2017年04月11日

遺族共済年金とは。非課税となる遺族年金や厚生年金をわかりやすく解説

目次

非課税となる遺族年金について

第二次世界大戦後に生まれたベビーブーマーの方々が定年年齢になられており、それに伴い我が国は高齢化社会に突入しています。
現在は高齢者お1人を4人の現役世代が支える状況ですが、2050年くらいには2人で支えなければならない時代になると言われています。

そのような中で、高齢者の方々のご家庭では年金が生活の支えになっており、その年金を受取られているご主人が亡くなられた後の生計には配偶者の方も不安を持たれています。
年金を受取られているご主人が亡くなられますと、配偶者の方などの残されたご家族には遺族年金が支給されます。

しかし、その遺族年金に対する課税状況がよくわからないと言われる方も多いようです。
そこで、遺族年金とはどのようなものであるのかについて、特に非課税となる遺族年金を中心にまとめてみました。

遺族年金とは


遺族年金は、既に年金を支給されている方が亡くなられた場合や年金に加入されている方が亡くなられた場合に、その支給を担当している年金団体から残された配偶者の方などが支給を受けることの出来る年金をことを言います。

年金には、厚生年金、国民年金、共済年金などの公的な年金から、会社などによって設立されている適格退職年金団体、いわゆる企業年金基金や生命保険会社から受取る個人年金などがあります。

公的な年金としては、厚生年金保険法、国民年金法、恩給法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、旧農林漁業団体職員共済組合法、旧船員保険法、私立学校教職員共済法に基づいて支給される年金になります。

遺族年金につきましては、勤められていた時代から家計を支えておられた一家のご主人が亡くなられるために、生活が成り立たなくなる事態を避けるために設けられた制度であり、亡くなられた方の配偶者やご家族が受けられます。
ご主人が亡くなられる前の公的年金は、基本的に400万円までは確定申告をする必要はありませんでした。

しかし、さまざまな遺族年金については、全て税務上同じ扱いになるわけではなく、遺族年金の種類によって課税されたり、非課税になったりします。

非課税となる遺族年金について


遺族年金の中で、公的な年金である厚生年金や国民年金や公務員などの共済年金から支給される遺族年金については所得税も相続税も非課税になります。
そこで税金のかかってこない遺族年金の種類ごとに見てみます。

厚生年金の遺族年金

厚生年金の遺族年金は日本年金機構が担当しており、その受給資格は、亡くなられた方のそれまでの収入(年金など)によって生計が維持されていたご遺族が受けられます。
配偶者の方やお子様が優先されます。

そして、厚生年金の遺族年金については、配偶者の方などの遺族年金を受取る資格のある方が近くの年金事務所などに年金請求書を提出されますと受けられます。
年金の金額につきましては、既にご本人と配偶者の方が年金を受取っている場合、ご本人の年金額と配偶者の年金額のどちらかを亡くなられた方の配偶者が決めることになっています。

また、年金の支給を受けていない場合は、それまでの亡くなられた方の報酬によって計算された年金額になります。
また、ご主人が亡くなった時点で、40歳以上65歳未満で働いているお子さんがいない配偶者の方の場合には中高齢加算があり、現在は584,500円となっています。
この遺族年金につきましては、所得税、相続税共に金額に拘らず非課税となっています。

国民年金の遺族年金

国民年金の遺族年金も日本年金機構が担当しており、受給資格や受取るための手続き関係についてはほぼ同じです。
ただ、厚生年金は亡くなられた方の加入期間に払い込まれた保険料の金額で決まってくるのに対して、国民年金は一律であり、平成29年4月からは779.300円+子供さんの加算分になります。

子供さんの加算分は、第1、2子の方については224.300円、第3子以下のお子さんは各74.800円になります。
なお、配偶者の方が亡くなっており、お子さんが主体で受けられる場合は、基本金額はそのままで、第2子以降の金額が適用されます。
この国民年金の遺族年金も所得税、相続税とも非課税になります。

その他非課税の遺族年金

非課税の厚生年金と国民年金以外の遺族年金については、次のような法律に基づいて支払われる年金から派生します。
恩給法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、旧農林漁業団体職員共済組合法、旧船員保険法、私立学校教職員共済法

基本的には、公務員の方やそれに準ずる方の年金の遺族年金であり、亡くなられた共済組合の加入者か、過去に加入されていた方のご家族が対象になります。

公務員共済組合法の場合で見てみます。
組合への加入期間によりまして、短期要件と長期要件が決められており、基本的には短期要件で計算され、長期要件による計算額が短期要件よりも多くなる場合には、申請されることにより長期要件が適用されます。

また、受給される方は、国民年金とは違い、ご家族の中で順位付けがされた上で上位順位の方に特定されさます。

年金額は、
厚生年金相当部分 + 職域年金相当分 + 中高齢寡婦加算
という形の三段階で計算されます。
職域年金相当分については、厚生年金、国民年金においては無いものであり、2014年に年金の一元化の方向が国会で決議されていますので、今後調整の対象になる可能性があります。

いずれの遺族年金も所得税、相続税共に非課税になります。

課税対象になる遺族年金について


公的な遺族年金につきましては、所得税も相続税も非課税になりますが、相続税のみの課税が行なわれる遺族年金と相続税と所得税両方が課税される遺族年金もあります。
それらを見てみます。

確定拠出系の遺族年金

確定拠出系の遺族年金は、確定給付企業年金法に基づく企業の年金基金から支給される遺族年金のことです。

この遺族年金につきましては、その企業年金を受取る権利が計算されてそれについては相続税がかかってきます。
但し、毎年もらう年金についての所得税はかかりません。

生命保険系の遺族年金

生命保険会社と個人年金の契約して受取っている年金の場合、支給期間が設定されていてその期間中に契約者の方が亡くなられた場合に、残りの期間についての年金を配偶者の方などが受取る場合には、その年金を受取る権利に対して相続税がかかり、さらに相続した年金を実際に受取った時にも公的年金以外の雑所得として所得税がかかってくることになります。
かなり、厳しい税制になっています。

退職金共済系の遺族年金

退職金共済系の遺族年金は、商工会議所などが小規模企業共済として販売している退職金共済のことであり、これにつきましては確定拠出系の遺族年金と同様、その受取る権利に対して相続税がかかります。
但し、実際に受取る遺族年金については、所得税はかかりません。

その他

現在では実質的に廃止されていますが、企業が生命保険会社や信託銀行などと契約して、その金融機関に年金原資を積み立てて運用する適格退職年金契約のことです。

確定給付企業年金法の成立により、ほとんどがそちらに移行して実質的には廃止状態にありますが、ここから生まれる遺族年金については企業年金と同様に受取る権利に対する相続税がかかります。
しかし、実際に受取る年金については所得税はかかりません。

遺族共済年金とは。非課税となる遺族年金や厚生年金をわかりやすく解説のまとめ


相続税も所得税もかかってこない非課税となる遺族年金は、公的な年金だけです。
現在では、ほとんどの方が公的な年金の加入者になっており、課税はされません。

しかし、それ以外の遺族年金につきましては、
・ 企業年金による遺族年金や退職金共済などの遺族年金はその受取る権利に対しての相続税
・ 生命保険会社の個人年金の遺族年金につきましては相続税も各年度の所得税
という形で税金がかかってきますので、将来の生活設計についてはそれらを考慮して行なうようにしてください。

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