2017年04月07日

現金の贈与税はいくら?現金を譲渡する際の贈与税と基礎控除について

目次

現金の贈与を行ったらいくら税金が掛かるか気になる

現金を贈与する場合に税金はかかるのか、また税金がかかる場合にはいくらになるのか気になると思います。現金や金融資産を贈与した場合には贈与税の対象となります。

どのような場合にいくら税金がかかるのか、また税金を払わなくてよい場合はどのような時なのでしょうか。

現金を受け渡した場合の贈与税にできる基礎控除について


人から人へ現金の受け渡しがあった場合には贈与税がかかります。
贈与税は一年ごとに計算することになっており、基礎控除額を超える部分に対する贈与額が課税の対象となります。これを「暦年贈与」と言います。
ただし、相続開始前(死亡する前)三年以内に贈与された部分については、相続税の対象になります。

現金110万までの贈与なら課税されない

無償で現金や金融資産を渡すと常に税金がかかる訳ではありません。
贈与税の場合は基礎控除額が110万円であり、一年に一回使うことができます。

そのため毎年110万円の贈与があったとしても贈与税は不要ということになります。
非課税制度は他にもいくつかありますが、一度きりの利用しか認められていないものもあります。

ただし、二人以上から贈与があったとしても、全ての贈与財産をトータルして110万円と固定されています。つまり、仮に5人から50万円ずつもらったとしても、基礎控除額は250万円とはならず110万円が限度となるのです。
ちなみに、贈与額が基礎控除額以内(110万円以下)であれば申告は不要です。

110万以上の贈与を受けた場合にかかる税金の計算方法とは

110万円を超える贈与を受けた場合の税金については気になるところだと思います。
簡単に計算できればいいのですが、贈与税の税率は一定ではありません。
基礎控除額を超える金額が200万円の場合と400万円の場合では税額が単純に二倍になる訳ではないのです。

計算の手順は、まず一年間に贈与されたトータルの金額から基礎控除額を差し引いて課税価格を求めます。さらに、この課税価格に応じた税率を用いて贈与税額を出します。実際は速算表を用いるため、以下のような式となります。

(1)贈与された財産の合計額 - 基礎控除額 = 課税価格
(2)課税価格 × 税率 - 控除額 = 贈与税額

こちらの税率は二種類あり、直系尊属(父母や祖父母等)からの贈与は税率が低く設定されています。それぞれ下のような速算表を用いることにより税額を簡単に求めることができます。

一般贈与財産用(一般税率)


この速算表は、直系尊属からの贈与ではなく、他人からの贈与の場合に使用します。
[table id=73 /]

特例贈与財産用(特例税率)

この速算表は、直系尊属からの贈与に対する計算に使用します。
[table id=74 /]

上記の速算表を使って計算をしてみます。直系尊属である祖父母から孫に対して現金1,010万円を贈与した場合、1,010万円-110万円=900万円が課税対象となります。
課税対象額が900万円の場合、親からの贈与であれば900万円に税率30%をかけ90万円を控除するので、贈与税は180万円になります。

ちなみに親ではなく他人から1,010万円をもらった場合は一般用の速算表を用いますので、900万円に税率40%をかけ、125万円を控除するため235万円の贈与税額となります。よって55万円も差が出ることになります。

110万以上の贈与を受けた場合は誰が申請を行うのか

念のためですが、贈与税は現金などの財産を『もらった人』が支払う税金です。
財産を『あげた人』ではありませんのでご注意ください。贈与税の確定申告の時期は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日、納付期限は3月15日です。

現金の贈与時に非課税になる4つのケースとは?

現金を贈与したら何もかも税金がかかる訳ではありません。
その現金の使い道によっては非課税となる制度もいくつかあります。代表的な4つのケースをご紹介します。

現金の贈与時に非課税になるケース①「生活費の贈与を行った場合」

例えば大学で下宿中の子どもに毎月家賃と生活費を10万円ずつ仕送りしていたとします。
年間で120万円を子どもに渡していることになりますが、この場合果たして贈与税がかかるでしょうか。

このような生活費の受け渡しでは贈与税はかかりません。基準としては『扶養義務者』から送られる生活費や教育費で、通常必要と認められるものは対象外となるのです。扶養義務者の範囲は民法によって以下のように規定されています。

(1)配偶者(夫または妻)
(2)直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母等)
(3)直系卑属(子、孫、曾孫)
(4)兄弟姉妹
(5)三親等内の親族で同一生計を営む者

これらの扶養義務者から送られる生活費や教育費は贈与税の対象外となります。
この場合の生活費とは、現金を受け取る人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、家賃などの住居関連費・食費・衣類等の購入費などです。

また、教育費とは学費や教材費、文具費、通学のための交通費、学級費、修学旅行参加費などが当てはまります。
注意点としては、贈与税が非課税となる財産は、生活費や教育費として必要な時に直接使われるためのものに限られます。

つまり、将来的には生活費や教育費のために使われる現金として贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などに投資をしている場合には贈与税がかかることになるため注意が必要です。

現金の贈与時に非課税になるケース②「教育資金を一括で受け渡した場合」


30歳未満の子や孫に対して教育資金としてお金を一括で贈与した場合、一定の条件を満たせば1,500万円を限度に贈与税が非課税になります。この制度は平成31年6月30日までの期限が付いています。

子・孫が受け取ったお金について、銀行などの金融機関と「教育資金管理契約」を結び、教育資金口座に預け入れる必要があります。
教育資金口座の名義人は孫など贈与を受ける人となり、お金を引き出すことができるのは名義人のみです。

名義人が未成年の場合は親権者が代理人として資金を引き出すことができます。
この資金の用途は学校の入学金や授業料、学校を通じて支払う諸費用(給食費や遠足代など)です。
塾や習い事はなど、学校以外の教育費の支払いにも適用されます。

非課税限度額は以下の通りです。
学校等への費用:1,500万円
学校等以外への費用:500万円

現金の贈与時に非課税になるケース③「結婚・子育てに必要な資金を一括で受け渡した場合」

あなたが20歳~49歳の子・孫に結婚・子育ての資金のためにお金を一括して贈与した場合には、「非課税限度額」まで贈与税がかかりません。
こちらも平成31年6月30日までの期限付きの税制となっています。

「非課税限度額」は以下の通りです。
結婚資金:300万円
子育て資金:1,000万円

現金の贈与時に非課税になるケース④「住宅の新築購入や増改築に関わる資金を受け渡した場合」

あなたが子・孫に住宅の新築・購入・増改築のためのお金を贈与した場合、子・孫の側で一定の条件をみたせば、贈与税が「非課税限度額」まで非課税となります。

この特例は、平成31年6月30日までの間の贈与に適用されます。

非課税となる条件は、以下の通りです。
子・孫が贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上
子・孫の贈与を受けた年の所得金額合計が2,000万円以下
子・孫が贈与を受けた額を新築・購入・増改築のために使用した

なお、「非課税限度額」が定められています。また、限度額は、「省エネ住宅」または「耐震住宅」については高く設定されています。詳しくはこちらをご覧ください。

【注意】毎年110万以内に収めていても課税される場合が


基礎控除を利用した暦年贈与を行う際に注意しないといけないことがあります。
基礎控除額以内であれば課税されないかというと、絶対に大丈夫とは言い切れないからです。

その理由は「定期贈与」と「名義預金」です。
定期贈与とは、何年か連続して一定額を贈与した場合に、当初から決まった金額を複数年に分割して贈与したと税務署が判断することです。

こうなると大変で、贈与を始めた時点からの贈与財産の全てに対して贈与税を払わなければいけなくなってしまいます。
名義預金は名義だけ別人にしてあるものの、実態としてはそのお金の管理は贈与したはずの本人が行っているケースのことを言います。
通帳や印鑑を贈与者であるはずの父母や祖父母が管理しているのは贈与したことになりません。

この2つの対策として、贈与契約書を作成することや、あえて贈与税を支払う方法などがあります。もちろん通帳などの管理は現金を受け取った人が行うことは言うまでもありません。
契約書は贈与が行われる度に行い、日付や金額は毎年変えておきましょう。自署と押印を忘れずに行うことも大事です。

現金の贈与税はいくら?現金を譲渡する際の贈与税と基礎控除についてのまとめ

このように現金の贈与には税金が発生しますが、贈与された現金の使い道によっては課税対象とならなかったり、申告をすることにより非課税となる制度もあります。

現金の受け渡しであれば申告をしなくても発覚しないので税金を払わずに済むと思われるかもしれませんが、国税庁が公表した「平成27事務年度における相続税の調査の状況について」によると、贈与税に関する調査3,612件のうち9割以上にあたる3,350件で何らかの申告漏れがありました。その中で無申告の割合は87.3%にものぼり、無申告であっても調査をされて発覚しているのです。

申告漏れの財産は現預金が49.5%(約107億円)で、有価証券が31.4%(約68億円)です。全体の約80%が金融資産です。安易な現預金の無申告贈与が少なからずあり、発覚しているということです。
税務署で無申告を指摘された場合は納税額に15%か20%の無申告加算税が上乗せされます。

贈与を意図的に隠蔽していたことが発覚すると35%または40%の重加算税が上乗せされることさえあります。贈与税の申告は非課税制度などを上手に利用して正しく行わないと、後々大変なことになりますので気を付けてください。

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