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2017/10/12

世帯分離とは?メリットやデメリットをわかりやすく簡単に解説!

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目次

世帯分離とは

世帯分離とは、同じ家に暮らす人たちが、同じ家に住みながら、別世帯として暮らすことを指します。

もともと実家に住んでいた男性がお嫁さんをもらって、お嫁さんも自分の両親と一緒に暮らす場合など、現実には同一家屋で生活してはいても、家計は別々にして、別々の暮らしをする、という場合がこれにあたります。

また、実家に暮らしている独身の人が、親と一緒に暮らしてはいるが親とは家計は別にしている、と言う場合もこれにあたります。

一緒に暮らしていても、お父さんと息子さんにそれぞれ配偶者がおり、それぞれが仕事をして収入を得ているとなれば、世帯を別にしたほうが、それぞれの家計の管理がしやすくなる場合もあります。

同一の建物に住んでいても、世帯分離している家族は、同一家屋に世帯主が二名存在することになります。

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世帯分離のメリット

世帯分離することでの一番のメリットは、介護にかかるお金の自己負担額が安くなることです。

介護にかかるお金が高額になったときの救済策として、高額介護サービス費制度というものがあります。この精度は、介護保険を使って払った自己負担額1割の合計がある金額よりも高くなった時に、差額が戻ってくる精度です。

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この精度は健康保険の高額医療費と同じようなサービスですが、住民税の支払いをしている家族がいるかどうかで、上限の金額が決められています。

たとえば、介護が必要な父が国民年金をもらっており、住民税を支払っていなかったとしても、同じ世帯に住む息子が収入を得ており住民税を支払っていれば、限度額は上がってしまいます。

世帯全員が住民税を課税されていない世帯では、月額の負担の上限は24,600 円ですが、同じ世帯に住民税を課税されている人がいれば、世帯あたりの上限が44,400円にあがります(平成29年8月から)

一ヶ月の差額は19800円ですから、年間で237600円もの差が生まれることになります。
このため有料老人ホームに入っている家族がいる家庭では、世帯分離をしてみようかと思うこともあります。

世帯分離のデメリット

デメリット1:住民票が二つになるので各種手続が煩雑に

世帯分離のデメリットとしては、住民票を分けなければいけないことが挙げられます。住民票を分けることで、役所での各種手続きの際に、手続きが面倒になることがあります。住民票を分けるときには、委任状が必要になることもあり、世帯分離の手続き自体にも多少手間がかかります。

デメリット2:家族に介護が必要な人が二人いる場合はかえって割高になることも

世帯の中に、介護が必要な人物が二人いる場合は、世帯を分けてしまうと、高額介護サービス費と合わせて計算することができなくなって、かえって介護にかかる自己負担額がかえって高くつく場合もあるので注意が必要です。

デメリット3:国民健康保険が割高になる場合も

国民健康保険料にも、収入に応じた上限が設けられていますが、それぞれ収入がある場合、世帯分離する事でそれぞれの世帯が国民健康保険の上限まで保険料を払うことになる場合があります。

同一世帯であれば、支払う国民健康保険の上限は世帯内での金額で良いですが、世帯を分けると、それぞれの世帯で国民健康保険を支払わなければいけなくなるのです。

世帯分離するときには、国民健康保険をどれだけ支払う事になるのか、計算してみたほうが良いでしょう。

デメリット4:扶養手当が受けられなくなる

同じ世帯で収入を得ていない人がいる場合は、世帯分離をすることで今まで扶養に入っていた家族が扶養から抜ける場合があります。世帯分離することで、扶養手当がもらえなくなったり、その金額が減る場合があります。

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世帯分離での介護保険の負担額

世帯分離での介護保険の自己負担額は、年収と住民税が課税されているかどうかによって決められています。

条件 自己負担額上限
現役なみの所得者に当たる方がいる世帯の方 44400円(世帯あたり)
家族の誰かが住民税を課税されている方 37200円(世帯あたり)
世帯全員が住民税課税されていない方 24600円(世帯あたり)
世帯全員が住民税課税されておらず年金が年金80万円以下の方 24600円(世帯あたり)
世帯全員が住民税課税されておらず年金80万円以下の方 15000円(一人当たり)
生活保護を受給している方 15000円(一人当たり)

このように、月額の上限は、介護を受ける本人(老人)の世帯あたりの月額の収入と、住民税が課税されているかどうかによって変わります。

本人が年額80万円以下の国民年金しかもらっていなかったとしても、同居している家族の中に仕事をもっており住民税を課税されているものがいれば、それだけで介護の自己負担額が高くなります。

多くの場合、息子夫婦と同居であれば、現役世代と同等の所得を得ている世帯も多いでしょうから、月々の上限は44400円になります。

世帯分離をする事で、老夫婦二人暮らしで国民年金が年額80万円の世帯にすることができれば一人当たりの自己負担額の上限は15000円まで軽減されます。そうすることにより、現役なみの所得者に当たる方がいる世帯の方にくらべると、29400円もの差があります。

世帯分離の手続きの方法

「異動届」を市町村の窓口に提出する

世帯分離をするには「異動届」を届け出する必要があります。「異動届」は、自分の住んでいる市町村の戸籍住民課などにおいてあります。お住まいの市町村など自治体のホームページで窓口を確認してみましょう。

必要なもの

世帯分離の届出には「世帯分離届け」のほかに、各種書類等が必要になります。札幌市役所のホームページを参考に、必要なものをまとめました。

印鑑

届出の際に押印するための印鑑を持っていきましょう。

本人確認書類

届出には届出人の本人確認書類が必要です。本人確認書類には、免許証、パスポート、個人番号カードなどがあります。どのような書類が本人確認書類として認められるかは、実際に手続きしようと思っている自治体に確認してから届出に向かいましょう。

委任状(代理人が手続きする場合)

世帯分離したい本人に介護が必要で、本人が届け出にこられない場合は、代理人を立てて手続きを行います。

世帯分離後にも同じ世帯になる人については、委任状はいりませんが、しかし、介護にかかる自己負担額軽減のための世帯分離の場合は、世帯分離する予定の本人が、世帯分離後は同一世帯に住むことにならないため、委任状が必要になります。

委任状は、各市町村のホームページからダウンロードできます。委任状には、この書類を作成した年月日、本人(委任者)の住所・氏名・印鑑・電話番号、代理人の住所・氏名、委任されて行う手続きの名称などの記載が必要になります。

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国民保険証と納付通知書

国民健康保険に加入している場合は、国民保険証と納付通知書が必要です。

各市町村によって、必要なものが違うかもしれません。また、必要書類が無かったり、間違っていると二度手間になりますから、お住まいの地域の市区町村のホームページなどで、しっかりと事前確認してから手続きに行くようにしましょう。

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世帯分離の手続きでの注意点

1:本人に介護が必要な場合は代理人を立てる必要がある

介護の必要な親を世帯分離させる場合、本人は認知症などの症状が進んでおり、判断力がないと判断される場合もあります。このような場合には、本人が手続きすることはできませんので、成年後見制度を使って代理人を立てる必要があります。

代理人が手続きするには委任状が必要となりますが、本人の認知度がどれくらいかによっても手続きが変わる場合がありますので、信頼できるヘルパーさんや、介護相談窓口などに相談してみましょう。

2:社会保険料の節約のためという理由は通らない事も

本来であれば、世帯分離というものは、何らかの事情があって同じ建物で暮らしているものの、生計は別にしている家族が行うものです。

社会保険料の節約のために世帯分離するであるとか、年金を払いたくないから世帯分離をしたい、という理由は役所では通らない場合があります。

3:本人の収入が少なすぎると却下されることも・・・

実家暮らしだが、親とは世帯分離したいと申し出たはよいものの、本人の年収があまりにも低い場合には「ひとりで生活するのは無理」とみなされ、世帯分離の申し出を却下されたケースがあるようです。

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4:世帯分離したい理由は明確に

役所の人が納得できる理由がなければ、役所での世帯分離の手続きが通らない場合もあるようです。自分自身でも、世帯分離するメリットとデメリットを良く考えて、世帯分離したい正当な理由を明確にしてから手続きすると良いでしょう。

夫婦は世帯分離できる?

夫婦は法律で扶養の義務が定められているため、簡単には世帯分離ができないことになっているようです。

民法第752条に「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」とあるように、夫婦というものはお互いに助け合って生きていかなければいけないものだと、法律にも定められているのです。

親子であれば、やがて子供は独立し家を出て行くものなので、世帯分離は簡単に出来ても、夫婦となるとそうもいかないようです。

夫婦ば、もともと赤の他人なわけですから、わざわざ世帯を分けるくらいなら、離婚をするのが自然と考えるのが普通ではないでしょうか?

しかし夫婦それぞれが仕事を持ち、それぞれがそれなりの収入を得ていれば、世帯年収も上がります。その分、世帯にかかる社会保険料も高額になっていきます。

年々、社会保険料は値上がりを続けていますから、世帯分離をして世帯ごとの年収を減らし、なんとかして保険料を節約したいと考える夫婦もいるようです。

夫婦の世帯分離の手続きが簡単に受け入れられるかどうかは、地方自治体によって変わってくるようです。

友達夫婦が夫婦の世帯分離に成功したからといって、自分も上手く行くとは限らないようです。また、夫婦のどちらかが今後働けなくなる場合もありますから、実際に世帯分離する場合は、慎重になったほうがよさそうです。

世帯分離後の国民健康保険の手続き

世帯分離後には国民健康保険の手続きが必要になります。この手続きは、届けを出したときにそのまま窓口で行われる事が多いようです。各自治体によって手続きの流れは違うと思いますので、実際にどのような手続きをするかは、お近くの窓口に問い合わせてみてください。

また、世帯分離をしたことにより、今まで世帯主の扶養に入っていた人が扶養からはずれ、自分で国民健康保険を払うことになる場合もあります。たとえば、親の扶養から外れて、自分ひとり世帯となる場合です。

もともと会社員であったりフルタイムのパート、派遣社員であれば、実家暮らしであっても社会保険に強制加入させられているはずですから、この手続きは必要ありませんが、学生などで親に扶養されている場合に世帯分離するとこのような手続きは必要になるでしょう。

この場合は、親の扶養から抜ける手続きと、国民健康保険に加入する手続きが必要になります。

もしも父親の扶養に入っていた場合には、父親のほうから会社に、息子または娘が扶養から抜ける旨を伝えてもらいます。父親は会社から必要な書類を受け取り、必要事項を記載し会社に提出します。

すると、父親の会社から「健康保険資格喪失証明書」が発行されますので、今度は自分で、その書類を持って、自分の住んでいる地区の地方自治体に足を運び、国民健康保険加入の手続きをすることになります。

手続きには印鑑と身分証明書とマイナンバーが確認できるものが必要になります。詳しくは、お住まいの自治体のホームページなどで確認してください。

世帯分離で住民税が非課税になる?

住民税の支払いは、世帯ごとに決められています。たとえば夫婦二人暮らしであっても、夫一人しか働いていなければ住民税の納付金額は夫の収入によって決まります。

もしも、介護が必要な年老いた親と同居している場合、たとえ親がわずかな年金暮らしで住民税を支払っていなかったとしても、息子夫婦が住民税を納めていれば、その世帯全体としては住民税を納めていることになります。

もともと、親は住民税を納めるだけの年収がなくても、世帯全体は住民税を払っているので、そのように手続きされます。

このような家族が世帯分離をすれば、住民税を支払っていない年金受給者である親だけで構成された、住民税非課税世帯が生まれます。

この、親だけの住民税非課税世帯世帯の介護にかかる自己負担額の上限は、住民税非課税の年金受給者世帯として計算されることになります。

家族の中に年金生活者がいたとしても、世帯主が収入を得ていれば住民税は支払わなければいけません。

しかし、年金受給者を世帯分離する事で、見た目上、住民税非課税の世帯を作り出すことができるのです。

世帯分離で国民年金が免除になる?

結婚しておらず、一人暮らしで、20歳から50歳未満の方(平成28年7月から)で、前年の所得が一定金額を下回っていた場合については、国民年金の免除が受けられます。

しかし、たとえ本人の年収が少なかったとしても、同居している親がそれなりの収入を得ている場合、年金事務所に年金免除の手続きに行っても「世帯主の収入があるため免除できない」と言われることもあるそうです。

このため、親元に住んでいて低収入で、年金の支払いに困っている人の中には世帯分離を考える人もいるようです。

実家暮らしをしていても、今まで会社に勤めていたのであれば、会社のほうで厚生年金や社会保険に強制加入させられていたため、あまり年金のことを考える事も無かったでしょうが、仕事をやめたりすると、毎月毎月、自分で国民健康保険と国民年金の支払いをしなくてはいけなくなります。

今まで、手取りの給料をめいいっぱい使って暮らしていた人には、年金の支払いは痛い出費に感じられる事でしょう。そのため年金を免除してもらうために世帯分離を考える人もいるのかもしれません。

しかし年金が免除になるといっても、減額された分の保険料をいつか支払わなければ、年金をもらうときに基礎年金額が減ってしまいます。

また世帯分離するには手続きも大変です。世帯分離を考えるよりも、仕事をしてお金を稼ぐか、結婚をして誰かの扶養に入る事を考えたほうが良いのではないでしょうか?

世帯分離とは?メリットやデメリットをわかりやすく簡単に解説のまとめ

世帯分離とは同じ家に住むが生計を別にする家族が、別々の世帯に分かれることです。世帯分離をするには、各市町村の役場に異動届を提出する必要があります。届出には印鑑、身分証名書が必要です。

また、本人が届け出できない場合は委任状が必要になることがあります。世帯分離する事で、介護にかかる自己負担額の軽減になる場合もありますが、デメリットが生じる場合もありますので、世帯分離をする際は慎重に検討しましょう。

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