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2017/04/02

名義貸し詐欺とは。手口、注意点、対処法を一からわかりやすく解説

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名義貸し詐欺とは

特殊詐欺という言葉をご存知でしょうか?
特殊詐欺とは「振り込め詐欺」や「還付金詐欺」「架空請求詐欺」などの詐欺の総称です。

この特殊詐欺の一つに「名義貸し(めいぎがし)」という犯罪行為があります。

名義貸し詐欺は昔からある詐欺手法の一種なのですが、無くならない理由の一つに、名義貸しという行為がどういうものなのかよく理解せず、儲け話に安易に乗っかってしまう人が多いのが被害者を続出させている一番の原因でしょう。

平成28年中、東京都内では、特殊詐欺の被害総額がなんと約62億円にのぼっています。
まずは、自分が詐欺に加担しない為にも「どういう手口で近づいてくるのか」をよく理解し、自分の身は自分で守れるようにしましょう。

名義貸し詐欺とは


名義貸し詐欺は上手い儲け話をちらつかせながら対象者に近づきます。
「名前を貸してくれるだけで○○円稼げますよ」と言われたら詐欺の可能性が高いです。

では具体的にはどのような手口で近づいてくるのでしょうか?

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名義貸し詐欺には4つの手口がある

名義貸し詐欺のパターンは大まかに4パターンあります。
これから紹介する4パターンすべて犯罪行為で、あたかも簡単に稼げる儲け話のように言って近づいてくるのが特徴です。

名義貸し手口①クレジットカード

「限度枠いっぱいまで○○商品を購入してください。購入した商品はあとでキャンセルされるので請求は発生しません。そうすれば謝礼として購入額の10%を支払いますよ。」若しくは「謝礼金を支払うので代理でクレジットカードを作ってくれないか」などと、上手い話を持ち掛けられて近づいてきます。

「限度枠が50万円だから5万円儲けられるんだ!」「ただクレジットカードを作って渡すだけで○○円手に入る!」と、安易な考えで引っかかる人が多いのが実情です。

もちろん、クレジットカードの支払いがストップされることはなく、クレジット会社からの請求は名義人本人に起こり、謝礼金すらも支払われません。

支払いを問いただそうとした時には、既に話を持ち掛けてきた人は姿をくらませ連絡がつかない状態になっており、契約者本人に債務だけが残るという恐ろしい手口です。

最近では「クレジット会社のモニタリング調査として契約してほしい」「取引先との実績が欲しいから」など言葉巧みに近づき詐欺に加担してしまうケースも多いようです。

名義貸し手口②消費者金融


「消費者金融からお金を借りるだけで○○円の謝礼金を支払います。あなたが借りた分はこちらで返すので簡単に儲けられますよ」などと言って近づいてくる詐欺方法の一種です。

「借りたお金はこちらで返済しておくので、一旦預けてください」と言われるのが一般的な手口です。

もちろん実際の返済は行われず、返済日になって返済出来ていないと分かった時には、やはり姿をくらませています。

クレジットカードと同じく、債務(消費者金融から借りたお金を返済する義務)は契約者本人に残ります。

消費者金融での名義貸しは様々手口が横行しています。
謝礼金すらもらえないという手法もあったり、反対に最初の数回はしっかり返済され徐々に連絡が取れなくなり、安心しきった所で姿をくらませるという手法もあるようです。

名義貸し手口③携帯電話契約

携帯電話を契約し、その契約した携帯電話を業者に渡せば謝礼金がもらえるという詐欺手法です。

「携帯契約の名義人になってくれるだけで謝礼金を支払います。携帯はすぐに解約するから一切迷惑はかけないよ。」「いいアルバイトがある。携帯ショップで自分名義の携帯電話を4台契約するだけで4万円を払うよ。電話料金はアルバイト先で支払うので心配ないよ。」などと言って巧みに近付いてきます。

携帯電話の新規契約は若年者でも出来るという点から、学生や若者をターゲットにして近づいてくるのも大きな特徴です。

契約した携帯電話は解約されず、違法な転売業者に売却され、犯罪行為に使われ請求だけが契約者本人にくるというのが昨今多いパターンです。

携帯電話料金はたとえ自分が使用していなくても請求は契約者本人にきます。
つまり支払い義務は契約者本人にあるので、「自分は使用していないので払いません」というのは許されません。

また、最近の携帯電話は契約時に複数年契約を継続することで割引になるという料金プランがあります。このような料金プランで設定にしていた場合、詐欺だと気づいたから解約しようと思っても、その解約料も契約者本人が支払う必要があります。
携帯電話を割賦(要は分割のこと)購入した場合も、解約の際は割賦代金を一括で契約者本人が支払う必要があるのです。

他にも恐ろしい点があり、「詐欺にあったんだから支払わなくていいや」と料金を支払わず、かつ、解約もしないで放置していたとしましょう。
そうすると携帯電話は電話会社によって強制的に解約され利用できなくなります。

さらにもともと本人が使用していた携帯電話すら使えなくなり、今後新たな契約が出来なくなることもあります。

名義貸し手口④銀行口座開設


「銀行口座を開設してくれれば、謝礼金を支払います」と言って近づく詐欺手法です。
銀行口座開設詐欺は他の名義貸しと異なる点があります。
それは「直接的な金銭的被害はない」という点です。

契約した銀行口座は1口座につき数万円で売買され、その口座は振り込め詐欺などの犯罪行為に利用されます。

口座売買自体が「違法行為」です。
振り込め詐欺に使用された事が明るみになってしまった際は「犯罪幇助(はんざいほうじょ)」という罪にも問われる事になってしまいます。

※犯罪幇助とは、自分自身は直接犯罪に関わっていなくても、手助けをおこなったとみなされる行為です。

「ほかの名義貸しと違って金銭の被害はないし、お金も稼げるしいいか」と思うかもしれませんが、犯罪者になってしまうと社会的信用が落ちるというダメージを負ってしまいます。

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名義貸し詐欺の注意点

名義貸しは詐欺を行う悪徳業者以外の人、つまりは親戚や友人などの身内からの呼びかけによる名義貸しもあります。

名前を貸すくらいならと軽い人助けの気持ちで名義貸しを行ってしまうかもしれません。
ただし、身内に貸す名義ももちろん刑罰の対象、つまり犯罪行為なのです。

身内からの呼び掛けのケースの場合、頼んでくる本人はブラックリストに載っている、多重債務によって法律で定められている借金の限度額を既に超えてしまった等様々な理由があるようですが、大体がお金に困っているというのが実情です。

身内からの呼び掛けによる名義貸しには上記の4パターン以外にも「不動産賃貸」や「自動車のローン」などもあります。
もちろんどんな手法でも名義を貸すこと自体が犯罪ですし、クレジットカードや携帯電話、消費者金融からの借入と同じく、支払い義務は契約者本人にあるのです。

どんなに相手を信用していたとしても、名義貸しという行為自体が犯罪行為であることを説明し、合法的な方法で契約を行うよう説得しましょう。

注意点①名義貸しを行った場合は詐欺に当てはまる

名義貸しの一番恐ろしいところは、名義を貸した本人に債務(支払う義務)が残るだけでなく、名義貸しという行為そのものが「犯罪」であるという点です。
名義貸しという行為は「6月以下の懲役または100万円以下の罰金」が課せられる立派な「犯罪行為」なのです。

注意点②名義貸しを行った場合の債務返済義務は名義人である

名義貸しにより行った消費者金融からの借入や携帯電話契約、クレジットカードなどすべて債務返済義務は契約書本人(=名義人)にあります。

詐欺で騙されて、かつ、お金まで払わなけらばならないの?と思うかもしれませんが、交した契約書などの債権者との正式な書類は騙された本人がサインしたはずです。
「名義を貸しただけだから」「貸したのは兄弟だから自分に支払う責任はない」すべて言い訳で一切通じません。

契約書本人に支払わなくてはいけない義務があるのです。

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名義貸しの詐欺にあった場合の対処法


名義貸し詐欺は、「身内からのお願い」もしくは「詐欺」のどちらかです。

身内からのお願いは確かに断りづらいかも知れませんが、そもそもそんなお願いしてくる身内はろくな人間じゃない可能性が高いと思いませんか?
付き合う価値が無いと感じたらすっぱり縁を切るなどして対処しましょう。

悪徳業者に詐欺で騙されやすいのは、圧倒的に大金を稼ぐことのできない学生や若者、主婦の方が多いと言われています。要はカモにされやすいのです。

名義貸しの怖いところは、いくらいい儲け話だとしても、それが詐欺だと気付いたときには自分も違法行為をしているので、自責の念から相手方を訴える事も出来ず、どんどん深みにはまってしまうところです。

中には軽いアルバイト感覚で行う方もいるようですが、リスクが高すぎます。
絶対にやめましょう。

名義貸しの詐欺にあった場合の対処法①求償権の使用

名義を貸した相手の居場所がわかっている場合、名義人が返済した借金やクレジット利用料などは、本来の借り手に立替金を請求することができます。
これを「求償権(きゅうしょうけん)」といいます。

但し、この権利が発生するのは名義人が返済した部分についてのみです。
要は返済していない分については請求することはできません。

しかも確実に回収できる補償はありません。

そもそも詐欺の場合は相手がどこにいるのかわからないので請求しようがありませんし、親戚や友人の場合でも相手に財産がなければどうしようもないのです。

よって名義貸しにより生じた借金等は求償権で取り戻すのは現実的には困難だと言えるでしょう。

名義貸しの詐欺にあった場合の対処法②警察への相談

詐欺にあったのだから、警察に相談しようと思う方もいるでしょう。

しかし、名義貸しという行為は、その行為自体が「犯罪」なのです。

例えば携帯電話を契約し謝礼金を受け取り、電話本体は悪徳業者へ渡したとしましょう。
この行為は「携帯音声通信業者による契約書等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(携帯電話不正利用防止法)」第20条では「業として有償で通話可能な端末設備等を譲渡した場合、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれを併科する」とされています。

警察に相談しても名義を貸したあなたも悪いと相手にされなかったり、詐欺に加担したとして取り調べをうけたりと散々な目にあう事でしょう。

名義貸しの詐欺にあった場合の対処法③弁護士への相談


名義貸しの詐欺にあったと気づいたらまずは弁護士に相談するのがよいでしょう。

先にも説明したとおり、警察に相談してもそもそも名義貸しという行為自体が犯罪なのですから、被害にあいましたと相談しても相手にされないでしょう。
そこで弁護士の先生に一緒ついてきてもらうなどしてプロに対応してもらうのが一番です。
詐欺だとわからずに名義貸しを行ってしまった場合は実刑判決(刑務所に収容される刑罰)にはならないようです。

では騙されたお金はどうするのでしょうか。

解決するには「名義人本人が自ら返済するか」、「求償権を請求するか」、「債務整理する」しか方法はありません。

消費者金融やクレジット会社などの債権者から見れば、お金を受け取る正当な権利があります。
「この借入は名義貸しによるものだから」「名義人は自分だけど、実際に使ったには自分じゃない」は通用しないのです。

債務整理とは法律的な立場から合法的に借金減らすための制度です。
債務整理にも色々な方法があるのですが、今後新たな借入ができない、ブラックリストにのってしまうなど様々なデメリットも生じてくるのが債務整理です。

<下に続く>

名義貸し詐欺とは。手口、注意点、対処法を一からわかりやすく解説まとめ

名義を貸した方は確かに詐欺の被害者でしょう。
でも一番の被害者はクレジット会社や消費者金融などの債権者であり、名義を貸した方は例え罪の意識がなくても「名義貸し」という行為を行った犯罪者なのです。

自分のお金は自分でしか守れませんし、犯罪者にはなりたくないですよね。
犯罪者になれば自分自身の人生を大きく狂わせます。

安易な儲け話には乗らないよう冷静に判断し、毅然と対処する力を身につけましょう。

<下に続く>

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