2017年04月13日

公募増資とは。投資手順やメリット・デメリットについて詳しく説明!

目次

公募増資とは何か知りたい

会社を経営するにおいて、資金繰りを円滑に行うことは経営を継続する上で非常に重要なポイントの一つでしょう。そして、会社の規模をさらに拡大して、積極的な経営を展開していきたいようなときには、大規模な資金調達を行う必要に迫られるでしょう。

このように資金調達の必要が生じたとき、例えば、銀行から融資を受ける、大株主に対して新株を引き受けてもらうなど、さまざまな方法が考えられます。

今回は、この資金調達の方法のうち、公募増資による方法について、その長所・短所や具体的な方法について説明をしていきたいと思います。

さらに、公募増資に垣間見える傾向から、投資の対象としても利用価値を見出すことができます。そこで、このような投資との兼ね合いでも、以下で説明をさせていただきます。

公募増資とは

公募増資とは、新しい株式を発行して資金を調達する場合で、その引受人を特定の第三者に限定することなく、不特定かつ多数の投資家に対して、新株の取得の申し込みを勧誘する方法のことを言います。

特定の第三者に対して新株を割り当てる方法とは違って、広く一般の投資家に引き受けを募ることによって、設備投資などの大規模な資金を集めることを目的としてなされることが多いです。

公募増資のメリット


公募増資を実施する前に、この方法の性質について理解しておかなければなりません。そこで、以下では、まず公募増資のメリットについて簡潔にご説明します。

①資金を広く集めることができる

公募増資の方法で資金調達を狙う際には、新株の引き受けは広く一般投資家を対象として行われることになります。その結果、資金調達の目的に広く賛同を得ることができる場合には、多くの一般投資家を株主として取り込むことが見込まれます。

このように一般投資家を新規で取り込むことができれば、大規模な資金調達であったとしても、比較的円滑に遂行することが可能となります。

②財務体質が向上する

公募増資によって株式の引受けが行われ、これによって会社に金銭が流れ込むことになりますが、この一連の流れで得られた資金は「自己資金」として扱われることになります。一般的に、自己資本率が高いほど、金融機関や市場からの評価は高くなりますので、増資によって自己資本率を上昇させることで、株式会社の信用を増すことになります。

さらに、新株発行によって獲得した資金は、第三者からの融資のように返済の必要がありませんので、企業の財産基盤を強固にすることが出来るというメリットも挙げられます。

③株主が増える

①でご説明したことと重複する部分がありますが、広く一般投資家を対象とすることによって、従来の既存株主に加えて、新たな引受人が株主として会社経営に参加することになります。

その結果、当該会社の株式が広く市場に流通することになりますので、会社資本が活性化することになります。

④投資家は安価で株を取得できる

新株の引き受けを公募によって求める場合、その引受け価格は、時価に近い多少割安な水準で定められることが通常です。したがって、一般投資家は、当該株式会社を安めの価格で取得することができるというメリットが考えられます。

公募増資のデメリット


次に、公募増資を行う際のデメリットについて説明します。株式の発行は、一度実施してしまうと引きかえすことが出来ませんので、以下のデメリットが発生する可能性を含めた諸事情を勘案した結果実施に至る、という慎重な姿勢の元で行うべきでしょう。

①株価が暴落する恐れがある

市場が活発な状況で公募増資を行う場合であれば問題ありませんが、取引量が少なく、市場自体が低調な状況にある場合に公募増資を実施してしまうと、需給悪化の懸念が働く結果、株価が大幅に下落する可能性があります。

つまり、買い手として名を上げてくれる一般投資家が少ないと株価の上昇を見込むことはできませんし、このように株価が停滞している状況から投資家が当該株式に対してネガティブな判断をすると、余計に株式の引受けが進まず、株価が下落を続けるという悪循環に陥る可能性があるということです。株式会社にとってもデメリットですが、既存株主の利益が大きく損なわれることになります。

②1株あたりの利益が小さくなる

公募増資によって新株が発行されることによって当該株式会社の市場における株式の流通量が増えることになります。この結果、1株あたり利益が希釈化され、特に既存株主の利益が害されることになります。

③売りに出すまでタイムラグがある

公募増資の発表をしてから、市場において実際に取引が開始されるまでには一定期間(1週間程度)を要しますので、その間に、増資発表に市場が反応することによって、株価が下落することになります。

また、以下で説明するように、投資家が利益を上げるためにこの期間に介入してくることになりますので、株価の動きが荒くなってしまいます。

公募増資への投資手順について


公募増資が行われる際には当該銘柄の株価が一旦は下落し、公募価格が決定された後は上昇する、という点を上で簡単に説明しましたが、この値動きを狙って利益を得ることができる投資手法があります。

最も、これはあくまでも概説的な投資法であります。また株価の値動きも必ずしも「公募増資発表⇒下落⇒上昇」の流れを経るわけではありませんので、自己責任の元、損切等のリスクマネジメントをとらなければいけません。

①株価下落とともに空売りを仕掛ける

公募増資が発表されると、おおよその銘柄がその発表と同時に値下がりをすることになります。これを狙って空売りを仕掛けます。公募増資発表後の株価の下落を見越して空売りすることで、このギャップの利益を取得しようというものです。

最も、個人の投資家の場合には、空売りすることができる銘柄は賃借銘柄に限られますので、公募増資を行う銘柄が賃借銘柄であるかの確認をしなければなりません。また、空売りについても注意が必要で、損失制限がありませんので、闇雲な売りは危険でしょう。

②含み益が出ている状態で売り増しを行う

公募増資の発表がなされてから公募価格が決定するまでの間は、含み益が生じている場合であれば、さらに空売りをしかけることで利益を高めると良いでしょう。ただし、株価の上がり下がりの繰り返しの中で損失が拡大する場合も当然ありうるでしょうから、その場合は追撃をやめ、直ちに損確をすべきでしょう。

③値決め翌日から買いを行う

増資株式の価格が決定されると、売り進行の市場であった反動から買戻しが進むことになるでしょう。この段階になれば、公募価格として割安な値段とされた株価が、「通常の」株価へと戻ろうとするのが一般的ですので、このタイミングで買い目線で投資をすることで利益を得やすいでしょう。

株式の希釈化などのデメリットを含め、株価の値戻りが進まない場合もありますので、その気配が感じられる場合には控えるべき場合もありえます。

公募増資とは。投資手順やメリット・デメリットについて詳しく説明のまとめ


今回は、公募増資がどのような性質をもつ増資方法であるのか、ということを、市場動向との関連も踏まえて概説致しました。増資を検討している場合であれば、他の資金繰り方法との比較の中で参考にしてもらえればと思いますし、投資家の方であれば、これを機に公募増資を行う銘柄を狙ってみるのも一つでしょう。

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