みんなのお金ドットコム | お金のコトをもっと身近に
2018/09/12

いじめの件数と自殺の状況|5つの事例といじめ加害者のその後

学校でのいじめが原因で、被害者が自殺してしまったというニュースを見聞きすることもあるでしょう。
いじめによって、子供の命が自殺によって絶たれてしまうのは悲しいものです。

では、いじめは全国で何件発生していて、実際にいじめが原因で自殺してしまった児童や生徒は何人いるのでしょうか。
そこで今回は、いじめの件数と自殺の状況、いじめが原因で自殺した事例について解説していきます。

Large pexels photo 278303  1
目次

児童生徒のいじめ件数と自殺の状況

いじめ件数

2016年の文部科学省のデータによると、小中学校、高校、特別支援学校における、いじめの認知件数は約32万件であることが分かっています。
この数字は、昭和60年度の調査開始以来、過去最高を記録しています。

学校別に見てみると、小学校では約23万件、中学校では約7万件、高校では約1万件、特別支援学校では約1,700件となっています。特に、小学校でのいじめ件数の増加が目立っています。

自殺状況

2017年の警察庁の統計データによると、全体の自殺者は2003年をピークに減少傾向があるにも関わらず、小中高生の自殺はここ10年で増加傾向にあり、毎年約300人前後で推移しています。
なお、2016年の小中高生の自殺原因のうち、約35%が学校問題で自殺しており、その中でいじめが原因で自殺したというのは6件ということになっています。

<下に続く>

いじめが原因で自殺した事例

いじめで自殺を考える女性

では、いじめが原因で自殺した事例をみていきましょう。
いじめが原因で自殺した事例には、以下のものがあります。

  1. 大津市中2いじめ自殺事件
  2. 桐生市小学生いじめ自殺事件
  3. 滝川高校いじめ自殺事件
  4. 追手門学院大学いじめ自殺事件
  5. 新潟県神林村男子中学生自殺事件

続いて、いじめが原因で自殺した事例を、それぞれ詳しくみていきます。

いじめの自殺事例① 大津市中2いじめ自殺事件

この事件は、2011年10月11日に、滋賀県大津市の中学校に通う2年生の男子生徒が、いじめを苦にして飛び降り自殺した事件です。
このいじめの加害者は、被害者の男子生徒の手足を鉢巻きで縛る、口を粘着テープで塞ぐ、被害者の男子生徒の自宅から財布や貴金属を盗む、虫の死骸を食べさせるなどの壮絶ないじめを行っていました。

そして、このようないじめが原因で、10月11日、被害者の男子生徒は自宅のマンションから飛び降り自殺をして命を絶ってしまいました。
男子生徒が自殺した後、学校や教育委員会の隠ぺい体質が問題視され、ニュースでも大きく報じられました。

また、このいじめ問題をきっかけに、「いじめ防止対策推進法」が国会で可決されるに至りました。

いじめの自殺事例② 桐生市小学生いじめ自殺事件

この事件は、2010年10月23日、群馬県桐生市の小学校に通う6年生の女子児童が、1年以上にもわたるいじめを苦にして首吊り自殺した事件です。
自殺した女子児童は、母親がフィリピン人ということから、クラスの同級生からそれについてからかう言葉を浴びせられたり、同級生から「汚い」、「臭い」などの暴言を浴びせられる、給食の時に仲間外れにされるといったいじめを受けていました。

そして、このようないじめが原因で、10月23日、母親にプレゼントするために作った手編みのマフラーをカーテンレールにかけて、首をつって自殺をしてしまいました。
なお、外国人差別から始まったこのいじめ事件は、海外でも大きく報道され、2014年には、前橋地方裁判所が、市と県に対して450万円の支払いを命じています。

いじめの自殺事例③ 滝川高校いじめ自殺事件

この事件は、2007年7月3日、兵庫県神戸市の滝川高校に通っていた3年生の男子生徒が、いじめを苦にして飛び降り自殺した事件です。
被害者の男子生徒は、加害者から教室の机の上や机の中に、紙粘土を入れられるという嫌がらせ、インターネット上の裏サイトで中傷する書き込みをされる、金銭の要求をされるといったいじめを受けていました。

そして、このようないじめが原因で、7月3日、授業中に「トイレに行く」と言って教室を出た後に飛び降り自殺をして命を絶ってしまいました。
なお、加害者の1人が逮捕されるまで学校側がいじめを認めなかったことや、学校の裏サイトを利用していじめが行われていたということで、社会的に注目を集めたいじめによる自殺事件の1つでもあります。

いじめの自殺事例④ 追手門学院大学いじめ自殺事件

この事件は、2007年6月8日、大阪府茨木市の追手門学院大学に通っていた在日インド人の男子学生が、いじめを苦にして飛び降り自殺した事件です。
被害者の男子学生は、複数の学生から人がいる前でズボンを脱がされたり、テロリストの「ビンラディン」のあだ名で名前を呼ばれたりといったいじめを受けていました。

そして、このようないじめが原因で、6月8日、遺書を残して自宅のマンションから飛び降り自殺をして命を絶ってしまいました。
なお、いじめが原因で自殺した遺書があったにも関わらず、大学側はいじめの調査を行いませんでした。

そして、2010年になってようやく第三者委員会による調査報告書を公表し、遺族への謝罪と共に、幹部8人の処分を検討すると発表しました。

いじめの自殺事例⑤ 福岡中2いじめ自殺事件

この事件は、2006年10月11日、福岡県朝倉郡筑前町の中学校に通っていた2年生の男子生徒が、いじめを苦にして首吊り自殺した事件です。
被害者の男子生徒は、中学1年生のころ、同級生からいじめを受けていることを担任の教師に相談していました。

しかし、その教師がクラスで相談内容を口外したことで、いじめがエスカレートし、教師自身も被害者の男子生徒へのいじめに加担していたことが大きな問題となりました。
なお、福岡県警では、加害者の同級生のうち14歳の3人を書類送検、刑事責任が問えない13歳の2人は児童相談所に通告しています。

<下に続く>

いじめで自殺に追い込まれる被害者の心理

いじめで自殺してしまいそうな女性

では、いじめで自殺に追い込まれる被害者の心理をみていきましょう。
いじめで自殺に追い込まれる被害者には、以下の心理が考えられるでしょう。

  1. 苦痛から解放されたい
  2. どこにも逃げ道がない
  3. 家族に迷惑をかけたくない

続いて、それぞれの心理について詳しくみていきます。

心理① 苦痛から解放されたい

いじめによって自殺に追い込まれてしまう人は、いじめられることによる身体的、精神的な苦痛から解放されたいという一心で自殺という選択をしてしまうことも少なくありません。
特に、子供の場合は、学校が生活の中心ですので、学校でいじめを受けていれば、生き続ける限りいじめの苦痛に耐えていかなければならないと考えてしまいます。

もちろん、学校を卒業したり、学校に行かなければいじめから逃れられるかもしれません。
ただ、特に、いじめを受けていることを周りの大人に相談できない遠慮しがちな子供は、周りの大人に迷惑をかけたくないという思いで、いじめを受けていても無理をして学校に通い続けてしまいます。

そのため、精神的にこれ以上いじめに耐えられなくなり、ある日突然、自殺を決行してしまうということも少なくないのです。

心理② どこにも逃げ道がない

大人であれば、選択肢も視野も広がって、逃げ道も作ろうと思えばいくらでも作れるものです。
しかし、子供の場合は、学校が生活の中心であり、学校という場所が自分の全てだと感じるものです。

そのため、学校でいじめを受ければ、他に逃げ道がどこにもないと悩んでしまいやすく、結果的に自殺を選択してしまう可能性が高いのです。

心理③ 家族に迷惑をかけたくない

学校でいじめを受け、クラスで孤立してしまえば、学校に行きたくなくなるのも仕方のないことです。
しかし、学校に行かなければ、家族は何があったのかと心配になってしまうものです。

ただ、家族が心配してくれることに対して、いじめを受けている本人は、家族に迷惑をかけてしまっていると、自分で自分のことを責めるようになってしまいます。
それがやがて、自分の存在自体が迷惑なのではないかと考えるようになってしまい、これ以上家族に迷惑をかけたくないという思いから自殺してしまうことも少なくないのです。

<下に続く>

自殺に追いやったいじめ加害者のその後

処分内容

「いじめ」というのは、立派な暴行罪や傷害罪であって、それは犯罪行為であることと変わりはありません。
なお、いじめが原因で自殺に追いやったいじめ加害者は、刑事責任に問える14歳に到達していれば、警察に逮捕されたり、書類送検されて処罰されることも少なくありません。

例えば、「大津市中2いじめ自殺事件」を例に挙げてみると、いじめ加害者の3人のうち2人は、14歳に到達していたことで警察に書類送検されており、暴行や器物損壊、窃盗などの3容疑、合計13件のいじめ行為について立件されています。
また、14歳に到達していなかった残りの1人も、暴行などの非行事実で、児童相談所に送致されています。

その後の人生

現在は、インターネットが普及し、Twitterや掲示板などで、いじめ加害者の本名や顔写真が次々とアップされて誹謗中傷されることも少なくありません。
そのため、いじめ加害者は、いくら未成年で本名や顔写真が公開されないとはいっても、インターネットで公開されている情報により、周りの人にいじめ加害者であることがバレてしまいます。

そうなると、周りの人から冷ややかな目で見られ、社会で普通に暮らして生きていくのは難しいといえるでしょう。
また、万が一刑事罰からまぬかれても、被害者遺族から民事裁判で多額の賠償金が請求されることも予想されます。

もしも、何千万、何億単位の賠償判決が下れば、一生をかけて被害者遺族に賠償金を支払い続けなければなりません。
このように、軽い気持ちで行ったいじめ行為によって、被害者を自殺にまで追い込んでしまうと、その後の自分の人生を一生棒に振ってしまうことに繋がるかもしれないのです。

<下に続く>

いじめの件数と自殺の状況|5つの事例といじめ加害者のその後のまとめ

いじめで自殺を考えていた状態から立ち直った女性

いじめの件数は、調査を開始してから過去最高を記録し、毎年300人前後の小中高生が自殺によって命を落としています。
この中で、いじめが原因で自殺した小中高生は一桁台とはなっていますが、これは、あくまで認知されているデータですので、実際の人数はこれよりも上回るかもしれません。

いじめを受けていると、この苦しみが一生続くのではないかと、真っ暗なトンネルの中を歩いているような気持ちになるのは仕方のないことです。
ただ、その気持ちは一生続くわけではありません。

今は希望が見えずに不安に思っていても、自殺をせずに生き抜くことが大切なのです。

Thumb minkane logo
written by
「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。 投資・節税・保険・ローン・クレカ・節約などのテーマの情報を各領域の専門家や編集部を通して記事配信していきます。
関連記事
おすすめ記事
Logo
みんかねの
おすすめ記事がLINEに届く!
Add line
Logo
みんかねの
おすすめ記事がLINEに届く!
Add line