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2019/02/05

12時間労働は違法?労働基準法での決まりや過重労働によるリスク

長時間労働による過労死が問題視されていますが、未だに長時間労働が常態化している企業は多数存在します。
では、そもそも労働基準法では、労働時間についてどのように定められているのでしょうか。

また、長時間労働によってどのような悪影響を及ぼすのでしょうか。
そこで今回は、労働時間を12時間と仮定して、労働基準法での労働時間の決まり、長時間労働によるリスクについて解説していきます。

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1日12時間労働は違法?

労働基準法では、使用者は、労働者に1日に8時間、または1週間に40時間を超える労働をさせてはならないと定められています。
しかし、「36協定(サブロク協定)」を結ぶことによって、労働者に時間外労働をさせても、労働基準法には違反しないことになります。

「36協定」とは、企業が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を命じる場合、労働組合などと書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出るものです。
この届出をせずに時間外労働をさせた場合は、労働基準法違反となり、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に科されることになります。

しかし、「36協定」でも、時間外労働の限度時間が定められています。ちなみに、1週間で15時間、1ヶ月で45時間と定められています。
1日12時間労働をするとなると、時間外労働は1日4時間、1週間に20時間ということになるので、時間外労働の限度時間を超えることになります。

そのため、毎日12時間の労働を求めてくる会社の場合、労働基準法違反となります。

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日本人の平均労働時間

毎日12時間労働をしている社員

国際機関である経済協力開発機構(OECD)が公開している情報によると、日本人の年間の平均労働時間は、2017年時点で1,710時間となっています。
これは、2,000年時点での1,821時間と比べると100時間以上短くなっていることになります。

なお、最も労働時間が長いのがメキシコの2,257時間で、以下、コスタリカの2,179時間、韓国の2,024時間、ギリシャの2,018時間、ロシアの1,980時間と続きます。
逆に、最も労働時間が短いのがドイツの1,356時間で、以下、デンマークの1,408時間、ノルウェーの1,419時間、オランダの1,433時間、フランスの1,514時間と、ヨーロッパの国々が名を連ねています。

そのため、日本は労働時間の長いイメージがあるという方も多いと思われますが、世界各国の労働時間と比べると、日本はそこまで労働時間が長い国ではないことが分かります。

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12時間労働での休憩時間や給料

労働基準法では、労働時間が6時間以上8時間以内の場合は最低45分、労働時間が8時間以上の場合は最低1時間の休憩時間を設けなければならないとされています。
そのため、労働時間が12時間の場合は、最低1時間の休憩時間が必要なので、会社に13時間拘束されることになります。

また、12時間労働の場合、毎日4時間の残業をしていることになるので、4時間分の給料は、通常の賃金に割増率25%を乗じた賃金が支払われることになります。

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12時間労働によるリスク

リスク① 労働生産性が低下するリスク

長時間労働が続くことによって、帰宅が遅くなると睡眠時間を十分に確保することが難しくなります。
睡眠時間が不足すると、身体に疲れが蓄積されていくので、仕事に集中することができなくなり、効率的に仕事を進めることができなくなります。

リスク② 身体面へ悪影響を及ぼすリスク

長時間労働が続くことによって、脳や心臓の疾患を発症するリスクが高まると、医学的にも証明されています。
労働時間が長くなれば、それだけ身体を休める時間が失われますから、身体に疲れが蓄積してしまうことになります。

そして、その疲れがピークに達すれば、身体になんらかの悪影響を及ぼしてしまうのも当然のことなのです。

リスク③ 精神面へ悪影響を及ぼすリスク

長時間労働が続くと、身体面だけではなく、精神面へ悪影響を及ぼすリスクが高まります。
労働時間が長くなると、十分な睡眠時間や休養時間が確保できなくなり、ストレス反応が強くなることから、うつ病などの精神疾患を発症する確率が高まると言われています。

ちなみに、厚生労働省の調べによると、2016年度、長時間労働などで精神疾患を発症し、労災認定を受けた人が498人で、過去最多を更新したことも分かっています。
この内の3割の人は月に100時間以上の残業をしていたことも分かっています。

そのため、残業時間が月80時間を超える1日12時間労働も、精神疾患を発症して働けなくなる可能性も十分に考えられるのです。

リスク④ 過労死のリスク

長時間労働が続くことによって、突然亡くなったり、うつ病などの精神疾患を患って自殺してしまうかもしれないリスクがあります。
もともと、日本における過労死ラインは80時間と定められています。

この過労死ラインというのは、この時間を超えることで、労災認定の際に、過労死や過労自殺との因果関係の判定に用いられるものです。
この80時間は、月に20日働くと仮定すると、1日4時間の残業で到達する数字ですので、1日12時間働けば、過労死ラインに到達することになります。

そのため、毎日のように12時間労働をしていると、いつ倒れてしまってもおかしくないことを意味しており、最悪の場合は過労死に至る可能性も純分に考えられるのです。

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違法な12時間労働に対する解決方法

12時間労働でうつ病を発症した男性

では、解決方法をみていきましょう。
解決方法には、以下のものがあります。

  1. 現状を会社に報告する
  2. 労働基準監督署に相談する
  3. 労働局に紛争解決の援助を申し立てる
  4. 弁護士に相談する
  5. ホワイト企業へ転職する

続いて、解決方法を、それぞれ詳しくみていきます。

解決方法① 現状を会社に報告する

労働時間が長い場合、まず、上司や社内の相談窓口に相談して、長時間労働の現状を伝えることが大切です。
労働問題では、労働者が労働時間を短くするための努力をしたのか、会社側がその問題を把握した上で、改善に向けて努力をしたのかが重要なポイントとなります。

なお、特定の上司のパワハラによって業務量が増え、それが原因で長時間労働を余儀なくされた場合は、上司ではなく、社内の相談窓口にパワハラとして相談するようにしましょう。
企業側には、パワハラを防止する義務があるので、相談したことをきっかけに、パワハラによる長時間労働が改善される可能性があります。

解決方法② 労働基準監督署に相談する

上司や会社に相談しても問題を解決できない場合は、労働基準監督署に相談してみることをおすすめします。
労働基準監督署は、全国に321か所あり、厚生労働省の公式ホームページで最寄りの労働基準監督署を検索することができます。

ただ、相談できる時間は平日の8時30分~17時15分までとなっているので注意が必要です。
労働基準監督署では、労働基準法にのっとった具体的なアドバイスをしてくれたり、悪質な場合は、調査や是正勧告など、問題解決のために動いてくれることもあります。

ただ、労働基準監督署に相談しに行く際には、長時間労働をしている証拠を集め、悩みやトラブルの整理をするなどの準備をしてから行くことをおすすめします。
なお、長時間労働の証拠となるものは、出退勤記録や仕事で使用するパソコンのログイン記録、出退勤時刻を正確に記録したノートなどが挙げられます。

これらの有力な証拠を持参して相談しに行くことで、労働基準監督署に現在の状態を正確に伝えることができます。
それによって、的確なアドバイスを受けることができたり、企業側に何かしらの働きかけをしてくれる可能性が高まると言えます。

解決方法③ 労働局に紛争解決の援助を申し立てる

全国の都道府県に設置されている労働局では、労働者と使用者との間に発生した紛争を解決するために、助言や指導、あっせん(裁判所の調停のようなもの)を行うことができます。
長時間労働問題の場合、「違法な長時間労働を止めさせてほしい」と主張する労働者と、「違法な長時間労働を命じている」企業との間に紛争が発生していることになります。

そのため、労働局に対して、紛争解決の援助を申し立てることができます。
そうすることで、労働局が間に入って必要な助言や指導がされたり、あっせんの手続きを行う場合は、紛争解決に向けて労働局からあっせん案が提示されることになります。

もしも、企業側が労働局の指導に素直に従えば、長時間労働を改善してくれる可能性に期待することができます。

解決方法④ 弁護士に相談する

上記の解決方法を試してみても問題が解決しない場合や、裁判所で調停や裁判を行いたいという場合は、法律の専門家である弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士に依頼すると、着手金や成功報酬などの高額な費用がかかるかもしれません。

ただ、素人が弁護士とまともにやり合うのは難しいので、調停や裁判を行う場合は弁護士を付けられた方が有利に働きます。
また、長時間労働によって、サービス残業や、未払いの残業代がある場合は、弁護士に依頼して未払いの残業代を請求されることをおすすめします。

近年、サービス残業が当たり前のように行われている会社も多いですが、サービス残業というのは、企業が本来支払うべき賃金を正当な理由なく支払わない行為であるため、労働基準法に違反する行為なのです。

解決方法⑤ ホワイト企業へ転職する

労働基準監督署に相談したり、弁護士に相談して、労働問題を解決しようとしても、これは1ヶ月2ヶ月程度で全てが終わるような話ではありません。
場合によっては、問題が解決するまでに数年単位の時間がかかることもあります。

そのため、長時間労働の毎日から手っ取り早く抜け出すためには、ホワイト企業への転職がベストな方法であると言えます。

<下に続く>

12時間労働は違法?労働基準法での決まりや過重労働によるリスクのまとめ

12時間労働する男性

「36協定」を結ぶことで、時間外労働が認められることになりますが、12時間労働が毎日続くと、「36協定」に違反することになります。
12時間の労働が毎日のように続けば、身体的、精神的に限界を迎えて働けなくなったり、最悪の場合亡くなってしまう可能性も十分に考えられます。

そのため、身体が限界を迎える前に、社\車内にある相談窓口や労働基準監督署に相談してみたり、思い切って転職をするなど、自分の身体を守ることを最優先に考えることが大切です。

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「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。
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