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2017/08/04

日本の少子化問題の現状や原因、影響、そして対策について解説!

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目次

少子化問題とは

少子化とは、子供の数が減少する状態を指します。

日本などの先進国で多く見られる問題で、出生率が減少することで、子供の人口が減少し、その状態の継続により、社会的にも大きな影響を与えます。

それにより発生する問題の一例としては、

  • 家族や家庭の変化(一人っ子や子供のいない夫婦の増加など)
  • 土地や住宅の需要量の変化
  • 予備校、大学間の競争率や格差の拡大など

等があります。
 
少子化により、若者の負担も大きくなります。年金や社会保障について、若者の負担を大きくするか、年金給与水準の引き下げを行うか、という問題が議論されています。

労働力についても、産業構造の変化、失業、雇用上の処遇等について、従来と異なる対応が求められてきそうです。

このように、少子化は、様々な形で、社会的に大きな影響を与える問題となっています。

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日本の少子化問題

日本では、現在進行形で少子化が進んでいます。

日本の合計特殊出生率(一生で女性一人で産む子供の数の平均)の値が近年増加してはいるものの、子供を産む女性の母集団が減少しているために、子供の数は減少傾向にあります。

日本をはじめとする先進国においては、一般に少子化が進む傾向があります。途上国に比べて高い経済的負担が求められることなどが理由です。

したがって、日本における少子化の進行は、ある意味自然ともいえます。
しかし、いったん少子化を経験した後に、少子化からの脱却に成功した先進国も存在します。

たとえば、かつてフランスやスウェーデンでも少子化が進行し、合計特殊出生率は1.5前後まで低下しましたが、その後の取り組みにより、1.9以上まで回復したという事例があります。

もちろん、人口規模が大きな国は、人口を抑えることも必要ですが、日本については、国を支える上で必要な人口を下回り、高齢化の進行にもつながることから、出生率低下への対策が急務となっています。

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日本はいつから少子化問題を抱えているのか

少子化がいつ開始したか、については意見が分かれます。単純に子供の数がそれ以前よりも減少し始めた、出生率が以前に比べて減少し始めた、というなら、

少子化は戦後、まもなく開始し、今なお継続していることになります。なぜなら、戦後の第1次ベビーブーム以後、子供の数は継続して減少を続けているためです。

一方、少子化を、合計特殊出生率が2.05を切り、なお減少し続ける現象、と捉えたとき、日本の少子化は1970年代に始まったとされます。

第二次ベビーブームが終了し、出生率が2.05(同じ人口を将来的に維持するためには、この値の出生率が必要。これを下回ると人口は減少する)を下回り、

その後も継続して値は下がり続けることによって、日本は将来的に人口が減少し続けることが確実になりました。

この場合、人口に占める相対的な子供の割合も減少することを意味します。つまり、高齢化も同時に進行する、ということです。

少子化の合計特殊出生率は、その後も2005年まで継続して低下し続けました。他の時期を少子化開始、とする意見もありますが、ここでは割愛します。

見方にもよりますが、日本の少子化は、かなり以前から進行していたと言えます。政府が1989年に大対策を掲げ、人々に少子化が社会問題として認識されるまでにも、

少子化は進行していたわけです。最近になって、女性の社会進出や不況など、少子化の進行に拍車をかける出来事が続いているため、それらが少子化の原因として意識されがちですが、

それ以外の要因も働いていることは確かです。なぜなら、少子化が社会問題として注目されるようになった以前にも、少子化は進行していたからです。

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少子化問題が生む国内の経済面での問題

少子化により、合計特殊出生率が減少を続ければ、生産年齢人口(15歳以上から65歳未満)の数と、人口に占める割合は、ともに減少します。

これは、国としての労働力・生産力の低下を意味しますから、経済成長率の低下という問題を引き起こします。

また、消費市場における影響も問題となっています。少子化は、新商品や、革新性のある商品への需要を減少させます。若年層は、流行を取り入れたり、新商品に対して敏感に反応します。

ですから、少子化による、こうした市場にとって大切なターゲットである若年層の減少は、新製品市場の減衰を意味します。

このような状況では、こぞって新製品を発売したところで、購入する母集団の減少していますから、企業側も売り出しに消極的になるのではないか、という懸念があります。
 
また、少子化に伴う若年層の減少により、世帯数の減少、ならびに住宅市場も打撃を受けると予想されます。

住宅は、多様な業界から材料の注文を行う関係上、他業界との関連が非常に強い分野です。

そのため、影響は関係する各業界へと飛び火し、日本経済にとって大きな問題を引き起こす可能性があります。

加えて、家電等、耐久消費財と呼ばれる分野でも、影響が危惧されており、限られた消費者に対して、いかに購入してもらうかが、重要な問題となっています。

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少子化問題が生む社会面での問題

少子化、並びにそれにより進行する高齢化により発生する問題としては、社会保障や福祉等への影響があります。

少子化により、社会保障や福祉面で、若者の負担額が増えると言われています。なぜなら、福祉、医療や、年金等の社会保障の財源が不足するという問題が存在するためです。

少子化により高齢者の数は相対的に増加し、若者、そして生産年齢人口は減少していきます。

そして、労働人口の人々が、それより多い高齢者の受給分を負担しなくてはならないため、負担額は増額が見込まれます。

これによる問題は、手取り所得の余裕がなくなることにあります。

国や地方自治体等のサービスも、福祉等、高齢者向けの対応をより迫られることから、少子化が進行するほど、現行の体制下での運営は難しくなるのではないか、という問題があります。

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日本の少子化問題の原因

出生率の低さ

少子化の直接要因は、未婚化や夫婦の出生率の低下です。

この問題は、様々な要因がありますが、ここでは4つの観点から、少子化の間接的要因として述べます。

まず、女性の社会進出に伴う、仕事と子育ての両立が難しいことが挙げられます。仕事と育児の両立を促進する体制が構築されず、女性の結婚・出産の遅れ、回避につながっています。

雇用の悪化

2つ目の少子化の要因は、雇用の悪化、収入の低下、非正規雇用者の増加等から、十分な収入を得られぬ人々が増加し、男女ともに結婚・子供を作ることが経済的に難しくなっている問題です。

パラサイトシングル

3つ目の少子化の要因は、学卒後も親と同居し、基礎的生活条件を親に依存する若者、いわゆるパラサイト・シングルの増加です。

親元を離れ、社会に出て働き、自分の所得で住居費等を払うより、親元で生活する方が、経済的に豊かな生活を送ることができることがその理由です。

当然そのような人々は、結婚や子供を作ることもできないか、望まない、という問題が生じます。

子供を作りたがらない

4つ目の少子化の要因は、子育てに伴う社会的責任を先送り、回避したい思いの存在です。心身の負担の重さから、子育て不安を抱える母親が子供を作りたがらない問題があります。

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日本の少子化問題の解決策

少子化という問題には様々な要因が絡んでいますが、子育てへの経済的な負担が重いこと、仕事との両立が困難であることが主な要因です。

経済的な負担軽減のためには、他国の少子化対策を参考に、子供向けの手当等の給付体制の拡充、保育や教育費用の軽減のための給付、政策の実施や拡充が課題となります。

仕事との両立が困難である問題は、結婚時期の遅れにもつながっています。雇用対策を推進し、若者の経済的な土台を築くことで、若者が結婚や子育てに積極的になることにつながります。

仕事との両立が厳しいという問題に対してのアプローチとしては、長時間労働の削減、育休制度の充実が考えられます。保育所の増設等、保育サービスの強化も求められます。

子育てする側への給付、体制を整える政策の両方をともに進めることが、少子化脱却への課題です。

日本以外に少子化対策という問題に取り組んできた諸国は、いずれも双方を実施して成功している前例があります。

日本もそういった諸国の制度を参考に、効果のある政策を実施していくことは十分可能です。

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少子化問題に対する日本政府の対策

政府により、前述の少子化の課題を踏まえ、様々な施策がなされています。

具体的には、少子化対策として、子育て支援制度を拡充させる取り組み、結婚や出産を容易にする環境作り、子供をたくさん持つことを促進する取り組み、男性の家事・育児参加への取り組みが行われています。

個々の少子化対策について、それぞれ詳細を述べます。

子育て支援

子育て支援を拡充させる取り組みは、

  • 保育所等の施設に給付を行うこと
  • 認定こども園の体制を改善する
  • 地域のニーズを捉えたきめ細やかな子育て支援の拡充

  • 小学校に通う児童が、放課後安全に過ごすことのできる取り組みの強化 

(例えば、待機児童解消、放課後児童クラブ等の受け入れ人数増加、児童クラブを活用して多様な経験をすることを可能にするなどの内容の充実化)

等があります。

結婚や出産をしやすい環境作り

結婚や出産を容易にする環境作りは、

  • 若者の就職支援
  • キャリア教育推進

等、働くことへのモチベーションを高める取り組みがさかんに行われています。

若者の経済的な基盤が弱い、という問題へのアプローチとして、安定した収入源を確保し、結婚や子育てへつなげることが、その目的です。

結婚率の低下や、晩婚化という問題へのアプローチとして、結婚応援フォーラム等、結婚支援を後押しする取り組みも行われています。

子供をたくさん持つ取り組み

子供をたくさん持つことを促進する取り組みとしては、

  • 子供をたくさん抱える家庭への経済的負担
  • 保育所等の優先利用
  • 公営住宅利用時の優遇や優先入居等

が行われています。

男性の家庭への参加

男性の家事、育児参加への取り組みとしては、

  • 長時間労働問題の是正
  • 男性の育児休暇取得の促進
  • 性別に関わらない人事評価の導入とそれに付随する意識改革

  • 多様な働き方を促す取り組み

等がなされています。

そのほか

ほかにも、少子化へのアプローチとして、様々な取り組みがなされています。

2016年に子供・子育て支援制度が改正され、2017年には、働き方改革実行計画が実施されるなど、時代に合った、きめ細やかな政策が実施されつつあります。

「ニッポン一億総活躍プラン」では、日本人全員が活躍する社会の実現のための最重要課題として、「働き方改革」が挙げられました。

その中では、

  • 正規雇用者と非正規雇用者関わらず、同様の労働には同額の賃金が支払われること

  • 時間労働の見直し

  • 副業等の多様な働き方

  • 労働環境の整備、子育てと仕事の両立

等、多様な観点から働き方について検討が行われ、現在それをもとに政策が立案されています。

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少子化問題に関する論文や政府刊行物

『平成29年版 少子化社会対策白書』
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2017/29pdfhonpen/29honpen.html

内閣府により出されている、国としての少子化対策の施策、方針が記載されている白書です。

前述の少子化への課題、それについての現状、アプローチ方法が項目ごとに詳細に記されています。

国として政策立案、検討がなされた上で、アプローチ方法も書かれており、少子化対策の現状や、現在行われている取り組み、およびその進捗を知るには最適な情報源の一つと言えます。

内閣府による施策なだけはあって、政策やアプローチ内容はかなり練られており、現状を踏まえたきめ細やかなアプローチ内容が記載されています。

現状や、それに付随する政策、進捗を、一貫性を持って客観的に理解することが可能です。

日本の少子化について、体系立った概況を理解したい人にも、一つ一つのアプローチ方法や取り組みを掘り下げて知りたい人にも、それぞれの用途に応じ活用度は高いと思われます。

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少子化問題による現在の教育業界への影響:大学は競争激化 塾・予備校業界は?

少子化により、単純に考えれば、教育業界のターゲットは減少するように思われます。学生の数が減るからです。

確かに、それにより、現在大学の定員よりも、入学希望者の数が多い状態となっており、人気の高い大学は依然高倍率ですが、定員割れを起こす大学が続出しています。

一方で、少子化に伴い、塾・予備校業界に逆風が吹いているかというと、そうではありません。

むしろ、子供一人一人にお金をかけ、高い教育を受けさせ、レベルの高い学校へ進学させたいという思いを持つ親の気持ちが表れ、通塾率は向上しています。

親の経済的負担を考え、教育費においては、祖父母から経済的な支援を受ける場合も増えています。

よって、子供の数は減少しているものの、教育熱の高まりから、教育業界への需要は決して衰退しておらず、市場規模も安定して推移しています。

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少子化問題による現在の教育業界への影響:予備校は不調?

ただし、大学受験の指導を行う予備校業界、に絞って考えると、市場規模は大きく減少しています。

代わりに、学校の補習や、英語力の育成を図る等を目的とした、大学受験突破を直接目標としない、いわゆる塾業界のニーズが拡大しているようです。

理由としては、以前と異なり、浪人しなくても大学に入学することが可能であることと、現役入学を志向するきらいが挙げられます。

加えて、現役合格を前提とした上での高学歴志向者の増加や、自分のやりたいことを学びたい、社会で使える自分の武器を増やしたい、という願いを持った子供や保護者が増加しています。

以上の理由から、塾業界の需要は高まっているようです。このような動向は、少子化の影響を強く受けた、興味深い時代変化だといえます。

また、個別指導等、従来の集団授業と一線を画する形で指導を行う塾にも人気が集まっています。一人ひとりのニーズや力に合わせた、きめ細かい指導を行う塾が注目されています。

以上を踏まえると、少子化は、教育業界に悪影響を与えているわけではないようです。

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日本の少子化問題の現状や原因、影響、そして対策について解説!のまとめ

この記事では、日本における少子化の現状、問題と、今後の課題やアプローチ方法について述べてきました。日本の国力を支えるうえで、少子化対策を成功させることは非常に重要です。すでに政府により、確実に政策は立案され、実行され始めており、今後の動向が期待されます。

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