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2017/05/07

個人再生の手続きの流れや費用、メリット・デメリットを詳しく解説!

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目次

個人再生をご存知でしょうか。
個人再生は自己破産と任意整理の間のような制度と言われています。

自己破産と同じように裁判所に申し立てはしますが、自己破産のように全ての債務を免除(借金の金額をゼロにするイメージ)出来る訳ではなく、個人再生は債務を大幅に免責(借金を減らすイメージ)します。債務免責額は任意整理よりも大きくなります。

どのように手続きすれば個人再生ができるのか見てみましょう。

個人再生とは債務整理の1つ

個人再生は債務整理のうちの1つです。2001年に開始された新しい制度です。

債務(借金)の額を少なくし、原則3年間の返済計画を裁判所に提出し、認められた場合のみ、計画
通り返済します。

返済計画を裁判所に提出し認められたのに、当初の計画通り返済できないと債務の額は減りません。

具体的に見てみましょう。

◇1,000万円の借金があります。
◇3年間で200万円を返済するという計画を立て裁判所に申し立てをします。
◇裁判所から認可が下りました。
◇3年間で200万円をしっかり返済すれば、残り800万円は免責されます。(※ここで200万円返済できないと800万円は免責されません)

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個人再生の利用条件

個人再生を利用するには条件があります。

個人再生には実は2パターンあります。「小規模個人再生」と「給与所得者再生」です。
くわしくは次以降の章で説明いたしますが、両方に共通することは「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがある者」ではないと利用できないという事です。

個人再生のメリット

①借金額が原則1/5まで下げられる

個人再生の最大の特徴は借金の額が原則5分の1に減額されるため、返済が非常に楽になる点でしょう。

②住宅や車などの財産を守れる

個人再生の特徴として住宅や車などの財産をそのまま残して借金の額を減らせます。

では住宅ローンにて住宅を購入している場合はどうなるのでしょうか。

住宅ローン支払い中の場合は住宅資金特別条項という手続きを行う場合に限り住宅を手放さなくても個人再生が可能です。

この手続きを申請すると住宅は手放さない事になりますが、住宅ローン自体の支払い額を減らす事は出来ません。

また、手続きを行うには住宅ローン債権者(銀行など)と事前打ち合わせが必要となります。

詳しくはデメリットのところで解説しますが、車をローンで購入した場合は、車の所有権がローン会社にあるので個人再生でも手放さなくてはなりません。

③債権者による強制執行を防げる

個人再生を行うと強制執行を防ぐ事が出来ます。

強制執行とは債権者が債務者が所有する財産を差し押さえすることを指します。
財産とは不動産、動産、給与等を指します。

強制執行を防げると給与等の差し押さえを防げるため、今後の生活も今まで通りおくる事ができるのです。

④借金をした経緯に関係なく行える

債務整理によってはギャンブル等の浪費が認められない場合があります。

しかし、個人再生は原則として借入の原因に問題があるため免責不許可とはなりません。
つまり、ギャンブル等の浪費でも原則では個人再生が認められるのです。

<下に続く>

個人再生のデメリット

①5〜10年新たな借り入れができなくなる

個人再生のデメリットは「ブラックリスト」にのるため5~10年新たな借入ができなくなります。

ブラックリストとは、「信用情報登録」といい、債務者(借主)が債権者(貸主)に対する支払いを滞らせた場合にその名が債権者のグループが有するリスト(信用情報)に登録され、その後、新たな借入れをすることが難しくなるというものです。

②返済ができる収入力が必要

個人再生は借金の額が無くなるわけではありません。
原則1/5程度に借金の額が減らし、原則3年間で返済していきます。

つまり、個人再生をしても返済が続くので、返済ができる収入力がないと認められません。

無職の方は個人再生が認めらない可能性が非常に高くなります。

③国が発行する「官報」に載ってしまう

個人再生を行うと「官報」に住所氏名が掲載されてしまいます。

官報(かんぽう)とは国が発行する機関紙で誰でも読むことができます。

つまり、官報に住所氏名が載ると「この人は個人再生をしたんだ」という事が分かってしまうという事になります。

官報に載ると「個人再生をした人」=「借金をしたお金に困っている人」とみなされヤミ金などの金融業者から大量のダイレクトメールが送られてくる等があるようです。

④手続きの費用が高く時間もかかる

個人再生の手続きは裁判所の許可が必要になります。
つまり手間や時間が多くかかり、手続きするための費用も必要になります。
費用については後章でくわしく解説します。

⑤保証人に債務請求が行われるリスクがある

借入をした時に保証人をつける場合があります。
保証人とは、借入をした本人が借金の返済ができなくなった時に代わりに返済しますという約束を交わしたのが保証人です。

個人再生を行っても、借金の額が減るのは借金をした本人だけです。
保証人は対象になりません。

つまり債権者は保証人に対し返済を行うよう請求するのです。

⑥住宅ローン以外のすべての債権が対象になる

個人再生は住宅ローン以外のすべての債権が対象となります。

つまり、特定の借金の額のみ減らすということが不可能という事になります。

⑦借金がすべて消えるわけではない

個人再生は借金の減額のみであって、借金がすべて無くなるわけではありません。
もし、借金を全額無くしたい、もう返済できないのであれば「自己破産」を検討しましょう。

個人再生の手続きは2種類

①個人商店主や小規模の事業を営んでいる人が対象の「小規模個人再生手続」

小規模個人再生手続きの対象者は主に個人事業主などの事業を営んでいる方が対象です。
サラリーマン等の給与所得者より減額幅が大きいのが特徴となります。

小規模個人再生の利用条件

小規模個人個人再生の利用条件は下記の通りです。
・借金などの総額が5,000万円以下であること(※但し住宅ローンは除く)
・原則3年間で返済できる状態にあること=将来にわたり継続的な収入を得る見込みがあること
・破産に準ずる経済状態にあること

小規模個人再生の最低限返済額

小規模個人再生の最低限返済額は下記の通りです。
100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1

②サラリーマンを対象とした「給与所得者等再生手続」

給与所得者等再生手続きの対象者はその名の通り給与所得者が対象です。

しかし給与所得者つまりサラリーマンでも、あまり給与所得者等再生は実際のところ使われていません。

給与所得者でも小規模個人再生が使って手続きを行うケースが非常に多いのです。

小規模個人再生と給与所得者等再生の違いはどこにあるのでしょうか。

◇対象者
・個人事業主→「小規模個人再生」のみ利用できる
・給与所得者→「小規模個人再生」「給与所得者等再生」どちらも利用できる

◇制度の違い
・小規模個人再生→「債務額の1/5」か「清算価値(※財産の総額)」のいずれか高い方の金額を基準にして返済する手続き

・給与所得者等再生→「債務額の1/5」か「清算価値に加え可処分所得額2年分」のいずれか高い方の金額を基準にして返済する手続き

給与所得者の大半が「小規模個人再生」を利用する理由として、可処分所得額2年分が高額になる傾向にある為です。

給与所得者等再生の利用条件

給与所得者等再生の利用条件は下記の通りです。
・借金などの総額が5,000万円以下であること(※但し住宅ローンは除く)
・原則3年間で返済できる状態にあること=将来にわたり給与収入の金額が安定していること
・破産に準ずる経済状態にあること

給与所得者等再生の最低限返済額

前章でも簡単に説明しましたが、給与所得者等再生は「債務額の1/5」若しくは「可処分所得の2年分の金額」を比較して、多いほうの額が借金として金額が残ります。

給与所得者等再生の最低限返済額は下記の通りとなります。
①最低弁済基準額
②可処分所得の2年分以上
① か②のどちらか多い方の金額を返済していきます。

◇最低弁済基準額とは、小規模個人再生の弁済基準額と同様で下記の通りです。
100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1

◇可処分所得の2年分以上とは下記の算式で求められます。

可処分所得=収入-(税金+社会保険料+最低限の生活費)

<下に続く>

個人再生の申し立ての方法

個人再生はどのような流れで申し立てが行われるか見ていきましょう。

◇弁護士の先生にお願いする場合
・弁護士の先生に個人再生の相談をする~委任契約を締結

・弁護士が債権者からの取り立てをストップさせます。

・個人再生の申し立てに必要な書類を用意し、弁護士に渡します

・弁護士が個人再生申し立てを行います。

・個人再生申し立てから2~3カ月の間、家計収支表をつけ、通帳に一定の金額を積み立てを行います。

・再生計画案と会計収支表、通帳のコピーを裁判所に提出します。

・再生計画認可決定、返済支払い開始

個人再生の申し立てに必要な書類

個人再生の申し立てには下記の書類が必要です。

必要書類一覧

・申立書→氏名、住所、連絡先を記入する書類です。
・陳述書→職業、収入状況、家族構成、現在の住まい状況(賃貸か持ち家か等)を記入する書類です。
・債権者一覧表→すべての借入先について記入する書類で、各借入先の名称、住所、連絡先、借入金額、借入期間について記入します。
・添付書類→「申立人を特定する書類」、「財産・家計を示すための書類」など諸々大量の資料が必要です。

主な添付書類一覧

①申立人を特定する書類
・戸籍謄本
・住民票
②財産・家計を示すための書類
・給料明細書(家族の給与明細も含む)
・所得税課税証明書
・通帳のコピー
・換金価値のある財産がある場合は査定書
③車を所有している人
・車検証のコピー
④保険に加入している人
・保険証書
・解約返戻金証明書
⑤不動産を所有している人
・固定資産評価証明書
⑥賃貸住まいの人
・賃貸借契約書
・更新契約書
⑦借入に関する書類
・借用書
・返済予定一覧表
・明細書
⑧税金・社会保険料の滞納者
・納税通知書
・督促状
⑨住宅ローン特例を利用する人
・ローンの契約書
・返済一覧予定表
・間取り図

<下に続く>

個人再生申し立ての流れについて

・弁護士の先生との間に委任契約を締結

・受任通知の送付・取引履歴の開示請求

・債権調査・過払い金返還請求

・収支・家計全体の調査

・財産・資産の調査

・個人再生の手続の選択

・個人再生の申立書の作成

・個人再生の申立て

・個人再生委員の選任

・個人再生委員との打ち合わせ

・履行可能性テスト(トレーニング期間)の開始

・個人再生手続開始決定

・債権届出・債権調査

・債権認否一覧表・報告書の提出

・異議の申述・評価申立て

・再生計画案の作成

・再生計画案の提出

・再生計画案の決議等

・再生計画認可・不認可決定

・個人再生手続の終了・再生計画に基づく弁済の開始

・再生計画の遂行

個人再生委員の選任を行った場合

個人再生の申し立てをおこなうと、裁判所の判断により個人再生委員が選ばれることがあります。

個人再生委員は弁護士資格を有する人が選ばれます。

個人再生委員は裁判所の補助として債権者と申立人の間に入り申し立て手続きの手伝いを行います。

具体的に入って借金の額がいくらあるか、財産がどのくらいあるのかを調査し、しっかり申し立てが出来るよう補助をするのです。

個人再生委員が選ばれると費用も発生します。詳しくは後ほど確認しましょう。

<下に続く>

個人再生委員が選任を行われなかった場合

個人再生委員の選任が行われないと申し立てにかかる時間が短くなります。

個人再生委員の選任が行われると、借金や財産の調査をどうしても時間がかかるためです。

個人再生申し立てに掛かる費用

◇個人再生にかかる費用
・申立手数料(印紙代):1万円
・郵便切手:数千円
・裁判所への予納金:12,268円
 ・個人再生委員が選任される場合:311,928円(個人再生委員の報酬+官報公告費用)
・弁護士費用:30万円~50万円

<下に続く>

個人再生計画の延長はできる?

個人再生が認められると、残った借金を3年間で返済していきます。

もし個人再生の計画通り返済出来ない場合は、2年間延長出来るシステムになっています。

延長は自分で勝手に決める事は出来ず、裁判所にいき延長の手続きをし認められた場合に限り延長出来るのです。

個人再生は他の債務整理とどう違うのか

債務整理には個人再生以外にも色々な制度があります。
債務整理は借金で困窮している人が利用する制度ですが、困窮度合いで言うと下記のイメージです。

任意整理と個人再生を比較した場合

個人再生は裁判所を介するのに対し、任意整理は裁判所は介しません。
任意整理はあくまでも債権者と話し合いわ行った会えで借金を整理する方法だからです。

特定調停と個人再生と比較した場合

特定調停は裁判所の仲介を頼んで債権者と話し合い債務を整理する制度です。
個人再生には費用がかかるのに対し特定調停は専門家に頼まず個人で行う事も可能なので比較費用が抑えられる傾向にあります。

自己破産と個人再生を比較した場合

自己破産は裁判所を通して行う借金で困窮した人が行う最終手段です。
すべての借金をゼロにすることができます。

<下に続く>

個人再生の手続き方法とメリットデメリットを詳しく解説!まとめ

個人再生は債務整理の中でも比較的新しく出来た制度です。自己破産はしたくないけど、借金で困っている、今後の収入の目途はたっている人が行う制度です。

個人再生にはメリットもたくさんありますが、借金の額がゼロになるわけではありませんし、費用もかかる上、申し立てに時間も要します。

ご自身の状況を鑑みてどの債務整理を行うのがベストなのかよく考えて行動しましょう。

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