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2017/07/29

社会保険とは何か?新制度のことも含めて分かりやすく解説します

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目次

狭い意味での社会保険とは

狭義の「社会保険」をみると「医療保険」、「年金保険」、「介護保険」と3種に分かれます。社会保険のうち「医療保険」は、病気や怪我、出産、死亡などが起きた場合に、治療に関わる費用の一部が支払われる保険です。

「年金保険」は、積み立てられた費用に応じて将来、老後の生活や障害などに支払われる保険です。
また、加入者が亡くなった場合には、「遺族年金」として遺族へ「年金」が支払われます。

「介護保険」は、老化により介護を受ける必要がある高齢者を対象に、福祉施設の利用や訪問介護などが受けられます。

①医療保険

「医療保険」は、病気や怪我、出産など通院・入院の際に支払われる保険で、医療費は「医療保険」の保障部分を差し引いた一部を負担します。長期休業や育児休業なども支払われる身近な社会保険です。
「医療保険」は、職種や年齢などにより5種に分かれており、「国民皆保険制度」を導入している日本ではいづれかの「医療保険」に加入しなければならない社会保険です。

サラリーマンが対象の「健康保険」、自営業や農業従事者などが加入する「国民健康保険」、海上で働く船員などが対象の「船員保険」、公務員や私立学校の教員が対象の「共済組合」、75歳以上の高齢者が対象の「後期高齢者医療制度」などに分かれます。

少子高齢化が加速するなか、「後期高齢者医療制度」の公費負担額は6兆円を超え、社会保険では突出した構成となっています。
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②年金保険

「年金保険」は、「医療保険」と同様、「国民皆保険制度」として国民に加入義務が制定されている社会保険です。
「年金保険」の最も大きなう役割は、将来高齢となっても安心して生活できる老後に向けて、現役世代とほぼ変わらないような生活ができるよう将来の収入を確保する社会保険です。「年金保険」は、「国民年金保険」や「厚生年金保険」、「共済組合(平成27年10月から厚生年金保険に一元化)」
に分かれており、「国民年金保険」は国内に住所を持つ20歳以上60歳未満の全ての国民に加入義務がある社会保険です。

「厚生年金保険」は、「国民年金保険」にプラスされ支給され将来の安心感を得られます。
また、「国民年金保険」にも「国民年金基金」があり、「国民年金保険」にプラスされ支払われます。

③介護保険

「介護保険」は、高齢化が進むニーズに対応した社会保険で、高齢者の自立を支援し、多くの保険医療・福祉サービスや老人福祉施設の利用、訪問介護などが受けられます。平成12年に施行された社会保険制度で、それまでは「老人福祉制度」となっており、高齢者が自由に様々なサービスを決めることができませんでした。

運営主体は、地域の市町村などの自治体で、国や都道府県が協力することで円滑に運営できる仕組みを作り上げました。「介護保険」には、65歳以上の人が対象の「第1号被保険者」と、40歳以上65歳未満の人が対象の「第2号被保険者」に分けられます。

いづれも特定疾病に該当する病気や怪我で、介護が必要と認定を受けた高齢者が社会保険から給付やサービスを受けられる社会保険です。

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<下に続く>

広い意味での社会保険とは

日本の社会保険制度には、狭い意味で「医療保険」、「年金保険」、「介護保険」が認識されていますが、広義の視野で見ると、「雇用保険」や「労災保険(労働者災害保障保険)」も社会保険です。この併せた5種が「社会保険」と呼ばれ、企業などの経理部門では、給与明細にこの5つの「社会保険」の記載が掲載され、保険料が徴収されています。

広義の社会保険は、国民の生活を保障する公的な保険制度です。国民がお互いに支援・手助けする理念により作られたため、給付はほぼ確実に行われています。

雇用保険

社会保険のうち「雇用保険」は、労働者が失業した場合に経済的に支援、再就職を促すために支払われる社会保険です。元気な労働力を持つ労働者や、訓練などでレベルアップできる労働者を支援し、生産的な活動をしてもらえることで国益にもつながります。

「雇用保険」では、失業後の生活を一部を支援する「就職促進給付」や、再就職の際に必要な技術を習得するために訓練費が支払われる「教育訓練給付」、一旦解雇された人が再び解雇されぬよう使用者や労働者に安定した雇用を継続できるように「雇用継続給付」も行っています。

「雇用保険」の三事業とも呼ばれ、柱となる「失業の予防」は、失業そのものの予防や労働者の能力の向上、福祉に関する事業を行なっています。「雇用保険」の保証は、失業者だけでなく、現在働いている労働者にも適用される社会保険です。

労災保険

「労災保険」は、業務に関わる災害の補償で、通勤中や業務中に労働者が病気に見舞われたり、怪我、負傷、後遺障害、あるいは不幸にも亡くなった場合に、被災した労働者やその遺族に対して医療費や休業補償などが社会保険として支払われます。

医療費は無料となり、休業4日目からは平均賃金の約8割が支払われます。労働による災害は、安全管理を充分徹底しても完璧に防ぐことは難しく、労働災害による保障は「労災保険」により公的に保障されますが、ほかに事業主が上積み保障を求める場合もあります。

全国労保連では、この対応のため平成28年8月より厚生労働省から特定保険業の認可を得て、社会保険で上積み保障を担保することを目的に「労災保険の上積み保障制度」の追加を決定。
さらに、働者に対して手厚く保障する社会保険です。

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平成29年4月1日から社会保険の適用範囲が拡大?

厚生労働省は、社会保険について平成28年10月より一定要件を満たす労働者を社会保険の加入対象とすることを発表。その要件とは、雇用期間が1年以上見込まれ、週の労働時間が20時間以上で月額88,000円以上であること。また、勤務先の従業員が501人以上で学生でないことを明記しました。

さらに、平成29年4月1日からは、対象者の拡大を図るため、勤務先の従業員が500人以下でも労使の合意があれば社会保険に加入することができるようになりました。

新制度の変更点とは?

社会保険の加入対象者の拡大は、「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律」が公布され、500人以下の企業などにも社会保険が拡大されました。適用されるのは、500人以下の企業で労使合意に基づいて申し出をする法人や個人事業所であり、地方公共団体に属する事業所も社会保険の適用対象となります。

社会保険の被扶養者であるか判断する年収130万円の基準は変わらないものの、月額88,000円以上であれば被扶養者とはならずに自身で社会保険に加入することになります。現在、自身で社会保険に加入している労働者は、社会保険の資格喪失届を行う必要がありますので注意してください。

新制度のメリットとは?

短時間労働者が社会保険の適用対象となれば将来、基礎年金に加え報酬比例の年金を終身、受け取れられるメリットがあります。例として、社会保険に20年加入した場合、月収88,000円の場合、納める社会保険料は月額8,000円で、年間96,000円となり、基礎年金に加え増える年金額は月額9,700円、年間115,800円となります。これが終身給付されるメリットがあります。

また、勤務先にて「健康保険」に加入していれば病気や怪我で休んだ場合、賃金に対応した保険料・賃金の3分の2程度の給付を受け取れることができます。さらに、企業は自身と同様の社会保険料を支払っており、自身が支払う倍の保険料が支払われていることになり、将来の年金につながってきます。

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社会保険には加入したほうが良い?

社会保険に加入するかしないかは自身では決めることはできません。勤務先での労働時間や報酬について一定の条件が満たされると社会保険に加入する義務が生じます。社会保険に加入しないパートやアルバイト従業員は、年収が130万円以下であれば配偶者が加入する社会保険の被扶養者となります。
いわゆる「130万円の壁」と言われる所以です。

社会保険に加入するか否かは、年収は130万円以上150万円未満の場合、社会保険に加入すると保険料が徴収されるため、実際の手取り報酬は130万円を下回ることとなるため、加入せず被扶養者の立場が特をするということになります。

社会保険に加入するメリット

社会保険に加入するメリットとして、社会保険に加入義務のある企業に勤務している場合、加入年数や年齢などの要件を満たせば厚生年金や健康保険料の半額は企業が負担してくれます。
これは個人事業主などでは全額自己負担となります。また、企業の社会保険に加入している場合、その家族は扶養者となり家族の保険料は0円となります。

一方、個人事業主の場合は、扶養という概念がないため家族全員が被保険者として社会保険に加入する義務が生じます。企業などの社会保険に加入することで、扶養家族が多い場合には世帯の保険料を抑えることが可能でさらに、傷病手当や出産手当金などが支給されるメリットがあります。
社会保険は報酬により保険料が高額になりますが、いざという時には高い補償が受けられるメリットがあります。

社会保険に加入するデメリット

企業などの労働者は社会保険に加入することで、保険料は企業が半額負担し、病気や怪我などには、傷病手当として給与の3分の2、産前産後休暇でも出産育児手当金として給与の3分の2が支給されます。

社会保険料の半分を負担することとなり企業にとってはデメリットと言えるでしょう。
また、労働者が入社した時や、扶養家族が増えた時、給与額が変わった時など書類を準備しハローワークや労働基準監督署、社会保険事務所などへ手続きをしなければばなりません。

一方、自営業やアルバイトなどの労働者には一切手当がありません。社会保険料は、家族全員分を負担することとなり、手続きも自身で行うため負担も大きくデメリットと言えます。いづれにせよ、「健康保険」も「国民健康保険」も自身で選ぶことはできません。

年収150万円以下なら社会保険に加入しない方が得?

平成29年度、税制改正大綱にて社会保険に関わる「配偶者控除の改正」が発表されました。
扶養者の範囲の見直しでパートで働く主婦などにとって大きく影響する「130万円の壁」が「150万円の壁」に引き上げられました。例えば時給900円で1日4.5時間(子が学校へ行く10:00〜15:00昼休0.5時間など)、月20日のパートの場合、年収は97万2,000円と社会保険に適用にはなりません。

一方で、1日7時間、月20日のパートの場合、年収は151万2,000円と生活費や子の教育費、将来の老後資金など考えると、もう少し働きたい主婦などにとっては理想的であると思われます。
社会保険が150万円に引き上げることで配偶者控除を気にしなくて良いメリットがあります。

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【まとめ】社会保険とは何か?新制度のことも含めて分かりやすく解説します

社会保険は、私たちが安心・安全に働くための大事な保険。法律で定められた社会保険は、時代に合わせ改正が行われ平成29年4月1日、社会保険に関する法案が新たに改正、成立しました。改正後、雇用保険料率が労働者・企業ともに1,000分の1づつ引き下げられ、子ども・子育て支援法では、企業から徴収する拠出金が1,000分の1から1,000分の2.5以内に引き上げられました。

また、若者の採用に積極的な企業に「ユースエール制度」の労働時間や離職率、有給休暇の認定基準が緩和され、条件が満たされれば助成金が受給されりなど社会保険が適用されています。

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