2017年02月23日

元大手証券会社トレーダーが本気でおすすめする金融・投資に関する映画3選

目次

元大手証券会社トレーダーおすすめの金融・投資・お金に関する映画3選

私は映画が大好きで、物心がついた時から今までに、数千本は映画を見てきたと思います。
しかも、私は証券会社に勤めていたこともあり、中でも金融や投資を題材にした映画が特に好きなのですが、今回、数ある映画作品の中から、元証券マンだからこそお薦めしたい映画を3つご紹介したいと思います。
私の実体験をもとに、証券マンだからこそ面白いと思ったポイントも、合わせて解説していこうと思います。
では、さっそく見ていきましょう!

第3位:『マネートレーダー/銀行崩壊』

映画名:『マネートレーダー/銀行崩壊
1998年 イギリス
監督 ジェームズ・ディアデン
主演 ユアン・マクレガー
原作 ニック・リーソン著『私がベアリングズ銀行をつぶした

マネートレーダー/銀行崩壊の見所

日経平均先物の架空取引で英国の名門投資銀行ベアリングスを倒産させたニック・リーソンの獄中手記をもとにしたノンフィクション映画。
ニック・リーソンは、ベアリングズ・シンガポールの先物取引部門の責任者。日経平均先物のビッグ・プレイヤーとして有名なトレーダーでもありました。

しかし、部下の失敗などを隠蔽するために作った架空口座を利用して、会社に秘密で莫大な金額の取引をしていきます。
その後、ついに阪神淡路大震災がきっかけで日経平均先物の価格が大暴落してしまい、会社に隠していた巨額損失が表面化してしまいます。
そして1995年、日経平均先物などの取引で約1380億円の巨額の損失を計上し、女王陛下の投資銀行とまで言われたイギリスの名門ベアリングズは破綻するのでした。

はじめは売りと買いを逆に注文してしまった部下の失敗をカバーするため、架空口座を利用して一旦損失を隠しておくことを思いつきます。
このあと、ニックの取引は成功し、部下の損失を埋め合わせることができました。
しかし、この方法を利用して、会社では認められていない巨額な取引に手を出してしまいます。

トレーダーは、一度損失を出してしまうと、その損失以上に利益を出して取り返さなくてはいけません。
そのプレッシャーから、取引金額をより大きくして取引する衝動に駆られます。
本来であれば、会社内のルールに則って取引をしているので、上限金額以上になることはありませんが、ニックは架空口座を利用して、取引金額をゆきだるま式に膨らませていくのでした。

このようなトレーダーの不正、過去にも何度も起こっています。
やはり人間は弱い生き物で、損失を取り返したい一心で道を踏み外してしまうことがあるようです。
たとえば、2007年にフランスの大手証券会社ソシエテ・ジェネラルのトレーダーが、不正な取引で最終的に7600億円の損失を出してしまいます。
彼は不正を行っていることが会社に知られないように、取引に関する書類まで偽造していました。映画でもニックが書類を偽造する場面がありますが、歴史は繰り返されてしまうものです。

ニック本人が来日した際、インタビューでこう答えました。「毎日辞めたいと思っていました。今日捕まるんじゃないかとビクビクして…。」「ストレスで親指の爪がなくなるほど噛みちぎってました。」と。普通では考えられないプレッシャーと向き合っていたようです。

たった一人の人間が巨大な投資銀行を破たんさせてしまう、こうした不正取引を行うトレーダーが後を絶たない、つまり、ある意味で金融システムの恐ろしさを知ることができるこの作品を第3位としてお薦めしたいと思います。

第2位:『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

映画名:『ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)
2013年 アメリカ
監督 マーティン・スコセッシ
主演 レオナルド・ディカプリオ
原作 ジョーダン・ベルフォート著『ウォール街狂乱日記―「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生

ウルフ・オブ・ウォールストリートの見所

実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録をもとにしたノンフィクション映画。
学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート。
巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを繰り出して業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていきます。
そして26歳で証券会社を設立、約49億円もの年収を得るまでになります。

富と名声を一気に手に入れた彼は、次第にドラッグやセックスに溺れるようになります。
ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていきますが、しばらくすると証券詐欺の容疑で逮捕されてしまうのでした。

証券会社はまさに実力主義の世界なのですが、映画でもジョーダンは稼ぎまくり、莫大なお金を得ることになります。
さすがに日本の証券会社では、いくらトップのセールスやトレーダーでも億単位の年収を貰うことはありませんが、外資系の証券会社であればけっこうあり得る話で、イメージは映画に少し近いかもしれません。
ちなみに、外資系の証券会社で営業をやっている私の友人は、若くして同世代の平均年収の10倍以上も得ていましたし、幹部クラスであれば億単位の年収を得ている人はもちろんいます。

また、ジョーダンは、ナオミという容姿端麗な魅力的女性にはまってしまい、貧しい頃から苦楽を共にしていた妻と別れることになります。
私の友人で日本の証券会社から外資系の証券会社に転職した友人が何人もいますが、交友関係が派手になり、今まで付き合っていた彼女と別れてしまう人が多いです。
外資系の証券会社に勤める男性と結婚した女性アナウンサーもいましたが、私の友人も転職してすぐに女子アナウンサーと合コンをしていた人がいます。
今まで出会うことがなかった容姿端麗で、きらびやかな世界を生きている女性たちと知り合って、そちらが魅力的に映ってしまい、今まで付き合っていた彼女を捨ててしまう人もいるのでしょう。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、証券業界の成功から転落までの人生と、そこにちりばめられた少し下品な演出を楽しむ作品だと思いますが、元証券マンとしては、証券業界にありがちな”お金”と”女”のあるあるが、より一層面白く感じさせてくれました。
ちなみに、映画史上で最も「FUCK」と言った作品はこの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で、その数はなんと544回にも上ります。
この作品を第2位としてお薦めしたいと思います。

第1位:『マネー・ショート華麗なる大逆転』

映画名:『マネー・ショート華麗なる大逆転 (字幕版)
2015年 アメリカ
監督 アダム・マッケイ
主演 クリスチャン・ベール
原作 マイケル・ルイス著『世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)

マネー・ショート華麗なる大逆転の見所

リーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いて巨万の富を得た4人の男たちの実話を描いたノンフィックション映画。
金融トレーダーのマイケルは、住宅ローンを含む金融商品が債務不履行に陥る危険性を銀行家や政府に訴えますが、全く相手にされません。
そこでクレジット・デフォルト・スワップという金融取引でウォール街を出し抜く計画を立てます。そして08年、住宅ローンの破綻に端を発する市場崩壊の兆候が表れるのでした。

簡単なあらすじを書いただけでも、クレジット・デフォルト・スワップという聞きなれない言葉が出てきましたね。
この映画の一番ネックになる部分は、一般人には聞きなれない金融の用語がいくつも出てきてしまうこと。
映画の中でも分かりやすく伝えようとしていますが、”それでもなかなか馴染みのない人にはわかりにくい。
そのため、クレジット・デフォルト・スワップを取引することで、住宅ローンのバブル崩壊を待ちながら、それに気づいていない巨大な銀行とハラハラ・ドキドキしながら戦う緊張感や面白さが伝わりにくいというのが難点なのですが、この映画の面白さをこれから紹介したいと思います。

金融市場では、銀行、証券会社、保険会社、ヘッジファンドなどが莫大な資金を元手に金融商品を取引しています。
ですが、それぞれが自由に何でも取引できるわけではありません。各社、色々な制約の中で金融商品を取引しています。

たとえば、銀行であれば預金者から預金を引き出された場合、今保有している金融商品を売って現金を作り、引き出しに対応しなければならない時もあるでしょう。
もちろん他にも色々ありますが、各社さまざまな制約の中で取引をしています。
そして、その状況によってはどんなに正しい取引をしていようとも、保有している金融商品を売って必ず現金にしなければならないということが起こり得るということです。必ず勝てる勝負であっても、その勝負を放棄しなければいけなくなる場面があるということを、まず覚えておいて下さい。

映画の中で、マイケルはサブプライムローンと呼ばれる住宅ローンが焦げ付き、サブプライムローンを組み込んだ金融商品の価格が暴落する可能性があることに気づきます。
調べれば調べるほど、その予想を裏付けられて、確信へと変わっていきます。
そこで、マイケルはサブプライムローンが組み込まれた金融商品の価格が暴落することで、大きな利益をあげることができるクレジット・デフォルト・スワップを取引することにします。クレジット・デフォルト・スワップは、保険のような金融商品のため、サブプライムローンを組み込んだ金融商品の価格が暴落すれば、多額のお金を受け取ることができる一方、取引をするためには保険料のようなものを支払わないといけない金融商品です。
車がもし事故にあってしまうと保険金を受け取れますが、事故にあわなければ保険料の分だけ支払い損になってしまう、まさに保険と同じような仕組みの金融商品と言えます。

そして、マイケルは巨大な銀行や証券会社を相手にクレジット・デフォルト・スワップの取引を提案します。
相手はサブプライムローンが組み込まれた金融商品の価格が暴落するとは微塵も思っていないため、「こいつ、バカなのか?」という感じで次から次に取引が成立します。
しかし、ここでマイケルに1つの誤算が起こります。
それは、サブプライムローンの焦げ付きが顕在化するまでに時間がかかったということです。

先ほどもご説明した通り、クレジット・デフォルト・スワップを取引すると、保険料のようなものを払い続けないといけません。
マイケルの場合、1つのクレジット・デフォルト・スワップの取引で、年間で億単位の支払いをしていたはずです。
そんなクレジット・デフォルト・スワップをいくつも取引していたわけですから、マイケルの会社から恐ろしい金額の支払いが発生し続けます。
マイケルは資金提供者たちから取引を止めるように言われますが無視し続けます。
マイケルもサブプライムローンが組み込まれた金融商品の価格がなかなか暴落しないため、焦っていたはずです。
資金提供者たちを無視し続けたとしても、強制的に取引を止めさせられるのは時間の問題。まさに、勝てる勝負なのに、その勝負を放棄しなければいけなくなるタイミングが、刻一刻と迫っていました。

私も似たような経験がありますが、本当にしんどいです。
この映画は、こうした緊張感がすごくうまく表現されていて、本当に面白いと感じました。
「マネー・ショート 用語」で調べると、映画で出てくる金融の用語を解説してくれているサイトがいくつも見つかります。
ぜひ、映画を見る前に意味を調べてみて、それから映画を見てみてください。きっと、ハラハラ・ドキドキする、面白いとなると思います。今回、この作品を第1位としてお薦めしたいと思います。

元大手証券会社トレーダーおすすめの金融・投資・お金に関する映画3選のまとめ

いかがでしたか。元証券マンだからこそ薦められる、本当に面白い金融に関する映画を3つ紹介させていただきました。
それぞれタイプの違う映画を選んだつもりです。
きっと、この記事を読む前と読んだ後では、映画を見たときに受ける印象が変わっていると思います。ぜひ、楽しんでみてください!

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