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2019/01/29

経験則の意味とは?正しい使い方と法律・科学との関係性を解説!

ビジネスシーンにおいてよく使用される言葉に「経験則」というものがあります。
「私の経験則上‥‥」などと言った言い回しを耳にしたことはあるのではないでしょうか?

ここでは以下に、経験則の意味を掘り下げて考え、経験則に基づいた法則や類語や使い方なども考察していきます。

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目次

「経験則」の意味とは

意味①:過去の経験に基づいた考え方

「経験則」の意味としては、いくつかのものがあります。
一般的によく使われる経験則の意味としては、「その人や組織がこれまでの経験で得た結果や事実に基づいて考えたり行動の指針にしたりしているもの」でしょう。

もっとわかりやすく言えば、「経験上、その方法は失敗する」とか「過去の経験からこうやればもっとうまくいく」というものです。
この場合の経験則は、自身の体験によって痛い目を見たり、成功体験を味わったりといったいわば「活きた知識」の集積とも言えます。

意味②:法則の一種

経験則の則は法則の則です。
法則とは、原因と結果を貫く一定の必然現象のことを指します。

人類の歴史もこの経験則の積み重ねで文化や文明を築き上げてきた経緯があります。
具体的には、美味しい魚である猛毒を持つフグを多くの古の人々が食べて猛毒で死んでしまうという必然的な法則である経験則があるからこそ、現代の私たちは、専門の調理師によって安心して美味しいフグの身が食べられるわけです。

この他にも、海底を震源として大地震が起こった際には、速やかに対場所に避難しなければ、津波が襲ってくる、といった法則も多くの先人の犠牲者たちが身をもって教える経験則になります。

意味③:パターニングやルーティーンのような意味

仕事でもその他の作業などにおいても、「こうやったらこうなる」とやる前から予想が付くことがあります。
そして、その想定(予想)は、ほぼ外れの無いものである場合が多いでしょう。

このような事前の危機予測のようなものというのは、日常的にパターン化されている場合が多いです。
「こうやればこうなるから、こうやろう」という繰り返しのパターン、もしくはルーティンとして、経験則が使われているケースはよくあります。

意味④:「長年の勘」に似たようなもの

経験則という言葉を使う場合、例えば熟練の職人のような職業の人が使う場合には、言い換えれば「長年の勘」とか「プロ(匠)の勘」のようなニュアンスが含まれます。
これは長い年月、職務で研鑽を積んできたものだけが体得しているものであり、経験則というフィーリングのことです。

この場合の経験則を言葉で説明して他者に教えることはとても難しく、体験して自分で得ていくしかない類のものでもあります。
科学の法則のように、「こうだから、こうこうこうで、こうなる」という理論的な説明が容易な則ではないわけです。

よく、ピンときたとか、刑事の勘とか耳にしますが、あの類のものがこの場合の経験則の意味に近いでしょう。

<下に続く>

経験則に基づいた法則

経験則を学ぶ人

親指の法則

英語圏では、経験則を指して、"rule of thumb"「親指の法則」と呼ぶことがあります。
なぜ「親指の法則」と言われるのかには諸説ありです。

まず、大昔の英国においては、妻を凝らしめるのに叩く棒は、親指よりも薄い棒でなければならない、という決まりがあったことに由来するという説。
次に、まだ温度計のない大昔の時代には、ビール製造者たちは醸造の温度を親指を差し込んで計っていたという経験則に由来するという説があります。

いずれにしても、英語においては経験則を言いあらわす際に、"rule of thumb"という表現を使うことは珍しくありません。

マーフィーの法則

"Murphy’s law"(マーフィーの法則)というのは、日常における様々な経験則をまとめたものです。
世界中で最も有名な「経験則集」と呼んでも良いものであり、時にシニカルに時にユーモラスに、数々の経験則を「法則」としてまとめています。

一例を挙げればこんなものがマーフィーの法則です。

"If everything seems to be going well,you have obviously overlooked something."
『もしすべてがうまくいっているようならあなたは確実に何かを見落としている』

マーフィーの法則は、納得させられるもの多く、世界中で多くの人の指針ともなっている経験則の数々です。

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則というのは、労働災害における有効な経験則から導き出された法則です。
その中身をざっくりと説明すると、「1件の重大事故が労働現場で起こった場合には、29件の軽微な事故が起こっており、その背景には300件のヒヤリとする事故が起こっている」というものです。

このハインリッヒの法則は、様々な労働現場において応用できる経験則であり、未然に大きな過失や事故を防ぐことに非常に役立っています。

<下に続く>

「経験則」の類語・対義語

類語

経験則は、経験に基づく法則であったり、パターンであったりと割と広範で漠然としたニュアンスを含みますので、その類語はたくさんあります。
代表的な経験則の類語は以下のようなものです。

「規則」、「勘」、「経験値」、「経験的法則」、「フィーリング」、「定説」、「定石」、「経験センサー」などなど、比較的多くの類語のある言葉です。

対義語

経験則というのは、過去の経験や実際の体験の積み重ねなどから導き出した法則のようなものです。
この意味するものの反対をあらわす対義語として挙げられるのは、「経験に基づかずに純粋な思考だけで導き出された法則」ということになります。

つまり、「論理則」が経験則の対義語です。
物理学などでも、実地の実験を重ねてその結果から導き出す「実験物理学」に対して、純粋に論理的思考だけで法則を導き出す「理論物理学」がありますよね。

経験則と論理則の違いもこのような違いです。

<下に続く>

「経験則」の例え・使い方

経験則を活かす人

では、「経験則」の例え・使い方として以下の10個を紹介します。

  1. 「夕焼けなれば翌日は晴れる」
  2. 「朝鳶に蓑を着よ 夕鳶に傘を脱げ」
  3. 「郷に入っては郷に従え」
  4. 「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」
  5. 「君子危うきに近寄らず」
  6. 「沈黙は金也」
  7. 「ガーベージインガーベージアウト」
  8. 「株を守りて兎を待つ」
  9. 「二度あることは三度ある」 10.「因果応報」

続いて、「経験則」の例え・使い方を、それぞれ詳しくご紹介します。

例え・使い方①:「夕焼けなれば翌日は晴れる」

日常生活において、経験則を用いて例える熟語やことわざとして、天気(気候)関係のものは非常に多いです。
この「夕焼けなれば翌日は晴れる」ということわざも先人たちの経験則からできた言い伝えでしょう。

特にお年寄りとかは、西の空が夕焼けで真っ赤に染まってるのを見ると、「ああ、明日は晴れるな」と経験則で言うことが多い、実地に即した使い方です。
これは、日本の天気は総じて西から変化するという経験則から得た知識の積み重ねであり、西の空が夕焼けに染まるということは、翌日は晴れる確率が高いという昔ながらの天気予報のようなものでしょう。

例え・使い方②:「朝鳶に蓑を着よ 夕鳶に傘を脱げ」

これも天気に関する経験則の一つです。
読み方は、「あさとびにみのをきよ ゆうとびにかさをぬげ」となります。

これの意味は、朝に鳶が鳴く時は、これからザーザーと雨の降る前触れであり、夕方に鳶が鳴く時は、逆に晴れる前兆だということです。
これは同様の意味の経験則から出た故事成語から転じた言い伝えです。

また昔の人の経験則では、「朝鳶に川渡りすな」ともよく言われて注意されていたようです。
大きな川に現代のように橋がかかっておらず、渡し舟で向こう岸に渡っていた時代は、雨で水かさの増した川を渡ることは命にもかかわるリスクを伴ったので、こういった経験則の戒めは重宝されていたのです。

例え・使い方③:「郷に入っては郷に従え」

これも経験則からよく使われる慣用句、ことわざの一種ですが、その国やその土地に来たら、そこの風習や慣例、ルールに従いなさいという意味です。
よく社会人などでも、転職で入ってきた社員が「前の会社では~だったのに」と、不平をこぼす人もいますよね。

このような人は、新しい職場の人にとっては不快ですし、「それなら前の会社に帰れよ」と言われてしまいます。
外国人でも日本で暮らしているくせに、「◯◯(自分の祖国)なら考えられない。日本はありえない」などと日本人に向かって日本で言う人は少なくありませんが、これも「なら自分の国に帰ってください」と言われて終わりです。

このようにその土地や環境に順応しない人は、無用に周囲をささくれさせるだけのマイナス効果しか生まないことを戒めた経験則のことわざが
「郷に入っては郷に従え」なのです。

例え・使い方④:「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」

現代人は、自己保身が強く物事に捨て身で挑むことをしない人が多く、全般的に憶病です。
しかし、物事を成し遂げるには、保身や保険をかけていては難しく、すべてを捨てて自分の命を捨てる覚悟で挑めば、逆に死地に活路を見出すこともできる、という経験則のことわざが「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の意味になります。

日本の強かった戦国武将などはこの経験則で、我が身を捨てて阿修羅の如く奮戦して名を挙げた人も多いです。

例え・使い方⑤:「君子危うきに近寄らず」

この太古からの経験則から生じたことわざは、教養の高い賢い人物は、危険なことには手を出さない、という意味です。
賢明で知恵のある人は、ビジネスでも胡散臭い儲け話や、いかがわしい人たちといった危険因子を事前に嗅ぎ取って回避する能力があるという経験則に裏打ちされたことわざです。

これと似た経験則から出た例えに、「触らぬ神に祟りなし」があります。

例え・使い方⑥:「沈黙は金也」

この経験則からよく用いられることわざは、元は「沈黙は金、雄弁は銀」という故事成語に由来します。
つまり、どんなに雄弁にまくしたてるよりも、沈黙の方が時として最後に勝利するという意味です。

社会では納得できることがかなりありますよね。
同様の経験則から発して、日常よく使う例えに「口は災いの元」という慣用句もあります。

失言からすべてを失った政治家や官僚たちの例を挙げるまでもなく、これは真理の経験則の1つと言えるでしょう。

例え・使い方⑦:「ガーベージインガーベージアウト」

英語で、"garbage in, garbage out"のことであり、略して"GIGO"という使われ方もします。
これは、ざっくり言えば、「出力の質=入力の質」をあらわす経験則から出た慣用句であり、デタラメなデータをインプットすれば、デタラメな結果しかアウトプットされないという意味です。

要するにいい加減な仕事しかしていない者には、いい加減な成果しか得られないという、自業自得な循環をあらわす時によく使われます。

例え・使い方⑧:「株を守りて兎を待つ」

このことわざは、昔、農民が畑仕事をしていた時に、近くの切り株に兎が当たって捕まえることができたという経験則から、ずっと畑仕事をせずに切り株で兎を待つようになったという笑い話が元になっています。
これが転じて、経験則で1度成功を収めたら、進歩なくいつも成功体験と同じ手段を使う人のことを例えてこの言葉が使われます。

これは経験則ばかりを頑なに盲信する愚を揶揄した例です。

例え・使い方⑨:「二度あることは三度ある」

これは仕事に限らず、私たちが日常暮らしていく中で頻繁に使われる経験則から出た慣用句です。
同じこと(失敗や過ち)を2回繰り返す人は、3回目も必ず起こすといった意味です。

多くの組織などの場合でも、2回までは注意や警告で留まるミスであっても、3回になればクビなどの具体的な処罰が下りますよね。

例え・使い方⑩:「因果応報」

経験則から出た言葉として、一生を通じてほとんどの人が最も多く実感する言葉は「因果応報」でしょう。
仏教的には「カルマの法則」とも呼ばれ、「自分が蒔いた種は、自分で刈り取らねばならない」という因果律に基づいています。

実際に、因果は長い年月を経てブーメランのように自分に帰ってくることが世の中には多く、そういった事態を目の当たりにした時に、人々はこの経験則の言葉を思い出し口にするのです。

<下に続く>

法律における「経験則」

法曹の場である裁判所などでは、裁判官は経験則と論理則の両面から合理的な判断やジャッジメントをしなくてはならないことになっています。
様々な物証や心証から総合的に裁判官は判断を下していくわけですが、基本的に我が国においては、「自由心証主義」がベースにあるために、最後は裁判官の自由な判断に裁定は委ねられることになるわけです。

とはいうものの、あまりにも裁判官個人の心証に左右された判決であったり、経験則を無視した裁定を行った場合には、審査のやり直しが生じるケースもあります。
それほど、経験則は法律の場においても無視できないものなのです。

<下に続く>

経験則を使う時の注意点

経験則は多くの場合、科学的な法則の礎となっているものが少なくありません。
仕事を進めていく上でも、経験則は最重要なファクターの1つと言えます。

ただし、経験則を使う場合に注意しなくてはならないのが、その経験則が当てはまらない例外的な事態や案件も比較的多く存在するということです。
こういった点を常に頭の片隅に置き、「この事例や案件では、経験則が当てはまるのだろうか?」というチェック機能を持っておくことは必要です。

<下に続く>

「経験則」の英語表現

前述したように、経験則を英語であらわすと"rule of thumb"という表現になります。
使い方としては、"As a rule of thumb, ~"と前置きに使う表現が英語では多くなります。

意味は、「経験則で言えば~」とか「常識的に言えば~」といった感じです。

<下に続く>

経験則に関するまとめ

経験則を知っている人

経験則について、色々な観点から掘り下げて考察してみました。
経験則は多くの科学法則の基になっていたりして、とても有益なものが多いのが特徴です。

しかし、経験則だけでは対応できない事象や仕事も多いことも事実です。
理想的には、経験則を有効に活かしつつ、論理則を鑑み、更に独自の思考努力を加えていくという姿勢が望まれるでしょう。

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