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2018/12/01

「見受けられる」の3つの意味と使い方!類語や敬語表現も解説

「この企画書には、間違いが数カ所見受けられる」
上司に呼ばれてこんな指摘を受けました。

「すぐ書き直してまいります」と答えて退席したのですが、すこし気になることがあります。
「間違ってるぞ」ではなくて「見受けられる」となんだかやさしく指摘された気がするのです。

部長の人柄かと思うのですが「見受けられる」とは、どういうニュアンスなのでしょうか?
ここでは「見受けられる」の持つ3つの意味と使い方について、例文をベースに詳しく紹介してまいります。

Large businessman chairs facial expression 716411  1
目次

「見受けられる」の意味

意味①

「見かける」「目に止まる」

「見受けられる」の本体は「見受ける」です。
「見受ける」には大きく分けて2つの意味があります。

第一は「見かける」「目に止まる」です。
第二は「認識する」「判断する」です。

前者は目撃を、後者は認識を示します。
これに「受け身」や「可能」を示す「られる」を付け加えて、「見受けられる」が完成しました。

その結果世の中でよく見られる、といったニュアンスを含むようになります。

意味②

あの女ただ者ではないと見受けられる

「見て取る」「見て判断する」

ただ単に物事を見るのではなくて、その背景を認識したり、値打ちを計ったりという行為が加わります。
(目撃)の結果として、(認識)(判断)の段階に進んでいます。

「あの女性、相当の腕前と見受けられる」

意味③

「思う」「推論する」

(目撃)から(認識)に進み、さらに深化して(推論)までを含むようになります。
その結果、心の深みまで窺うフレーズとしても使われています。

「彼女の哀しみは、尋常じゃないと見受けられるよ」

<下に続く>

「見受けられる」を使う場面

では、「見受けられる」を使う場面をみていきましょう。
使う場面は、以下の通りです。

  1. 目撃するとき
  2. 判断するとき
  3. 推し量るとき

続いて、それぞれの場面を詳しく見ていきます。

目撃するとき

「見受けられる」は物や事をよく見かけたり、注意を引かれた時に用いられます。
なにかを探しているのではなくて、たまたまある物や事が視界に入り、注意を引かれたときに、思わず口から出たり、頭に浮かぶ状態を表す文言です。

判断するとき

「見受けられる」は、物や事を目撃したことからその意味を判断するシーンで使われます。
物事の動きからその背景を認識したり、人の動きからその人の技量を計るときです。

またよく用いられるのは、政治家が世の中の動きについて述べるときです。
いろいろな現象からみて、大きな流れを感じたときに政治家や、マスコミ、学者が所見として伝えるシーンがよく見られます。

推し量るとき

人の内面を推し量るときに「見受けられる」が使われます。
人の気持ちの内側と言う微妙な領域にまで入り込むことは、当事者に対して失礼にあたることが多いですよね。

そんなときに間接話法で言うことで失礼なく伝えることができます。
また、自分の意見としていうには差し障りがあるとき、受け身の形で、柔らかく伝えることができます。

いずれも、推し量ったことを、柔らかく伝えたいときに用いられるケースでした。

<下に続く>

「見受けられる」を使った例文

では、「見受けられる」を使った例文として以下を紹介します。

  1. 目撃して会話
  2. 目撃して報告
  3. 類推する
  4. 解釈する
  5. 心を推し量る

続いて例文を、それぞれ詳しくご紹介します。

例文①:目撃して会話

「最近、街の中を散歩している人のリュック姿は、震災の時によく見受けられたスタイルにそっくりだ」
「今日は祭日だから、街の中では人の姿が見受けられない」

「あの女性、相当の若作りと見受けられるね」
「今では町中で歩きながらたばこを吸う人は、ほとんど見受けられないよ」

「最近、会社で○○さんの姿を見受けないんだけど、何かあったのか知らないかい」
いずれも見かけた事実や印象を話している、目撃者のセリフでした。

このような言葉遣いは若い人の普段の会話の中では聞くことが少なくなりました。

例文②目撃して報告

すこし堅苦しい言葉だけに、マスコミの記事やビジネスの報告、お役所や学校の現場では有効に使われています。
「この報告書には数カ所の誤りが見受けられる」

「この界隈では、プールで多量の藻が発生しているのが見受けられる」
「学生の中間テストの結果ですが、間違っている箇所が共通していることが見受けられます」

例文③: 類推する

「お待ちくださいご主人、そのお姿はしかるべきご身分の方とお見受けいたしますが」
「あの選手の軽いフットワークからすると、奴は、ただ者じゃないと見受けられる」
 
上の2つは、目撃者の主体的な類推が入り込んできた例です。

例文④:解釈する

あまりよくない世界の動きが見受けられる

政治や科学の記事によく用いられる文章です。
「今の内閣の支持率を見ると、総辞職も間近と見受けられる」

「世界の各地で起こっている異常気象をみると、地球環境はあまりいい方向に進んでいないように見受けられる」

例文⑤:心を推し量る

「今日の会議での副社長の発言には、真実が隠されているように見受けられる」
副社長が真実を隠している証拠はどこにもないのですが、この発言では、いかにも真実が他にあるように聞こえます。

「見受けられる」というコメントが客観的な響きに聞こえるためです。
真実に聞こえる力を持つセリフなのです。

「あの方の立ち居振る舞いを見ていると、なにか深い悩みを抱えておられるようにお見受けいたします」
これは本人にしかわからない心の中を推し量る発言です。

勝手な憶測で、失礼に当たるかもしれないコメントなのですが、「お見受けいたします」というセリフで締めることで、婉曲的な柔らかい雰囲気になっています。
上手な使い方の例でした。

<下に続く>

「見受けられる」の敬語表現

丁寧語

「見受けられる」の「る」を丁寧語の「ます」に変更しましょう。
見受けられます」と丁寧なセリフができあがりました。

「この設計は3カ所に誤りが見受けられる」
この主旨を上司に説明するするときは、次のようにします。

「この設計は3カ所に誤りが見受けられます」
これで、上司に対して失礼のないコメントになりました。

尊敬語

「見受けられる」は敬語表現ではありません。
相手を敬う形にするためにはまず「見受け」に「お」を付けます。

次に「られる」を「します」や「いたします」と丁寧語に変えます。
「お見受けします」「お見受けいたします」と相手を敬う形になりました。

「今朝の社長はずいぶんお疲れのご様子と見受けられます」
このコメントは、社長を目の前にしたときは、次のようにします。

「社長、今朝はずいぶんお疲れのご様子とお見受けいたします」となります。

目上の人に対する使い方

仕事の報告書やレポートでは「見受けられる」を用いることができます。
ただ、上司に口答で報告するときには、「見受けられます」と言い換えることが必要です。

「この設計図面は3カ所に誤りが見受けられます」と報告します。
仕事の会話でなく、日常の会話では、上司に面と向かって「お見受けいたします」はやたらと用いない方が良いでしょう。

堅苦しい言葉ですからうまく使わないと、雰囲気が壊れる恐れがあります。
できれば他の言い方を探しましょう。

<下に続く>

「見受ける/見受けられる」の違いと使い分け方

違い

「見受ける」は「見受けられる」のもとの形でした。
そこに受け身や可能を示す「られる」を用いて「見受けられる」に変化させました。

「見受ける」の主語は「私」ですが「見受けられる」では「対象である客体」が主語になります。

「(私は)この公園では野良犬をよく見受ける」
  ↓
「この公園では野良犬がよく見受けられる」

結果として、私の主観的なセリフであったのが、客観性を持つようになりました。
第三者目線となり、説得力を増したということです。

使い分け方

客観的な形になったことで、「見受けられる」にあらたに2つの用い方が出てきました。
1つは言葉の政治的利用です。

客観的な証拠がない時に、このセリフを使って事実のように説明できるのです。
「この内閣は死に体と見受ける」

「この内閣は死に体と見受けられる」

新聞やテレビでよく聞く発言ですが、「見受けられる」といったファジーな言い方を聞いたときには、真実を聞き分ける注意が必要ですね。

もう一つは心理的効果です。
「あなたの発言は間違いではないかと見受ける」

「あなたの発言は間違いではないかと見受けられる」

2つを比較してみますと、間違い発言を指摘するのにも「見受けられる」を使うと、柔らかくユーモラスに響きます。
会議で使えるコメントかもしれませんね。

「見受ける」は自分の経験として伝えるときに、「見受けられる」は客観的な事実として伝えたいときに用いることができるのです。

<下に続く>

「見受けられる」の類語

では、「見受けられる」の類語を見ていきましょう。
類語には以下のものがあります。

  1. 見える
  2. 見かける
  3. 見取る
  4. 目にとまる
  5. 目につく
  6. 認める
  7. 目撃する
  8. 実見する
  9. 見抜く
  10. 見破る
  11. 見え透く
  12. 見極める
  13. 看破する
  14. 察せられる
  15. 先見
  16. 洞察
  17. 目先
  18. 岡目八目

続いて、類語をそれぞれ詳しくみていきます。
以下は大辞林の類語辞典を中心に編集しました。

類語①:見える

物の存在や形が自然と視界に映ると言うことです。
見ることが可能になった状態です。

「暗がりの中に、かすかに人影が見える」
「沖に船が見える」

見られる、と言う使い方もあります。
「今日の会議で、居眠りする社員が見られた」

類語②:見かける

見た記憶がある、なんども見ると言う状態を示します。
類語として「見受けられる」に大変近い形です。

「あの人は、最近、会社でよく見かける人だ」
「駆け込み乗車は、今の時間帯によく見かける風景だ」

類語③:見取る

はっきりと見て取る、集中して見る、と言う状態を示します。
「先生のやり方をしっかりと見取って、正しい筆遣いを憶えてください」

発音が同じでも「看取る」ではありませんので注意してくださいね。

類語④:目にとまる

目に入る、と同じく印象づけられた状態を伝えます。

「ふと目にとまる」
「アフリカに行くと、目にとまることすべてが珍しい」

目に入る、もよく似ています。
「この海岸では、ゴミがたくさん目に入る」

類語⑤:目につく

目立って見える、一際、注意を引かれる状態を伝えます。
「雑踏の中で、子供たちの着ている制服が目につく」

「最近我が社の役員会では、女性の姿が目につく」
「正月には晴れ着が目につく」

類語⑥:認める

見てそれとわかるという意味です。
「認識」している状態です。

「機内を調べましたが、どこにも異常は認められません」
「夜の山道に車の影を認める」

類語⑦:目撃する

たまたまそこで出くわした情景を見ることです。
「私は今朝、事件を目撃してしまった」

「目撃した人の話では、犯人は三人の男性と思われます」

類語⑧:実見する

その場に行って、実際に見ることです。
「現場を知るには、実見することが早道だよ」

「さっそく工場に行って、生産ラインを実見してきました」

(次の項目からは「認識」「判断」の類語になります)

類語⑨:見抜く

表面に現れていない、隠された真実を見てしまうことです。
「彼のごまかしを見抜いたぞ」

見通す、もよく似ています。
「腹の底までお見通しだよ」

類語⑩:見破る

秘密、企みなどを見抜くことです。
「あの国の計略を見破った」

見透かす、もよく似ています。
「どうも、足下を見透かされているようだ」

類語新辞典によれば・・「見破る」「見透かす」は相手が隠そうとしていることについて言うのに対して、「見抜く」「見通す」は何事も見逃さないで、成り行きの結末までを判断していること、とあります。

類語⑪:見え透く

意図があまりにも見え見えの状態を言います。
「見え透いたお世辞だわね」

「見え透いたウソはつかないでくれ」

類語⑫:見極める

正確に見届けることを言います。
「新たな証拠が出たぞ。あの容疑者が白か黒か、ついに見極めた」

「そろそろ会社の将来を見極めるときだ」

類語⑬:看破する

競合相手の計画を看破した

「かんぱする」と読みます。
見破ることです。

「ついに競合相手の計画を看破したぞ」

類語⑭:察せられる

「察する」に未然の助動詞「られる」を加えて、受動、可能性を表しています。
未然とはこれから起こりかもしれないことを表します。

「察せられる」は「見受けられる」のうち、「人の気持ちを推し量る」の意味とほぼ同義語です。
会話でも、文章でも堅苦しくなく使える言葉です。

「彼女の気持ちが察せられる」
「察せられる」によく似た言葉に「忖度(そんたく)」があります。

流行語対象に選ばれた、言葉です。
「忖」も「度」も推し量ると言う意味です。

他人の気持ちを推し量ることを言います。
「たまには夫の心中も忖度してほしいね」

類語⑮:先見

未来を見抜くこと。
「社長の考えには、先見の明がある」

似た言葉に予見があります。
ことが起こる前にそれを知ることです。

「大統領は、動乱を予見できなかった」

類語⑯:洞察

十分な情報がない中でも状況や成り行きを見抜くこと。
「事の本質を洞察する」

「彼には優れた洞察力がある」
似た言葉に洞見があります。

「三十年後の世界情勢を洞見する」

類語⑰:目先

すぐ先の情勢を見通すこと。
「あの人は、よく目先が利く人だ」

類語⑱:岡目八目

碁を見ていて、対局者よりも八目先が読めること。
局外者の方が、当事者よりもよく状況がわかると言うことです。

「岡目八目だが、この碁は黒の勝ちだ」

<下に続く>

「見受けられる」の英語表現

「見かける」の意味での英文です。
 see; come across

車内で喫煙している人を見受ける。
We sometimes see a man smoking in the car.

今ではそういう人はあまり見受けない。
We rarely come across such people now.

「・・と見て取れる」の使い方例です。
take [ a person for] ; looked

50才くらいにお見受けしました。
I took you for about fifty years old.

非常に満足のように見受けられた。
He looked quite satisfied。

以上は新和英大辞典(研究社)を中心に編集しました。

<下に続く>

「見受けられる」の3つの意味と使い方!類語や敬語表現も解説・まとめ

「見受けられる」には3つの意味といくつかの使い方がありました。
元々の「見受ける」から、受け身や可能の形に変わったことで、客観性を持ち、心理的な側面まで推し量る言葉として、進化を遂げました。

世の中の大きな流れを伝えたり、ビジネスシーンでは客観性を表現するのに有効なツールです。
逆に目上の人との会話や、得意先とのやりとりでは、堅苦しい言葉だけに使い方に注意が必要です。

3つの意味と山ほどある類語を参考にして、いろんなシーンで楽しく使い分けるテクニックを身につけてくださいね。

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