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【基本】遺贈登記の手順、費用、必要書類を詳しく解説します!

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目次

遺贈とは

遺贈(いぞう)と言う言葉ですが、あまり耳にした事がない方も多いと思います。
しかしながら、この遺贈は知っておくべき言葉であり制度です。

簡単に概要を説明すると、相続と似た意味合いの制度ですが、相続したいが法定相続人ではない方や団体等へ自分の財産を亡くなった後、渡したい場合は遺贈すると言います。

では、遺贈について色々と項目に分けて説明を致します。

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遺贈制度の理由

では、なぜ遺贈制度があるのでしょうか。相続ではいけないのでしょうか。
法律では相続が発生した際に遺言書がなければ法定相続分に従い相続されるか、相続人同士で話し合い遺産分割協議書を作成して相続割合を決めます。

被相続人(亡くなった方)が自分の財産を法定相続人以外の方や団体等へ渡したい場合には相続をする事が出来ません。
その為、被相続人が財産を第三者へ渡す時に使用する制度を遺贈と言います。

法定相続人が財産を受け取る場合は基本的に相続で、法定相続人以外が受け取る場合を遺贈と言うのでここが違いとなります。
また、遺贈は相続とは違い贈与の類に含まれるので厳密には被相続人と呼びませんが、分かりやすく本記事では被相続人と記します。

遺贈と相続の違い


先程も少し遺贈と相続の違いを話しましたが、具体的に遺贈と相続の違いについて重複する部分もありますが説明を致します。

まず、一番の違いは相続が発生した場合、遺言書がなければ法定相続人以外の第三者に財産が渡る事はありません。
つまり遺言書がない限り遺贈は発生しないのです。

また、厳密に言うと法定相続人へ遺贈する事も実は可能です。しかし、相続ではなく遺贈にするメリットは皆無なので遺贈は行いません。
なぜなら、後に説明しますが不動産を受け取る際の手続きや権利主張が大変になりますし、遺贈で財産を受け取る場合も相続税が掛かります。

そして、相続で受け取る場合と比較して相続税額が2割も加算されてしまう為、遺贈にする意味が全くありません。

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遺贈登記の難しさについて

遺言書で不動産を第三者へ遺贈したいと書かれていたら、どのように手続きを行えば良いのでしょうか。
当然ですが、国に対して遺贈による名義変更(所有権移転登記)を行う必要がありますが、相続による名義変更(所有権移転登記)と比較すると難しく大変になります。
実際に順をおって相続との違いなども説明を致します。

遺贈登記の手順について

遺贈登記の手順として遺言が公正証書なのか、手書きの遺言なのかを確認します。
遺言執行者が指定されているか確認も必要です。
仮に遺言執行者が指定されていない場合でも家庭裁判所に申し出て指定する事も可能です。後々の手続きやトラブル回避を考えるなら遺言執行者を指定した方が間違いないです。

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遺贈登記と相続の登記の手順の違いについて


一番大きな違いとして、遺贈登記は相続ではなく贈与の類として扱われます。
遺言執行者の有無により必要書類や登記手続きの手順が違います。

相続の登記でしたら、遺言書がなかったとしても遺産分割協議書を相続人同士で話し合い作成し、折り合いが付けば必要書類は多いですが、スムーズに法務局へ申請する事が出来ます。

それに対して、遺贈の登記は遺言執行者の指定があるなら、遺言執行者が登記義務者となるので2人で申請する事となります。

遺言執行者の指定がない場合、相続人全員が登記義務者となるので遺贈を受ける方と相続人全員での申請となるので、遠方に住む相続人や遺贈に反対する相続人がいた場合、手続きがスムーズに行なえないでしょう。

遺贈登記に必要な書類

どのような書類が必要になるのでしょうか。こちらは遺言執行者を指定している場合としていない場合によって変わってきます。
遺言執行者とは、遺言内容を相続人の代表として実行するべく人です。
自己破産者や未成年でなければ基本的には誰でもなる事ができます。

しかし、色々な相続トラブルのリスクを考えると専門家(弁護士・税理士・行政書士・司法書士など)に依頼するのが妥当と言えます。
相続発生後でも遺言執行者の指定は家庭裁判所で可能です。

では、必要な書類を見ていきましょう。

遺言執行者がいる場合の必要書類


こちらは遺言執行者がいるケースでの必要書類を一覧にまとめます。
遺言執行者は全ての相続権利を委任されているので、必要書類や手続きは格段スムーズになります。

・遺贈対象不動産の登記済権利証か登記識別情報
(被相続人の不動産登記時に発行されたもの)
・遺言執行者の発行から3ヶ月以内の印鑑証明書
(遺言執行者の住む市区町村役場で取得可能)
・遺言書(公正証書での遺言でない場合は家庭裁判所で検認が必要となる)
・遺贈対象不動産の登記事項証明書(対象不動産を管轄する法務局にて取得可能)
・被相続人の本籍地の記載がある住民票の除票か戸籍の附票
(相続人が最後に住んでいた市区町村役場で取得可能)
・被相続人の死亡記載のある戸籍謄本(被相続人の本籍地の市区町村役場で取得可能)
・不動産を受け取る方の住民票(受け取る方の住んでいる市区町村役場で取得可能)
・不動産の固定資産評価証明書(不動産のある市区町村役場や都税事務所で取得可能)

これだけでも書類が沢山必要となる事が分ります。

遺言執行者がいない場合の必要書類

・遺贈対象不動産の登記済権利証か登記識別情報
(被相続人の不動産登記時に発行されたもの)
・相続人全員の発行から3ヶ月以内の印鑑証明書
(各相続人の住む市区町村役場で取得可能)
・遺言書(公正証書での遺言でない場合は家庭裁判所で検認が必要となる)
・遺贈対象不動産の登記事項証明書(対象不動産を管轄する法務局にて取得可能)
・被相続人の本籍地の記載がある住民票の除票か戸籍の附票
(相続人が最後に住んでいた市区町村役場で取得可能)
・被相続人の死亡記載のある戸籍謄本(被相続人の本籍地の市区町村役場で取得可能)
・不動産を受け取る方の住民票(受け取る方の住んでいる市区町村役場で取得可能)
・不動産の固定資産評価証明書(不動産のある市区町村役場や都税事務所で取得可能)

遺言執行者がいる場合とあまり変わりませんが、相続人全員の印鑑証明書が必要となるのが一番大変な部分です。

遺贈登記にかかる費用について


遺贈登記に掛かる費用ですが、これは対象不動産の評価額や遺言内容により大きく変わる為、一概には言えませんが、一般的な費用を目安程度に見て頂ければと思います。

・司法書士への報酬が5~10万円程度
・登録免許税 → 固定資産税評価額の2%
(不動産評価額が2000万円なら40万円となる)
・必要書類の取得費用
遺言執行者か相続人全員の印鑑証明書1通300円
対象不動産の登記事項証明書1通600円
被相続人の住民票の除票1通300円
被相続人の戸籍の附表1通300円
被相続人の戸籍謄本1通450円
遺贈を受ける方の住民票1通300円

必要書類の価格はあくまでも個人で取得する費用です。
司法書士などに頼むと当然手数料などが上乗せされます。
個人で申請が出来れば安く所有権移転登記が出来ますが、現実的ではありません。

また、司法書士の報酬なども厳密に決まってなく、不動産評価額も人により違うので一概には言えませんが少しでも参考にして頂ければと思います。

【基本】遺贈登記の手順、費用、必要書類を詳しく解説します!まとめ


いかがでしたか。
今回は、遺贈の登記についてご紹介しました。
ポイントを見ていきましょう。

・法定相続人以外が財産を受け取る場合は相続ではなく遺贈となる
・相続と比べ遺贈は相続税が高い
・遺贈登記は遺言執行者が指定されていない場合、手続きが大変でトラブルとなる可能性があり、相続人全員との共同登記となる
・費用は登記依頼先や不動産評価額により一概には言えないが、一般登記と比較し必要書類なども多いので高くなる

長々と本記事で遺贈について説明しましたが、遺贈制度をご存知ない方も居たのではないでしょうか?
遠くない例として、被相続人の義理の娘なども法定相続人には当たらないので受け取る場合には遺贈となります。

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