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税収の使い道はどこ?たばこ税の仕組みや税率、増税の展望について解説!

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目次

たばこ税とは

たばこ税はその名の通り、たばこに掛けられている税金を指す言葉です。
ただ、たばこ税の全容についてはそこまで詳しくご存じでは無い方も多いのではないでしょうか?

たばこ税は製造者がたばこを作っている場所から持ち出したり、輸入者が保税地域から引き取った際に税務関係機関に納める税です。
たばこ1箱に掛かっている税金も国たばこ税・地方たばこ税(都道府県たばこ税+市区町村たばこ税)・たばこ特別税とそれぞれ3つの異なるたばこ税を導入されています。
これに消費税が加わって、一般的に知られているたばこの値段になっているんですね。

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世界のたばこ税の現状


日本では少し前からたばこ税についての議論が行われていますが、世界ではどのような現状があるのでしょうか?

現実的なデータを見れば日本と比べて世界はたばこ税やたばこその物に対して、より厳しい姿勢を取っている事が分かります。
例えばスイスやフランス等ではたばこ1箱の値段が1,000円ちょっとします。
ノルウェーやオーストラリアでは何と1,700~2,000円の値段が付けられています。

たばこの税率で見ると、日本は65%ぐらいですが世界では70%を軽く越していく事も珍しくありません。
イギリスやイタリア等の西ヨーロッパがたばこ税が高い傾向があります。
逆に中国・ベトナム、インド等の東南アジア・アフリカ系列の国はたばこ税が安く設定されており、喫煙者もそれに比例して多い傾向にあります(たばこ税30%~40%台の傾向あり)。

「日本はたばこが高い。税も重い。」というイメージがあります。
しかし上記の世界事情を見れば日本はまだ、たばこやたばこ税の負担は軽い方なのかもしれませんね。

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日本におけるたばこ税の現状


最初の項でたばこ税には3つの税(国たばこ税・地方たばこ税・たばこ特別税)が掛かっている事を挙げました。
次の項ではこれらの税についての具体的な税率・税収が時代に応じてどんな推移を遂げてきたか・たばこ税収の使い道などを説明していきます。

たばこ税率について

たばこにどのぐらい税率が掛かるかは法によって決まっています。
それではまずそれぞれの一般的な税率を見ていきましょう。

(出典:財務省 たばこ税等の税率及び税収より

上記の表にたばこ税率がまとめられています。
ここでは「旧3級品の紙巻きたばこ以外」の、一般的なたばこに当たる部分を例に挙げて解説していきます。
国たばこ税は通常のたばこであれば1000本当たりで5,302円です。
つまりたばこ1箱分の本数(20本)で考えると106.04円です。
同じように考えると、都道府県たばこ税は17.20円・市町村たばこ税は105.24円・たばこ特別税は16.40円です。

例として430円のたばこ1箱の内、たばこ税がどれぐらいの割合を占めているか当てはめてみましょう。
国たばこ税は106.04円(24.7%)・地方税は都道府県たばこ税と市町村たばこ税を合わせて122.44円(28.5%)・たばこ特別税は16.40円(3.8%)・消費税31.85円(7.4%)です。
それぞれの税率を合計すると276.73円となります。これは430円の内、64.4%にも当たるのです。

こうして見ると、たばこ1箱でこんなにも高い税金が掛かっているのは驚きですよね。
上記の430円の例で言うと、たばこ本体は約153円なのです。
世界レベルと比べると日本のたばこ税は安いかもしれませんが、細かく見てみるとたばこ自体に4種類もの税金が掛けられており(消費税含む)、それが1箱につき約65%を占める等、中々重い税率だというのがたばこ税の現実なのです。

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たばこ税の税率の推移

今度はたばこ税収の推移を見てみましょう。
下記の画像が18年分のたばこ税の推移をグラフで示した物です。
ご覧の通り、日本はたばこ税収だけで2兆円を稼ぎ出しています。

最近では世間の目が冷たいたばこですが、税収では国・地方共に貴重な財源となっているんです。
そして複数回のたばこ税増税が施行されていますがその後、大体は税収UPにつながっている様子がデータからは見て取れますね。


(出典:JT たばこ税の仕組み

細かく見ていくと、地方たばこ税はどの時代でも一貫して1兆円を確保しており、国たばこ税は過去に数回1兆円を確保していましたが、後は9000万前後の税収にとどまっています。
特別税は典型的な減収傾向です。「たばこが高くなった!」と世間ではよく言われてますが税収面から見てみると微減であり、極端に消費が落ち込んでいる訳ではないようです。

これは一説に言われているのは、若者世代では金銭的に余裕が無く自然に喫煙者が減る一方、上の世代が多少のたばこ増税では喫煙を止めていない為ではないか、という推測が立てられています。
多少の増税で皆がたばこを止めているかと言うと、現時点ではそうとも言い切れないようです。

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たばこ税収の使いみち


2兆円を超している税収、“たばこ税”。
それではこの多大な税金は国・地方共にどのような使われ方をしているのでしょうか?

結論から言ってしまえば、「どの部分にどのような使われ方をしているのか、ハッキリした事は分からない」です。
たばこ税はそれぞれ国・地方(都道府県・市町村)と税金が掛けられており、一般会計・一般財源に入る為にどれか特定の使い道が決まっている訳ではなく、国や地方自治体もたばこ税を何に使ったかまでは一般的に公表していないからです。

ただ、一般的な使い道を挙げると地方では、高齢者や障害者・児童が安全に暮らす為の費用・道路、公園整備・小中学校の運営費・災害対策・農林水産業に関わる費用が代表的な所です。
国では、広い範囲での公共サービス・医療福祉等が挙げられるでしょうか。

ちなみに“たばこ特別税”は日本国有鉄道(国鉄)が当時、処理しきれなかった負債を長期的に返済していく手段の一つとして用いられています。
現在は日本国有鉄道清算事業団が、国の一般会計の中のたばこ特別税を用いて国鉄の負債返済を行っています。

上記のようにたばこ特別税だけの費用で何かを行っているのではなく、他の一般会計の税金も合わせて国・地方自治体がそれぞれ適切な使い方をしている様子です。

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たばこ税は誰が決めている?

たばこ税の歴史はそれなりにあり、最初に日本で制定されたのは1876年(明治9年)です。
この時に制定されたのが「煙草税則」であり、たばこに税金がプラスされるようになったのです。

その後、煙草税則が改訂されたり外国の煙草が輸入販売される等、細かい動きはありましたが1904年(明治37年)、「煙草専売法」が施行され当時の大蔵省が直接的な製造・販売・経営に乗り出す事になります。

これは欧米のたばこが日本に流入してきた為に、日本のたばこ税収に大きな悪影響を及ぼす為に行われたようですね。
その他、戦争の財源としても使う意図がありました。この後、国(大蔵省)がたばこを直接的に管理・経営する事がしばらく続きます。

そして1949年(昭和24年)、「日本専売公社」が発足して大蔵省からその経営を引き継ぎます。
この時点ではまだ名前が変わっただけで、国営のスタイルを取りながらもたばこ税を引き続き導入・販売し続けた訳です。

その後1985年(昭和60年)に「日本たばこ産業株式会社」(現在の“JT”)が発足し、ようやく民営化されます。
この時に国がたばこを専売する形が終わりを告げ、“たばこ消費税”(後のたばこ税の元となる物)が導入されます。

現在、JTは民営化はされていますが、株式を財務大臣が3分の1程度保有している現状があります。
つまりJTの経営や方針に政府が関わる形であり、国の意見を無視・拒否する事も出来ない、“完全な民間企業ではない状態”が続いているのです。
もちろん今後のたばこ税に関わる変更・決定にも国は大きな権限を持ちながらその部分にも介入するでしょう。

このように昔からたばこは元々、国の専売体勢だった事・たばこ税は時代を問わずに大きな国の財源になってきた事実が存在しています。
そのような傾向が自動的に、たばこ税の決定・変更等にも国の意向が大きく反映されている事につながっていると言えるでしょう。

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たばこ税の増税をめぐる議論と将来展望


たばこ税は過去、数度に渡って値上げされてきた訳ですが現在でも活発な議論が行われています。
その議論内容の主なメインテーマはやはり「たばこ税の値上げの有無・正当性」についてです。

最近ではたばこ税を値上げさせる事については単純な財源だけの問題では無く、「健康・医療・福祉」の観点からも値上げの正当性を主張する意見が厚生労働省や国会から出ています。
たばこ税は2兆円を超す貴重な財源ですが、その一方で「健康・医療・福祉」に関する費用が長期間に渡り出続けて、トータルで国の財源が大きくマイナスになるのでは?という見方ですね。

過去の民主党政権でも小宮山洋子 元厚生労働省が「たばこ1箱700円」の意見を出したり、鳩山由紀夫元首相が「健康目的の為に喫煙者を減らす」という発言の元、たばこ税の見直しを行う事を示唆しています。
その他、NPO法人日本禁煙学会が「1箱1000円」の意見書を国に提出したり等の言動を取っています。
ここ最近では受動喫煙と東京五輪を絡めて自民党の山東昭子議員が菅義偉官房長官に「たばこを1箱1000円以上」にするように申し入れました(2016年10月)。

一方、反対意見では海外と比べても日本のたばこ税率の負担は重い部類に入るので、大幅に増税するべきではない、という意見が出ています。
また過去の増税後の傾向から考えて、税収は今後増える期待があまり持てずに財源にも影響を及ぼすので、無闇に増税するべきではないとの意見もあります。

確かに増税後は税収が増えた時期もあったのですが、その後は微減しつつも横ばいの状況も見て取れ、一概には言えないのが現状です。
その他、たばこ農家やたばこに関する企業に関する悪影響・税負担を平等に行わずにたばこ税だけやたらに取り上げられるのはおかしい、といった声も挙がっています。

国会でも賛成・反対の声がどちらも挙がっていますが、全体的な傾向を見るにたばこ税を増税する方の流れが強いみたいですね。
また、過去に行われた増税の時は財源を確保する意味合いが強い物でした。

しかし現在は、受動喫煙・将来の医療、福祉費用といった社会保障問題・東京五輪における日本国家全体のイメージ等が複雑に絡み合っていった結果、「たばこ税の大幅な増税を!」という意見が強くなっていった側面もあるのでしょう。
ただ、反対意見の言い分もそれなりにあるので今後も継続的な議論が続いていく事になるでしょう。

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税収の使い道はどこ?たばこ税の仕組みや税率、増税の展望について解説のまとめ

たばこ税は日本にとって2兆円を超える貴重な財源です。そのお金で様々な社会・地方整備が行われてきた歴史もあります。
ただ、現在はたばこは医療費や福祉費用により大きなデメリットを及ぼしているのではないかという目線で国会でも見られていますし、何より世間的にも喫煙者に対して厳しい視線が注がれているという風潮があります。
日本政府や世間的な流れを見ると今後、たばこ税率は上がっていく傾向は避けられないでしょう。

もちろん、議員やたばこメーカー・たばこ農家・喫煙者等による反対意見も存在します。
しかし、それでもたばこ税をこのまま維持する事は難しいでしょうし、世間からたばこが排除される流れも強まる事が予測されます。
今後、たばこ税は徐々に上がるのか、それとも大幅な値上げが一気に来るのか分かりません。
ただ、いずれは国や地方の財源確保と他の部分で出来るだけ折り合える所を見つけ出して、たばこ税を値上げしてく流れになっていくでしょう。

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