2017年05月01日

相続時精算課税制度とは。メリット・デメリットや手続き方法、必要書類を簡単に解説

目次

相続時精算課税制度とは

あなたは相続時精算課税制度についてご存じでしょうか。
相続時精算課税制度とは、とりあえず今は贈与税を払いたくない!でも贈与税の基礎控除額(110万円)を超える財産を受け取りたいという時に利用できる制度です。詳しく見ていきましょう。

相続時精算課税制度が適用できる人とは

この制度では贈与する人とされる人それぞれに条件があります。贈与する人は60歳以上の父母または祖父母です。贈与される人は20歳以上の子どもまたは孫になります。つまり、いずれ財産が受け渡される血縁関係であり、もらう人は成人していないといけないということです。

相続時精算課税制度が適用される財産とは


財産については特に決まりはなく、現預金や不動産、金貨など何でも構いません。また、贈与回数にも制限はないため、複数年に亘って贈与をしても構いません。もちろん一回だけでも大丈夫です。

相続時精算課税制度のメリット

いずれ相続させる財産を前もって贈与しておき、税金の支払いは相続時に後回しをするため、贈与した時点では税金が発生しないことが最大の利点です。

①2,500万円まで非課税

2,500万円までの贈与であれば贈与税が非課税となります。贈与額が2,500万円を超えた場合は、超えた額に対して一律20%の税率となります。例えば贈与額が3,000万円の場合、500万円に対して20%の税率ですので100万円の贈与税となります。

②生前贈与で相続税の負担が和らぐ

この制度の特徴として、贈与された財産は相続時に相続財産に含まれることになりますが、財産の評価は贈与時の時価となります。つまり将来的に価値が上がると思われる財産であれば早めに贈与することで、相続財産の評価額を圧縮する効果が出ます。

③相続争いを避けられる

相続時に遺産分割で争いになることがあります。遺言で分割方法を指定することも争いを避ける有効な手段ですが、先に贈与してしまうことで余計な争いを避けることにもなります。

相続時精算課税制度のデメリット

もちろんこの制度は良い面ばかりではありません。不利になる点もあることを紹介します。

①暦年贈与が選択できなくなる

この制度を一度利用してしまうと、その贈与者からの贈与には暦年贈与が二度と使えなくなります。例えば父からの贈与に対して当制度を利用した場合、父からの贈与は全て当制度の贈与額にカウントされ、2,500万円を超えそうだからと言って取り消しするといったことができません。
ただし、この場合では母に対しては制度を適用していないため暦年贈与を選択できます。

②物納ができない

相続税は現金での納税が困難であれば物納(不動産や株式などで納税すること)を選択することができます。ところがこの制度の適用対象となった財産は物納の対象とすることができません。

③相続税が発生するリスクがある

贈与税を回避できたとしても、相続時には贈与財産は相続財産とみなされるため相続税が発生することもあります。

④小規模宅地等の特例との併用不可

小規模宅地等の特例は被相続人(亡くなった人)が住んでいた土地などを相続人が引き続き住むことで最大80%も相続税の評価を下げることができる特例です。こちらもこの制度で対象となる土地を贈与していた場合には小規模宅地等の特例を使うことができません。

⑤相続税改正が行われれば不利になるリスクがある

相続税の改正により増税となってしまうと、結果的に単純に贈与した方が税金が少なくて済んだ…ということもあり得ます。近年は相続税は増税傾向、贈与税は減税傾向ですので、不利になる可能性もあります。

相続時精算課税制度を適用させるための手続き

申告期間

制度の適用を受けるためには、最初の贈与があった翌年の2月1日~3月15日に申告を行う必要があります。

申告場所

申告場所は贈与を受ける人の住所地の所轄税務署となります。

申告するために必要な書類

申告に必要な書類は以下の通りです。

・相続時精算課税選択届出書
・贈与を受ける人の戸籍謄本
・贈与税の申告書

相続時精算課税制度とは。メリット・デメリットや手続き方法、必要書類を簡単に解説のまとめ


相続時精算課税制度に関する概要はご理解いただけたでしょうか。デメリットもありますが、将来の計画をしっかり立てて活用することでメリットも大きい制度ですので基礎控除額を超える贈与がある場合は一度検討してみてはいかがでしょうか。

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