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2017/02/15

債務整理のデメリットや気になる債務整理後に関する疑問をわかりやすく解説

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目次

債務整理をする前に

借金の返済は精神的に大きな負担となりがちです。
特に返済のためにまた借金をすると言った状況となると、月々の返済を減らしていく他に解決策が見当たらなくなっていきます。

月々の返済額を減らす方法としては、債権者との話し合いで月々の返済額を減らしてもらう任意整理と、裁判所を通して月々の返済額を減らしてもらう法的整理の2つの手段があります。

法的整理の代表格としては、返済自体を免責、すなわちゼロにしてしまうという自己破産と、払える範囲での支払いまで債務を圧縮するという個人再生が挙げられます。
それぞれの手続には、メリットとデメリットがあります。とくに、デメリットについては充分に比較検討した上で、それぞれの手段を選択することが大切です。

<下に続く>

任意整理

任意整理とは、債権者と債務者が月々の支払について交渉をしたうえで減額を「お願いする」ことです。
あくまでお願いなので、債権者にはこの交渉に応じる義務がないというのが一番の特徴です。

任意整理のメリット

任意整理は、あくまで債権者と債務者の間の話し合いで決着がつきますので、裁判所を通した法的整理よりも手軽な方法だといえます。
作成に手間のかかる書類を準備したり、裁判所に赴いて審尋を受けたりする必要がありません。
また、解決までの期間も法的整理よりも短くて済むという傾向があります。

任意整理のデメリット

任意整理の最大のデメリットは、債権者には交渉に応じる義務がないという点です。
債権者は、支払いが滞っているような場合には、裁判を起こして債務者の資産を差押えることができます。
結局、この裁判を起こすメリットが債権者にあるかぎりは、債務者側から有利な交渉を運ぶことはできません。

そして、任意整理では元本以上に債権額が減ることはまずないと考えたほうがいいでしょう。
もちろん例外もありますが、ほとんどの場合では、もっとも有利に交渉が進んだとしても、将来利息のカットと、支払期限の延長がせいぜいと言ったところです。

また、債務整理後全般にいえますが、信用情報(いわゆるブラックリスト)に掲載されますので、今後の借り入れは難しくなります。
加えて、任意整理の相手方が銀行または、銀行の保証会社となっている場合には、その銀行の口座が凍結されることがありますので、注意が必要です。
 

個人再生

個人再生とは、裁判所を通して、債権額を減額し、原則3年(特別な事情が認められる場合には5年)で返済していく計画を通してもらうといった方法です。

個人再生のメリット

個人再生のメリットは、なんといっても債権額自体を大幅(5分の1程度)に減額できるといった点です。
また、自己破産よりも多くの資産を手元に残すことが可能ですし、自宅のローンが残っている場合は、そのローンを再生手続から除外して、自宅を手放すことなく他の債務のみを弁済することができる場合があります。

個人再生デメリット

法的整理全体に言えることですが、まず、裁判所を通した手続ですので、提出すべき書類が多く、正確さも求められます。
もちろん弁護士や司法書士などに依頼する場合には、債権届など債権者から取得するような書類について代わりに揃えてくれる場合がほとんどです。
しかし、提出書類には本人が作成しなくてはならない書類もあります。
特に、家計収支表については少なくとも3ヶ月分を用意することが求められますので、手続を進めようと思った時から早くとも3ヶ月はかかることになります。

また、手続きの過程で、勤め先や同居している家族に個人再生手続きについて秘密にしておくことは非常に困難です。
勤め先や家族にはきちんと打ち明けて、相談しておくことが必要となります。

個人再生は、破産ほどではないにしても、一定の資産以外は手放すことになります。
保有できる財産は弁済額が上限となりますので、弁済額が200万円であった場合には、200万円を超える資産については競売や任意売却などで処分して、債権者に提供する事になります。
また、個人再生をしたことは、信用情報に掲載されますので今後の借り入れは難しくなりますし、全ての債権者に対して個人再生の通知が行われますので、口座凍結についても注意が必要です。

<下に続く>

自己破産

自己破産は、破産手続きから免責までを指すことが通常です。
免責決定が下りた場合には、すべての債務につき返済責任がなくなります。
つまり、返さなくてもよくなるということです。

自己破産メリット

自己破産の最大のメリットはなんといっても「免責」にあります。
債務全てについて支払い責任がなくなりますので、免責決定の時点から完全に借金から開放されます。

自己破産デメリット

自己破産はメリットが大きいぶん、デメリットもそれなりに存在します。
まず、自己破産をした場合は、一定の職業としての資格を失います。
代表的なものは、会社取締役、弁護士、司法書士等です。その他にも多くの職業が当たりますので、事前に調査しておく必要があります。

また、資格制限にあたらない一般的な会社員等の場合であっても、個人再生同様、破産手続の過程で自己破産の手続き中であることを会社に隠しておくことは非常に困難です。同居している家族等についても同様です。

そして、資産については、ほとんど手放すことになります。
手元に残せるのは「自由財産」といわれるものだけで、破産手続開始決定後に得た財産、99万円以下の現金、差押え禁止財産(生活に必要なもの)など以外は全て、任意売却または競売等で処分し、債権者に提供することになります。

また、多くの書類を揃える必要があり、期間が長くなりがちなことや、信用情報に掲載されることについては、個人再生と同様述べたとおりです。
破産手続きも全ての債権者に通知されますので、口座凍結についても注意が必要です。

債務整理のデメリット克服のためには

債務整理共通のデメリットとして、信用情報の掲載によって今後の借り入れが難しくなるということは繰り返し述べてきました。
まずは、債務整理をする際には、今後の借り入れを諦めるという決断が必要です。

そのうえで、それぞれのメリット・デメリットを比較して債務整理の方針を決定しましょう。
一般的な方針決定のプロセスとしては、最初に「任意整理or法的整理」という視点で選択を行います。

債務額と自らの収支を比較して、将来利息のカットと、返済期間の延長(最長で60回を目安とします)で返済が可能な程度まで月々の返済額が下がったのならば任意整理を検討します。
それでもなお返済が困難であるなら民事再生または破産を検討することになります。
債権者と任意整理について交渉しつつ、途中から法的整理に移行するということも可能です。

次に、法的整理を取る場合には、「個人再生or自己破産」という選択を行います。
この選択をするうえで最初に行うべきなのは、自分がその手続を行うことができるのかどうかということです。

たとえば、破産手続きの条件は、「支払不能であること」ですので、現段階で債務の支払いが可能な場合はそもそも破産手続きを行うことができません。

個人再生の条件は、個人再生の種類にもよりますが、原則として「破産の原因が生じるおそれがあるとき」とされていますので、現段階で支払不能となっている必要はありません。
条件をクリアしていることが確認できたなら、両者のメリットとデメリットを比較しましょう。
ポイントとしては、「資格制限にあたる職に就いているか」「自宅を守りたいか」「どの程度の資産を残したいか」になるでしょう。
自分や家族の生活状況についてしっかりと把握したうえで検討しましょう。

債務整理後の生活は?

どの方法をとったにせよ、債務整理の後は、原則として新たな借り入れはできません。(任意整理の場合は任意整理を行なっていない債権者と契約を続けることは出来ますが、カードの更新時などに信用情報を新たに照会した場合は借り入れが止まることがあります。)
自己破産以外の方法を取った場合は、自らの収入のみからの返済を中心とした生活になります。

任意整理の場合には、返済が滞ると一括請求されることになる場合がほとんどです。
また、一度交渉したにもかかわらずその約束を破ることになると債権者からの信用は著しく低下しますので、再度交渉することも困難になります。
返済日に、かならず約束した金額を入金するようにしましょう。どうしても難しい場合は早めに債権者に相談することが大切です。

個人再生の場合には、再生計画に沿った返済をすることになります。
この返済も滞った場合には再生計画取り消しの原因となりますので、必ず再生計画に沿って返済を行うようにしましょう。
再生計画の取り消しは債権者が申し立てることになりますので、この場合も、どうしても返済が難しい場合には、債権者に相談するようにしましょう。

自己破産の場合は、返済がありません。
しかし、自己破産の手続きをするうえで、会社に自己破産が知られることが多くそのせいで、会社に居づらくなってしまうといった人も少なからず存在します(なお、自己破産を原因として、会社側が解雇することはできません)。
たしかに自己破産は「踏み倒し」という一面がありますが、やり直すために手続をとったのですから、胸を張って生活をしっかり立て直すことが大切です。
 

債務整理のデメリットや気になる債務整理後に関する疑問をわかりやすく解説のまとめ

一口に債務整理といっても、上に紹介したとおりにその種類、メリット・デメリットは様々です。

また、どの手続を取る上でも、根気のいる対応が求められますので、その中で自らの借金としっかり向き合うことになります。
債務整理は、現在の生活に向き合い、将来を現実的に見据える手続です。
債務整理をすべきかどうかは真剣に検討してください。そのためには、債権額、月の支払い、収入の目処について資料をあつめて、リスト化するなど、自分の生活を客観的に見つめ直す事が重要です。
もちろん、すべての手続を自分でやるとなると相当の労力、精神力が必要となります。現在の返済状況に不安があるならば、ひとまず弁護士や、司法書士の無料相談を受けてみるのもよいきっかけになるのではないでしょうか。

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