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2018/12/01

死に体とは?正しい使い方と6つの例文を紹介

「あの企業はもはや死に体だ」
よく新聞に出てくる言葉ですが、死に体の意味がもう一つよくわかりません。

いまさら友達に聞くのも癪なので、自分で調べてみることにしました。
語源がわかって驚きました。

「死に体」は日本の伝統スポーツ、相撲の用語でした。
ここでは「死に体」の意味を深く理解するために、語源から、正しい使い方や例文までを詳しくご紹介します。

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目次

死に体とは?

意味

「死に体」とは、もともと相撲用語で、もはや自力で回復不可能な状態、つまり「体(たい)が死んでいる」ことを意味していました。
そこから、自らの存在する基盤が崩れて、組織や人などが倒れかかって、絶望的な状態を意味する言葉として使われました。

「死に体」とは組織や人が、すでに倒れて(死んで)しまっているわけではないのですが、もうもとの状態に戻ることがありえないことを比喩的に表現する言葉になったのです。
一言で言えば、「死んだも同然」という意味です。

語源

この言葉はもともと相撲の取り組みの用語でした。
「死に体」とは、大辞林によれば次のような状態をいいます。

相撲で、力士がもつれて同時に倒れるときに、つま先が上を向いて足の裏が返り、立て直すことが不可能と判断される状態。
対義語:生き体

相撲では足の裏で地面に立っていないと負けになります。
手が地面についたり背中に土がつけば負けです。

足の裏でなくて甲の部分が地面についても負けと判断されるのです。
「死に体」はそのうちのどれにも当てはまりません。

しかし、「相手より先に、つま先が上を向いて足の裏が返り、立て直すことが不可能と判断される」と、『体(たい)が死んでいる』としてその時点で負けと判定されるのです。
その時相手の力士はまだ「生き体」とみなされていることが前提となります。

相撲の取り組で、力士が自力では立ち直れない、危機的状態を「死に体」とされたことから、政治や経済用語(俗語)に引用されて、もはや希望のない状態を「死に体」と表現されることになったのです。

類語

「死に体」と全く同じ意味を持つ言葉は見当たりません。
ただよく似た状況を説明した言葉・類義語はいくつかあります。

末期的症状
死んだも同然

瀕死の状態
破綻寸前

いずれも危機的状態を表してはいますが、「死に体」とはニュアンスが異なります。
英語で「レームダック」という政治用語があります。

この言葉こそまさに「死に体」を意味しています。
レームダックについては後ほど詳しく説明します。

使い方

「死に体」はもともと相撲用語として始まり、そのうち政治や経済用語として使われるようになります。
この言葉は企業に当てはめれば倒産、人でいえば破産、内閣でいえば倒閣を目の前にして、立ち直ることがあり得ない状態を表す時に使われます

この言葉が、政治用語や経済用語として使われるようになったのは最近のことで、まだまだ耳に新しい使い方といえます。
欧米から「レームダック」という言葉が入ってきた時期と関連があるようです。

「死に体」と「レームダック」は同じ意味を持つ言葉です。
二つの言葉は使われるシーンも政治の場面と経済の場面がほとんどです。

二つは専門用語ではなくて俗語として使われている点もよく似ています。
(lame duck は足が不自由なアヒルのことです)

英語

「死に体」を新和英大辞典で引きますと次のようになります。

(相撲)死に体
a falling position in which no rally is possible.

直訳しますと「もはや回復不可能な倒れる状態」となります。
この辞書では相撲用語とされているだけで、政治や経済用語としての英文は出てきません。

逆にlame duck をジーニアス辞典で調べてみました。

lame duck
① 窮状にあり援助の必要な人・企業
②《米》任期終了間際で実権を失った議員・政権
③《英》(商)債務履行不能者、破産者

「死に体」の英語訳はやはり「lame duck」がぴったりでした。

<下に続く>

「死に体」の例文

では、「死に体」の例文として以下を紹介します。

  1. 両者同体
  2. 今の内閣は
  3. 公費乱用の議員
  4. 上場企業が
  5. 振りしてる事業家
  6. 大統領

続いて、「死に体」の例文を、それぞれ詳しくご紹介します。

「死に体」の例文①:両者同体

「ただいまの相撲は、土俵際で北の富士が手をついたのと、貴乃花の身体が浮いて『死に体』となったのと、どちらが早かったか、行事の審判に物言いがついて審議中です。両者同体とみなして取り直しもあります」

本来の意味での相撲の取り組での「死に体」の使用例です。
相撲用語にはこの他に対義語の「生き体」や同時を意味する「同体」があります。

「死に体」の例文②:今の内閣は

「新聞社合同の世論調査の結果、今の内閣は支持率が15%を切りました。これはもはや『死に体』です。内閣としても機能不全となり、早期の大改造が叫ばれるところですね」

この例文は政府の組織としての内閣を「死に体」(レームダック)と表現しています。
組織としての機能不全も「死に体」と表現されるのです。

「死に体」の例文③:公費乱用の議員

「都市開発の調査と称して、ラスベガスで遊んでいた議員が公費の流用で警察に摘発されることになりました。市が警察に訴え出て、数種類の犯罪疑惑で捜査状が出されています。この議員はもはや「死に体」で自宅から一歩も外へ出てきません。すでに議員失格です」

「死に体」が犯罪を犯した議員の末路を表現する典型例でした。

「死に体」の例文④:上場企業が

「名門企業の子会社が海外戦略に失敗して、今期の決算が大赤字となりました。将来の事業見通しも有力な材料に乏しく市場からはもはや『死に体』と見放され、二部上場の株式が大幅ダウンしています。今後は、頼りの親会社の動向が注目されところです」

「死に体」の例文⑤:振りしてる事業家

「またあの社長、自分の会社が『死に体』だと自分で言って回ってるぞ」
「あの社長、会社を清算しては、儲けた金は個人財産として隠してるらしいじゃないか」
「海外の悪徳事業家がよくやる手だつていうぞ」

何度も「死に体」の振りをする個人事業家の例でした。

「死に体」の例文⑥:大統領

「大統領の任期が長い国では、任期も半ばを超えると大統領の支持率が落ちて、『死に体』つまりレームダック現象が起こる。このため大統領は海外に敵を作り、これを一般大衆に煽ることで、支持率を高めようとする」

新聞の解説でよく見る、大統領の「死に体」現象を説明する例文でした。
「死に体」を意味するターゲットつまりレームダックは強大な力を失った組織や政治家を指し示すことが多いようです。

<下に続く>

死に体とは? 正しい使い方と6つの例文を紹介・まとめ

「死に体」とは日本の伝統的なスポーツ、相撲の用語でした。
もはや立ち直れないと言う状態を宣告する言葉でした。

そのうち、この言葉は、政治や経済、商業の分野で、絶望的な状態を意味する言葉として使われ始めました。
不思議なことに、既に英米で使われていた政治用語のレームダックと言う言葉と意味がそっくりだったのです。

慣習も文化も違う国が、こんなに意味がそっくりで、別々の言葉を作りだしたことがとても不思議です。
二つの言葉の出会いの秘密を、どなたか調べてほしいものですね。

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