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2017/07/27

テレワークとは?リモートワーク?在宅勤務可能な企業やメリット、課題

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目次

テレワーク・リモートワークとは

テレワークあるいはリモートワークとは、会社のオフィスに出勤せずにカフェや自宅等で業務を行うワークスタイルです。多くの場合は、オンラインストレージでデータを共有しつつ、テレビ会議などでコミュニケーションを取りながら仕事をします。この記事での呼び方は便宜上テレワークに統一します。

テレワークは国の掲げる働き方改革の中でも重要視されている手段の一つとなっています。しかし、実際にはほとんど普及していないのが現状です。

そこで、導入している企業は何を目的に導入しているのか。また、どんな課題があるのかを調べました。

<下に続く>

企業におけるテレワークの現状

テレワークを導入している企業の割合

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(引用元:総務省, 平成28年通信利用動向調査の結果, 2017)

総務省の調査によると、テレワークを導入している企業の割合は13.3%、導入を予定している企業も合わせると16.6%となっています。平成27年の同じ調査では導入している企業と導入予定がある企業を合わせて19.6%でした。ゆえに、 テレワーク導入企業が昨年から3%減っていることが分かります。

なお、企業を従業者規模別に分けると従業員数が300人以上の企業の方が導入率が3倍ほど高いです。平成27年の調査では、資本金が多い企業ほどテレワークを導入していることが多いという調査結果がありました。今回の従業員数別の差異でも同じようなことが証明されたと言えます。

テレワークの満足度と導入しない理由

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(引用元:総務省, 平成28年通信利用動向調査の結果, 2017)

テレワーク導入企業のうち、効果があったと回答した企業は86.2%でした。導入している企業は効果に概ね満足しているようです。平成27年度の同調査では、82.5%だったため4%近く上昇しています。

また、テレワークを導入しない理由では、「テレワークに適した仕事がないから」が約75%を占めています。しかし、この回答の中には、業務の中でテレワークに適した仕事を探すことができていないというものも含まれていると考えられます。これは課題の項で後述します。

テレワーク利用従業員の割合

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(引用元:総務省, 平成28年通信利用動向調査の結果, 2017)

テレワーク導入企業の中で実際にテレワークを利用している従業員の割合ですが、一番多いのは5%未満で45%でした。実に半分近くの企業で5%ほどの従業員しかテレワークを行なっていないことになります。

テレワークを導入している企業でも、育児や介護などの特別な事情がある社員等に限定してテレワークを適用していることが多いため、このような数字になっていると考えられます。

テレワークの形態の割合

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(引用元:総務省, 平成28年通信利用動向調査の結果, 2017)

テレワークの形態の割合は、モバイルワークが63.7%です。また、在宅勤務が22.2%、サテライトオフィスが13.8%でした。

なお、モバイルワークとは場所に縛られない働き方のことです。カフェなんかで仕事をするのはこれにあたります。在宅勤務はその名の通り自宅で業務を行うこと。サテライトオフィスは会社が本社支社のオフィスから遠いところにオフィスを借りて、そこにテレワーク従事者を集めて業務を行う形態です。

モバイルワークが一番多いのは、営業社員の直行直帰等のテレワークとしては導入ハードルの低い形態を取り入れている企業が多いからではないかと考えられます。

テレワークによる労働生産性の向上

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(引用元:総務省, 平成28年通信利用動向調査の結果, 2017)

上のグラフはテレワークを導入している企業と導入していない企業の労働生産性の差を表しています。テレワークを導入している企業の方が導入していない企業に比べて1.6倍労働生産性が高いという結果になっています。

ただ、資本金が大きく従業員が多いいわゆる大企業かつベンチャー気質な企業ほどテレワークを導入する傾向にあるため、最初から労働生産性の高い企業がテレワークを導入したためこのような結果になっているという解釈もできます。

個人におけるテレワークの現状

認知度

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(引用元:総務省, 平成28年情報通信白書, 2017)

総務省の平成28年情報通信白書によると、日本における個人のテレワーク認知度は聞いたことがある程度の人とほとんど聞いたことがない人を合わせて実に77.7%もの人がテレワークのことを知らないということでした。アメリカでは逆に知っている人の方が半分以上を占めています。

日米別導入意欲

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(引用元:総務省, 平成28年情報通信白書, 2017)

テレワークを実施してみたいと思う人が日本は3割にとどまっています。一方で、アメリカは日本の2倍の6割が実施してみたいと回答しています。

これは国民性の違いなのでしょうか。それとも、単に認知度がアメリカの方が高いということでしょうか。認知度など国民性に関係のない条件がこの数字の要因となっているならアメリカと同じ6割までは伸び代があると考えることもできます。

認知度別のテレワーク導入意欲

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(引用元:総務省, 平成28年情報通信白書, 2017)

このデータによると、テレワークのことを知っている人ほどテレワークを実施したいと考えていることが分かります。先述のように、日本におけるテレワークの認知度は低く、77.7%もの人がテレワークについて知りませんでした。そして、テレワークを実施してみたいと考える人は3割と少なくなっています。

しかし、これから認知度を上げることができれば、知っている人ほど実施意欲が高いため、テレワークを行いたいと思う人が増えると考えられます。

<下に続く>

国によるテレワーク支援

世界最先端IT国家創造宣言

首相官邸の閣議決定である世界最先端IT国家創造宣言において、重点的に講ずる施策としてテレワークを普及させることを挙げています。その理由として、テレワークが働き方改革の推進に効果的な手段であるとしています。

また、テレワークを普及させるために、関係府庁省が連携してガイドラインや表彰等の普及啓発を進めるとしています。国家公務員にも平成32年までにテレワークができる環境を整えるとしています。

職場意識改善助成金(テレワークコース)

職場意識改善助成金(テレワークコース)とは、厚生労働省の提供する助成金です。ワークライフバランスの向上のためにテレワークに取り組んでいる中小企業に対して費用の一部を助成するものです。

支給額は厚生労働省の設定する成果目標を達成しているか否かで変わります。成果目標が達成されれば補助率が75%に、達成されなければ50%になります。

テレワークを導入するにも、様々なツールを購入する必要があったりと様々なコストがかかるため、ハードルが高いと言えます。それが資本金の大きい企業の方がテレワーク導入率が高いという状況の一因でもあると言えます。そのため、資金力の十分でない中小企業へのテレワーク導入のための助成金は有意義なものだと言えます。

テレワーク関連市場の現状と予測

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(引用元:IDC Japan, 12/2016)

上図はIDC Japanが発表している国内テレワーク関連ソフトウェアの市場予測です。2015年までは実績、2016年以降は予測となっています。2014年~2015年は伸びており、2020年まで右肩上がりで成長し、市場規模は2000億円を超えると予測されています。

国内テレワーク関連ソフトウェア市場は、ワークスタイル改革や企業の労働力確保によって拡大すると予測しています。IDC Japanの眞鍋敬氏によると、国内テレワーク関連市場の成長のためにはソフトウェア提供側が導入効果を数値的指標を用いて訴求することが必要と言っています。

テレワーク導入企業の目的・メリット

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(引用元:総務省, 平成28年通信利用動向調査の結果, 2017)

コスト効率の向上

テレワーク導入目的の実に6割を占めるのがコスト効率の向上です。具体的には営業部門の移動ロスの削減のためや、定型業務をクラウドワーカー等の外部委託をするためにテレワークを導入する企業も多いです。また、オフィスの縮小のために導入を検討する企業もあるようです。

ワークライフバランスの向上

ワークライフバランスを向上させることで人材確保を進める企業もあります。というのも、結婚や出産、介護によって離職してしまう人でも、在宅勤務が可能になれば勤続することができることがあるためです。これは企業と社員がWin-Winの関係になれます。

また、テレワークを導入することで、被災地で仕事を失った者を雇用することも可能になります。加えて、今までは優秀な人材を見つけても遠隔地にいると雇用できませんでしたが、テレワークを導入することでそのような人材も雇用することができます。

こういった人材の確保を目的とする企業も多いようです。

緊急対応性の確保

インフルエンザの流行であったり、局地的な災害の時のためにリスク分散をテレワークによって行うこともテレワークのメリットとして認識されているようです。

テレワーク導入企業の抱える課題・デメリット

業務状況に関して何をやっているか分からない

テレワークは相手の姿が見えないため、綿密にコミュニケーションが取れていないとテレワーカーが何をしているのかが分からないというデメリットがあります。テレワーカーのパソコンのカメラにアクセスして、オフィスからテレワーカーがPCの前にいるかをチェックできるソフトウェアもありますが、プライバシー等の問題はあります。

仕事時間が長くなる

テレワークによって時短勤務を実現しようとしたのに、逆に仕事時間が長くなることがあるそうです。というのも、在宅勤務だと退社という概念がなくなるため、仕事のやめどきが分からなくなるようです。

業務の打ち合わせが捗らない

業務の打ち合わせをチャットツール等を用いて行うことになるため、対面で会話するよりコストがかかるようです。特にチャットツールだと、上手く言語化できないことが伝わりにくいということがあります。これに関しては、テレビ会議のツールを使うとそれなりに改善できます。

コミュニケーションが激減する

業務の打ち合わせ以外の普段のコミュニケーションも減ってしまうというデメリットがあります。目の前の人になら話しかけられるような内容でも、それをチャットツールで送るとなると多少ハードルが上がってしまうようです。チャットツールは仕事のためのものという認識があるのでしょうか。

制度が整備できていない

制度が整っていないというのは多いケースです。ツール等のシステムを揃えることはできても、多くの企業はその運用についての制度をどうすればいいのかというノウハウがありません。

また、テレワーカーの評価をどのように行えばいいのかというのも難しい課題です。オフィスに出社している社員と同じように評価しても問題はないのか、テレワーカー用の評価指標を作るべきなのかも多くの企業が悩むところです。

そんなノウハウ不足の企業のために、テレワーク導入コンサルティングを提供している企業があります。

システム環境の整備

システム環境の整備もなかなか難しいものがあります。チャットツールや、タスク管理ツールに始まり、Web会議にはアプリケーションとディスプレイとマイクが必要です。また、セキュリティ確保のためのシステムも導入する必要がありますが、LANのセキュリティ強化や仮想デスクトップなど多数の手段が存在し、どれを選べばいいかの判断が非常に難しくなっています。

在宅勤務の場合は、在宅ワーカーの家のWi-Fiの回線のスペックであったりセキュリティが気になります。また、ファイルでやりとりするにもファイルを全て暗号化するのは手間がかかります。

社内の共通認識形成

企業文化の醸成も非常に難しいところです。テレワーカーに対して、他の社員が悪い印象を持つのは避けなければいけません。それでテレワーカーとのコミュニケーションが減ったり居づらくなったりすると、テレワーク導入によるメリットの部分が消えてしまいかねません。

テレワーク可能な業務を把握し切れていない

これもノウハウがない企業にはありがちな課題です。テレワークを導入したことがないため、セキュリティやITC技術の面でどの程度までの業務ならテレワーカーにさせていいのかということの判断がつきにくいのです。しかし、この課題が改善されなければ、テレワーク導入の効果が最大化できないことになります。

テレワークを上手く運用している企業

平成28年度テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)

企業名
優秀賞 ネスレ日本株式会社
特別奨励賞 株式会社沖ワークウェル 株式会社ダンクソフト 日本オラクル株式会社
個人賞 岩井美奈氏
(クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社)
田澤由利氏
(株式会社テレワークマネジメント)

(引用元:厚生労働省, 平成28年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の受賞者を決定しました

総務省「テレワーク先駆者百選」 選出

企業名
株式会社アイエンター アメリカンファミリー生命保険会社 株式会社ありがとうファーム
株式会社イージフイエノコト株式会社 株式会社石井事務機センター エス・エー・エス株式会社
エヌ・ティ・ティ・ソフトウェア株式会社 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 株式会社NTTドコモ
株式会社エフスタイル 株式会社キャスター 株式会社キャッチネットワーク
株式会社クエスト・コンピュータ 株式会社クレアン 向洋電機土木株式会社
コクヨKハート株式会社 株式会社コスモピア 株式会社 コンピューターシステムハウス
株式会社サーバーワークス サイボウズ株式会社 株式会社シーエーシー
特定非営利活動法人ジェン 株式会社シグナルトーク シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
株式会社 SiM24 株式会社ジョイゾー 全日本空輸株式会社
ゾーホージャパン株式会社 株式会社タービン・インタラクティブ 株式会社チェンジウェーブ
株式会社東急コミュニティー 東急リバブル株式会社 東京急行電鉄株式会社
株式会社日建設計総合研究所 日産自動車株式会社 (NISSAN MOTOR CO.,LTD.) 日本航空株式会社
日本スターウッド・ホテル株式会社 日本ヒューレット・パッカード株式会社 ネットワンシステムズ株式会社
株式会社ブイキューブ 富士ゼロックス株式会社 富士ソフト株式会社
ベビカム株式会社 株式会社 ベルシステム24 本間社会保険労務士事務所
株式会社MammyPro 株式会社三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ 株式会社 三菱東京UFJ銀行
明治安田生命保険相互会社 ヤフー株式会社 特定非営利活動法人わかもの国際支援協会
株式会社ワンマンバンド

(引用元:「テレワーク先駆者百選」、「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」の公表

代表的なテレワーク支援ツール

企業名 サービスの種類 サービス名
NTTコミュニケーションズ リモートアクセス Biz デスクトップPro
NTTコムウェア リモートアクセス SmartCloudデスクトップ
キヤノンITソリューションズ 勤務の見える化 テレワークサポーター
日本マイクロソフト チャット・オンライン会議 Microsoft Lync
Google コミュニケーションツール Google Hangouts
パナソニック テレビ会議 HDコム
シスコシステムズ コンサル含め全般 シスコ テレワーク支援ソリューション
パーソルプロセス&テクノロジー 導入コンサル ワークスタイル変革ソリューション
テレワークマネジメント 導入コンサル コンサルティングサービス
ワイズスタッフ 導入コンサル テレワークコンサルティング

テレワークとは?リモートワーク?在宅勤務可能な企業やメリット、課題のまとめ

いかがでしたでしょうか。
テレワークの現状や市場予測、導入目的(メリット)と課題、デメリットを調査しました。

日本はまだテレワークが進んでいるとは言えません。様々な課題はありますが、まずは認知度を向上させることが必要です。そのためには国の広報やソリューション提供会社のマーケティングを以ってテレワークを牽引しなければなりません。

また、個人もテレワークを始めとする働き方改革をよく知り、自分の働き方を見つめ直すことは重要です。
この記事がテレワークのことに興味を持つきっかけになれば幸いです。

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慶應義塾大学在学中にモスティープレイスにジョイン。株式のスイングトレードに熱中しています。
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