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2019/02/21

「所存です」の正しい使い方!意向・次第・所在との違いを解説

『所存です』という表現を皆さんは普段使うことがありますか?
芸能人の声明文や挨拶文などで見かけることがありますが、『所存です』とはどういう言葉なのでしょうか。

今回は、『所存です』の意味と使い方についてご紹介します。
特に具体的な使い方やよくある誤用例については、たくさんの例文を設けて分かりやすく解説を進めていきます。

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『所存です』の読み方・意味・使い方

所存ですを辞書で調べる

読み方

『しょぞんです』と読みます。
『存』は音読みで『ソン』や『ゾン』という読み方がありますが、『存在』や『生存』のように、『ある』とか『いる』を表したり、『存命』や『保存』のように『保つ』とか『ながらえる』を表したりします。

それ以外に、『存』という漢字には『思う』とか『考える』の謙譲語である『存じる』という意味合いもあり、『存分』は物事を思い通りにすることを意味することからも、そのことが分かります。
『所』は訓読みでは『ところ』、音読みでは『ショ』ですが、『・・・するところの』とか『・・・するもの』という、動作や作用の内容を示す意味合いも持っており、『所持』や『所信』はそれぞれ『持っていること』と『信ずるところ』を表します。

意味

上の二つの漢字の意味合いを足し合わせることで、『所存』は、心に思うところや考えという意味を持つ名詞であることが分かります。
つまり、文末で『所存です』という使い方をする時には、『~するつもりです。』とか『~したいと思っています。』、『自分はこういう考えです。』ということを表しています。

使い方

『所存です』は、敬語表現の一つである謙譲語で、主語が自分や自分の所属する団体など、一人称に限って使われるものです。
具体的な使い方と、よくある誤用例については、後ほど別の見出しを設けてたくさんの例文をご紹介しながら、分かりやすく解説を進めていきます。

<下に続く>

『所存です』を使う場面

口頭で使うことよりも、文書で何かしらを表明したり発表したりする際に使われることが多いです。
また、もし口頭で使う場面があるとしたら、それはスピーチや会見、企業の方向性を示すなどといった堅苦しい場面に限られます。

『所存です』は、敬語表現の中でも謙譲語ですので、自分側をへりくだらせる言い回しです。
『~と思います。』では軽く聞こえてしまうなという時に、『所存です』を使うと良いでしょう。

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『所存です』の類語・言い換え例

努力する所存です

類語

『所存』という名詞の類語としては、冒頭の意味のところでもご紹介しましたように『考え』がまず挙げられます。
考えとは、考えることも指しますが、ここでは考えた内容や考えて得た結論・決意などのことを指します。

『意向』も類語です。
どうしたいか、どうするつもりかという考えや思惑を表します。

言い換え例

上に挙げた類語についてですが、『考え』を使って言い換えることは可能です。
例えば、『情報の共有を求めていく所存です。』は、『情報の共有を求めていく考えです。』とも表現できます。

しかしながら、類語として挙げた『考え』や『意向』は第三者が主語に立つことができ、むしろどちらかというと、三人称の主語を前に伴って、相手側の考えや意向を伝える伝言文や報道文などで見聞きすることが多いです。

そう考えると、言い換え例として最もふさわしいのは、やはり『~と思います』や『~するつもりです』という表現ということになります。
近しい間柄に対して使う分には、これらの表現で充分ですから、目上の人に対して使う場合やかしこまった場面でだけ謙譲表現の『所存です』を使うようにすると良いでしょう。

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『所存です』と『次第/意向/所在』の使い分け方

『次第』との使い分け

『次第』には色々な意味がありますが、『所存』に似た意味合いとしては、物事のそうなるに至った理由や事情というものがあります。
つまり『~次第です』と言った場合には、いきさつや成り行きを単に説明しているに過ぎないので、使い方は異なってきます。

『所存』は、こちらの意向や考えを伝えるものですが、『~次第です』と言った場合には、そういった気持ちの部分は一切なく、単なる状況説明で無機質な印象を受けます。
決定事項を淡々と説明していく際には『次第』を使ってもよいでしょうが、決意表明や謝罪会見など、こちら側の気持ちを伝えないといけない状況下では、『所存』を使うべきでしょう。

『意向』との使い分け

『意向』に関しては、類語のところで少し取り上げました。
どうしたいか、どうするつもりかという考えを『意向』と言います。

『所存』が謙譲語であって、相手にへりくだって自分の考えや思っていることを伝える時のみに使われますが、『意向』はもっと幅広く、自分の考えにも相手の考えにも使えますし、また上下関係も問わず誰にでも使うことができます。

目上の人に自分の考えを伝える際には、文末で『所存です』を使う方が望ましいですが、例えば『こちらの意向を先方にお伝えしました。』とか『先方は私共の意向を汲んでくださいました。』 というような文中で名詞として使う場合には、『意向』は大変使いやすいです。

『所在』との使い分け

『所在』とは、物事が存在するところや、行為、仕事といったものを指します。
『所存』とは全く意味が異なるものです。

しかしながら、ネットニュースを検索していると、自動運転に関する経済ニュースの立派な記事においても『責任の所存が明確にならなければ』という明らかな誤用がありました。
お互い間違えやすい熟語のようですので、注意が必要です。

<下に続く>

ビジネスにも使える『所存です』を使った例文

励んでいく所存です

『所存です』を使った例文として以下の5つについて取り上げます。

  1. 行っていく
  2. 努力する
  3. 励む
  4. 続ける
  5. サポートする・応援する

『所存です』を使った例文を、それぞれ詳しく見ていきましょう。

例文①:行っていく

これからも、或いは今後はこういったことを行っていきますという意思表示をする場合に、『~を行っていく所存です』という表現は良く使われます。

『個人情報の徹底した管理を行っていく所存です。』
『先人に敬意を払いながら、これからも必要なところは改革を行っていく所存です。』

例文②:努力する

『努力する所存です』という表現は大変良く使われます。
思いを新たにした決意表明や、企業の隠ぺい体質を改善していくといった声明文など、色々な場面で使いやすい言い回しです。

『本年はしっかりと信念を持って努力する所存です。』
上司への年賀状の一文にも使える表現です。

『この国の健全な発展に貢献していくために努力していく所存です。』
努力していくという、努力の継続を強調する言い回しです。

『御社の担当として、売り上げアップに貢献できますよう、最大限の努力をしてまいる所存でございます。』
努力をしてまいるという謙譲表現を前に持って来ていますが、謙譲語という同じ種類の敬語表現を重ねることは二重敬語とはならないので、正しい表現でありとても丁寧で好感を持たれる言い回しです。

例文③:励む

上述の『努力する』と同様に、『励む』とか『励んでいく』という動詞を直前に伴って使われることも多いです。

『これからも皆様の信頼と期待を裏切らないよう、一層の努力をし、業務に励む所存です。』
『今後もボランティア活動に励んでいく所存です。』

例文④:続ける

『~し続ける所存です』とか『を続ける所存です』という表現も、色々と幅広く使いやすいです。

『今後も皆様のためになる情報を発信し続ける所存です。』
ここでは『動詞+続ける+所存です』という形を取っています。

『外部からの不正なアクセスなどがないか、監視を続けていく所存です。』
これは監視という名詞を使って、助詞の『を』を伴う形、『名詞+を+所存です』という使い方です。

例文⑤:サポートする・応援する

これもビジネスにおいてよく使われるのですが、サポートや応援という言葉を前に伴って使われるパターンです。

『新しい店長を精一杯サポートしてまいる所存です。』
謙譲語の『まいる』を前に伴って使うこともできます。

『被災した店舗には、速やかに必要な支援や応援をしていく所存です。』
このように、サポートするとか応援するという動詞を後ろに伴って使われることは多いです。

<下に続く>

『所存です』の誤用例

『所存です』の誤用例として以下の3つについて取り上げます。

  1. 思う所存です
  2. 考える所存です
  3. ○○様のご所存です

続いて、『所存です』の誤用例を、それぞれ詳しくご紹介します。

誤用例①:思う所存です

最も多い誤用が、『思う所存です』とか『思っている所存です』というものです。
少しニュース検索しただけで、5件ほどこのような誤用をされているネットニュース記事がヒットしました。

冒頭の意味の説明のところでご紹介済みですが、『所存です』とは、自分が何々したいと思っていますと伝える時に語尾で使われるものです。
その直前に『思う』という動詞を持ってきてしまっては、二重表現になります。

二重表現とは、『頭痛が痛い』とか『馬から落馬』のように、同じ意味の表現がだぶっているものです。
この頭痛の例などは、誰もが見聞きしただけで違和感を覚えるに違いありませんが、『思う所存です』は平気でニュース記事にもなってしまうほど、それが誤用であることが気付かれにくいという性質があるようですから、本当に要注意です。

誤用例②:考える所存です

上の『思う所存』と全く同じ理由です。
『所存です』とは、自分はこのような考えですということを表しています。

これも二重表現のため明らかな誤用です。
また、二重表現という意味で言うと、『企てる所存です』とか『案ずる所存』などのように、自分の思考や思うところを表現するような動詞は全てアウトです。

誤用例③: ○○様のご所存です

もっともやってはいけない誤用と言って良いでしょう。
『所存です』は、思うという動詞の謙譲表現です。

謙譲表現ということは、自分を落として相手を上げる敬語なわけですから、動作主は自分でないといけません。
目上の人に限らず、一人称以外の人に対して使ってはいけません。

そのため、いくら前に『ご』を付けて敬語表現にしようとしてもむだで、これは二重敬語と言って形の上からも敬語としては間違いです。
正しくは、『○○様のご意向です』とか『○○様のお考えです』という表現を目上の方には使います。

<下に続く>

『所存です』を使う時の注意点

『所存です』を私達が普段の生活で使うシチュエーションとしては、挨拶文としてというのが最も多いかと思います。
挨拶文ではありますが、この言葉自体は挨拶に含むものではなく、最後の文章の締めとして自分の抱負や今後の方向性などの決意表明として、しっかりと考えを述べる時に使うべきものです。

そのため、ふわっとした漠然としたものではなく、明確なビジョンや目標みたいなものが定まっていないといけません。
そして、文法上の使い方としては、上に挙げた誤用例を参考にして、謙譲語であるということと、直前に使う動詞に注意を払いながら、二重表現にならないことを気をつけるべきです。

<下に続く>

『所存です』は要点を押さえれば難しくない

『所存です』の意味や使い方について解説を進めてきました。
類語との意味の違いや使い分けのところは重要ですので、しっかりと分けて理解するべきところです。

誤用例でご紹介した二重表現や二重敬語にさえ気をつければ、特に難しい言葉ではないはずです。
あとは自分が伝えたいことがしっかりとしたものであるかどうかが問題ですので、自分の思いの丈を『所存です』を使って存分にぶつけてみましょう。

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「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。
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