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2017/07/27

改正された利息制限法とは?上限の利率やグレーゾーン金利、みなし弁済

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目次

皆様、利息制限法ってご存知でしょうか?何の法令なのかさっぱり見当がつかない方も多いと思います。この法令は、銀行や消費者金融などが、貸付を行うときの利率などを規定している法令になります。お金が必要な一時期など、貸付業者を利用することがあると思いますが、その貸付の制限などは、この利息制限法で決まっています。今回、この法令に関する様々の問題について解説します。

利息制限法とは?

銀行や貸金業者は、この法令によって決められた利率の上限を遵守する必要があります。本来、金銭消費貸借契約において利率は、貸主、借主の相応の間で決めることができるのです。本法令では、このときの上限利率が記載されています。
この法令は、消費者を保護するため、暴利な貸付を行う業者に対して、貸付契約での利率を制限する法令です。

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利息制限法での金利の上限

この法令によって利率の限度が決められています。その限度を上回った時の利率は無効になります。

  • 元金の金額が10万未満の時の利率上限:20%
  • 元金の金額が10万以上から100万未満の時の利率上限:18%
  • 元金の金額が100万以上の時の利率上限:15%
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利息制限法と出資法

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この法令では、上記のように利率が決められていますが、2010年までは出資法で、利率の上限は29.2%となっていました。このため、多くの貸金業者は、利息制限法での利率を守らずに出資法を守り、20%から29.2%までの利率を使っていました。消費者金融やヤミ金業者などの多くが、この利率を使用したのです。
この利率をグレーゾーン金利と言っています。この利率を適用した時、利息制限法での利率を上回る部分の金額を返還請求することができ、最近この弁護士事務所や司法書士事務所などが、この過払い請求を行えることをPRするCMなどが盛んに流れているのです。

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グレーゾーン金利

本来、金銭の貸借に関しては、当事者間の話し合いで決定することになっています。けれども、実際には貸す方が一方的に高い利率で貸し付けることが多く、この法令には、罰則がなかったため、守られないこともありました。

一方、出資法での利率は29.2%(今は20%に改正)でしたので、20%から29.2%の利率(グレーゾーン)を採用する消費者金融業者が多かったのです。このことは歴史上、大きな社会問題となり、利益制限法および出資法の改正にいたりました。

厳密には、元金金額が大きいか小さいかで、グレーゾーンでの利率は違ってきます。次のとおりです。

  • 元金が10万未満の時の利率:20%~29.2%
  • 元金が10万以上から100万未満の時の利率:18%~29.2%
  • 元金が100万以上の時の利率:15%~29.2%
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「みなし弁済」について

グレーゾーン金利による貸付は、2006年ごろまで行われていました。消費者金融業者等は、利息制限法での上限を超えても、出資法での罰則金利に抵触しなければ問題なく「みなし弁済」を主張していました。それまで多くの消費者金融業者は、このみなし弁済が適用できると貸金業者は考え、そして利息制限法に抵触する高い利率での貸し付けを続けてきたのです。

これが可能だった背景には、消費者金融業者を正当化でできる「みなし弁済」という定めがあったためです。「みなし弁済」は、2006年までの旧貸金業規制法の中には、ある条件がそろった時には、利息制限法の上限利率である20%を上回った時でも、適法ではない(正当である)となっていました。

このようなことから、ひとたび高金利な消費者金融などで借金をすると、利息がどんどん膨らみ、返済を行うために別の消費者金融などでさらに借金をしてしまい多重債務者が増加しました、このような、負のスパイラルから抜け出せない人が全国的に増加して大きな社会問題になったのです。

最高裁判所での判決

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このような多重債務者が社会問題化する中、最高裁判所は消費者金融業者などが主張する「みなし弁済」を認めませんでした。それまで、各裁判所では、「みなし弁済」が適用されるかどうかについて判断が分かれていたのですが、最高裁判所がこの問題に決着をつけたのです。2006年1月の最高裁判所での判決は、消費者金融業者などの貸金業者が、20%超過のみなし弁済の定めの適用での利率を適用することは違法と判断したのです。

利息制限法と行政処分

利息制限法が改正されてからは、違反すると行政処分の対象になるため、みなし弁済の定めの適用での利率を採用する会社はなくなりました。具体的には利息制限法の中に金銭消費貸借契約の際の利率についての決めがあり、貸金業者は利息制限法に決められている利率を守らなければならないことになりました。

過払い請求について

みなし弁済規定適用での利率などで、多くの利息を払い過ぎた時には、過払い請求をすることができます。つまり、払いすぎた利息分の金額を取り戻せることができるのです。しかし、消費者金融業者などから、過払い金の返還が可能であることを連絡してくることはありません。よって、多くの法令事務所などへ依頼するケースが増えています。

過払い金請求の方法

過払い金請求は、本当は自分で行うことができるのです。しかし実際は、弁護士事務所や司法書士事務所などの専門家に依頼するケースがほとんどです。取引履歴や借金の契約書や領収書などを参考にして、利息制限法から計算して、払いすぎた利息がいくらあるかを算出するのです。その後、過払い金の返還を要求する書類を消費者金融などの業者に送り、和解が成立すれば返還が可能となります。

利息制限法と行政処分

改正利息制限法が施行された後、違反は行政処分の対象になるため、みなし弁済規定適用での利率を採用する会社はなくなりました。具体的には本法令の中に金銭消費貸借契約の際の利率についての記載があり、業者は本法令に記載されている利率で貸し付けをしなければならないことになりました。

利息制限法と遅延損害金

債務不履行によって損害賠償が発生した時には、遅延損害金を債権者が請求することが可能です。利息制限法では、賠償額の予定の制限が決められており、損害賠償金が無制限に設定されることがないように債務者を保護するための条文があります。債務不履行での賠償予定額は、利息制限法の決められた上限利率の1.46倍までとなっています。またこの1.46倍を超える時は、その超過金額について無効とすると記載されています。

しかし、金銭の貸付を行う業者ではこのようではないのです。利息制限法では、貸金業を営む方に限り、さらに厳しい条文があります。賠償額の予定の特則(利息制限法第7条)というものであり、貸金業に限って、債務不履行の遅延損害金が年20%を超える条件は無効になるのです。つまり、貸金業では上記の1.46倍が適用されないのです。

利息制限法、出資法、貸金業法

今回のみなし弁済規定適用での利率での様々な問題の発生は、利息制限法、出資法、貸金業法など色々ある法令の不整合が原因とも考えられます。今後は、このような問題が発生しないことが望ましいのですが、今後の法令改正の動向によっては、また違った問題を引き起こしかねません。こういった問題が無いかどうか、今後との法令などの状況をウォッチしていくほうがいいでしょう。

<下に続く>

改正された利息制限法とは?上限の利率やグレーゾーン金利、みなし弁済のまとめ

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今回は、利息制限法の内容と、法改正によって生じたグレーゾーン金利やみなし弁済、過払い金請求の増加などの発生した様々な問題について説明を行ってきました。また、2017年までに過払い金請求権の多くが消滅時効を迎えることから、今後は過払い金請求に関する問題が大きく報道されることはなさそうです。ただ、このような問題が再燃しないか、今後さらにどうなるのかについて、動向を引き続き確認していくことが求められます。

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