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住宅ローンを検討する前に!知っておきたい住宅取得等資金贈与の特例

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目次

日本においてはゼロ金利・マイナス金利と言われていますが、実生活にはそれ程大きな影響は感じられません。しかし、その影響から金融機関等の貸出金利は大幅に引き下げられています。これを利用して、マイホームを建てる方も増えているようですが、いくら金利が低いといっても借り入れであることには変わりなく、返済の義務を負いますし、借りた以上の金額を返済する必要が出てきます。

しかし、返済が必要なく資金を準備する方法があります。それは、親や祖父母からの贈与です。贈与については一般的に、1年間の贈与金額が110万円を超えると贈与税がかかることになりますが、現在この住宅取得や新築・増改築に係る費用の贈与についてはある金額以内であれば贈与税がかからないという特例が設けられています。

ここからは、この住宅取得等における贈与税の非課税の特例についてその特徴や利点、注意しなければならない点などをご紹介します。

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住宅取得等資金贈与の特例の前に!そもそも贈与とはどんな制度?

資産を持っている人が次の世代に資産を引き継ぐ方法としては、「相続」「贈与」という二つの方法があります。そのうちの相続は、資産を持った人が亡くなった時に、その資産が法的に決められた人に分配されるというものです。この場合、相続税がかかる可能性もありますが、一定の非課税枠というものがあります。

相続税の非課税枠は現在3000万円+600万円×法定相続人数となっており、1人でも法定相続人がいれば、4000万円近くの資産が税金を払うことなく次の世代に相続させることができます。

しかし、相続はその人が亡くなった後におこるものであり、亡くなった人(被相続人)が、誰にどんな目的で、いくら渡したいといった意思を反映させることができません(法的に認められた遺言がある場合は別です)。それに加えて、相続に対する不満から、朝廷や裁判になるケースも年々増えているのも事実です。

一方贈与は違います。贈与はあげる人(贈与者)ともらう人(受贈者)お互いの意思がはっきりしていれば、その目的や金額を定めて贈与することが可能です。また、受贈者の条件に関しても特に法律で定められてはおらず、誰にでも贈与することができます。

また、近年の傾向をみると、相続税に関しては厳しく、贈与税に関しては寛容な形で税制改正が行われており、「いつまでも高齢者が資産を抱えるのではなく、次世代に資産を早めに移し、消費増加につなげてほしい」という国の思わくも感じ取れます。

贈与は大きく「暦年贈与」「相続時精算課税制度」という二つの方法に分かれますので、それぞれの方法について簡単に説明します。

贈与の方法1 暦年贈与

暦年贈与とは一般的に知られている贈与の方法で、その年の1月1日から12月31日までの間に贈与するものです。1年間に贈与した金額が110万円を超える場合については贈与税がかかることが税法で定められています。この110万円の事を暦年贈与の非課税枠と言います。

贈与の方法2 相続時精算課税制度

大きな金額をいっぺんに贈与したいというケースでは相続時精算課税制度という贈与方法も認められており、この贈与方法を使えば、累計で2500万円までは非課税となり、それを超えた金額に関しても一律20%の課税で済むというものです。しかしこの贈与方法には一定の決まりがあります。

例えば、贈与できる贈与者はその年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母で、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者のうち贈与者の直系卑属(子や孫)とされており、誰にでも贈与してよいというわけではありません。

また、この方法によって贈与された財産は、実際の相続が相続があった時に、相続財産に組み込んで相続税を払わなくてはなりません。その際、相続財産の評価に関しては贈与された時の価格ではなく、相続が起こった時の時価評価額になりますので、土地や株式など価値が上がりそうなものをこの制度を利用して贈与する場合は注意が必要です。

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住宅取得等資金贈与の特例はどんな制度?

住宅を新築しようとしたり増改築しようとした場合、親や祖父母がにある程度の資産があれば、その資産の一部を贈与してもらうという方法もあります。この方法であれば、金利は発生しませんし、場合によっては返済の必要ないかもしれません。

国は、住宅取得や新築・増改築に対して父母・祖父母からの贈与があった場合、一定の金額についてはその贈与に対して贈与税をかけないという特例を打ち出しています。これが、「住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の特例措置」と言われるものです。

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住宅取得資金贈与の特例の移り変わり

住宅取得等資金のについては平成22年度税制改正において2つの大きな改正が行われました。そのひとつは非課税限度額(税金をかけない金額の上限)の引き上げです。

改正前までは非課税限度額は500万円(1年間の贈与の非課税枠110万円と合わせて610万円)となっていましたが、平成22年中に住宅取得等資金の贈与を受けたものは1500万円、平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けたものに対しての非課税限度額は1000万円となりました。

もう一つは、相続時精算課税制度についての改正です。それまでは特例という形で本来の相続時精算課税制度の控除額2500万円に特別控除額1000万円を加えていましたが、この改正により廃止になりました。

なお、前出の1500万円が非課税限度額として相続時精算課税制度においても適応になったため、実質は2500万円に1500万円を加えた4000万円までが非課税と言う事になっています。その後、平成23年から平成24年までは1000万円、平成25年は700万円、平成26年は500万円というように住宅取得等資金贈与の非課税枠は徐々に引き下げられました。

現行の制度を見てみると、住宅を購入する新築・増改築する等の契約を結び、その資金を父母・祖父母から贈与として受け取る場合、平成28年1月1日から平成32年12月31日の間で消費税8%の場合であれば「最高1200万円」まで、消費税が10%になった場合は「最高3000万円」まで贈与税がかからないことになっています(これは、消費税があがる直前には駆け込み需要が発生するという見込みから、反動による需要の冷え込み対策と言えます)。

また、このケースでは暦年贈与における非課税枠もあわせて使うことも可能です。相続時精算課税制度を選んだ場合は、相続時精算課税制度の特別控除枠に住宅取得資金等贈与の特例の非課税枠も利用できるという事になります。

例えば消費税8%の時の住宅の購入の場合、特別控除枠2500万円+特例の非課税枠の最高1200万円となり3700万円までは非課税で贈与を受けることができるという事になります。ただし、相続時制精算課税制度によって贈与を受けた2500万円分に関しては、相続が起こった時に相続財産の中に組み込まなくてはならないため注意が必要です。記憶だけでなく、記録を残すようにしましょう。

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住宅取得等資金の贈与における注意点

宅取得等資金の贈与については、認められるための要件があったり、贈与を受ける時期によって非課税枠が変わってきたりするため充分な注意が必要となります。そこでここからは、住宅取得等資金の贈与についての注意点について解説を加えていきます。

住宅取得等資金贈与の特例における注意点1 

住宅取得等資金贈与の非課税を受けるためにはいくつかの要件を満たしておく必要があります。そのひとつが、住宅取得等資金の贈与をうけた年の次の年の3月15日までに住宅の購入・新築・増改築等を行った物件の残金の支払いが終了し、引き渡しも終了していることです。所有の完了が要件と言う事です。

そのほかにも、受贈した年の受贈者の合計所得金額が2000万円以下であること、受贈者の年齢が20歳以上であること、平成21年から平成26年分の贈与の申告をしているばあいに、住宅取得等資金の非課税の適応を受けた事実がないこと、受贈したその年に日本国内に住所があること(条件によっては受けられる場合もあります)、等の要件があげられます。
詳しくお知りになりたい方は国税庁ホームページをあわせてご覧ください。
国税庁ホームページ

住宅取得資金等贈与の特例における注意点2 

住宅取得等資金の贈与を受ける場合、その1番のメリットが、大きな非課税枠といえます。しかし、この非課税枠は契約時期によって変動することが決まっていますし、消費税率が10%に引き上げられる際には、さらなる変更も予定されていますのでその点をしっかり見据えて契約時期を考えることは重要なポイントとなります。

例えば、契約日が平成28年1月から平成31年3月までは、質の高い住宅(省エネ性能や耐震性能など一定の基準を満たす住宅)の場合は最高1200万円、それ以外の場合は最高700万円となっている非課税枠ですが、平成31年4月1日以降で消費税率が10%に引き上げられた場合は、質の高い住宅であれば最高3000万円、それ以外の場合でも2500万円まで非課税枠が引き上げられます(消費税率8%の場合はそれぞれ1200万円・700万円)。

また、平成32年4月以降は質の高い住宅の場合最高1500万円、それ以外の場合では1000万円(消費税率8%の場合はそれぞれ1000万円・500万円)。平成33年4月以降は質の高い住宅で最高1200万円、それ以外では700万円(消費税率8%の場合はそれぞれ800万円・300万円)というように段階的に引き下げられるということが予定されていますので税制改正や制度改正には充分注意する必要があります。

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【まとめ】知っておきたい住宅取得等資金贈与の特例

政府は、高齢者世代から次の世代に早く資産を移してほしい、消費につなげてほしいという思惑から、贈与しかも、直接消費に結びつくことが予測される贈与に対してはさまざまな優遇措置を用意してくれており、住宅取得資金等の贈与の特例もその一つです。住宅取得を考えている人にとってはかなりお得な制度と言えます。しかし、こういった制度には、適応を受けるための要件の問題や制度変更がつきものですので、その時期に合わせた情報収集もポイントとなってきます。しっかりと制度の内容を知ることによって、有利な住宅取得につなげましょう。

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