2017年04月28日

自筆証書遺言5つの要件と無効になるリスクを回避するための注意事項

目次

自筆証書遺言の要件について知りたい!

遺言にはいくつかの種類がありますが、今回はその中で自筆証書遺言の要件について紹介します。

近年では遺言を作成していると相続税が減額される「遺言控除」も税制で検討されるなど、遺言は注目されています。法的に有効な遺言となるポイントを抑えてください。

要件の前に!そもそも自筆証書遺言って?

自筆証書遺言とは、自分で書く遺言のことです。法的に認められる書式であれば遺言として有効に機能します。自分で作成するため、他の遺言とは異なりほとんど費用はかかりません。遺言は他にも公正証書遺言や秘密証書遺言などがあり、それぞれ特徴を持っています。

民法で定められている自筆証書遺言5つの要件とは?


自筆証書遺言が法的に認められるためには以下の5つの要件を満たす必要があります。過去に自筆証書遺言として作成したものがあれば、これらの要件を満たしているか確認してみてください。

①自筆証書遺言における全ての事項を自分で書く

自筆証書遺言は始めから最後まで、目録等も含めて全て自分で書く必要があります。作成者が自分で書けない状態であっても代筆は認められません。意思能力はあるものの、手が不自由であるために文字を書けない場合は公正証書遺言を利用する方が良いでしょう。

また、「自分で書く」ということは自分でパソコン等を使って書くことや音声を録音したりビデオを録画することも含まれません。

②自筆証書遺言では特定できる日付を書く

日付も自筆で、正確に何年何月何日に書いたかを特定できなければいけません。日付だけゴム印で押してしまう方もいますが、ゴム印では要件を満たすことができません。また、「吉日」「末日」といった書き方も認められません。

③自筆証書遺言には遺言者のみの氏名を書く

遺言書を書く人は一人でなければいけないので、夫婦の連名など、複数の氏名が自署されている遺言は認められません。当然誰の自署もない場合は無効となります。

ちなみに自署は誰が書いたかと特定できれば良いため、必ずしも本名でないといけない訳ではありません。通称や芸名、雅号でも本人と分かれば良いのですが、誤解を招くような書き方はできる限り避けた方が良いでしょう。

どうしても通称などを使いたい場合は本名も添えておくことをお勧めします。

④自筆証書遺言に「認印」または「実印」を押す

捺印は実印である必要はありません。認印でも構いませんが、いずれにしても押印は必須条件となっています。こちらも、どんな印鑑でもいいとは言え、他の人が作成したように誤解される可能性をできるだけ避けたいので、可能であれば実印を使うと良いでしょう。

⑤自筆証書遺言の訂正方法は適格に行う


内容に訂正がある場合は以下の3点に気を付けてください。

・変更した場所を指示する
・変更した事実を記載し、署名する
・変更した箇所に押印をする

これらがないと訂正されたことになりません。
作成にあたり筆記具はボールペンでなく鉛筆でも法的には有効ですが、第三者が容易に訂正できてしまうという問題もあるため、消すことができないものを使うと良いでしょう。

要件を守れていないと自筆証書遺言が無効になる!?

上記の要件を満たさない自筆証書遺言を作成したとしても、法的に認められる遺言とはなりません。逆に、相続人の間で争いになる原因ともなり得るため要件は必ず満たすようにしましょう。

どうしても自信がない場合には行政書士や弁護士などの専門家にアドバイスをもらうこともできます。

【注意】要件が守られた自筆証書遺言の下書きは悪用されるリスクが!

自筆証書遺言を下書きする場合は、要件が守られていない状態にとどめておいた方が安全です。要件を満たす遺言が複数出てきた場合は日付が新しい方が正式なものとなりますが、他にも新しい遺言があるかもしれないと思われたり、下書きの方が有利な場合に正式な遺言と差し替えられてしまう可能性もあるためです。

下書きとして整理しておきたいことがある場合は、エンディングノートを活用することもできます。法的な効力はありませんが、自分の半生を振り返るきっかけにもなります。

自筆証書遺言5つの要件と無効になるリスクを回避するための注意事項のまとめ


要件としては認められたとしても、その内容が明らかに不公平であったり分割方法が曖昧であると相続人同士での争いになる可能性があります。

どうしても不公平な分割にせざるを得ない場合は付言でその理由を示すことや、家族への想いを伝えることも重要になってきます。

また、他の遺言とは異なり遺言書そのものを見つけてもらえないというリスクもあるため、遺言書を作成した場合は家族にその旨を伝えておくということも忘れないでください。

みんなのお金ドットコム(みんかね)とは

みんなのお金ドットコムでは、「お金のコトを身近に」をミッションに節税や保険、投資、ローン、クレジットカード、節約などお金に関する情報を正しくわかりやすく専門家や編集部から配信しています。
みんかねを通して、家計や資産形成などをはじめとするお金に関する事を能動的に考えて対処していくきっかけを作る事を目指しています。

Thumb minkane logo
written by
「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。 投資・節税・保険・ローン・クレカ・節約などのテーマの情報を各領域の専門家や編集部を通して記事配信していきます。
関連記事