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2019/03/04

お越しくださいは正しい敬語?類語や例文も紹介

「部長、営業会議が始まりますので、すぐ会議室にお越しください」
ビジネスでもよく使う「お越しください」は、はたして正しい敬語なのでしょうか?

「来てください!」では失礼にあたりそうだし、「いらしてください」では日常会話のようです。
敬語は使い方を誤ると、その一言で常識を疑われます。

この記事では、類語や例文を参考にして、「お越しください」の意味や正しい使い方を解説いたします。

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「お越しください」は正しい敬語?

「お越しください」は正しい敬語?

「お越しください」の意味を探るためフレーズを二つの言葉に分解してみました。
「お越し」と「ください」です。

「お越し」は誰かが「来ること」の尊敬語で、「行くこと」の尊敬語でもあります。
「お越し」は誰かが来ることや、行くことを尊敬して表現しています。

「下さい(ください)」は動詞「下さる」の命令形です。
相手になにかを求めるという意味です。

「お越しください」は「お越し」と「ください」という動詞を二つ並べた連用形となり、相手を敬って「来ていただくことを懇請する」という意味になります。
「お越しください」は「来てください」の正しい敬語でした。

「お越しになられる」は誤り

これは敬語を二重に使っていますのでNGです。
「お越しになる」が正しい使い方です。

尊敬語の「お越し」に加えて、「なる」の尊敬語「なられる」を二重に使っています。
二重敬語と言って、文法として認められません。

「○○様がお越しになられました」はいかにも冗長で、不自然です。
丁寧すぎて、状況次第では嫌みにまで聞こえます。

「○○様がお越しになりました」が自然な使い方です。
「お越しになられる」は使わないようにしましょう。

接客用語などでは二重、三重に敬語を使うことがあります。
「そろそろ、お召し上がりになられますか?」は良く聞きます。

客商売では、多少の過剰サービスは許容範囲でしょうが、ビジネスの場面では尊敬語や謙譲語は一度で十分です。
言葉はTPO次第ですね。

「お越しください」のニュアンス

「お越しください」はとても微妙なニュアンスを含んだ言葉です。
尊敬語「お越し」と懇請する「ください」とでできているからです。

「来てください」といえば単に命令口調です。
「お越しください」は「お越しいただければさいわいです」や「お越しいただければうれしいです」といったウエルカムのニュアンスが含まれます。

自宅に招待するときに「ぜひ一度、来てください」では、相手に味気なく聞こえます。
「ぜひ一度、お越しください」と言えば、先方にも楽しみにしているこちらの気持ちが伝わります。

「お越しください」は、言葉の意味とは違うニュアンスを含むときがあります。
たとえば「いつでもお越しください」といわれたとします。

本当にいつ行っても喜ばれるのかどうか、状況判断が必要です。
「来てください」なら素直に行けば良いのですが、「お越しください」はどうするかの判断をこちらに委ねられていることがあります。

「お越しください」は状況次第で、儀礼的に使うことがありますので注意が必要です。
言葉に含まれた微妙なニュアンスをTPOで感じ取りましょう。

<下に続く>

お越しくださいの例文

お越しくださいセール

ではお越しくださいの例文として以下を紹介します。

  1. 是非ともお越しください
  2. お越しいただき
  3. お越しくださいませ
  4. またお越しください
  5. お越しくださいますよう

続いて、お越しくださいの例文を、それぞれ詳しくご紹介します。

お越しくださいの例文①是非ともお越しください

「このたび新しい我が家が完成いたしました。建設にあたり、○○様にはなにかとお世話になりました。つきましては一度、新居をご覧頂きたいと存じます。お時間のございますときに、奥様とお二人で是非ともお越しください」

「恒例となりました我が社の新年会の招待状をお持ちしました。社長を始め役員一同お待ちしておりますので、是非ともお越しください」

上は、手紙やはがきでのプライベートな文章の一部です。
下は、得意先に招待状を持参した担当営業のコメントです。

「是非とも」は「ぜひ」を強めていう言葉で、どうしても、必ず、絶対の意味です。
もっとも強い誘いの言葉ですから、軽々にお断りするわけにはいきません。

逆に「是非ともお越しください」を使うときは、心のこもる接遇を整える必要があります。

お越しくださいの例文②お越しいただき

「本日はユニバーサルスタジオジャパンのオープニング・イベントにお越しいただき、誠にありがとうございます。パビリオン・イベントやとストリート・パフォーマンスまで、どうぞ一日ごゆっくりお楽しみください」
「本日はご多忙の中、若い二人の結婚披露宴にお越しいただき、誠にありがとうございます」

「お越しいただき」は「来てもらう」のへりくだった表現です。
あなたの「お越し」を、私が「いただく」のですから、お礼の言葉につながるフレーズとして良く使われます。

「昨日はこちらからお伺いするべきところ、わざわざお越しいただきありがとうございました。取り急ぎ・・」
早々のお礼のメールでも使いやすい言葉です。

お越しくださいの例文③お越しくださいませ

「美容院を開店いたしましたので、一度お試しにお越しくださいませ」
お越しくださいませの「ませ」は丁寧の助動詞「ます」の命令形です。

「丁寧にある動作を要請する」という意味です。
「くださいませ」とつなぐと丁寧な気持ちを込めて相手になにかを懇願する」ことを意味します。

「お越しくださいませ」は敬語としては正しい使い方ですが、それだけに女性的な柔らかい表現になります。
ビジネス・シーンでは使うことを避けたい言葉ですね。

お越しくださいの例文④またお越しください

「早々のお礼状ありがとうございました。せっかく遠いところお越しいただいたのに、ばたばたしていて大したおもてなしもできず、失礼いたしました。久しぶりにお会いできて、うれしかったです。これに懲りず、お暇なときにまたお越しくださいね」

これは礼状に対する返信のメールです。
メールとはいっても「また来てくださいね」にくらべて「またお越しください」の方が、また会いたい気持ちが伝わってきます。

ビジネス・ユースでの「またお越しください」は接客用語の定番です。
丁寧に店の外まで見送られて、「またお越しください」と頭を下げられると悪い気はしませんよね。

「いらっしゃいませ」で始まり、「またお越しください」で終わるのが、日本の接客の定番でした。

お越しくださいの例文⑤お越しくださいますよう

「本日はオープニング・イベントにご来場いただき誠にありがとうございました。明日からは一般公開となります。おともだちとお誘い合わせの上、またお越しくださいますようお願い申し上げます」

これは一度に多数の客にお礼を述べる、アナウンス・コメントの一例です。
映画館、劇場、野球場といった大規模な集客施設での来場客へのお礼のコメントです。

一人の客に対しては「またお越しください」です。
多数の客に対しては「またお越しくださいますよう」にそれぞれに「お願い申し上げます」となるのでしょう。

「当商品は時間限定商品ですので、10時までにお越しくださいますようお願いいたします」
これはチラシで複数の客に伝えるメッセージです。

「またお越しくださいますよう」は複数の客に向けてのメッセージに用いられる場面が多いようですね。

<下に続く>

お越しくださいの類語

お越しくださいで握手

では、お越しくださいの類語として以下を紹介します。

  1. お越しになってください
  2. いらっしゃってください
  3. おいでになりませんか
  4. お待ちしております
  5. ご来場ください
  6. お運びください

続いて、お越しくださいの類語を詳しくご紹介します。

お越しくださいの類語①お越しになってください

「また近いうちにお越しになってください」
「また近いうちにお越しください」

この二つの言葉は、ニュアンスに大きな違いを感じませんか。
端的に言いますと、「お越しください」は、ただ単に「来ることを願っている」のに対して、「お越しになってください」は「来たあとのことが目的で」待っているということです。

「今日はとても楽しかったです。ご近所だし、また近いうちにお越しになってくださいね」
この使い方は、「また楽しい時間を過ごしたいので」という気持ちが溢れていて、なんだかほっこりとします。

「さらに詳細を詰めたいと思いますので、できるだけ早いうちにお越しになってください」
このコメントは、二つの要請文でできています。

一つは「詳細を詰めたい」でもう一つは「来て欲しい」です。
目的は来てもらうことではなくて、そのあと詳細を詰めることです。

「今日の診断の結果が出てからご連絡いたしますので、あらためてお越しになってください」
二つの例文はただ来て欲しいのではなくて、「お越しになった」状態を「ください」といっているのですね。

お越しくださいの類語②いらっしゃってください

「いらっしゃる」というのは「いる」「ある」「来る」「行く」の尊敬語です。
それに動詞の「ください」を付けるとそのような状態を要請する意味になります。

「お越しになってください」と同じ使い方です。
また簡略化して「いらしてください」ともいいます。

「いる、ある」の意味で「いらっしゃってください」の例文を作ってみます。
「お茶を入れて参りますので、どうぞそのまま部屋にいらっしゃってください」となります。

「来る、行く」の意味で例文を作ってみます。
「今晩の打ち上げパーティーに、ぜひいらっしゃってください」となります。

気軽なお誘いとして、職場であれば同僚、パートナー企業の仕事仲間に電話やメールなどで使うのが良いですね。
目上の人に対しては「今晩の打ち上げパーティーに、ぜひお越しください」というのが礼儀に適っています。

お越しくださいの類語③おいでになりませんか

「おいで」は「御出で」と書きます。
「来る」「行く」「いる」などの尊敬語です。

「おいでになる」は「いらっしゃる」と同義語で使い方も同じです。
「まもなくこちらへおいでになります」と使います。

これが疑問形になりますと「こちらにおいでになりませんか」となります。
質問の形を取ったお願い文です。

「一度我が社においでになりませんか」
「打ち合わせにおいでになりませんか」

いずれも疑問文であるのに、内容は「来て欲しい」というニュアンスです。
来て欲しい相手に、ソフトに要請したいときに使うと便利ですね。

お越しくださいの類語④お待ちしております

「またのご来店をお待ちしております」
「いつお越しいただけるか、みんなで首を長くしてお待ちしております」

「お待ちしております」は来て欲しい相手に、こちらの気持ちや体制を整えていることを伝えています。
「来てください」に待ちわびる気持ちを付け加えた言葉です。

もう一つは来てもらうことを確認したり、念を押したりするために使う言葉です。
「明日は、午後三時に我が社の玄関で社長一同お待ちしております」というコメントです。

ここまで体制を整えて念押しされたら、三時の約束をすっぽかす訳にはいきませんよね。

お越しくださいの類語⑤ご来場ください

来場というのは、「多数の客が集まる会場に来る」ことです。
「ご来場ください」は「お越しください」の類語ですが、ホテルでの新年会や、新製品発表会、講演会場などに多数の客を誘い、迎えるときの言葉です。

「本日は我が社の新年会にご来場くださいまして、誠にありがとうございます」

「銀座○○店を新装いたしますので、明日より三日間、となりの会場で、在庫一掃セールを行います。お近くにお越しの節は、是非ともご来場ください」

「本日は当劇場にご来場頂き誠にありがとうございます。公演開始は12時となっておりますので、しばらくの間お席にてお待ちください」

「ご来場ください」は「会場」「劇場」など人の集まる場所を指して使います。
会社の場合は「来社」、店の場合は「来店」となりますので、使い分けに注意しましょう。

お越しくださいの類語⑥お運びください

相当の年長の人や得意先の会長など敬意を払いたい人に対して、特別に使う敬語があります。
「お運びください」や「お出ましください」です。

年長の人や、しかるべき身分の人には軽々に「来て欲しい」とはいえません。
「お越しください」をさらに重々しくすると「お運びください」や「お出ましください」となります。

いつか使う必要のある場面がやって来るかもしれません。
記憶にとどめておいてくださいね。

<下に続く>

「お越しください」といらしてください・来てくださいの違い

いらしてくださいとの違い

まえにいいましたが「いらしてください」は「いらっしゃってください」を略した言葉です。
「お越しください」に比べて、すこし砕けたのが「いらっしゃってください」で、さらに簡略にしたのが「いらしてください」です。

親しい友人とか同僚との、会話のなかや、メールで気軽に使います。
横並びの目線になりますので、上司や得意先とのやりとりには使わない方が良いでしょうね。

パートナー企業の仕事仲間にはメールで使えそうです。
「本日の打ち合わせ、三時に当社A会議室にいらしてください」

「お越しください」より堅苦しくなくて現場の仕事感覚で良いですね。

来てくださいとの違い

「来てください」は「お越しください」や「いらしてください」に比べてお願いや要請というよりも命令調になります。
職場では日常よく使います。

「ちょっと席まで来てください」
これは上司が部下を呼ぶ普通の会話です。

「ちょっと席までお越しください」
上司にこう言われたら、部下は危険な匂いがして、緊張しますよね。

「来てください」は対外的にも使います。
「パソコンの修理に昼休みに来てください」

これは用事の依頼です。
部下が上司に「来てください」を使うことがあります。

「部長、大変です。現場の会議が大もめです。すぐ来てください」
緊急の時には相手が上司でも命令調が許されるのです。

<下に続く>

お越しくださいは目上にも使える?

「お越しください」は礼儀正しい言葉です。
目上の人に使うのにもっとも相応しい言葉です。

「来て欲しい」を儀礼の順番に並べてみました。
「お運びください」→「お越しください」→「いらっしゃってください」→「おいでください」「いらしてください」→「来てください」

目上の人に日常使えるのは「お越しください」から「いらしてください」までです。
つまり命令調の「来てください」を除いてすべてが使えそうです。

目上や目下といっても時と場合によって関係式が微妙に変化します。
親しい上司になら「そろそろいらしてください」や「ゆっくり来てください」といっても不自然でないときもあります。

言葉は単独で機能しているのではなくて、その時の状況や、使う人の態度も含めたトータルのパフォーマンスの中で生きてくるものです。
目上の人に対しても「お越しください」を始め、いろんな言葉を使い分けるようにいたしましょう。

<下に続く>

「お立ち寄りください」も同じ意味

「このたび新しいチェーン店を新宿にオープンいたしました。お近くにお越しの節はぜひ一度お立ち寄りください」

「○○に転居いたしました。お近くにお越しの節はぜひ一度お立ち寄りください」

立ち寄るとは、目的地の行き帰りについでに寄るという意味です。
新しいチェーン店に立ち寄れば喜んでくれます。

それでは新しいお宅に立ち寄ったらどうでしょうか?
転居の連絡で必ず付け加えられる言葉ですが、そのまま真に受けて立ち寄る人はほとんどいません。

「お越しください」でなくて「お立ち寄りください」は儀礼的に使われることがありますので気をつけましょう。

<下に続く>

お越しくださいはメールに使っても良い?

「お越しください」は手紙だけでなくて、メールでも使える言葉です。
ただ礼儀正しい言葉ですので、あまり堅苦しくならないように上手に使いましょう。

「お気軽にお越しください」や「お気を付けてお越しください」と会話調で使うとやわらくなりますよ。

<下に続く>

「お越しください」に対する返信

お越しくださいに返信

自宅への招待を伝える丁寧な手紙への返信(一部)です。
「このたびは、ご新居の完成に際し、心ばかりのお祝いの品をお送りいたしましたところ、ご丁重なお礼の手紙を頂き、誠にありがとうございました。
その上、私ども夫婦まで新しいお宅にご招待いただき、二人で感激しております。
お言葉に甘えて、夫婦二人でお伺いさせて頂きます。
新しいお宅を拝見できます日を楽しみしております。」

丁重な手紙には、丁重な手紙で答える必要があります。
早々に手紙を書いて返信しましょう。

「明日は当社玄関にて午後三時に、社長以下一同でお待ちいたします。お越し頂けるのを楽しみにしております」
来社確認のメールが来たので、返信を書きます。

「御社玄関にて午後三時に、社長様他ご一同でお待ち頂くとのこと、たしかに承りました。混雑も予想されますのですこし早い目に、当社を出発いたします。よろしくお願いいたします」
「お越しください」への確認メールには、こちらも確認メールを出しましょう。

<下に続く>

「 お越しください」の英語表記

フロントまでお越しください。
Please come to the front.

お越しいただいて恐縮です。
We are proud to have you come to see us.

またのお越しをお待ちします。
I'm looking forward to seeing you again.
(店員が言うときは、I'm ではなくて We're となります)

ぜひパーティーへお越しください。
Do come to the party.

家にお越しください
Please come to my house.

以上はジーニアス和英辞典・新英和大辞典より引用しました。

<下に続く>

「お越しください」使い方まとめ

「お越しください」は大変礼儀正しい言葉です。
目上の人や年長者、大事な得意先にも使える美しい言葉です。

「お越しください」といって、すこし頭を下げます。
「一度ぜひお越しになってください」とぜひを強調して気持ちを込めたりします。

「お越しください」は人と人とのリレーションシップを作るきっかけになる大事な言葉です。
ビジネスの取引や、プライベートなつきあいも、良好なリレーションシップが原点になります。

「お越しください」には「お運びください」から「お待ちしております」まで似た言葉もたくさんあります。
上手に使い分けて、良い人間関係を作り上げてくださいね。

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