2017年04月17日

相続税も所得税も課税される遺族年金とは?課税対象の遺族年金3分類

目次

課税される遺族年金について


高齢者社会に入った我が国ですが、デフレからの脱却は未だ出来ていない状況が続いています。高齢者社会では、当然年金を受給される方が増加し、我が国の財政も依然として苦しい状態が続いています。

そのような中で、今後生じてくる老後の暮らしや配偶者が亡くなられた後の遺族年金などに対して、不安を感じていらっしゃる方も多いと思います。その不安の一部である遺族年金の課税につきましても頭を悩まされている方がたくさんいらっしゃいます。

そこで、今回は遺族年金の課税の仕組みにつきまして調べましたので、ご覧ください。

遺族年金とは


遺族年金には、公的年金、適格適格退職年金契団体(企業年金)などから支給される年金、生命保険会社の個人年金契約で支給される年金などに加入されていた契約者の方が亡くなられた場合、その契約者の配偶者様やご家族に引き続き支給される年金のことを言います。

すなわち、遺族年金は、家計を支えていたご主人が亡くなられた場合、年金が打ち切られますと生計が成り立たなくなるために設けられた制度です。契約者の方が受取っておられた公的年金などの年金については、400万円まで確定申告しなくても構いませんが、それを超えると確定申告する必要があります。

しかし、遺族年金の場合はご本人様とは違った課税形態になっています。

課税の観点での遺族年金3分類

遺族年金につきましては、基本的には非課税でありますが、年金の種類によりましては課税される場合も出てきます。遺族年金の課税形態には、課税される税金の種類と支給される年金の種類によって三つの課税パターンに分かれます。
課税される税金には、所得税と相続税があります。

その三つの分類パターンについては、次のようになっています。

① 所得税も相続税もかからない場合

既に亡くなられた方が、受給されている厚生年金、国民年金、共済年金、恩給などの公的年金を支給されていた場合の遺族年金については、所得税も相続税もかかりません。

② 相続税だけがかかる場合

まだ、会社などに勤められている最中にご本人が亡くなられ、退職になった場合で、ご遺族の方が適格退職年金契約などによって特定退職金年金団体や特定退職金共済団体から年金を支給されることになるケースは、その年金を受取る権利が退職手当金とみなされて相続税の対象になります。ただし、毎年受取る年金そのものに対しては所得税はかかりません。

例えば、各企業などで設けられている年金基金などから受取る年金のことです。

③ 所得税も相続税もかかる場合

年金の中でも、所得税法などで決められている適格退職年金に該当していない場合、同様に所得税法などで決められている条件に該当していない特定退職金共済団体から年金を支給される場合には、その個人年金については相続税も所得税もかかる場合があります。

例えば、生命保険会社などから受取る個人年金などが当たります。

これらの三つの分類パターンについて、さらに詳しく見てみることにします。

所得とみなされず相続税も所得税も課税されない年金


厚生年金、国民年金、共済年金、恩給などの公的年金を既に受給されている方が亡くなった場合に遺族の方が受取られる遺族年金については、所得税も相続税も課税されないことになっています。対象となる年金は次の法律に基づいて支給される年金です。

厚生年金保険法、国民年金法、恩給法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、旧農林漁業団体職員共済組合法、旧船員保険法、私立学校教職員共済法がその対象になります。

但し、既にご本人に対して支給が開始されている年金で、亡くなられた日までの年金が発生していますが、まだ支給期日が来ていないために受取っていない年金部分については、金額が小さくても遺族年金を受取られる配偶者様などのご家族に一時所得として所得税が課税されることになります。

ご本人が亡くなられた日以降の遺族年金については、課税はありません。このご遺族が支払を受ける未支給年金については、そのご遺族の一時所得の収入金額に該当しますので、所得税がかかるのです。

相続税は課税されるが所得税は課税されない遺族年金

通常の公的年金については所得税も相続税も課税はされませんが、企業などが設けている企業の年金基金などから支給される年金は、その受取る権利というものがあり、それは相続税だけが課税される形になります。

従って、毎年受取る実際の年金には所得税も相続税もかかりません。

対象となる基金の年金は次の三つあります。
・ 確定給付企業年金法に基づく確定給付企業年金基金から支給される年金
・ 所得税施行令に基づく特定退職金共済団体より支給される年金
・ 法人税法付則に基づく適格退職年金契約に基づいて支給される退職年金

確定給付企業年金は、企業ごとに設けている年金基金のことです。特定退職金共済制度は、商工会議所が実施する中小企業を対象にして、大企業並みの退職金制度を確立するために設けられた小規模企業共済制度で共済組合が主体になります。

また、適格退職年金契約は企業が生命保険会社や信託銀行などと契約して、その金融機関に年金原資を積み立てて、運用する制度でしたが、確定給付企業年金法の成立により実質的には廃止されています。

相続税も所得税も課税される遺族年金


すなわち、生命保険会社で年金の受給期間を設定しており、被保険者になられていた方が期間を残して亡くなられた場合などには、残りの期間について年金を受取る権利が生じたとみなされて相続の対象となります。さらに、その相続した年金を実際に受取った時にも公的年金以外の雑所得として所得税が課税されてきます。

公的年金と比べますと、かなり厳しい課税になります。

相続税も所得税も課税される遺族年金とは?課税対象の遺族年金3分類のまとめ

公的年金などを引き続き受給される遺族年金は、それまでのご本人様の課税形態とは違う課税が行なわれています。すなわち、年金の種類と税金の種類(相続税と所得税)によって三つの分類パターンで違ってくる制度です。

その遺族年金の課税については、
① 公的年金については相続税、所得税共に非課税
② 年金基金や共済団体などの適格退職年金については相続税のみ
③ 生命保険会社の個人年金などについては相続税、所得税共に課税

という形になっています。公的年金は遺族年金の受給者様にとっては非常に有利な形になっていますが、個人年金に対しては相続税、所得税両方がかかってくるため、厳しい制度になっていると言えます。

今後に備えて、配偶者様が亡くなられた後の生活設計をきちんと立てておく必要があります。

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