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2018/12/01

ワーキングプアの実態とは?原因と対策をわかりやすく解説

日本は現在、超格差社会にあり、ごく一部の富裕層と大多数の貧困層に二分化が年々はっきりしてきています。
働いているのにまったくお金に余裕のない「ワーキングプア」層の増大は現代日本の社会問題になっています。

ここでは以下にワーキングプアの増加の原因や特徴、抜け出す方法などについて考察していきます。

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ワーキングプアとは

年収

働いているのに貧しいワーキングプアと言われる人々の年収は具体的にはどの程度を指すのでしょうか?
ワーキングプアと規定される年収額とは、「年収200万円以下」です。

今現在、日本の労働者の雇用形態は一昔前より大きく様変わりしており、全労働者に占める非正規雇用労働者の割合は実に40%を既にお超えています。
いわゆる派遣やアルバイト、パートタイマーなどで、これらの労働者の多くが年収200万円以下というのが実態です。

現在、日本全体の労働者のうち、年収200万円以下のワーキングプアに該当する人口は、約1200万人にも上ることが判明しています。

年代別

年代別にワーキングプアの比率を見てみましょう。
総務省調べによる『就業構造基本調査』のデータを参考に、各年代別の「年収200万円未満の男性有業者比率」を紹介します。

それによれば、20歳~24歳という若年層が最も高く、45%を超えるワーキングプア率です。
次いで、25歳~29歳で20%弱、30歳~34歳が13%弱と続きます。

しかし近年は40代以上の男性でもワーキングプア率が急上昇中であり、45歳~59歳といったいわゆる働き盛りの年代ゾーンでもワーキングプア比率は年々増大しています。
この年代であっても、現在は10~15%の男性労働者は年収200万円未満のワーキングプアという異常事態が続いています。

高学歴

ワーキングプアというとどうしても低学歴で単純労働、肉体労働系といったイメージが付きまとうものです。
しかし、近年の日本においては、「高学歴ワーキングプア」が増大中です。

これは大学院で専門の勉強をして博士課程等を出ているのに、それがかえってネックとなり、なかなか思う通りの就活ができないというパターンです。
そのため、仕方なく大学や関連研究施設などで非正規雇用の研究員や非常勤の職員などになる高学歴アルバイターが多く、当然年収は200万未満のワーキングプア層に属してしまうというわけです。

学部レベルの大卒では超高学歴の象徴である東京大学卒の人も、意外なほどワーキングプア率が高く、この場合には、職業観や人生観、価値観などのそれぞれの考え方も画一的ではないという側面も大きいと見られます。

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ワーキングプア増加の背景は?

ワーキングプアの人々

では、ワーキングプア増加の背景をみていきましょう。
ワーキングプア増加には、以下の3つの背景が考えられます。

  1. 超格差社会を推し進める政府の方針
  2. 非正規雇用の労働者比率の増大
  3. 貧困の固定化(貧困連鎖)

続いて、ワーキングプア増加の背景を、それぞれ詳しくみていきます。

ワーキングプア増加の背景①:超格差社会を推し進める政府の方針

ワーキングプア増加の背景、要因として真っ先に挙げられるのが、超格差社会を推し進める政府の方針です。
アベノミクスで、大企業の株価は概ね上がり、日本の富裕層の数も増えたと喧伝される半面で、「ワーキングプア人口」もアベノミクス開始以降、年間数十万人レベルで右肩上がりに増加が止まりません。

何のことはありません。
金持ち優遇の反面で、弱者切り捨てが加速度的に進んで行っているだけの施策しか政府が取らないので、大企業は儲かっても、末端の労働者は逆に貧しくなる一方なのです。

これでは、今後もますますワーキングプアは増加の一途を辿ることは確定しているようなものです。

ワーキングプア増加の背景②:非正規雇用の労働者比率の増大

ワーキングプア増加の背景、原因で欠かすことのできないファクターが、「非正規雇用労働者比率の増大」です。
日本は元々は、大企業から中小零細企業に至るまで、終身雇用の正社員というスタイルの雇用形態を美徳としていた国でした。

それが、いつしか派遣や外注を一定数入れるスタイルに変わり、終身雇用制も完全に崩壊しました。
企業は、利益が上がっても、できるだけそれを人件費に還元したくないため、内部留保ばかりを増やし、人件費は極限までコストカットしようとする下心が剥き出しの時代にいつしか成り果てています。

気付いてみれば、全労働者に占める派遣やパートなどの非正規雇用労働者の割合は40%を大きく超えています。
この非正規雇用は基本的に時給や日給で働く「最もコスパの良い」労働者であるため年収も多くが200万円以下に留まるワーキングプアなのです。

ワーキングプア増加の背景③:貧困の固定化(貧困連鎖)

一般的には、やはり大学などで専門教育を受けたり、高い知識やスキルを有する人は、貧困から抜け出やすくなります。
一方で、低学歴であったり、特殊なスキルや高い知識のない人はできる仕事も制限されるため、ワーキンプアに陥りやすく、そこから抜け出ることも厳しくなります、

現在の日本においては、子どもの6人に1人が貧困状態にあります。
母子家庭や低所得の貧困家庭で育つと、教育費などをかける余裕もなく、そのため大学進学も叶わず、最初から非正規雇用の単純労働に従事せざるを得ない「ワーキングプアの連鎖」が生み出されてしまいます。

このような連鎖は日本中で増えているため、ワーキングプア増加は止まらないのです。

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ワーキングプアの問題点は?

では、ワーキングプアの問題点をみていきましょう。
ワーキングプアの問題点には、以下の4つのものがあります。

  1. 超格差社会の加速
  2. 消費の冷え込みの加速
  3. 非婚化、少子化の加速
  4. 衣食住の不備や治安の悪化の加速

続いて、ワーキングプアの問題点を、それぞれ詳しくみていきます。

ワーキングプアの問題点①:超格差社会の加速

ワーキングプアが増加することによる問題点は数多く存在しますが、その中でもまず挙げられるものが、今も進行中の超格差社会の加速というものが挙げられます。
今日本国中で貧富の格差は日毎に人がる一方ですが、特に首都である東京などでは、富裕層やプチブルなどの階層の人々と、ワーキングプア層や貧困層では、住む街から通う学校までまったく接点がないのが現状です。

これはいずれ何をどうやっても公平性の保てない「貧富の固定化」に繋がっていくでしょう。

ワーキングプアの問題点②:消費の冷え込みの加速

「働けど働けど暮らしは苦しい」というワーキングプア層になれば、食べていくのにやっとというギリギリの生活が続きます。
当然、今以上に必要最低限の物しか買わなくなります。

消費はますます冷え込み、デフレは改善されないでしょう。
そこに被せて消費税増税など最悪の悪手を政府は打とうとしています。

ワーキングプアの問題点③:非婚化、少子化の加速

フルタイムで働いているのに、自分ひとりが何とか食べていくのに精いっぱいの状態のワーキングプアでは、結婚して家庭を持つことは経済的に相当無理が伴ってきます。
結婚しようと思えば、低所得でもできますがそれを維持していくのは非常に大変です。

そのしわ寄せは子供に満足な教育を施してあげられないとか、借金の慢性化などあらゆる点に及ぶからです。
このような切実な事情から、非婚化と少子化は今後ますます加速するでしょう。

ワーキングプアの問題点④:衣食住の不備や治安の悪化の加速

現在、日本の非正規雇用労働者の割合は4割を超えています。
更に増加傾向であることを鑑みれば、ワーキングプア層の人口もますます増えていくわけです。

そうなると、かつての問題になった派遣村やネットカフェ難民のように、働いているのに部屋も借りられない衣食住にも事欠く人々が大量に増加します。
社会や人心はますます荒廃し、治安の急速な悪化を招くでしょう。

<下に続く>

ワーキングプアの人達の特徴

ワーキングプアの人の特徴

では、ワーキングプアの人達にはどのような特徴があるのでしょう。
ワーキングプアの人達には、以下の10個の特徴があります。

  1. 生まれた時から「貧困の連鎖」にハマっている
  2. 優しい性格・人格者・苦労人
  3. 学歴が低い・特殊技能がない
  4. 喫煙者
  5. 浪費家
  6. 周囲にも貧乏人しかいない
  7. 精神的な問題を抱えている
  8. 資本主義社会に対して否定的な考えを持っている
  9. 悪辣な搾取構造の業界で働いている
  10. 部屋の中が汚い

続いて、それぞれの特徴を詳しくみていきます。

特徴①:生まれた時から「貧困の連鎖」にハマっている

資本主義社会においては、残念ながら貧困というのは連鎖してしまいます。
「貧乏の輪廻」とも俗に言われますが、例えば母子家庭でワーキングプアの家庭に生まれた子供は高い確率で、生まれながらに貧困です。

この「貧困の連鎖」を断ち切るには、余程の何か天賦の才能などを持ていない限りは難しいです。

特徴②:優しい性格・人格者・苦労人

ワーキングプアの人の特徴を掘り下げて考察するとき、能力や学歴は十分なのにも関わらず、ワーキングプアの泥沼に陥っている人は意外なほど多く存在します。
この場合の理由は、その人がとてもやさしい性格であったり、人格がむしろ富裕層や高収入の人々より高かったりすることが災いしてワーキングプアに陥っているパターンです。

これは、例えば親の介護や看護などと両立するために、社会的地位の低めで賃金も安い非正規雇用に従事していたり、何らかの自己犠牲を伴っている事情が多いです。

特徴③:学歴が低い・特殊技能がない

ワーキングプアの特徴の中には、明らかに能力的な理由でそうなっている人も挙げられます。
このような人々は、仕事に対する向上心や志は低く、勉強の嫌いで頭もあまり良くなかったので、学歴も低く、英語ができたりITスキルがあったりといったような特殊技能も高くはありません。

このような場合には、ある程度仕事の業種も限られてくるので、ワーキングプアになる確率が高いのです。

特徴④:喫煙者

ワーキングプアの人々の目に見える特徴として目につくのは、その喫煙率の高さです。
所得の低いワーキングプアと喫煙がどのような因果関係があるかは不明ですが、傾向として明らかかにワーキングプア層での喫煙率は目に見えて高くなります。

所得が低いのに、高価なタバコを毎日購入しなくてはならないという状況はまざに悪循環です。

特徴⑤:浪費家

ワーキングプア層に多い特徴として、「身の丈に合わない浪費をしている」といった点を挙げることができます。
具体的に言えば、本来ならば中古の軽自動車がその収入に見合ったものであるのに、新車の高級車を5,6年の長期ローンで買って、毎月その支払に追われたりするパターンです。

こうなると、惨めなローンの奴隷生活になり、生活はますます余裕が無くなります。

特徴⑥:周囲にも貧乏人しかいない

世の中は総じて理不尽にできています。
何の能力もなく性格も悪いようなどうしようもない人格の人間であっても、有力者や富裕層の家庭に生まれて、そういったコミュニティや学校で過ごしてきただけで、コネクションの力で高収入の仕事をしていたりします。

その一方で、真面目に働いているのにワーキングプアな人の多くは、家族や友人も一様に同程度の低所得者層というケースがほとんどです。
「類は友を呼ぶ」の諺通りであり、コネを使うことができないわけです。

特徴⑦:精神的な問題を抱えている

非常に高い能力や才能、学歴に恵まれているにも関わらずワーキングプアと言う人も数多く存在します。
この場合の特徴は、何らかの精神的な問題を抱えているケースが多いということです。

過去、一流大学から一流企業へ就職したのに、上司等の人間関係で大きな精神的なトラウマを負ってしまったとか、そういうパターンの人は、その後は非正規雇用であまり組織と深くかかわらない仕事しかしないからです。

特徴⑧:資本主義社会に対して否定的な考えを持っている

やはり高い能力や才能や学歴を持っているにも関わらずワーキングプアに甘んじている人の中には、資本主義社会自体に強い嫌悪感と否定的な考え方(哲学)を持っている人も散見できます。
こういった特徴を持つ人々は、企業社会の組織ピラミッドの中での出世や栄達を見下して嫌悪しています。

このような人は、あえて組織の歯車になろうとはしないので派遣やパートなどのワーキングプア層に甘んじているのです。

特徴⑨:悪辣な搾取構造の業界で働いている

毎日長時間一生懸命働いているのも関わらず、所得は低いままというワーキングプアの特徴の一つに、ブラック企業など悪辣な搾取構造の体質を持った業界や組織の中で働いているという点が挙げられます。
「中抜き」と言われる中間搾取が幾つも入る形態の仕事なども、こういった搾取構造がある限りは、ワーキングプアから抜け出すことは難しいでしょう。

特徴⑩:部屋の中が汚い

これは結果的なワーキングプアの人に多い特徴ですが、「部屋が汚い」という点が挙げられます。
ワーキングプアは、とにかく余裕もなく毎日働いていますから、帰宅してもクタクタに疲れていて、部屋を片付ける体力も気力もない場合が多いからです。

更に、働けど働けど苦しい生活から脱せないために、意欲も削がれていく場合が多く、その心の状態が部屋の汚さに反映されている面も多分にあります。

<下に続く>

ワーキングプアから抜け出す方法

では、ワーキングプアから抜け出す方法をみていきましょう。
ワーキングプアから抜け出す方法には、以下の5つのものがあります。

  1. 具体的な目標を持ち戦略を立てる
  2. タイムテーブルに沿った細かいスケジュールを組む
  3. 自分の武器を知り、自分の得意な分野で勝負する
  4. メンタルを前向きに鍛錬していく
  5. カウンセラーや支援団体の相談員に相談する

続いて、ワーキングプアから抜け出す方法を、それぞれ詳しくみていきます。

抜け出す方法①:具体的な目標を持ち戦略を立てる

ワーキングプアの人の最大の欠点は、「今しか見えていない」ことです。
今の生活に必死で精一杯なわけですから、これも無理からぬことなのですが、これではいつまでたってもワーキングプアから抜け出すことは難しいでしょう。

まず、三年後でも一年後でも良いので、その時点で「ワーキングプア状態から抜け出た自分」を仮想で想定し、そこを目標にすることです。
こういった長期的なヴィジョンと目標を持つことで、その日暮らしで余裕のないメンタルから脱却できることができるようになります。

抜け出す方法②:タイムテーブルに沿った細かいスケジュールを組む

大まかな目標とワーキングプアから抜け出す長期的なヴィジョンを立てたなら、その次はそのためにすべき逆算です。
例えば、三年後に抜け出すと目標を立てたなら、そこから逆算して、今の時期にやるべきことが見えてきます。

その現時点でやるべきことを、細かいタイムテーブルに沿って、具体的な戦術として計画し、着実に実行していくことが肝になります。

抜け出す方法③:自分の武器を知り、自分の得意な分野で勝負する

「"敵を知り己を知れば百戦危うからず」という諺があるように、ワーキングプアという敵に勝利して抜け出すことに成功したいのであれば、まずは自分を徹底的に自分で理解することがポイントになります。
ワーキングプアから脱出するためには、少なくとも今の仕事を続けていては無理なわけです。

当然、転職活動や独立活動が必要になってきます。
その時に、「自分はこれなら他人に負けない」、「これなら少々キツくても好きだからやっていける」といった自分の武器や特性を熟知しておくことはマストです。

抜け出す方法④:メンタルを前向きに鍛錬していく

ワーキングプア層にある程度いると、物事の考え方や捉え方がどうしてもネガティブになりがちです。
なかなか、前向きに物事を考えられなくなってしまったり、仕事や人生に対する意欲自体も低下しがちになってしまいます。

ワーキングプアから抜け出したければ、まずはこのメンタルを矯正しなくては戦えません。
毎日少しづつでも良いですから、ポジティブな考え方をするように訓練し、口から発する言葉もポジティブな言葉を発するように心がけましょう。

抜け出す方法⑤:カウンセラーや支援団体の相談員に相談する

物事は自分ひとりで考え込んでいても進展しないことは多々あるものです。
ワーキングプアから抜け出したくても具体的な方策が思い浮かばない場合などは、専門の支援団体相談窓口に率直に相談してみるというのも有効な一策になる時があります。

思わぬ目から鱗的な助言をもらえたり、自分では気づかなかった方策に気づかせてくれたりすることがあるケースも多いので、一人で考え込まずに、気楽に相談してみましょう。

<下に続く>

ワーキングプアに関するまとめ

ワーキングプアに負けない人

現代社会の病巣の1つと言っても良いワーキングプアについて、その特徴や、どうすれば抜け出すことができるかまで掘り下げて考察を進めてきました。
ますます格差社会の加速する日本においては、労働者の誰もが明日はワーキングプアになるリスクを秘めています。

そうなった場合には、知性と理性と精神の力で乗り切っていきたいものですね。

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「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。
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