みんなのお金ドットコム | お金のコトをもっと身近に
2017/09/15

上場企業とは?上場の条件やメリット・デメリットをわかりやく解説

Large jk04
目次

上場企業とは

上場企業とは、証券取引所などでその企業の株式を発行し、売買できる企業のことを言います。

企業は、新たに事業所や工場などを建設したり、他社の事業を買収するなど多額の資金が必要な場合、一般的には銀行など金融機関から資金を借り入れますが、上場企業の場合は、証券取引所で株式を公開しているため、投資家から資金を調達することができます。

株式を購入した投資家は、その企業の株主となり、業績が良く収益が上がれば配当金を受け取れ、株主総会(決算期の説明会)では、持っている企業の株式の比率にもよりますが、経営に関して意見を述べることも可能です。

逆に資金の内部保留が多い企業では、新たな資金を借り入れることもないため、あえて上場する必要もありません。

null

<下に続く>

企業が上場するとはどういうことか

企業の上場とは、株式市場のことを指し、株式市場に参入して、証券取引所で投資家などへ株式の売買をすること上場と言います。

毎日の新聞の株式欄を見ると、上場企業の株式の売買実績が掲載されています。

日本には、株式会社が数多く存在しますが、株式会社の中でも上場企業と、非上場企業に分かれ、上場するかどうかは、企業経営者などの判断によります。

上場する、しないの判断は、今後の企業として大きく成長できるかのポイントともなりますので慎重に議論するべきです。

企業が上場することで不特定多数の投資家からの資金調達が可能となります。株式の発行は金融機関らの資金調達とは異なり、株主に資金を返済する必要はありません。

上場するには審査があり、その審査をクリアすることで上場企業とみなされ、社会的にも信用度は上がり経営の透明性も高まります。

取引先などとのビジネスで、取引企業は「資本金何億円以上の上場企業」と指定されることもあり、上場することでビジネスが円滑に行え、それが企業のPRにもなります。また、知名度が上がることにより、人材を確保しやすくなります。

一方、逆にあえて上場を望まない企業もあります。これは、経営の内容に関して株主からの意見や要望を受けたくない場合や、株主から配当の要求を受けたり、ほかの企業に買収されないためなどが考えられます。

上場企業となることで、従業員などは士気が高まり生産性向上にも効果があります。また、従業員など住宅ローンを申請するときや、クレジットカードの発行の際には審査はプラスに動くと考えられます。

ただ、ここ数年でグローバル化やIT(Information Technology:情報技術)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット化)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)などの技術が急速に進化しており。上場企業といえども安心はできません。

企業が上場する市場は誰が管理しているのか

上場企業市場の適格性を維持するために日本取引所グループがあります。

同グループは、東京証券取引所と大阪証券取引所が平成25年1月に経営を統合し、上場企業市場の投資家などが安心、安全に株式を取引・売買できるようグループ・子会社・関連会社含めて市場の開設や運営に関わる事業を行なっています。

日本取引所グループは、企業の株式の取引・売買を行うために、市場を提供し、株式相場を公表、株式売買の公正さを保つ業務など行っています。

企業の上場や、売買、決済から企業情報の発信まで総合的なサービスを提供。投資家などへ、より安全で利便性の良い取引の市場を提供しています。

特に企業情報については、金融庁では、「上場企業は投資家にとって重要である全ての情報を提供するべきである」と、定義され、企業経営者による財務や経営実績などの分析なども含まれています。

<下に続く>

企業が上場できる市場とは

企業が新規で上場できる市場は、審査基準がありその的確要件にて5つの市場に分けられます。東京証券取引所では、市場第一部(東証1部)、市場第二部(東証2部)、マザーズ、JASDAQ、TOKYO PRO Marketの5つを提供しています。

ほかの取引所に上場していない企業が上場する場合、「IPO(Initial Public Offering(新規株式公開)」や「直接上場」と言い、ほかの取引所で上場している企業が東京証券取引所に上場する場合は、「経由上場」と呼ばれています。「経由上場」の場合も、新規上場として審査が必要となります。

東証1部、2部市場とは

東証1部と東証2部は、国内外の大企業や中堅企業が上場しており、日本では中心的な株式市場です。東証1部では、海外からの投資家などが株式の売買を占める市場となっており、市場規模や流動性において世界的な株式市場でもトップクラスとなっています。

東証1部と東証2部は、総称「本則市場」と呼ばれています。

東京証券取引所に上場している企業数は、平成29年9月14日現在、東証1部が2,030社、東証2部が523社となっております。

マザーズ市場とは

マザーズに上場する企業は、将来東証1部に上がることを視野に入れた成長が期待される市場です。よって、マザーズに上場を申請する企業には、高い成長の可能性を示す必要があり、その可能性があるか否かを判断するビジネスモデルや事業の環境などを評価して上場を判断しています。

マザーズ市場は、企業の規模や業種など制限は設けていません。マザーズ上場後の多くの企業は東証1部にステップアップしています。
JASDAQ市場とは
JASDAQへの上場には、企業の信頼性や地域・国際性、確信性についてこだわる企業が上場する市場です。

JASDAQ市場には2つの異なる区分に分けられ、一定の事業規模で実績のある成長企業が上場する「スタンダード」と、独自のビジネスモデルや技術を持ち、成長の可能性が高い企業が上場する「グロース」に分けられています。

TOKYO PRO Market市場とは

TOKYO PRO Marketは、プロ向けの市場制度に基づいて、平成20年に金融商品取引法改正によって東京証券取引所とロンドン証券取引所の共同出資で設立された株式市場です。

TOKYO PRO Marketは、日本やアジアで成長する企業に資金調達とほかの市場にはないメリットを提供し、国内外のプロの投資家向けに新しい投資機会を提供しています。日本の金融市場やグローバル化を図ることを目的にした市場です。

null

企業の上場審査基準・条件

企業が株式市場に上場するには審査が必要で、基準が満たされないと上場できません。

東証1部の上場審査基準・条件

東証1部の上場審査基準は、株主数が2,200人以上で流通する株式数は2万単位以上、時価総額が250億円以上、連結純資産額は10億円以上となっています。

また、利益総額が5億円以上か時価総額が500億円以上有することが基準となります。

さらに、東京証券取引所が承認する株式事務代行機関に委託するか、同機関から株式事務を受託する承諾を得ていること。

最近2年間の利益総額が5億円以上であることなど、上場へのハードルは高くなっています。

東証2部の上場審査基準・条件

東証2部では、審査基準はほぼ東証1部と同様ですが、株主数は800人以上で、流通株式数が4,000単位以上、時価総額は20億円以上と東証1部に比べ上場へのハードルは低く設定されています。

マザーズの上場審査基準・条件

マザーズ市場への上場には、東証2部からさらにハードルが低くなり、株主数は200人以上で、流通株式数は2,000単位以上、時価総額は10億円以上となっています。

純資産額や利益額には規定はなく、上場申請日から1年前以前より取締役会を設置、継続的に活動し、単元株式数が100株になる見込みがある企業などがマザーズ上場の条件となっています。

JASDAQの上場審査基準・条件

JASDAQ上場では、スタンダード、グロースともに、売却株式数が1,000単位または上場株式数の10%どちらか多い株式数以上で、流通株式の時価総額が5億円以上で純資産額は2億円以上としています。

また、最近1年間の利益額が1億円以上で、時価総額が50億円以上の企業などが上場の対象となります。

Tokyo Pro Marketの上場審査基準・条件

Tokyo Pro Marketへの上場基準は、ほかの市場とは異なり、形式基準でなく、J-Adviser制度を導入し、調査しています。

Tokyo Pro Market上場の要件としては、東証に上場するにふさわしい企業であり、事業を公正に遂行し、コーポレート・ガバナンスが整備され、機能していることなどが基準となっています。

null

<下に続く>

企業が上場することのメリット

厳しい審査をクリア、信頼度アップ

企業が株式市場に上場するメリットとして、上場するためには時価総額や株主数などハードルの高い審査をクリアする必要があり、適格とされた企業が上場します。

よって、経営状況や財務状況、将来性などが株主や不特定多数の投資家に公開されることで、その企業の信頼性が高まります。

信頼性が高いということは、社会的にも、金融機関から見ても信用度が上がります。

一般に「上場企業」という言葉だけでも、しっかりした企業という印象を持たれ、知名度も上がり新規での取引が円滑に行われたり、優秀な人材を集めやすくなるなどビジネス面でも優位となります。

資金調達する場合には、その企業の信頼性を元に不特定多数の投資家から資金供給されるほか、金融機関からも担保なしで融資されやすくなるメリットがあります。

健全な経営環境が構築

また、上場企業は厳しい審査をクリアしているため、その実行段階でコーポレート・ガバナンスや法令遵守、内部統制などがしっかり策定され健全な経営体制が築かれるのもメリットとなります。

また、従業員に対して将来買取りの権利を保証するストックオプションなど持ち株制度を導入することにより従業員の意欲や士気も上がります。

創業者メリットも

企業の株式を持つ創業者であれば、上場することで株式市場に売却することができ、結果、莫大な資金を手に入れることも可能です。

上場によって、社会的な信用度や資金調達など表面上のメリットもありますが、創業者が莫大な資金を得るという目的を持つ場合も少なくはありません。

一方、多くのメリットがありながらも上場しない大企業もあります。売上高が1兆円を超える大企業、サントリーや竹中工務店、JCB、佐川急便などに企業は上場していません。

これは、不特定多数の株主からの経営や配当に関する意見を汲み取る必要もなく、自社で決められるためと考えられます。

企業が上場することのデメリット

上場には多岐にわたる費用と時間が必要

企業が上場する際のデメリットとして、上場審査時の手数料や、引受け手数料、監査法人への監査報酬など費用が多岐に渡り、企業の規模や上場によって資金調達額が大きくなるほどコストもかかります。

企業の上場には高いハードルが設けられており、実現に至るまでには相当な時間と費用がかかります。日本の「株式会社」全体に占める上場企業は、僅か0.2%に留まっています。

また、上場後も、年間上場費用や監査報酬費、株式名簿の管理料などが毎年かかり、内部管理体制への強化や株主総会の運営にも費用が発生します。

比較的小さな規模の中堅企業でも、上場に関わる費用は、年間5,000万円〜1億円ほどのコストがかかります。

買収されるリスク

企業は営業実績や経営に関わる情報をすべて株式市場に公開していますので、上場することによって、株式は自由に売買できるため株式の買い占めなどにより、常に買収されるリスクにさらされることがデメリットとなります。

企業にとっては、不都合な情報でさえも公開する必要があります。

企業は「株主」のもの

また、企業は「社長」のものでなく「株主」のものであり、上場することによって不特定株主から企業に対して、経営状況や財務状況、経営戦略方針など意見を聞く必要があり、無視すれば株主に糾弾されることとなります。

取締役の選任や解任、他社との合併など経営上の重要事項は株主総会で決議されます。

株主総会は、不特定多数の株主が議決権を行使できますので安定的に経営していくためには議決権を確保する必要があります。

株主は常に目に見える結果を求めていますので、収益が得るまで長期間となる場合などは、株主から賛同を得ることができない可能性もあります。

企業の持続的な実績や企業価値の向上に圧力がかかり、直近の実績に捉われやすくなります。

一方、企業の性質によっては株主に左右されない経営ができる場合もあります。

<下に続く>

上場企業とは?上場の条件やメリット・デメリットをわかりやく解説のまとめ

企業の株式の上場は、企業が成熟した証でもあり、上場前は実績に対する対価で収入を得るだけでしたが、上場後には企業の信頼度が向上し株主から出資される環境へステップアップできた様なものです。

厳しい審査基準をクリアし、安定した健全な経営体制を維持できる企業として認められるステータスも上場の魅力となっています。

企業が上場するか否かは、必要なコスト、時間に対して上場メリットを生かすことができるかが鍵となりそうです。

Thumb minkane logo
written by
「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。 投資・節税・保険・ローン・クレカ・節約などのテーマの情報を各領域の専門家や編集部を通して記事配信していきます。
Logo
みんかねの
おすすめ記事がLINEに届く!
Add line
関連記事
おすすめ記事