組紐の結び方の主な種類と基本的な組み方
角打ち
まずは組紐の組み方の種類について見ていきましょう。
「角打ち」とは組紐をカットしたとき、紐の断面が四角形になるように組まれた組紐のことを指しています。
角打ち紐はその組み方のおかげで頑丈なのが特徴となっていて、着物の帯の上から締める「帯紐」としてもよく利用されているそう。
組み方が複雑になればなるほど、糸の織り成す模様が綺麗に現れます。
また角ばっているため、アレンジの幅が狭くなるのも特徴です。
平打ち
次は「平打ち」という組み方。
平打ちの組紐は平らな仕上がりになるのが特徴で、幅がある分好きな模様を描くことが出来るというメリットがあります。
用途は様々で、腕時計のベルトにしたり、ストラップにしてみたり、と色柄が豊富に組めるためアクセサリーなどの小物にもぴったり。
販売されている組紐の中でも一番目にとまりやすいものが「平打ち」の組紐といえるのではないでしょうか。
丸打ち
続いては「丸打ち」という組み方です。
名前の通り、組紐の断面が丸いことが特徴。
角を作らず丸い紐に仕上げることにより、しなやかな柔軟性が生まれています。
そのため、巾着の紐というような日用品にもよく使われるのが「丸打ち紐」というわけ。
丸打ち紐も、組み方や使う糸の色数によって魅せる表情が様々。
また、柔軟性があることから、飾り結びを作るのにも適しているため日用品だけでなく飾り結びをアレンジしたアクセサリーにもよく用いられています。
飾り結び
組紐を使って、色々なモチーフを作ることを「飾り結び」と言い表します。
飾り結びには沢山の種類があり、それぞれのモチーフごとに意味が持たされているのが特徴。
主に丸打ち紐を使用し、かんざしなどの和小物や和雑貨に使用されているので見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
代表的な飾り結びには「お守り袋」に使われている結び方があります。
このような飾り結びについては、後述しますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
基本的な組み方
最後に、組紐を作るのに欠かせない、基本的な組み方について説明します。
組紐を作るには「組み台」と呼ばれる専用の台を使うのが一般的。
組み台は中央に穴の開いたドーナツ状になっており、外周には糸を掛ける切込みがついています。
切り込みに掛けた糸を、規定の順番に従いながら入れ替えることで、中央で糸が組み込まれていく仕組み。
伝統的な作り方では「組み台」を使用しますが、おうちで作る場合には手芸店や100均で販売されている「組紐プレート」を使うのがおすすめです。
自由に好みの色を使った組紐を組むことが出来ると人気を集めている商品。
組紐アクセサリーを作りたいけれど、思うような色の紐が見つからないという方は組紐作りからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
組紐の種類別に見た意味と結び方
梅結び
続いて、組紐でモチーフを作る結び方について、モチーフごとの意味を見てみましょう。
「梅結び」は5枚の花びらが集まり繋がっていることから、人との縁を繋ぐという意味を持っています。
その梅の花のような形は可愛らしく、結び方も比較的簡単なため初心者向けともされています。
組紐の長さにあわせて花のサイズを変えたり、垂れる部分の長さを自由に決められるのもアレンジし甲斐があり楽しいですよね。
水引にも梅結びと呼ぶ結び方が有るのですが、それはこの梅結びとは異なる結び方。
水引の梅結びを組紐で結ぶことも可能なので、機会があれば両方チャレンジしてみるのもおすすめです。
菊結び
続いての組紐の結び方は「菊結び」です。
菊結びとは、名前の通り菊の花に似た仕上がりの結び方。
古くから菊は「延命長寿」の薬として用いられてきた歴史があるため、菊結びにも「長寿」を祝い、願うという意味が込められています。
菊結びは難易度が高く、飾り結びになれていなければ結び辛いのが特徴。
複雑な結び方だからこそ美しい6枚の花びらが生み出されています。
大き目の花が出来上がるため、太目の組紐で菊結びを作り和装の際の髪飾りとしてよく用いられています。
また、写真のように細めの組紐を数本組み合わせて同時に結ぶのもおすすめですよ。
あわじ結び
組紐の結び方3つ目は「あわじ結び」という結び方。
比較的簡単な結び方にも関わらず、両端を引くと結び目が固くなり、ほどけにくくなることから梅結び同様に縁結びというニュアンスを持っています。
あわじ結びは組紐、水引ともに同じ結び方をし、アレンジの種類も豊富。
「あわじ玉」といって、あわじ結びを数度繰り返し玉の形に整えるアレンジ方法も人気を集めています。
特にあわじ玉はピアスやイヤリングといった小さめのアクセサリーにするのが人気となっています。
また、初心者向けのあわじ結びは、はじめは細い糸から結び方の練習をするのがポイントです。
総角(あげまき)結び
総角(あげまき)結びの歴史は古く、平安時代のころには使われていたといわれています。
単純な花の形をモチーフとした結び方で、花結びのうちのひとつ。
花とは古来より生命力の象徴なので、転じて花をかたどった総角(あげまき)結びは「魔よけ」というニュアンスを持つこととなりました。
総角(あげまき)結びには2種類あり、結び目の紐の向きによって「入型」と「人形」と呼び分けられ、幸運を呼びたい場合には「入型」結び、魔よけに使いたいときには「人形」結びというように使い分けるのが特徴です。
シンプルですが深い意味と歴史のある結び方ですので、覚えておきたいですね。
二重叶(にじゅうかのう)結び
「二重叶(にじゅうかのう)結び」はお守り袋の口紐によく使われている結び方です。
その名前の由来は、結び目を表から見ると漢字の「口」に、裏側から見ると漢字の「十」のように見え、あわせることで「叶」という漢字になるため。
そのために「願いが叶う」というニュアンスが込められている結び方です。
縁起の良い結び方なので、ストラップなどにアレンジして身につけるのもおすすめ。
また、お守り自体を手作りするときにはこの結び方で仕上げておきたいですよね。
難易度はそれほど高くない結び方ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
玉房結び
続いては「玉房結び」という結び方を紹介します。
玉房とは「牡丹の花」を表していて、この結び方は6枚の花びらと中央の格子状の結び目が特徴的。
難易度の高い飾り結びのひとつとされ、中国では「盤長結(ばんちょうむすび)」と言い「盤長」とは「繰り返し永遠に続くもの」を表しているんだそう。
日本でも同様の意味で使われており、大き目の飾り結びとなるためアクセサリーとしても人気。
紐の太さや使う本数によって出来上がりサイズが変わるため、小さなストラップから大き目のコースターといった雑貨まで幅広い使い道のある結び方となっています。
トンボ結び
最後に紹介する組紐の結び方は「トンボ結び」です。
トンボ結びとは、名前どおりトンボの姿を模した結び方のことを指しています。
トンボは後ろへと下がることができないことから「勝ち虫」として勝利の象徴とされてきた歴史があるそう。
そのため、武士の甲冑や刀の下げ紐などに縁起物として使用されてきた結び方です。
いまではあまり使われることの無い意味合いの結び方ですが、アクセサリーを作る時のアクセントとして取り入れたり、和小物のデザインとして使用されることも。
どこか懐かしく、可愛らしいトンボ結びを、季節の和小物として活用するのもおすすめです。
組紐の結び方を活かしたアイデア集
では、組紐の結び方を活かしたアイデア集をみていきましょう。
組紐の結び方を活かしたアイデア集には、以下のものがあります。
- ストラップ
- ブレスレット
- ピアス・イヤリング
- ヘアアクセサリー
- 腕時計のベルト
- ネックレス
- ブローチ
続いて、組紐の結び方を活かしたアイデア集を、それぞれ詳しくみていきます。
アイデア①:ストラップ
組紐の結び方を活かしたアイデアその1は「ストラップ」です。
梅結びの垂れ部分が「タッセル」のようにも見えるため、和洋折衷なデザインのストラップを作ることが可能。
トンボ結びを途中のアクセントに入れ込んでも可愛いらしいストラップになりますよ。
また、平打ちの組紐ならそのまま両端に金具をつけるだけでも充分。
組紐の種類にあわせて様々なタイプのストラップを作ることが出来るので、お好みのデザインやサイズ、カラーなどを追い求めてみてくださいね。
アイデア②:ブレスレット
組紐の結び方を活かしたアイデアその2は「ブレスレット」です。
丸打ちの組紐の両端にブレスレット金具をつけるだけでも完成しますが、あわじ結びを連続させることでレースのようなブレスレットにも。
細めの組紐を三つ編みにしてみたり、色の違う組紐をねじり合わせて作るブレスレットもオンリーワンの雰囲気を堪能できるのでおすすめです。
ブレスレット用の金具が無くても、結び方を工夫することで簡単に取り外しが出来るブレスレットを作ることも可能。
ぜひ様々な作り方を楽しんでみてください。
アイデア③:ピアス・イヤリング
組紐の結び方を活かしたアイデアその3は「ピアス・イヤリング」です。
特にあわじ結びの項目でも紹介した「あわじ玉」をピアスやイヤリングに加工して楽しんでいる方が多くなっています。
また、細めの組紐を使って菊結びや玉房結びを作り、大振りなイヤーアクセサリーにするのもインパクトがありおすすめ。
耳元で揺れる和風な組紐アクセサリーなら、着物や浴衣などの和装に合わせることも出来るので注目を集めています。
アイデア④:ヘアアクセサリー
組紐の結び方を活かしたアイデアその4は「ヘアアクセサリー」です。
一言で「ヘアアクセサリー」と言っても、その種類は豊富。
和飾りなら「かんざし」に飾り結びをした組紐をつけたものが一般的ですが、飾り結びはバレッタやぱっちん留めのような洋風のヘアアクセサリーとの相性もいいのです。
細い組紐と大きなビーズを組合せると、より華やかに。
あわじ結びなら、結び目の途中にビーズを通すことも簡単に出来るため、バランスを見ながらデザインを考えるのも楽しくておすすめです。
アイデア⑤:腕時計のベルト
組紐の結び方を活かしたアイデアその5は「腕時計のベルト」です。
平打ちで組まれた組紐は、そのまま腕時計のベルトとして使うことが可能。
ブレスレットのように端に金具をつけて腕に巻く方法や、長めの組紐を手首にくるくると数回巻きつけ、端を絡めて落ちないようにする方法など、腕時計のつけ方自体も工夫を楽しむことができますよ。
腕時計の金属部分を隠すように組紐を使うことで、金属アレルギーがあっても使いやすい時計にリメイクすることも出来るため、覚えておくと役に立つかもしれません。
アイデア⑥:ネックレス
組紐の結び方を活かしたアイデアその6は「ネックレス」です。
細い組紐にビーズやとんぼ玉を通したシンプルなものから、飾り結びを活用したインパクトのあるものまでその自由度はとても高く、アレンジアイデアの中でも人気。
太さや組み方の異なる組紐を組み合わせるのもおしゃれ。
シンプルですが、和風の結び方を取り入れると珍しいデザインのネックレスとしてファッションのアクセントにもぴったりです。
アイデア⑦:ブローチ
組紐の結び方を活かしたアイデア、最後は「ブローチ」です。
梅結びや菊結びなどはブローチピンに固定するだけで簡単にブローチを作ることができます。
総角(あげまき)結びも、垂れ紐がタッセルのように揺らめき、動きのあるブローチに仕上げることが出来るため洋服にも違和感なく使うことができます。
花をモチーフにした飾り結びがブローチへのアレンジに人気。
ブローチの土台となるパーツは100均でも購入できるので手軽に作ってみることが出来るのもおすすめポイントとなっています。
組紐の結び方が学べるおすすめの本
おすすめの本①:かわいい組ひもの教科書: はじめてでもかんたんにつくれる 50通りの組み方とアクセサリーのつくり方
最後に、組紐の結び方が学べる本についてご紹介します。
まずは「かわいい組ひもの教科書:はじめてでもかんたんにつくれる 50通りの組み方とアクセサリーのつくり方」という1冊。
タイトルからも分かるように、初心者向けの本なので組紐にチャレンジしてみたいけれど自分にも出来るかわからない、と悩んでいる方におすすめです。
写真を多く使っているため、複雑な組み方も分かりやすいと評価されています。
市販の「組紐ディスク」という器具を使っての説明が多いため、一緒に用意しておくと便利ですよ。

おすすめの本②:くみひもBOOK ひもを使ったかわいいアイデア
続いては「くみひもBOOK ひもを使ったかわいいアイデア」という本。
1冊目に紹介した本は組紐の組み方から説明していたのに対し、こちらは「組紐」を伝統的な飾り結びを含めた様々な結び方、使い方を提案している本となっています。
自分で組紐を作るまでは行かなくても、アクセサリーやインテリア、ラッピングに組紐を活用してみたいという方におすすめ。
また、組紐を製造している工場のインタビューなど、組紐の歴史についても簡単に学ぶことができます。

おすすめの本③:うつくしい組ひもと小物のレシピ
3冊目、最後に紹介するのは「うつくしい組ひもと小物のレシピ」という本です。
組紐を組むにあたり、必要な道具を手軽に用意する方法から掲載されているため、専用の道具を買うことにためらいがある方におすすめ。
写真とシンプルな図案で組み方を丁寧に教えてくれるため、初心者にも分かりやすくなっています。
もちろん、組紐の組み方だけでなくアレンジした雑貨の作り方も充実。
伝統的な組み方も多数掲載されているため、組紐の「組み方」についてしっかりと学びたい方におすすめの一冊です。

組紐の結び方10種類|アレンジ術や簡単に学べる本も紹介のまとめ
組紐の結び方には今回紹介した以外の結び方も多数存在しています。
組み方次第で様々な表情を見せてくれる組紐は、ハンドメイド資材としても人気。
そのため、組紐の結び方を解説した数多くのWEBサイトや書籍があります。
組紐作りや組紐のアクセサリー、雑貨作りに興味がありましたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。