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2017/07/20

消費者金融からの「借入の返済」・「過払い金の返還」の2つの時効を解説

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目次

個人、小規模事業者の資金調達には便利な消費者金融に返済の時効の存在

消費者金融で借りるメリット

消費者金融、いわゆる「サラ金」とは、一般の消費者を対象に小口の資金を融資する貸金業者です。
貸金業者は、貸金業法に基づき融資を行いますが、内閣総理大臣や都道府県知事への登録・認可が必要となっています。

消費者金融からの借り入れは、銀行などの金融機関と異なり貸出の際の審査が比較的緩く、無担保で無保証人、即日借入れられると言う特徴があり、急な資金ニーズや小規模事業者など、つなぎ融資として利用されてきました。

消費者金融は、使いやすい利点は多いものの、貸出金利は銀行などの融資に比べ高めに設定されています。

時効により借金がゼロに

消費者金融から資金を調達し、月々分割し返済していくのが一般的ですが、諸事情により返済が不可能となった場合、当然消費者金融から催促・督促の連絡が来ます。

この連絡に対し利用者が知らぬふりをし、ある程度時間が経つと時効によって権利が消滅することがあります。

つまり時効によって借金がなくなると言うことです。

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商法:消費者金融で借入れ5年経過で「権利が消滅」、返済義務は時効に

商法522条(商事消滅時効)によると、消費者金融など貸金業者より資金を借入れた場合など、「商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅します。

ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。と記載されています。

なぜ、時効という商法が存在するかは、消費者金融などから資金を借入れたものの長年、放置していたわけであり、「権利の上に眠るものは保護しない」という考えからです。

つまり、5年経過すれば「権利が消滅」することになり、返済する必要がなくなるわけです。

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消費者金融の借入、5年経過前に時効中断事由が発生すると無効に

消費者金融で資金を借入れ、時効となる5年が経過する前に時効中断事由が発生すると、その時点で期間の計算がストップし、時効中断事由がなくなるまで再度スタートすることができません。

時効中断事由として、訴訟を起こすことなどが挙げられます。

一度訴えを起こせば裁判中に時効の時期が経過しても時効は成立しません。

また、消費者金融から借り入れた消費者が、口頭や書面問わず自分に負債がまだあることを認めることにより、時効中断事由として承認され時効は成立されません。

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消費者金融から借入れ「時効の援用」をすれば時効は成立

「時効の援用」しなければ時効は消滅

消費者金融から資金を借入れ、時効を成立させるには「時効の援用」をしなければ時効を成立することはできません。

この「時効の援用」とは、「時効なので消費者金融へはもう返済しません」と、伝えることです。

逆に、5年経過しても「借り入れたものは返済します」という消費者は返済して構わないということです。

ここで、一番重要なことは、5年経過して「時効の援用」を行わずに消費者金融への返済の義務を承認してしまった場合、後にやっぱり「時効の援用」をしますと言っても、「時効利益の放棄」と見なされ時効消滅を主張することはできなくなります。

「貸したものは返してもらう」思いの消費者金融業者は、この「時効利益の放棄」を利用するケースも少なくありません。

取り立て必死の消費者金融業者の返済手法

例を挙げると、すでに5年を経過しており、「時効の援用」をしていれば時効は成立し返済する必要はありませんが、消費者金融業者が「全額返済でなくていいから1万円だけ返済してもらえばちゃらにする」と消費者に訴えたとしたらどうでしょう。

100万円の負債を持つ消費者であれば、「100万円の借金が1万円で済む」と安心・安堵感が生まれるのは通常の心理でしょう。

そこで消費者金融に1万円を返済すると、100万円の負債を認め1万円を返済したことになり、「時効の援用」が認められなくなる可能性が出てきます。

たかが1万円の返済が、残り99万円を返済しなくてはならないケースもあります。

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消費者金融業者へ「時効の援用」をするには

配達証明付き内容証明郵便で時効援用通知書を郵送

消費者金融に対して「時効の援用」をするには時効援用通知書を配達証明付き内容証明郵便で郵送することが重要です。

普通郵便では、配達証明付きで郵送しても書類が到達することは証明できても文章の内容は証明できません。

一方、内容証明郵便は、到達した文書の内容が時効援用通知であることが証明され、万が一、裁判となった場合には証拠として提出できます。

時効援用通知書には、消費者金融との契約番号や契約日時、借入額などを記載し、債務に関して「消滅時効の援用をします」という内容を記載します。

連帯保証人も「時効の援用」の対象に

消滅時効の援用ができるのは、「時効により利益を受ける者」であり、債務の消滅時効を援用するのは通常、消費者(借主)になります。

ただ消費者以外でも「時効の援用」が承認されるケースもあります。

例として、連帯保証員も消滅時効の援用をすることが可能で、連帯保証人にだけ訴訟が起こされた場合、時効期間は5年から10年に延長され、連帯保証人は保証債務の時効の期間が経過していなくても主債務の消滅時効の援用が可能です。

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消滅時効成立後、時効に関係なく消費者金融に一部でも返済すれば無効に

消滅時効期間が経過した後でも消滅時効を主張することができなくなり可能性もあります。

例として、時効期間が経過した後、消費者金融業者から請求の郵便が届き、請求通りに消費者が債務の一部、1万円を消費者金融に返済した場合、支払った時点で「時効の援用」の権利が失われることになります。

さらに1万円を支払った日時から5年は「時効の援用」ができなくなり可能性があります。

これは、昭和41年4月20日、最高裁にて権利の行使や義務の履行を誠実に行なう信義則によって「時効の援用」の権利の喪失を承認したことによります。

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消費者金融の上限超えた貸出金利の返還に「時効あり」の誤解

メディアの「過払い金請求は時効あり」にすぐに行動へ

ここ数年、消費者金融で借り入れた資金の利子が「過払い金」として消費者に返還されるとのメッセージがテレビやラジオ、車内広告、ネット上でよく見られます。

「過払い金」の請求には「時効があり、早めのご連絡を」と訴えられれば、消費者金融を過去利用した消費者なら昔の資料を引っ張り出したに違いないでしょう。

平成18年の出資法改正前の利子が「過払い金」

消費者金融から資金を借り入れれば利子がつくのは当然のことですが、なぜ、今になってこんなメッセージが流れるのか。

それは、平成18年に出資法が改正され、消費者金融など貸金業者は利子の上限15〜18%と改め法定利息範囲内に納めるようになりましたが、それ以前に借り入れた資金の利子は、法改正後の上限を超える29%と高い利子となったまま。

上限を超えた利子、「過払い金」の返還は10年で時効となる認識が拡大しました。

当然のように10年経てば時効となり返還されることはないと、「早く対応しよう」と行動した消費者は少なくありませんが、時効に関する知識に誤解や勘違いも同時に拡大してしまいました。

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消費者金融への「過払い金」請求の時効は最後の取引の翌日から10年

「過払い金」の時効とは、完済してから10年であり、消費者金融との契約日からではありません。

最後に完済してから10年ですので平成18年出資法改正の施工日から10年ではありません。

例えば平成18年10月5日に消費者金融への返済が終われば、平成29年10月6日で時効が成立し「過払い金」の請求はできなくなります。

また、現在も消費者金融へ返済を継続している場合は、時効が成立することはありません。

ただ、全ての返済が終わらずに返済が滞納している場合は、最後に取り引きした日の翌日から10年が「過払い金」返還の時効となります。

ここでいう取り引きは、借り入れでも返済でも同様に扱われます。

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消費者金融の「グレーゾーン金利」が「過払い金」の対象となり時効が制定

利息制限法と出資法の上限利子の違い

平成22年6月18日以前は、利息制限法による消費者金融の金利は、借入額10万円未満が20%、100万円未満で18%、100万円以上で15%と定められました。

ただ、出資法では、29.2%以上の金利が罰則の対象となっており、問題となるのは利息制限法の金利20%以上と出資法が定める29.2%未満の金利の部分。

民事上では、罰則が課せられない金利の幅であり、黒とは言えませんが明らかに白とも言えない利率は、「グレーゾーン金利」と呼ばれ、後に「過払い金」返還の時効に繋がりました。

消費者が承諾すれば29%の高額金利に

この「グレーゾーン金利」は、消費者金融との契約で消費者が任意で利息を払うと承諾することにより「グレーゾーン金利」を有効とする「みなし弁済」規定がありました。

この「みなし弁済」が「過払い金」請求の対象となり、時効も定められました。

結果、消費者金融はこの規定に則って29%の高額金利を取り多重債務者を数多く生み出し、自己破産や自殺にまで追い詰め社会問題となりました。

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消費者金融の歴史を変えた最高裁の判決、時効制定でメディアに多数のメッセージ

最高裁判決「グレーゾーン金利は違法」

平成16年2月、「みなし弁済」の要件を争う裁判が最高裁で行われ、この判決が消費者金融の歴史を変えました。

消費者金融と消費者との契約に「利息の返済が滞納なら残金全額一括返済」の条項に「債務者はこれを避けるため利息を払うから任意でない」との補足見解が示され、平成18年1月には「条項は任意と言えずグレーゾーン金利は違法」と最高裁が判決しました。

この結果、「グレーゾーン金利」は違法となり、「みなし弁済」も撤廃されました。

最高裁「消費者金融は過払い金に利息をつけ返す義務がある」

平成23年12月には、「不当と知りつつ利息を得た消費者金融は過払い金に利息をつけ返す義務がある」と最高裁の判決が出て以来、返還訴訟が急増し、返還への時効も制定されているため、未だにメディアで「過払い金には時効があります」とのメッセージを耳にすることになります。

平成21年度には、「過払い金」の請求額は、6,589億円に上りました。

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消費者金融への「過払い金」返還対象者は1,200万人、時効があるので早めに相談を

時効のある消費者金融への「過払い金」請求は、現在もメディアで告知され続けられ、「過払い金」の存在を知る消費者は多くいると思われます。

某司法書士のメディアでのインタビューによると「過払い金」の返還金の対象者は、約1,200万人いると言い、このうちの約7割、約845万人がまだ請求手続きに至っていないと言います。

「過払い金」返還の時効もあるだけに、返済に苦しまず早期に専門家へ相談することが望まれますが、請求のタイミングを消費者は悩んでいるようにも見えます。

「消費者金融へ返済が全て終わってから」、「自分は対象ではないかも」など考えられますが、返済が苦しくなればすぐにでも専門家へ相談するべきです。

時効が過ぎれば泣き寝入りとなります。

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消費者金融への「過払い金」請求は正当な措置、時効を考え早めの相談を

消費者金融へ「過払い金」を請求するにあたり、消費者が行動に移す際に躊躇される理由として、「消費者金融との契約書や明細が返済終了後に破棄した」や「何回も出向いて時効もあり時間がかかりそう」、「家族に借金のことがわかってしまう」、「ブラックリストに掲載されたら」などが多く聞かれます。

確かに自分の友人や知人、先輩、信頼できる人に弁護士や司法書士、コンサルタントなど専門家がいなければ、今まで接触のない専門家に相談することに消極的になる部分もありますが、払わなくてもいいお金を払ったことは事実です。

時効が制定されているだけに取り返すのでなく正当に利子をつけて返却してもらうことが大切です。

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【まとめ】消費者金融への懸念はありません、時効があることを忘れずに

消費者金融への「過払い金」請求は、消費者金融の社名がわかればば問題なく、家族にも知れず、その他の懸念される部分も公的に守られています。

「過払い金」請求には時効がありますので安心して早めに専門家に相談することが望まれます。

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