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投信積立とは何か。大手証券会社営業マンが仕組みやメリット、デメリットをまとめてみた

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目次

投信積立とは

「投信積立」とは、投資信託を指定した一定金額分で毎月自動的に買付ける運用手法で、「積立投資信託」とも言います。

最近では、資産形成のために株式や債券・投資信託で運用する人も増えてきました。
少額投資費課税制度(NISA)が始まったこともあり、長く続く低金利時代の影響から「貯蓄から投資へ」の流れの中で手軽に始められる投資として拡がってきています。
株式や債券は価格が変動するため、リスク・リターンについても十分に理解して投資をする必要があります。
自身の許容できるリスクに応じて、多少のリスクを取りつつも安定した収益を得るための方法として「分散投資」が挙げられます。
「分散投資」の代表格の一つが「投信積立」です。

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「投資積立」は「分散投資」?


分散投資には、資産運用のリスクを軽減させるために、買付けのタイミングを分けて投資を行なう「時間分散」と、投資資金を複数の銘柄や商品に分散させる「資産分散」という代表的な手法があります。

分散投資がいいとは効いたことがあるけど、本当はどうなの?
投資を始めてみたいけど、やっぱり価格変動が怖いから定期預金が安全なのかしら?

こんな疑問や不安を抱いている人も多いと思います。
投資対象が個別株ではなく投信だからこそ「時間分散」と「資産分散」を基本に投資を行なうことで、その不安を解消することができます。
次の章で「時間分散」と「資産分散」のポイントを押さえましょう。

「時間分散」と「資産分散」

時間分散とは

「時間分散」とは、ある投資対象を一度に全て買付けするのではなく、タイミングを複数回に分けて買付けを行なうことで、買付価格を平均かして投資リスクを分散することができる運用手法です。
株式や投資信託などリスク商品に投資する際、投資資金を全部使って一度に買付けすると、その後のマーケットの動きによっては損失が大きく出る可能性があります。

例えば、2007年の日経平均株価を参照してみて下さい。
株高のマーケットでしたから、”右肩上がりに上がっているし皆投資をしているから大丈夫”と思って投資資金を全部使って買ったものの、その後のサブプライムローンやリーマンショックで半分以下になってしまった…。

このように、時間分散を念頭に投資をしないと、値段が下がった時に買うことが出来ない・大きく損失が出てしまったという状況に陥る可能性があります。
後ほどまた触れますが、「時間分散」して投資を行なうことで、マーケットが下落した際のリスクを軽減することができます。

また、投資期間が長期になればなるほど、短期的な損失発生のリスクが軽減されると言われています。その代表的な投資手法が「ドル・コスト平均法」です。

「ドル・コスト平均法」とは、選んだ銘柄を定期的に一定金額ずつ買付けする投資手法のことをいいます。価格が安い時は買付数量(取得数量)が増える・価格が高い時は買付数量(取得数量)が減ります。具体的に計算してみましょう。

Aさん(毎月5万円ずつ投資、6ヶ月計30万円)、Bさん(30万円を一度に投資)の比較

1口当たりの価格 1ヶ月目10,000円 2ヶ月目8,000円 3ヶ月目5,000円 4ヶ月目6,000円 5ヶ月目9,100円 6ヶ月目11,500円
Aさんの投資金 5万円 5万円 5万円 5万円 5万円 5万円
Aさんの取得数量 5口 6.25口 10口 8.33口 5.49口 4.34口
Bさんの投資金 (一定) 30万円 - - - - -
Bさんの取得数量 30口 - - - - -

買付した取得数量 6ヶ月後時点の時価評価 平均取得単価
Aさん 39.41口 45.3万円 761.2円
Bさん 30口 34.5万円 1,000円

マーケットに価格変動はつきものです。

Bさんはこの場合、高い価格の時に買付してしまったために結果的に評価益は出ていますが、もっと割安になったタイミングで買えばよかったと後悔してしまいますね。

Aさんの場合は毎月一定金額を買うようにしたために、投資した合計金額はBさんと同じですが、買付単価が平準化される効果から結果的に6ヶ月後はBさんと比較して評価益が大きく出ています。
割安なタイミングで買付けたことから投資できた数量(取得数量)が増えたために6ヶ月後の価格に対して、より評価益が生み出されたわけです。価格変動リスクが分散された結果になります。

もちろん、これはあくまで一つの例ですので、仮に右肩上がりにどんどん価格が上昇した場合には、Aさんが買える取得数量は少なくなりますので、Bさんの方が結果として評価益が出ることになります。

ですが、”長期的にいつ何時も、過去と比べて右肩上がりに価格が上昇している”ことは考えにくいので、「時間分散」をした方がより効果的な運用が期待できるといえます。

資産分散とは

もう一つの「資産分散」について押さえていきましょう。

「資産分散」とは投資対象をいくつかの資産に投資する運用手法です。こちらのは皆さん馴染みがあるかと思います。

一つの資産だけに投資をすると、その企業の決算内容や外部要因によって投資対象の価格が下落するリスクが生じるのを出来るだけ回避するための考え方ですね。
投資金額が同じでも、ある企業の株を買うのに全額使うのではなく、国内株や外貨建ての債券に投資先を分散することで、特定の資産の下落リスクを軽減するという方法です。

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分散投資って本当に必要なの?

証券会社や銀行で投資が可能な”ラップ運用”(=投資信託をリスクの度合いに応じて複数組み合わせることによって、さらなる分散投資・お任せ運用を行なう)は、各資産別の騰落率推移の資料がよくありますね。

過去10年間の日本株・外国株・国内債券・外国債券・国内リート・外国リート・コモディティなどのさまざまな投資対象にそれぞれ投資をした場合と全資産に均等分散投資を行なった場合のリターンがどれくらいか示されています。

毎年ベストパフォーマンスの投資対象を当てることは難しいのは想像できますね。均等分散投資を行なった場合、ベストパフォーマンスにはならないがワーストパフォーマンスにもならない。平均よりもプラスのリターンを上げることが概ねできています。

資産がパーになってもいいからハイリターンを狙いたいという方は別ですが、大切な資産の運用ですから”資産を守りながら運用し育てる・リスクはつきものだが出来る限り減らさない”と考える方が大半だと思います。

そのためにはやはり分散投資が重要なのです。投資信託はある程度の投資対象資産となる範囲が決まっていて、その中で銘柄分散されているため既に資産分散されている証券といえます。各資産に分散しているファンドは各社取扱いをしているので、銘柄選定する際に参考にするのも一つだと思います。

投信積立のメリット・デメリット

投信積立のメリット

・毎月少額から無理なくコツコツ投資ができる(証券会社・銀行によっては1,000円から投資が可能です)
・自動買付けのため、複雑な手続きや買付けを忘れることもない
・「時間分散効果」で資産運用のリスク軽減

投信積立のデメリット

・買付け後に価格が常に上昇していった場合は不利益となる場合がある
・買付金額によっては購入時手数料率が下がる場合があるため(買付金額5,000万円以上などの場合が大半です)

投信積立とはなにか。仕組みやメリット、デメリットのまとめ

いかがでしたでしょうか。既に運用をしている方もこれから始めようとお考えの方も、大切な資産を運用方法として改めて「投信積立」を活用することを考える参考になればと思います。

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某大手証券会社で8年以上働いており、FPの免許も保有しています。 株式・債券・投信・保険など多岐にわたる商品の提案を行なっており、デリバティブ取引などの提案も行っています。 『投資に興味があるけど、取っ付きにくい。難しい言葉が多くわかりづらい』といった方の悩みを少しでも解決できればと思います。
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