みんなのお金ドットコム | お金のコトをもっと身近に

住民税の地域差の実態!47都道府県&12の市区町村ランキング

住民税は私たちにとって身近な税金です。こちらの税金には、税率が高い地域と安い地域があると言われています。今回は実際に地方自治体(都道府県および市区町村)の住民税をランキングに分け、東京、千葉、埼玉、大阪等、各地域の税額を比較し、計算方法も取り上げます。ただし、税額が飛びぬけて高すぎる自治体はありません。

Large sunset 180544 640  1
目次

地域差がある?住民税の基本

各地方自治体は、その地域の社会経済状態や人口・環境等、様々な事情を踏まえて、税金額を決定することがあります。

住民税も、各地方自治体の事情を考慮して税額が変わる税金です。今回は地域差のある住民税について取り上げます。

住民税とは

住民税とは市町村税と都道府県民税を合わせた税金のことです。ただし、市町村や都道府県それぞれからバラバラに徴収されるというわけではなく、ご自分のお住まいの市区町村がまとめて徴収することになります。

住民税には、「均等割」と「所得割」の2種類が存在します。この均等割・所得割の税額が高いかどうかで地域差が発生してしまいます。

計算方法

住民税と地域差のある計算方法

こちらでは、住民税の計算方法を取り上げます。課税総所得金額を計算します。

課税総所得金額は、「所得合計額-所得控除合計額」の金額を指します。所得合計額は前年の収入から必要な経費等を差し引くことになります。

例として、額面の年収が350万円の人の場合を計算すると次のようになります。

給与所得控除額(平成29年分~平成30年分)で、年収が350万円の場合は、「収入金額×30%+18万円」なので
→350万円×30%+18万円=123万円

更に基礎控除等も考慮します。基礎控除は納税者全てが対象になるので33万円、その他の社会保険料控除額を25万と仮定すれば基礎控除等は次のようになります。

33万円+25万円=58万円

課税総所得金額を計算すると次のようになります。

350万円-(123万円+58万円)=169万円

課税総所得金額は169万円と算出しましたので、次は均等割・所得割を加えて計算します。この事例では、均等割・所得割を標準課税とします。

均等割を標準課税額は、都道府県民税1,500円、市町村民税3,500円となります。こちらの金額が地域によって異なることで、地域差が生まれてしまうことになります。

まず、都道府県民税については均等割1,500円および所得割が課税総所得金額×4%なので、
→169万円×4%+1,500円=6万9,100円

市町村民税については均等割3,500円および所得割が課税総所得金額×6%なので、
→169万円×6%+3,500円=10万4,900円

なお、所得割は特に市区町村毎で差があります。

都道府県民税+市町村民税で

6万9,100円+10万4,900円=17万4,000円

住民税は17万4,000円となります。

<下に続く>

地域差の実態!住民税が高い都道府県ランキング

地域差のある住民税

こちらでは住民税(都道府県民税額)が高い順に都道府県をランキングします。前述した事例(課税総所得金額:169万円)の都道府県民税の計算をあてはめ、わかりやすく説明します。なお、所得割の場合、神奈川県を除いて都道府県では全て4%です。

1位 宮城県

税額は2,700円です。標準課税額に1,200円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです。

169万円×4%+2,700円=7万300円

2位 同額6県

岩手県、福島県、山形県、茨城県、岐阜県、三重県が同額で2位となっています。税額は2,500円です。標準課税額に1,000円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4%+2,500円=7万100円

8位 同額3県

秋田県、滋賀県、兵庫県が同額で8位となっています。税額は2,300円です。標準課税額に800円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4%+2,300円=6万9,900円

11位 神奈川県

都道府県民税額はあまり高いと言えませんが、所得割が0.025%の増税となり4.025%であるため、その分住民税が高くなっています。税額は1,800円です。標準課税額に300円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4.025%+1,800円=6万9,822円

12位 同額3県

愛媛県、栃木県、群馬県が同額で11位となっています。税額は2,200円です。標準課税額に700円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4%+2,200円=6万9,800円

15位 同額20県

愛知県、石川県、大分県、岡山県、鹿児島県、熊本県、高知県、佐賀県、島根県、富山県、鳥取県、長崎県、長野県、奈良県、広島県、福岡県、山口県、山梨県、宮崎県、和歌山県が同額で15位となっています。

税額は2,000円です。標準課税額に500円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4%+2,000円=6万9,600円

35位 静岡県

税額は1,900円です。標準課税額に400円プラスされています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4%+1,900円=6万9,500円

36位 同額12都道府県

青森県、大阪府、沖縄県、香川県、京都府、埼玉県、徳島県、千葉県、東京都、新潟県、福井県、北海道が同額で36位となっています。

税額は1,500円です。超過課税はなく、標準課税額通りとなっています。事例の場合の都道府県民税額は次の通りです

169万円×4%+1,500円=6万9,100円

<下に続く>

地域差の実態!住民税が高い市区町村ランキング

こちらでは住民税(都道府県民税額+市町村民税)が高い順に都道府県をランキングします。前述した事例(課税総所得金額:169万円)の市町村民税の計算をあてはめ、わかりやすく説明します。

1位 夕張市(北海道)

均等割は税額5,000円(内、市民税3,500円)で、平成29年度から平成35年度まで適用されます。所得割は、税率10.5%(内、市民税率6.5%)で0.5%増税となっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10.5%+5,000円=18万2,450円

2位 豊岡市(兵庫県)

均等割は、税額5,800円(内、市民税3,500円)平成21年度から超過課税が適用されています。所得割は税率10.1%(内、市民税率6.1%)で0.1%増税となっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10.1%+5,800円=17万6,490円

3位 横浜市(神奈川県)

均等割は税額6,200円(内、市民税4,400円)市民税は標準課税額より900円高くなっています。所得割は税率10.025%(内、市民税率8%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10.025%+6,200円=17万5,622円

4位 仙台市等

宮城県の仙台市をはじめとした各市が高くなっています。こちらでは仙台市の場合を取り上げます。均等割は税額6,200円(内、市民税3,500円)、市民税・県民税あわせて復興財源として1,000円が徴収されています。所得割は税率10%(内、市民税率8%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+6,200円=17万5,200円

5位 盛岡市等

岩手県の盛岡市をはじめとした各市が高くなっています。こちらでは盛岡市の場合を取り上げます。均等割は税額6,000円(内、市民税3,500円)、所得割は税率10%(内、市民税率6%)です。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+6,000円=17万5,000円

6位 神戸市等

神戸市(兵庫県)や、秋田市をはじめとした秋田県の各市が高くなっています。こちらでは神戸市の場合を取り上げます。

均等割は税額5,800円(内、市民税3,500円)、平成26年度以降から適用されています。所得割は税率10%(内、市民税率8%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+5,800円=17万4,800円

7位 川崎市等

川崎市をはじめとした神奈川県の各市が高くなっています。こちらでは川崎市の場合を取り上げます。均等割は税額5,300円(内、市民税3,500円)、所得割は税率10.025%(内、市民税率8%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10.025%+5,300円=17万4,722円

8位 宇都宮市等

宇都宮市をはじめとした栃木県の各市が高くなっています。こちらでは宇都宮市の場合を取り上げます。均等割は税額5,700円(内、市民税3,500円)、所得割は税率10%(内、市民税率6%)です。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+5,700円=17万4,700円

9位 福岡市等

福岡市をはじめ、広島市等が同額となっています。こちらでは福岡市の場合を取り上げます。均等割は税額5,500円(内、市民税3,500円)、平成26年度以降から適用されています。所得割は税率10%(内、市民税率8%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+5,500円=17万4,500円

10位 静岡市等

静岡市をはじめ、静岡県の各市が該当します。こちらでは静岡市の場合を取り上げます。均等割は税額5,400円(内、市民税3,500円)、平成26年度以降から適用されています。所得割は税率10%(内、市民税率6%)です。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+5,400円=17万4,400円

11位 札幌市等

札幌市をはじめ、さいたま市等が同額となっています。こちらでは札幌市の場合を取り上げます。均等割は税額5,000円(内、市民税3,500円)平成26年度以降から適用されています。所得割は税率10%(内、市民税率8%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×10%+5,000円=17万4,000円

12位 名古屋市(愛知県)

均等割は税額5,300円(内、市民税3,300円)、平成26年度以降から適用されています。所得割は税率9.7%(内、市民税率7.7%)、政令指定都市のため市民税率の割合が高くなっています。

事例の場合の都道府県・市町村民税額は次の通りです。

169万円×9.7%+5,300円=16万9,230円

<下に続く>

各地方自治体で住民税が高いor低い原因

住民税高い地域

前述した通り、市民税が最も高い自治体は夕張市です。夕張市は「夕張メロン」のようなブランド力の高い農畜産物の他、自然環境保全に力をいれていることが理由とも言えます。

しかし、最大の原因は2007年(平成19年)で事実上の財政破たんしたことにあります。夕張市は速やかな財政再建を果たすために、住民税の増税の他、水道料金の値上げ、家庭ごみ収集の有料化等を行っています。

このように行政の不手際によって、結果的に住民へ負担がのしかかってしまった事情だけでは無く、各地域の実情により住民税が高くなったり、安くなったりします。また、納税者の収入状況の変化でも、住民税を高く感じてしまう場合があるでしょう。

各地方自治体で住民税が高いor安い原因には、以下のものがあります。

  1. 東日本大震災の復興のため
  2. 自然環境保護のため
  3. 大きな企業や工場が多い
  4. 納税者の前年度の収入の影響

続いて、各地方自治体で住民税が高いor低い原因を、それぞれ詳しくみていきます。

原因①:東日本大震災の復興のため

2011年に発生した東北の復興(特に青森、岩手、宮城、福島)のために、住民税が一律に高くなっています。この住民税への上乗せは、2014(平成26)年度から10年間にわたり行われます。

ただし、復興のための上乗せ(復興特別税)は住民税に限らず、所得税・法人税にも同様に上乗せされています。

現在の東北は復興が徐々に進み、甚大な被害を受けた地域は再開発が進む等、震災前よりも災害に強い活気ある地域へと変貌しつつあります。

また、2020年に開催される東京五輪でも東北の各地域が開催地に選ばれる等、被災地の復興は加速していくことでしょう。

その復興を妨げないように、日本全国で、市民税・県民税あわせて復興財源として1,000円が徴収されています。そのため、各地方自治体の地域差に関係なく住民税が引き上げられています。

原因②:自然環境保護のため

森林や農地の保全のために、環境維持に関する財源として、住民税に付加されている地域があります。

自然環境が豊かでその環境を破壊しないためという目的に加えて、歴史的な風土とも調和した観光資源として、特に森林等は防風林、防水林として災害対策に役立てるため、その保全にはそれなりの維持費がかかります。

森林の保全のために課税する税金は、宮城、岩手、山形、福島、茨城、三重、岐阜等、東北や森林保全を重視している地方自治体に共通して存在します。税金の名称は異なりますが、森林税をそれぞれ設けて住民税に加算しています。

そもそも自然豊かな地域は、稲作や果樹栽培等が盛んな地域が多いのでめ、農業を守るためには、自然環境もまた守り続けなければいけない資源なのです。

当然これらの地域において、産業・工業を推進していないわけでは無いですが、日本全国で公害を防止する施策の財源が必要となる中、自然豊かな地域ではそれに上乗せした予算を計上する必要があるのです。

原因③:大きな企業や工場が多い

現在では、工業地帯の水質汚染や大気汚染、土壌汚染への規制が非常に厳しくなり、洪水・地震・火災等の自然災害や工場での事故対策も強化されています。

安全ための備えは必要ですが、たくさんの大きな企業や工場が立地する地域は住民税が安くなっています。大規模な工業地域等を抱える都道府県または市区町村は、前述した豊かな自然環境が一概に多い地域ばかりではありません。

つまり、国や地方の定めた環境基準・防災基準を順守していれば、自然豊かな地域ほど自然環境保護のために予算を必要としない場合が多いのです。

企業が集まる都心や工業地帯であっても、然るべき規制は必要ですが、人口が多いことや法人の納める税金等が潤沢にあるため、住民への税負担はその分軽減されていると言えます。

原因④:納税者の前年度の収入の影響

全く地域差とは関係の無い原因として、単純に前年度の収入が影響している場合もあります。ご自分の住民税が気になる場合には、一度ご自分で前年度分を計算してみましょう。

以前よりも年収が上がっていたり、自治体の住民税の徴収額の増減があったりすれば、それだけご自分に賦課される税金も変化します。

また、年収がそんなに変わってないのに、何故か住民税が高くなってしまったのなら、「生命保険料控除」や「ふるさと納税」を行ったかどうかも関係するでしょう。

これらお得な制度を毎年利用していて、前年に取り止めていた場合や、申告を忘れていた場合は、翌年から住民税に影響が出てしまいます。

生命保険料控除とは

ご自分が、生命保険や医療保険、がん保険等に加入して保険料を前年度コツコツと支払っていた場合に、年末調整または確定申告で払った保険料の申告を行うと、所得控除を受けることができる制度です。

いろいろな保険に加入していたなら所得税は最大12万円まで控除されます。こちらの控除制度で住民税も控除することができ、最大7万円までが控除されます。

ただし、申告することが控除の条件である以上、以前に申告したからといって、行政側がずっと税金を控除してくれるわけではありません。

毎年控除申告を行わなければならず、申告忘れや生命保険等を解約したら、その分控除の対象にはなりません。

ふるさと納税

「納税」と呼称されますが、実際は寄付金税制の一つです。ご自分の居住する地方自治体へ納税するかわりに、ご自分の選んだ自治体に寄付することで税金が控除される制度です。自治体によって、非常に豪華な返礼品のあることが話題になり利用者の間で人気となっています。

こちらの制度は原則として確定申告が必要です。ただし、一定の条件に該当した方なら、「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用し申請書を提出することで確定申告は不要となります。

ただし、いずれにしても利用者が自分で申告(申請)しなければいけないので、それを忘れてしまうと控除の対象にはなりません。

<下に続く>

住民税の地域差の実態!47都道府県&12の市区町村ランキングのまとめ

お隣の市区町村または都道府県と比べて住民税が高いと、とても損をした気分になることでしょう。もっとも、住民税の地域差は実のところそんなにありません。数十万円規模の甚だしい差というわけではないのです。

各地方自治体では、防災や自然環境保全の維持を目的とした負担が上乗せされている事情や、財政再建のために住民へ負担をかけなければいけない事情で、住民税が高くなっている場合もあります。一方で、納税者個人の収入の変化や、お住まいの自治体の住民税額・税率の変更もあることでしょう。

前述した理由で、納税者の受忍限度を超えるような増税はあり得るのか不安に思わるかもしれません。しかし、どの地方自治体も税負担の公平性を考慮して増税を検討するため、まずこの様な事態はあり得ないと考えられます。

Thumb minkane logo
written by
「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。 投資・節税・保険・ローン・クレカ・節約などのテーマの情報を各領域の専門家や編集部を通して記事配信していきます。
関連記事
おすすめ記事
Logo
みんかねの
おすすめ記事がLINEに届く!
Add line
Logo
みんかねの
おすすめ記事がLINEに届く!
Add line