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2017/10/05

あまり知られていない学芸員の給与や年収は?難易度はどれくらい?

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学芸員の平均年収・給与

学芸員とは?

学芸員は博物館法で定められた文化施設、例えば美術館、科学館、歴史館、動物園、植物園、水族館などで働く専門的職員です。それらの文化施設で展示される資料の収集、保管、展示及び調査研究などを通じて学術振興や文化向上に寄与する仕事です。

あまりに低すぎる平均年収と平均給与

学芸員は専門性が求められる職業ですが、それにしては平均年収、平均給与はあまりに低いというのが実情です。年収は250万円~400万円の範囲で推移し、平均給与は20万円程度です。但し公立の博物館に勤務する学芸員は公務員としての扱いになりますから、各自治体の給与体系による給与になりますので、年収は上がりますがその分だけそこに就職する競争率は厳しくなります。

有名博物館の館長クラスの年収は1000万円超え?

国立美術館や国立科学博物館などの有名で集客能力のある博物館の館長クラスになると年収が1000万円を超える学芸員もいます。これらの博物館に勤める学芸員と、地方の博物館に勤務する学芸員の平均給与の差は20万円になるとも言われています。

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年齢別学芸員の平均年収と平均給与

年齢別の学芸員の平均年収と給与の推移をみると次のようになります。

平均年収 平均給与
20歳代 250万円 17万円
30歳代 290万円 20万円
40歳代 350万円 25万円
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学芸員はどんな仕事をするの?

学芸員は美術館、科学館、動物園、水族館などで専門職員として次のような仕事をします。欧米の国々のように日本では学芸員の専門業務が細かく分かれておらず、さまざまな業務を担当することになります。また普段から専門分野の知識を吸収し、幅広い教養を身に着けることも学芸員としての大切な仕事であることも忘れてはいけません。

資料や展示物の収集

展示会などに使用する資料や展示物は、自分が働く博物館が保存している資料や展示物だけでは十分ではありません。個人が所有しているものやほかの博物館が保存しているものを借り入れることも必要になります。その借り入れの交渉をしたり、借りる資料や展示物の梱包や運搬も学芸員の仕事になります。

資料展示物の整理、分類、保管

自身の博物館の資料や展示物、借りてきた資料や展示物を適切に整理、分類し保管します。このとき資料などの図録や目録を作成したり、デジタルによりアーカイブ化したりすることも学芸員の仕事になります。時には標本や複製を作成し、傷んだ資料などを修復する必要もあります。

展示会の準備、当日の業務、後片付け

展示会にどんな展示物を展示するのかといったコンセプトや企画作りも学芸員が協力して行います。展示物や資料の説明パネルや写真の作成、会場づくり、さらには広報資料の作成も学芸員の業務です。

展示会当日は博物館を訪れたお客様を案内したり、展示物の説明を行います。また博物館によっては展示に関する学習会や講演を開くところもあり、その準備に追われます。学芸員自身がその公演において講師を務めることも珍しくはありません。

展示会が終わると後片付けが始まります。借りた資料や展示物にダメージがないかよく確認して、梱包作業をしそれを持ち主に返しに行く仕事です。

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学芸員の年収以外の待遇は良いのか?

学芸員は資格を取得した専門職であるにもかかわらず、その待遇は決してリ-ズナブルとは言えません。有名で集客力のある博物館はともかく、通常は経営が芳しくないためにほとんどの博物館の求人は臨時職員、嘱託職員、アルバイトです。学芸員の資格を持っていても非正規社員の雇用形態しかないのが実情なのです。

公共の博物館ではその運営を外部委託する「指定管理者制度」を導入しているところも多く、こういった博物館では学芸員の任期が設定され、給与は正規雇用の半分程度です。既述したように正規雇用でさえ年収や給与は決して高くありませんから、お金を稼ぐために働く人にとってはおすすめできない職業と言えます。

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学芸員になるにはどうすればいいの?難易度は?

学芸員は資格の必要な専門職であることは紹介しました。それではその資格を取得するにはどんな方法があるのでしょうか。

学士の学位と博物館に関する単位を取得

大学で学士の学位を取得し、文部科学省令に定められた博物館に関する科目の単位を取得する方法です。文部科学省令で定める科目には生涯学習概論、博物館概論、博物館経営論、博物館実習を始めとする9つの科目があります。

学芸員の養成課程を提供している大学は東京大学、京都大学などを始めとした国立大学が57校、公立大学が首都大学東京など20校、早稲田、立教などの私立大学で214校、短期大学で9校あります。

大学2年、3年以上学芸員補の職に就く

次は大学に2年以上在籍し、博物館に関する科目の単位を含めて62単位以上取得した者で、3年以上学芸員補の職に就いた経験がある人が資格を取得することができます。学芸員補とは学芸員の職務を補助する役割を果たす者です。

文部科学大臣が認めた者

筆記試験である試験認定または知識や業績の審査により認定を受ける審査認定のいずれかの認定審査に合格し、文部科学大臣が学芸員としての学力及び経験を有すると認めた者に学芸員の資格が与えられます。

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なぜ待遇の悪くても学芸員になるのか?

給与や年収が他の職業と比較して低く就職先もなかなかない学芸員職は、しかしながらなりたいという人が後を絶ちません。学芸員という職業の何がそんなに魅力的なのでしょうか?

自分の好きな分野にかかわることができる

仕事が自分の好きな分野ですので、常に自身が興味あることにかかわり、しかもその勉強ができるという点でしょう。学芸員の職業に就く人は学芸員の仕事が好きな人ばかりで、しかもその分野をもっと深く勉強したい人ばかりです。彼らにとって給与や年収などの待遇は2の次ということのようです。

学芸員を魅了する研究者としての一面

学芸員の仕事は博物館における実務だけではありません。研究や分析を行う研究者としての側面もあります。学芸員はおのおのの専門分野について技官などの協力を得ながら研究を進めます。研究の成果は学術論文や解説書などの書籍にして学術分野に貢献する道もあります。

博物館における研究は大学での研究よりも地元に密着し、部外者にもオープンである点も学芸員によっては魅力なのかもしれません。研究も学芸員の仕事の一環ですから自分の好きなことを研究してお金がもらえると考えれば確かに研究が好きな人にはこたえられない職業なのです。

教育や啓蒙活動も学芸員のモチベーション

学芸員は一般人の教養を高め、文化振興に携わっていく博物館の役割の一翼を担っているという誇りも、学芸員が金銭的な待遇を超えたやりがいを感じているのです。学芸員は博物館主催の文化講座で講師を務めたり、大学や市民のカルチャー活動に招かれたり、学芸員の啓蒙活動の場は広いのです。

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あまり知られていない学芸員の給与や年収は?難易度はどれくらい?のまとめ

大学で学び学士を取得し、博物館に関する講義を専攻して就職する専門職としては平均年収や給与があまりに低すぎるといわざるを得ません。学芸員に向いている人はお金にあまり興味がなく、自分の好きな分野をコツコツと研究することが好きな学者タイプでしょう。

働くことイコールお金を稼ぐことと考えている方には決してお勧めできない職業ですが、学術振興や文化向上にかかわり、一般の人を教育啓蒙することに生きがいを感じる人にはこれ以上の職業はないかもしれません。

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