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2019/07/03

「大変恐縮ですが」の意味と使い方!類語・言い換え・例文も紹介

「大変恐縮ですが」はよく使うビジネス用語です。
メールや会話の頭に付けると、スムーズに話を始めることができます。

ただ、よく似た言葉がいくつもあって、微妙にニュアンスが異なります。
ビジネス・シーンではそれぞれの目的に合わせて、的確に使い分けることが必要です。

この記事では、得意先や大事な顧客とのコミュニケーションを上手に図るために、「大変恐縮ですが」の意味と使い方を、類語や例文を交えて詳しく紹介してまいります。

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「大変恐縮ですが」の意味・類語・言い換え例

恐縮しております・手紙

意味

「恐縮」という言葉の本来の意味は、広辞苑によれば次の通りです。

身も縮まるほどに恐れ入ること

「恐縮」とは言葉通り、恐れ入って身が縮まる程の状態を表しています。
この延長線上で、 感謝や謝罪の気持ちを込めながら、物事を依頼する言葉として「恐縮」が使われています。

それが「恐縮ですが」という言葉です。
「恐縮ですが、あす我が社にお越しいただけないでしょうか」

恐れ入る様をさらに強調するときには「誠に」とか「大変」を頭に付けます。
「大変恐縮ですが、明日、我が社にお越しいただけませんでしょうか」とするとさらに感謝の気持ちを込めた依頼の言葉になります。

「大変恐縮ですが」は、大事な相手に物事を依頼するときに使う、身が縮むほどの感謝や謝罪の気持ちを込めた言葉でした。

類語

「恐縮ですが」にもっとも近い言葉は「恐れ入りますが」です。
「恐縮ですが」と同様に相手に強い敬意を表しています。

「恐縮ですが」に大変近い言葉に「申し訳ありませんが」があります。
「恐縮ですが」に比べて、さらに強いお詫びの意味が含まれた言葉です。

この二つは大事な相手に対してよく使われるクッション言葉です。
これらの言葉の持つ微妙なニュアンスや使い方の違いについて後ほど詳しく説明します。

お願いではなくて、感謝の気持ちを表す言葉は他にもいくつかあります。
「○○していただいて、恐縮しております」の類語です。

「ご配慮の程、痛み入ります」
「過分なお褒めの言葉に、身が縮む思いです」

謝意をストレートに表した依頼の言葉は「済みませんが」です。
「済みませんが、そこのグラスを取っていただけませんか」

もうすこし丁寧に物事を依頼するときのクッション言葉では「お手数ですが」や「お手間取らせますが」があります。
「お手数ですが、そこのグラスを取っていただけませんでしょうか」

このように、類語はたくさんありますので、使う相手や、場面に応じて、失礼にならないように慎重な使い分けをする必要があります。

言い換え例

「大変恐縮ですが」をさらに重々しく言い換えると「誠に恐縮ですが」になります。
「大変」が話し言葉に近いのに比べて、「誠に」はより儀礼的で、書き言葉に近くなります。

「誠に恐縮ではございますが」と使うことで、ビジネス用語として完成した表現となります。
大事な顧客や、得意先にはメールや、文書はもちろん、会話においてもいざというときにこの表現を使うと、効果的です。

一方、単に「恐縮ですが」は、軽いクッション言葉として、日常的に使うことができます。
恐れ多い意味での「恐縮です」から、「恐縮ですが」「大変恐縮ですが」「誠に恐縮ではございますが」と言い換えることで、段階的に丁寧さを増す言葉となります。

<下に続く>

「大変恐縮ですが」の使い方・例文

  1. お運びください(感謝)
  2. 派遣のお願い(感謝)
  3. 拝見させていただきます(要請)
  4. お選びください(お詫び)
  5. 締め切らせていただきます(お詫び)
  6. お貸しください(お詫び)
  7. 恐縮しております(感謝)

続いて「大変恐縮ですが」の使い方・例文を、それぞれ詳しくご紹介します。

使い方・例文①お運びください(感謝)

「12時になりましたので、総会の午前の部はひとまず終了させていただきます。なお別室に軽いお食事をご用意しておりますので、大変恐縮ですが、係の案内にしたがって別室までお運びいただきますようお願い申し上げます」

ここでの「大変恐縮ですが」は別室への移動のお願いに加えて、来場への感謝と、長時間の臨席に対して、お疲れ様でしたという気持ちが込められています。
この案内コメントは顧客への感謝を表す代表的な使い方の例でした。

使い方・例文②派遣のお願い(感謝)

「我が社では、来年度も新入社員の長期研修を始めることにいたしております。つきましては、大変恐縮ではございますが、いつもお世話になっております御社のクリエイテイブ部門のどなたかを講師として派遣していただきたく、ご相談申し上げる次第です」

ここでも「大変恐縮ですが」には日頃の仕事への感謝の気持ちがにじみ出ています

使い方・例文③拝見させていただきます(要請)

「恐縮ですが、パスポートを拝見させていただきます」
ここでは「恐縮ですが」は儀礼的に使っているだけで、実態は、身分証を見せろと要求しています。

航空機内での乗務員の言葉としては、失礼を謝罪しながらの強い要請の言葉と受け止められます。
「恐縮ですが」の一言が緊張を緩和する役割を果たしています。

使い方・例文④お選びください(お詫び)

恐縮ですが・ご来店

「本日は、○○記念セールに、多数ご来場いただきまして誠にありがとうございます。間もなく閉店の時間となりました。
大変恐縮とは存じますが、プレゼント商品を三点ご用意しておりますので、お好みのもの一点をお選びの上、レジにお並びいただきますようお願いいたします」

ここでは、閉店時間が迫っているので急いで欲しい、ということへのお詫びの気持ちが「恐縮ですが」に込められています。
お願いにお詫びを含ませた例文です。

使い方・例文⑤締め切らせて(お詫び)

「いつも○○證券(株)営業部をご愛顧賜り、誠にありがとうございます。3月は相続についての税務セミナーをご用意させていただきました。
皆様のご来場、心よりお待ち申し上げております。
なお大変恐縮ですが、会場の関係上、300名様をもちましてご応募を締め切らせてていただきますので、ご了解賜りますよう、お願い申し上げます」

このお知らせメールでは,締め切りのお詫びを「恐縮ですが」と事前に伝えています
上手な使い方の一例です。

使い方・例文⑥お貸しください(お詫び)

「弊社では、ご存じの通り、新しい事務所への移転を検討しております。実はエントランス・スペースの活用方法につきまして、良い知恵がなくて困っております。
至急、御社のお知恵をお借りしたいと存じます。勝手なお願いで大変恐縮ですが、いちど、ご来社頂きましてご相談させていただけれが幸いです」

これは突然の身勝手なお願いを詫びている例です。
得意先ではなくて、仕事上のパートナー企業への依頼メールでした。

使い方・例文⑦恐縮しております(感謝)

「このたびの海外出張に際しまして、貴社の現地支局の皆様に大変お世話になりました。
現地事情に詳しくない我が社のスタッフに取りましては、大変ありがたく、お礼の言葉もございません。
これもひとえに○○様の本社から現地支局へのご指示によるものと拝察申し上げ、ただただ恐縮しております
ただいまから大きな成果を得て帰国いたします。
まずはメールにてご報告とお礼の言葉とさせていただきます」

感謝を伝える「恐縮」の本来の使い方の例でした。

<下に続く>

「大変恐縮ですが」の誤用例と注意点

誤用例

「格別のご配慮をいただき、恐縮に存じます」
この例文はすこし怪しげな「恐縮」の使い方の例です。

「存じる」という言葉は「考える」「思う」の謙譲語です。
「自分が恐縮していると思います」と言うおかしな意味になります。

使い方として怪しげなのです。
本来の使い方は次のようでした。

「格別のご配慮をいただき、恐縮至極(しごく)に存じます」
この文では、恐縮の極みと感じている様を表現しています。

立派な使い方から、いつの間にか、至極が抜け落ちて怪しげな使い方になった可能性があります。

注意点

「大変恐縮ですが」は幅広く使うことのできる便利なクッション言葉です。
それだけに使い方も的確でないと先方に対して失礼なことになりかねません。

「工事が遅れました。大変恐縮ですが、明日伺います」
これでは、何に恐縮しているのかわかりません。

工事の時期が遅れたことをお詫びする時はたとえば次のようになります。
「工事が遅れまして大変恐縮しております。明日には伺いたいと存じます」

突然、明日伺うことを恐縮しているのならたとえば次のようになります。
「工期が遅れてしまいました。突然で勝手ですが、できれば明日伺いたいのですが」

「恐縮ですが」を使うときは何に恐縮しているのか、感謝かお詫びかを明確に意識して使うようにしましょう。

<下に続く>

「大変恐縮ですが/申し訳ありませんが」の違い

意味の違い

「大変恐縮ですが」の類似表現として「申し訳ありませんが」があります。
二つとも緩衝言葉としてよく使われますが、意味は同じなのでしょうか。

「申し訳」とは「いいわけ」「言い開き」の意味です。
「申し訳ない」とは「弁解の余地がなく相手に詫びる」ときに使う言葉です。

「大変恐縮ですが」は感謝とお詫びの意味の両方を含んでいます。
一方で「申し訳ありませんが」はまず相手に済まないと詫びてから、お願いを始める言葉でした。

使い分け方

A:「大変恐縮ですが、応募は既に打ち切らせていただきました」
B:「申し訳ありませんが、応募は既に打ち切らせていただきました」

上の二つの例文でベストなクッション言葉はどちらでしょうか?
二つとも正しい使い方に見えますが、微妙なニュアンスの違いが感じられます。

Aは応募してもらったことをまず感謝してから、打ち切られた事実を伝えています。
わざわざ応募していただいたのに恐縮ですが、と言うニュアンスです。

Bは、応募が既に打ち切られたことを詫びています。
締め切ってしまって申し訳ありません、というニュアンスです。

感謝よりお詫びを明確に伝えたいときには「申し訳ありませんが」を使うのが良いと言うことです。

<下に続く>

「大変恐縮ですが/恐れ入りますが」の違い

大変恐縮ですが・誤用例

意味の違い

「恐れ入ります」とは、相手に対して「とても敵わない」「まいりました」と答えるときの言葉 です。
そこから派生した「恐れ入りますが」は、目上の人や客などに迷惑をかけたり、骨を折ってもらったときに「申し訳ない」という気持ちを伝える言葉です。

「恐縮」は身が縮むほど恐れ入ることですから、「恐れ入りますが」は「大変恐縮ですが」と意味にほとんど違いはないといえます。

使い分け方

意味に違いのない二つのクッション言葉ですが、使い方には相当の違いがあります。
「大変恐縮ですが」で始まる文章は、手紙や公式の文書に適したすこし堅苦しい、儀礼的な言葉使いです。

一方「恐れ入りますが」は「どこでもだれにでも使える」会話調の言葉です。
「恐れ入りますが、そこのペッパーを廻していただけませんか」

レストランでの会話です。
「恐縮ですが、そこのペッパーを廻していただけませんか」

「恐れ入りますが」は「恐縮ですが」に比べて穏やかな雰囲気を作る言葉です。
「恐れ入りますが」は文書やビジネスメールから、普段の会話まで幅広く使える言葉でした。

<下に続く>

「大変恐縮ですが/して頂けますと幸いです」の違い

意味の違い

「○○して頂けますと幸いです」
この言葉はメールや文書の中で、依頼事の末尾に付けて、希望を強調するときに使うことがよくあります。

「○○して頂けたら、私は幸いになります」という意味です。
「大変恐縮ですが」が謙虚なお願いの言葉であるのにくらべて、こちらは感情を表現した言葉だけに、このセンテンスだけでは強い要請を意味する言葉になりかねません。

できれば、前に適当な言葉を付け加えて、柔らかい雰囲気にすることが必要です。
たとえば次のようになります。

「勝手申し上げますが、○○して頂けますと幸いです」

使い分け方

「○○して頂けますと幸いです」は面と向かった会話ではあまり使いません。
「幸いです」は、どうしてもOKを取りたいときに、仕事仲間や同僚に対してメールや手紙で使われることが多いのです。

「お忙しいところ、大変恐縮ですが、明日にでもお越しいただけないでしょうか」
「お忙しいところ、誠に勝手ですが、明日にでもお越し頂ければ幸いです」

得意先に宛てた上の二つの例文を比較してみてください。
「恐縮ですが」は得意先や顧客に対して使う礼儀正しい言葉です。

一方、「幸いです」は大事な得意先や顧客に対して使うことはあまりお薦めできません。
ビジネスでは自分の幸せより、得意先や顧客の幸せを考えることの方が大事とされるからです。

<下に続く>

「大変恐縮ですが」の英語表現

恐れ入りますが
I beg your pardon, but
Excuse me, but

恐縮ですが
I'm sorry to trouble you, but

恐縮ですがコーヒーをお願いします
I would like some coffee, if you please.

恐縮ですがお手伝い願えませんか
May I make so bold as to ask your help?
( bold 大胆な)

<下に続く>

「大変恐縮ですが」の意味と使い方まとめ

「大変恐縮ですが」はビジネスで得意先や顧客に大事なお願いや緊急の依頼をするときに使う、とても便利なクッション言葉です。
また、微妙にニュアンスの違う類語や、表現がたくさんありました。

それだけに、失礼や間違いの許されないビジネスの場面では、的確な使い方が要求されます。
会話やメール、文書にいたるまで、「恐縮ですが」や類語のニュアンスの違いを工夫して、大事な顧客と素敵なコミュニケーションを図ってください。

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「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、LIFE+(ライフプラス)を運営しています。
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