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2017/03/04

リバースモーゲージと普通のローンの違いとは。メリットやリスク、問題点を解説

Large roof house rooftop
目次

リバースモーゲージとは

「最近、新聞でリバースモーゲージという言葉をよく目にするようになり、なんとなく気になっている」というシニア層の方も多いのではないでしょうか。
リバースモーゲージというのは、あなたの持ち家を担保にして、銀行などからお金を借りる方法のことです。

あなたの生存中はお金を返す必要はなく、借りたお金はあなたが亡くなる時に一括して返すという仕組みになっています。
例えば毎月生活費にあてるために10万円を融資してもらい、年間で120万円を20年間にわたって借りると2,400万円を借りることになります。
この2,400万円はあなたが生きている間は返済する必要はありませんが、あなたが亡くなる時には一括して返済しなくてはなりません。

亡くなる時にそれだけのまとまったお金がない場合には、契約時に担保として設定するあなたの自宅の抵当権が実行されます。
抵当権が実行されると自宅は売りに出されることになりますので、最終的には自宅はあなたの所有物でなくなります。

リバースモーゲージを使うことで、生存中は現金を借りることができ、自宅にも住み続けることができるというメリットがあります。
リバースモーゲージは、持ち家はローン返済が終了していることが前提である上に「契約者がなくなるまで返済不要」ということが最大の特徴である商品ですので、多くの場合利用者として想定されているのはシニア層です。

「持ち家は持っているものの年金だけでは心もとない。医療費はかさむ一方だし、老人ホームに入らないといけないときにはたくさんの現金が必要になるというし…」などなど、高齢者の方でも手元に現金が必要になるケースは意外に多いものですよね。
リバースモーゲージはこのようなシニア層のニーズに応えて生まれたサービスということができます。

リバースモーゲージはローンと何が違うのか

リバースモーゲージと通常のローンではどのように違うのか?について理解しておきましょう。

通常のローンでは、最初にまとまったお金を借りて、その後数十年かけてお金を毎月返済していきますよね。
住宅ローンなどが代表的な例です。
例えば銀行から3,000万円を借りて家を建て、その後30年かけて毎月お金を返していく…というのが通常のローンです。

一方でリバースモーゲージは、必要なお金をまず借りるという点では通常のローンと同じですが、あなたの生存中はお金を返す必要はありません。
その代わり、そのお金をあなたが亡くなるときに一括して返済するという形をとります。

一括して返済するためのお金は、抵当に入れているあなたの自宅の売却代金が使われます。
つまり、金融機関はあなたが亡くなったタイミングであなたの自宅に設定されている抵当権を実行し、自宅の売却代金をローンの一括返済にあててくれるというわけです。

英語で「リバース」というのは「逆」という意味ですね(ちなみにモーゲージというのは抵当のことです)
リバースモーゲージも通常のローンも、自宅を抵当に入れてお金を借りる方法であるという点で同じです。

しかし、お金を返すタイミングが逆(リバース)になっているわけですね。
「生きているうちに返済して行って、最後はローン残高が0円になっている」というのが通常のローンで、「生存中には返済義務がなく、亡くなった時にまとめてローンを返済する」というのがリバースモーゲージです。

リバースモーゲージの種類

リバースモーゲージは、実際にはどのような形でお金を借りるかは利用者(あなたのことです)が自由に決めることができます。
具体的には、毎月必要な金額だけ年金のように借りることができる「年金方式」や、最初にまとまった金額を借りる「一括融資方式」、さらに借入限度額の範囲内で必要な金額を随時借りることができる「随時融資方式」などを選択することができます。

リバースモーゲージを生活費にあてるために計画的に利用したいという場合には年金方式を選択すると良いでしょう。
最低限の生活費は公的年金を使って、もっと余裕をもって趣味などに打ち込みたい時には年金型のリバースモーゲージを使うという方も多くいらっしゃいます。

一括融資方式は、自宅にバリアフリー設備をつけたり、有料老人ホームへの入居費用が必要になったりした時などに使いやすいです。
随時融資方式は、いまはまとまったお金は必要ではないけれど、近い将来に起こるイベントに備えていつでもお金を出せるようにしておきたいというような場合に選択するメリットがあります。

随時融資方式が適しているのは、子供や孫の養育費や結婚費用、急な医療費の出費に備えるような場合です。
なお、リバースモーゲージは地方自治体などの公的機関が運営主体のものと、一般の金融機関(銀行や信託銀行)が運営主体となっているものがあります。
どのような組織がリバースモーゲージの運営を行っているのかについて、次の項目でより詳しく見ていきましょう。

<下に続く>

リバースモーゲージ市場の動向

リバースモーゲージはもともと昭和50年代に武蔵野市が高齢者への不動産担保融資として行っていたものです。
生存中には返済義務はないものとされていましたので、高齢者に現金を渡し、生活を保護するためのものとしての意味合いが強い制度だったと考えることができます(もちろん、最終的には自宅を処分してお金を返済するので、誰にも迷惑はかけていないわけですが)

もともとリバースモーゲージはアメリカなどの欧米諸国では活発に利用されているものの、家族に持ち家を残すという文化の強い日本では浸透しないものと考えられてきました。
しかし、近年では特に高齢化によって介護費用や医療費がかさみ、自宅はあるものの公的年金だけでは生活費用がまかなえない状態になっている方のニーズを捉える形で、リバースモーゲージは今後も普及していくものと考えられます。

最近では大手の金融機関がこぞってこのリバースモーゲージを金融商品として展開しています。
長生きをする高齢者が増加し、それに伴って必要となる資金も増えていくという実情を考えると、リバースモーゲージの利用は今後も増えていくものと考えられます。

下記の記事では、大手銀行のリバースモーゲージを比較してみたので、ぜひ参考にしてみてください。
大手銀行7社のリバースモーゲージローンの金利や特徴を比較しました

リバースモーゲージ利用のメリット


リバースモーゲージのメリットとしては、借りたお金を使う用途が基本的に限定されていないことが挙げられます。
事業資金や株式投資などの資金などにあてない限り、基本的に借りたお金は自由に使うことができます。

自分の介護ホーム代や医療費の支出ように備えても良いですし、毎月限度額の範囲内で公的年金の上乗せのような形で現金を受け取り、趣味や旅行にお金を使うこともできるようになります。
現役時代にどのような仕事をしてきたかによっても違いますが、公的年金だけではなかなか充実した老後を送るのは難しいものです。

一度きりの人生ですから、思いっきり楽しい老後を過ごすためにリバースモーゲージを利用するという選択肢もあって良いかもしれません。
現役時代に苦労して手に入れ、ローンも返済し終わった自宅を、老後の自分の生活を充実させるために使いたいという方にはリバースモーゲージは適しているといえるでしょう。

また、日本では土地は重要視されるものの、中古物件については評価額が大幅に下がることが多いです。
家族も実家を離れて生活しているというような場合、二束三文にしかならない自宅を相続させるよりも、自分自身の老後の楽しみや、子供や孫の結婚、教育費用として活用したほうがメリットが大きいと考える方も多いようです。

家に住み続けられる

リバースモーゲージは、あなたが亡くなるまでは返済が必要ないローンです。
あなたの生存中にはローンの返済をする必要がありませんので、これまで通りに自宅に住み続けられるというメリットもあります。

あなたが亡くなった時には、抵当権が設定されているあなたの自宅は売却に出され、金融機関はその売却代金からあなたが利用したローン残高を回収することになります。
もちろん、自宅を売却した代金がローン残高を上回ったような場合には、そのお金はあなたの家族の相続財産ということになります。

なお、自宅をどうしても処分したくはないという場合には、あなたの死後にあなたの家族がリバースモーゲージのローン残高を返済していくことを約束する代わりに、担保となっている自宅を処分しないことに同意する金融機関もあります。

<下に続く>

リバースモーゲージ利用時のリスクについて

リバースモーゲージを利用する際には、リスクもあることを知っておきましょう。
考えられるリスクとしてはいわゆる「長生きしすぎリスク」「金利上昇リスク」「不動産価格下落リスク」の3つが代表的です。
以下、それぞれの意味について順番に解説させていただきます。

長生きしすぎリスク

リバースモーゲージのリスクとして第一に考えられることは、想定外に長生きした場合に、必要なお金が借入限度額をオーバーしてしまうケースが考えられます。
リバースモーゲージは生存中には返済義務のないローンですが、当然のことながらいくらでも借りられるということではありません。
リバースモーゲージで借りられるローンの限度額は、担保として提供する自宅の評価額の範囲内となります。
例えば、1000万円の価値がある不動産として評価された自宅がある場合には、リバースモーゲージの借入限度額も1000万円以内とされるのが普通です。

金利上昇リスク

次に、ローンの金利が上昇してしまうケースも考えておく必要があります。
リバースモーゲージは多くの場合変動金利となっていますので、今後金利が大幅に上昇したような場合には、貸付利息の負担が大きくなってしまう可能性があります。

不動産価格下落リスク

担保として提供している自宅不動産の価値が下落してしまう可能性もリスクとして考えられます。
リバースモーゲージ契約時には自宅に3,000万円の価値があるとされ、ローンの借入可能額も3,000万円だったとしましょう。

しかし、あなたの生存中に評価額が大幅に下落して2,000万円となったような場合には、ローンの借入限度額も2,000万円まで下げられてしまう可能性があります。
この場合、すでに2,000万円以上のローン利用残高があるような場合には、一括返済を求められてしまうという契約になっていることもあります。

もしその時に現金を用意できないということになると、自宅を売り払って一括返済をしなくてはならないケースもありますので契約内容には注意が必要です

リバースモーゲージ利用以外の選択肢もあります

このようなリスクについて考えてみると、リバースモーゲージを利用するよりも、普通に自宅を売却してしまったほうが良いということも考えられます。
つまり、自宅を売却したお金を老後の資金として使っていくということですね。

ただし、その場合は長年住み慣れた持ち家から立ち退くことになるのに加えて、不動産が簡単に思ったような値段で売れるかどうかはわからないというリスクを負うことになるのも理解しておかなくてはなりません。
結局のところ万能の方法というものはなく、それぞれの状況に合わせて自分に最適なサービスは何か?ということを検討していく必要があるということですね。

リバースモーゲージは「自宅は持っているけれど、生活の資金がなくて困っている」という方のために考えられた一つのサービスです。
リバースモーゲージにデメリットやリスクがあるのは事実ですが、急な医療費や介護施設の利用料など、直近でどうしても必要なお金があるという場合にはなんらかの方法で現金を工面しなくてはなりません。
リバースモーゲージはすべての人にすべてのタイミングで適している商品というわけではありませんが、困った時の選択肢の一つとして検討してみる価値はあるというように理解しておくと良いかもしれませんね。

<下に続く>

今後のリバースモーゲージの展望について

リバースモーゲージは日本ではまだまだ普及が遅れている商品ということができます。

アメリカなどのリバースモーゲージ先進国では、公的保険制度の穴を埋めるための方法として多く利用されていますが、日本では中古住宅の評価が低くなる傾向があることもあり利用が少ないというのが現状です(担保にする中古物件の評価額が低ければ、当然リバースモーゲージのローン借入限度額も少なくなります)

リバースモーゲージの普及拡大のための課題として、中古住宅市場の活性化や、証券化(リバースモーゲージの権利を小口の権利として分けて販売することです)の導入などが検討されています。
高齢化によりリバースモーゲージへのニーズが高まっていくことに間違いはないと思われますが、現状乗り越えるべき課題は少なくないというのが実情です。

リバースモーゲージと普通のローンの違いとは。メリットやリスク、問題点を解説のまとめ

今回は最近話題になっているリバースモーゲージの仕組みについて、メリットやリスクについて解説させていただきました。
リバースモーゲージは増大する高齢者の介護や生活の費用をまかなうための一つの手段として期待されているサービスですが、課題も多くあります。
利用を検討される場合にはリスクについて十分注意した上で、特に担保不動産の評価額が下がった場合などの契約内容をよく理解しておくことが大切です。

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