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2017/07/26

年収いくらからが貧困家庭?その生活や様々な経済・生活支援を解説!

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日本の貧困家庭の割合

平成26年(2014年)全国消費実態調査によると年収132万円以下が貧困層とされ、日本の相対的貧困率は9.9パーセントでした。

2014年の段階では、およそ10家族のうち1家族が貧困家庭であるという結果が出ています。

前回の調査は、平成21年(2009年)でしたが、その頃に比べると貧困家庭は0.2パーセント減少したという結果になっています。

この調査結果から貧困問題は改善されつつあるというのが国の見解です。

しかし2009年には年収135万円以下の家庭が貧困層にあたるとされていたのに対し、平成26年(2014年)には年収132万円以下の家庭を貧困層としています。

このことから、実際には貧困家庭は減少していないのではないか、という声もあがっています。

2009年の年収の中央値(年収の少ない人から多い人まで並べたときの真ん中の値)は270万円、2014年には中央値は263万円でした。

このことから、2009年にくらべ2014年には一部の富裕層をのぞき、多くの国民の年収が減少したことがわかります。

多くの国民全体の年収が減少すれば、生活に困窮する人たちも増えるでしょう。

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貧困家庭の暮らし

貧困家庭の女性

貧困家庭の暮らしは一体どのようなものなのでしょうか?

『ルポ 子どもの貧困連鎖』保坂渉/池谷孝司著を読むと、貧困家庭の暮らしは大変なものだということがわかります。

この本の中には、父親が事業に失敗した貧困家庭の子どもが、家族の生活費や自分の学費を払うために働いている例が載っています。

本来であれば学業に専念しなければいけない高校生の少女がアルバイトを掛け持ちし、一生懸命、稼いでいる姿が描かれていました。

また、小学校の給食費が払えない貧困家庭もあります。ある貧困の母子家庭では、母親は生活費を稼ぐために安い賃金の仕事をしており、毎日多忙なため子どもをかまってやる精神的・時間的な余裕がありませんでした。

母親は家の中を整える余裕が無く、台所やリビングは散らかり放題です。母親はそんな自分を責めますが、イライラして子ども達に辛く当たってしまいます。

すべての貧困家庭がそうではないのでしょうが、貧困家庭には精神的な問題を抱える人たちも存在します。金銭的・物質的なものが満たされない環境が人間の心をすさんだものにしてしまうようです。

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貧困家庭の進学率

貧困家庭の子ども達の進学率はどれくらいなのでしょうか?

日本の生活保護世帯の子ども達の高校進学率は90.8%です。

その内わけは、全日制が67.6%、定時制が11.5%、通信制が5.1%、中等教育学校後期課程が0.1%、特別支援学校高等部が4.9%、高等専門学校が0.7%、専修学校の高等課程が0.9%となっています。

生活保護世帯の貧困家庭の子ども達の大学進学率は32.9%(大学等19.2%、専修学校等13.7%)です。

(平成26年発行『子供の貧困対策に関する大綱』http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/pdf/taikou.pdfより)

貧困家庭の子ども達の中で大学へいくものは全体の約3割となっており、貧困家庭の子ども達の大学進学率が低いことがわかります。

家庭が貧困であることが子ども達の将来を左右してしまわぬよう、現在では国をあげて貧困家庭への対策が取られようとしています。

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貧困家庭のための進学支援

進学支援の代表的なものに奨学金制度がありますが、現在は貧困家庭の子ども達を支援するため奨学金制度も変わりつつあります。

平成29年度から、貧困家庭の子どもたちの進学のために月額2~4万円を給付する制度が開始されました。これは、特に生活に困窮しているとみられる住民税非課税世帯の子ども達が対象となります。

また、今までも国が無利子で学費を貸し出してくれる貸与方奨学金制度がありましたが奨学金を受けることができるのは高成績をおさめた優秀な者に限られました。

しかし平成29年度(2017年度)からは、住民税非課税世帯の子ども達は、実質的に成績に関わらず無利子で奨学金を受けられるようになりました。

また、学校卒業後の所得に応じて月額の返済金を決める所得連動返還型奨学金制度も始まりました。

貧困家庭の問題の深刻化に伴い、奨学金制度も変わりつつあります。貧困家庭に生まれ、金銭的な問題が原因で進学をあきらめていた方も、今であれば奨学金を受けられるかもしれません。

独立行政法人日本学生支援機構のウェブサイトに奨学金の新しい情報が載っておりますので、必要な方はご覧ください。

独立行政法人 日本学生支援機構ウェブサイト

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貧困家庭のための生活支援

貧困家庭への支援

平成27年(2015年)から生活に困っている貧困家庭の人たちを支援する「生活困窮者の支援制度」が始まりました。

自立相談支援事業

生活で困っていることがある人は相談窓口で相談にのってもらえるようになりました。

住居確保給付金の支給

住むところの無い貧困家庭の人に一時的に家賃分のお金を支給してもらえます。

就労準備支援事業

社会性に問題があって仕事につけない方などを対象に就業支援をしてもらえます。

家計相談支援事業

貧困家庭の人が自分でしっかり家計が管理できるように、アドバイスをもらえます。

就労訓練事業

すぐに働くことが難しい人のために、作業の機会を与えてくれます。

生活困窮世帯の子どもの学習支援

貧困家庭の子どもへの学習支援、進学支援など、親と子どもの双方を支援します。

一時生活支援事業

住所不定やネットカフェ難民などを対象に、一時的に衣食住を提供してくれます。

貧困家庭に暮らす方は、ひとりで抱え込まず、近くの窓口まで相談してください。

支援を受けるには一定の条件を満たす必要がありますが自分が該当するかどうか窓口でたずねてみてください。

平成29年度自立相談支援機関窓口情報(7月19日現在)[507KB]

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貧困家庭の子どもへの就労支援

片親の家庭、貧困家庭のため親の援助を受けられない子ども達も仕事に就けるよう、ハローワークを中心に就労支援が行われています。

新卒応援ハローワークでは、大学院・大学・短大・高専・専修学校に通学している学生や、学校を卒業した方を対象に、就業支援などさまざまなサービスを受けることができます。ここにいけば、職業適性検査、就職のためのセミナー、就職相談、求人情報の提供、面接指導などが受けられます。

また、15歳から34歳までの若者に対する就業支援を行うジョブカフェもあります。ジョブカフェに行けば、職業適性検査や、個別就職サポート、セミナーや就職講座、求人情報の閲覧などが無料で受けられます。

また、現在では高校中退でも職に就けるよう、学校やハローワークが連携して支援を行っています。貧困家庭に育った子ども達も、きちんとした職にありつけるよう支援をしたいと国も考えているのです。

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貧困家庭の保護者への就労支援

子どもを持つ親が貧困になる原因のひとつとして、その家庭が母子家庭や父子家庭である場合があります。

このような片親の貧困家庭の親は、生活のために仕事を持ちながら子どもの面倒も見なければいけません。母子家庭や父子家庭の親は単に就業するだけではなく、育児を含めた生活全般の支援を必要とすることがあります。

このような母子家庭や父子家庭の親を対象に、就業支援を中心とした自立支援のためのサポートが各自治体で行われています。

下記のリンク先に支援を受けられる場所の一覧がありますので必要な方は参考にしてください。

母子家庭等就業・自立支援センター事業実施場所一覧

また、仕事をしている間に子どもを預ける場所も用意されています。学童前の子どもを預けられる保育所をはじめ、病気になった子どもを預ける病児病後児保育実施施設、小学校に通う子ども達を学校が終わった後に預けることのできる放課後児童クラブなどが利用できます。

こちらのサイトで全国の保育園や保育所,
病児病後児保育実施施設を検索できます。

ホームメイトリサーチ 全国の保育園・保育所一覧

全国病児保育協議会 全国病児保育協議会加盟施設一覧表

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貧困家庭のための経済的支援

貧困家庭を救済するための経済的支援として、生活保護があります。

生活保護を受けるには、福祉事務所や市区町村役場に申請する必要があります。生活保護は、国で定められた最低生活費を世帯年収が下回っている場合に、その差額分が支給されます。

生活保護で支給される扶助には、生活費を援助してもらえる生活扶助と、入院や入学などまとまった資金が必要なときに支給される一時的な扶助があり、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助などを受けることができます。

生活保護を受けるのは恥ずかしいことと考え、申請をしない人もいるようですが、わたしたち国民は仕事をすれば所得税をとられ、住民税や消費税も取られています。

どうしても困ったときに援助を受けるのは、国民の権利です。日本国民は、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を持っていると憲法にうたわれています。

必要がある場合は生活保護を申請しましょう。生活保護を受ける場合は、まずはお近くの地域の自治体(市役所など)にいるケースワーカーに相談してください。

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貧困家庭のための節約術

貧困家庭の節約術にはどのようなものがあるのでしょう?いくつかご紹介したいと思います。

テレビを見ない

NHKの放送受信料支払いはテレビを設置した人が結ぶ契約です。自宅にテレビがなければ払う必要はありません。

ミニマリストになる

最低限のものしか買わなければ、お金の節約になるでしょう。貧困家庭と考えるのではなく、ミニマリストを名乗ってしまえば気持ちも明るくなるでしょう。

プチ家庭菜園

ベランダや庭のある家に住んでいるならば、夏場だけでも野菜を育ててみると、食費の節約になります。貧困家庭と考えるのではなく自給自足をしているのだと考えましょう。

基本料金など毎月払うお金の見直し

無駄な基本料金を払うことで、気づかないうちに家庭の経済が圧迫され貧困へと向かってしまうことがあります。スマホやインターネットの通信料などの基本料金を見直すことで、毎月かかるお金を節約できます。月々の支払いを見直してみましょう。

本は図書館で借りる

図書館で本を借りれば書籍代はかかりません。夏場や冬場はクーラーや暖房の効いている図書館に避難することで、光熱費の節約にもなります。

楽しみながら節約しよう

貧困家庭の節約

収入が少なければ、欲しいものが買えず惨めな思いをすることも多いですが、家庭菜園やミニマリスト的な生き方を志せば楽しみながら節約することができます。

相対的貧困は、今日食べる米がなく空腹に苦しんだり、きるものが無くて寒くて凍えてしまうというものではありません。

みんなが持っているものを買うことができないであるとか、みんなが楽しんでいるレジャーを楽しむことができないという、精神的苦痛が相対的貧困の問題の根本と言えます。

発想を転換し、余分なものを持たない・買わない・しない、という風に生き方や考え方をシフトチェンジすることで、お金が無くても明るい気持ちで生きていくことができるでしょう。

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年収いくらからが貧困家庭?その生活や様々な経済・生活支援を解説!のまとめ

現在は日本の9.9パーセントの家庭が相対的貧困です。貧困家庭や貧困の子ども達を救済するため、就業支援や生活保護などの、さまざまな救済措置がとられており、制度も少しずつ変わりつつあります。

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