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2018/08/22

当職とは?例文と類語!当職を使う職業、貴職との違いを解説

『当職』という言葉を見聞きしたことはありませんか?
或いは、ご自身で使ったことはありませんか?

一人称を表す語なのですが、非常に特殊なものですので、今回はその正しい意味に迫ります。
当職とはどのような人が使うものなのか、そしてどのような使い方をするものなのか、具体的な例文をたくさん設けて分かりやすく解説します。

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当職とは?

当職の意味は?

『当』という字には、『この』という意味があります。
そのため『当職』は、『この職務』や『この職業』を表します。

古文では『現在の職務』、いわゆる『現職』の意味で使われていました。
平家物語や今昔物語などに見て取れます。

また、藩の中で財政や地方の政治を取りしきった、最高責任者の事も指していました。

当職を使う職業は?

当職の意味

現在『当職』は、いわゆる法曹と呼ばれる、法律を扱う専門職の人達が、一人称(つまり、私)として使う言葉です。
具体的には、弁護士や司法書士、弁理士の方達が使います。

当職が知られるようになったきっかけ

弁護士の唐澤貴洋さんが多用したために、なんJ民の間で有名になった言葉です。
5ちゃんねるの掲示板の一つに、なんでも実況(ジュピター)板というものがあり、この掲示板の住民のことを、なんJ民と呼びます。

ある一人のなんJ民が、3年もの間ほぼ毎日煽り記事や自分語りを繰り返して、自身の周りのことに関する断片的な情報を掲示板に書き込んでいたため、これに対して稀に見る規模の誹謗中傷がありました。
彼が批判と中傷に耐え切れずに相談した弁護士というのが、唐澤貴洋さんでした。

唐沢さんは運営へ記事の削除を要請し、中傷した発信者情報の開示請求も行うなどそたため、攻撃していて個人情報をさらされてしまったなんJ民の間では、その名が瞬く間に広がったようです。

一般社員が使っても良い?

上に挙げた、法曹の人達の間でさえ、この語を使うことに対しては批判的な意見が存在します。
ましてや、正しい使用方法でもない一般職の人達が使うことは考えられません。

また、上に挙げた一部のネット住民や法曹の方達などを除いては、あまりこの言葉を知っている人はいないものと考えられますので、仮に使ったところで相手には何のことを言っているのかさえ伝わりません。

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当職の類語は?

小職

官職についている人が自分をへりくだって言う時に使う一人称です。
『小官』とも言います。

元々は低い官職を意味する言葉でした。
『当職』が法曹に限られるように、『小職』も国家公務員に限って使われる言葉でした。

しかしながら、この『小職』は今や国家公務員に限らず民間企業の方も使っています。
特に役職についている人が謙遜して使う言葉です。

ある程度の役職の人しか使いません。
また、男女の区別はなく、女性でも特に問題なく使える言葉です。

本職

『本職』には色々な意味があります。
『本業』と同じような意味で使われることがありますが、この際には『その人が生計を立てている職業』を表します。

『テレビのコメンテーターも務めていますが、本職は大学教授です。』のように使います。
この使い方はよく見聞きするものです。

他にも、玄人やプロを意味するような『それを専門にしている人』を表す『本職』もあります。
例えば、『いくら料理に自信があると言っても本職にはかなわない』というような使い方をされる場合がそれです。

そしてもう一つが、『小職』と同じく、官職にある者が自分のことを指して言う一人称としての使い方です。

小生

『小生』は『小職』に大変似ていて、へりくだって使う語ですが、これには職業が関係ありません。
どのような職業の人でも、どのような役職の人でも使うことができます。

これは男性のみが使えるものなのですが、自分をへりくだって言う場合の一人称の人代名詞です。
主に手紙文で用いられます。

『小生』はへりくだった表現ではあるものの、目上の人に対しては無礼で生意気と取られるということで、自分と同等か目下の相手に使うとされている、とても変わった表現です。
そのため、ビジネス上では一切使えません。

当方

『当方』とは、『自分の方』や『こちら』を意味し、『自分の属している方』を表しますので、主に一人称複数(私達)の人代名詞として使われます。
先方が対義語です。

『こちら』を丁寧に言い換えた言葉として『当方』が使われることが多いです。
読み方は『とうほう』です。

『小生』は男性のみが使える表現でしたが、『当方』は男女の区別はありません。
また、当然ですが『私共』という意味ですので、社内メールでは使えません。

意味からして一人称複数として使うのが正解ですが、一人称単数の『私』を丁寧に表現する言葉として『わたくし』を使おうにも、漢字で表記すると同じになってしまうため、この『当方』が便利な表現として使われるケースも多々あります。

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当職と貴職の違いは?

貴職の意味

『貴職』とは、元々高い位の官職のことを表していました。
いわば『小職』の対義語のようなものであったと言えます。

今では、主に役人の人に対して、相手の身分や職名を敬って言う語です。
二人称の人代名詞ですので、言ってみれば『あなた』を丁寧にしたものです。

主に文書で使う言葉

主に手紙や文書などで用いられます。
『小職』が官職に限らず民間企業でも使われていると上述しましたが、『貴職』に関しては国家公務員以外には使われません。

時候の挨拶に続けて文頭で、『貴職におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。』などのように使われることが多いです。
公務員の方にお手紙を出す機会が多い方は、是非覚えておきたい人代名詞です。

口頭での使用は意味が通じないことも…

『貴職』は文書でしか使いません。
口頭では、『きしょく』と言葉で発したところで、果たして何のことを指しているのか聞いた方もさっぱり分からず戸惑います。

『気色』や『喜色』、果ては居候を意味する『寄食』まで、『きしょく』と読む熟語は色々とあります。
いくら会話の中で目上の人を立てようと思っても、『貴職』は使うべきではありません。

『貴職』の使用は文書のみにし、会話や電話など口頭では『○○様』や相手の役職などで呼ぶのが通例です。

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当職を使った例文

当職の使用例

以下の6つについて取り上げます。

  1. 自己紹介
  2. 自分の考えを述べる
  3. 自分の立場を明らかにする
  4. 現状を説明する
  5. 通告
  6. 自身の活動内容

それぞれ詳しくみていきましょう。

例文①:自己紹介

自己紹介や自分のことを語る時に、『当職』という言葉は使われます。
当然のことながら、法曹の方のみが使える表現と考えてください。

『当職は○○大学法学部卒です。』
『●●県出身の当職は、甲子園で△△高校を応援しています。』

例文②:自分の考えを述べる

自分の考えを述べる時にも、『当職は』と主語に持って来て使われます。

当職は当たり前の事を当たり前の様に処理できる基本に忠実な力、すなわち基本力こそ法曹に求められる最も重要な力だと考えています。

出典元:熟年だけでない「夫源病」の実態 夫が家にいるだけで「気が狂いそう」「動悸がヤバい」|弁護士ドットコム

また、主語としてだけでなく『当職の考えとしては、限定相続と言う方法を勧めます。』のような使い方もできます。
法曹の方が使う言葉ですので、やはり例文もそれ相応の内容になります。

例文③:自分の立場を明らかにする

注目を集める裁判において、弁護を受けることになったといった、今の自分の立場を話す際にも『当職』は使われます。

『当職はこの民事事件の被告代理人をすることになりました。』
『代理人である当職も同行の上、告訴状について説明させていただきました。』

民事事件の裁判での弁護士は代理人を呼ばれます。
刑事事件の裁判において被告を弁護する人は弁護人と呼ばれます。

例文④:現状を説明する

弁護士の方は、裁判中やそこに至るまでの間にも、注目の事件であればコメントを求められることがあります。
そこまでの現状を、話せる範囲の中で説明をしていくわけですが、その際にも『当職』は使われます。

『この件につきましては、当職も報道を通じて初めて知ったという状況でございます。』
企業などの顧問弁護士の方達も全てを把握しているわけではないので、このような使い方をされることがあります。

例文⑤:通告

弁護士の方が通告をする際にも『当職』は使われます。
通告とは、決定事項を文書などで公的に知らせることです。

『当職は、今般通知人○○○氏から委任を受けた代理人弁護士として貴殿に対し次のとおり通告します。』
このような内容の通告書を送付するわけです。

例文⑥:自身の活動内容

弁護士の方などは特に、これまでの自身の活動内容を述べる際に『当職』という表現を使います。

『当職は受動喫煙問題についての弁護活動を通じて行政などともやり取りしてきた。』
当然のことながら、弁護の仕事内容やこれまでの活躍を語る際に使われるものです。

<下に続く>

当職はビジネスメールで使える?

弁護士当職

当職はあまり使用しない

冒頭の意味のところでご紹介しましたが、本来は法曹の方達のみが使う表現であり、当の弁護士の方達などの間でもこの語を使うことに対して、批判的な意見が存在するということです。
ましてや、正しい使用方法でもない一般職の人達が使うことは考えられません。

この言葉の意味を知っておくことは大事なことですが、あまり使用されるものではないということも合わせて覚えておきましょう。

ビジネスメールには「当方」が便利

しかしながら、実際にはビジネスの現場ではメールで自身のことを『当職』と表現している方もいらっしゃいます。
特に年配の方に多いようです。

正しくは、類語のところでもご紹介しました『当方』との表現がふさわしいです。
例えば、『当方といたしましても、この度の新規事業に携われることと嬉しく思っております。』のように使います。

お詫びの際には、『当方のミスにより多大なご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございません。』や『当方の手違いでこのような事態を招いてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。』のように使います。

<下に続く>

『当職』よりも他の類語を使おう

『当職』という言葉の意味や使い方についてここまで見てきました。
これまで知らなかった方も、本当に特殊な人代名詞であることがお分かり頂けたかと思います。

使って良いのは、弁護士さんなどほんの一握りの職種の方達だけで、更にその方達も好んでは使わないものです。
私達は他にふさわしい類語がいくらでもありますので、それらを上手く使いこなすようにしましょう。

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「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。
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