを不法行為であると評価した裁判例もあるようです。
今ではどこの金融機関でも、名義人以外の人が通帳等を使用することに対してかなり厳しくなっています。
親族であったとしても、仮に身分証を携帯していてもこれが認められないこともしばしばです。

つまり、お金の融資を受ける際に、通帳等を預けるように求めてくる相手は、何かやましいことを考えているのではないか、と推察する材料とすることができるでしょう。

もし違法質屋を利用してしまった時の対処法は?

かかわりを持たないことが一番ですが、万が一違法質屋からお金を借り受けてしまった場合には、まず、担保に提供したものを諦めますということをしっかりと告げましょう。

年金手帳や通帳などの重要なものを担保に提供せずに、担保価値のないものだけを預けている場合には、この手段をとることからはじまります。

つまり、相手が質屋の形態をとっていることを利用して、質屋であれば、担保に提供したものの所有権を得ることで満足して下さい、ということを伝えるのです。

しかし、以上で述べてきたように、偽装質屋の被害にあっている人は年金等から自動で引き落とされてしまっている人が多いでしょう。このような場合には、すぐに法律の専門家に依頼するべきです。

今はどこの法律事務所でも無料相談などを行ってくれることが多いですし、また、所得が低くて弁護士に依頼することが厳しい場合には、低所得であることを考慮した上で低額で相談にのってくれる法テラスの制度も整っています。

また、偽装質屋の場合には、民事的な問題以上の問題を抱えていることから、行政機関、例えば国民生活センターなどに相談をすることも一つの手です。おそらく債務者の置かれている状況はひっ迫していることに思われますので、早急に相談することをおすすめします。

下記の記事で闇金被害の相談や解決に動いてくれる法律事務所を紹介しているので、お困りの方はすぐに相談する様にしましょう。
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偽装質屋とは!?偽装質屋の手口やターゲット、対処法を知り防犯知識をのまとめ

このように、偽装質屋という形態は比較的新しい詐欺行為ですし、高齢者を狙う非常に悪質な闇金形態であると言えます。にもかかわらず、その営業形態において「質屋」を装っていることから、なかなか簡単に見破ることは難しいでしょう。

したがって、簡単にお金を借りられそうだから、という理由だけで世話になってしまうのではなく、上で述べたような注意点をしっかりと意識することが大切です。

さらに、万が一店を訪れてしまったとしても、その応対の内容を吟味して、本当に質屋としての営業がなされているのかを判断しなければなりません。

以上で述べたことを心に留めておけば、そう簡単に偽装質屋の餌食にされることもないでしょう。

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