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2017/04/12

生命保険の解約返戻金とは。基本的な特徴や税金の計算方法

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目次

解約返戻金について知りたい

解約返戻金は、解約変換金、解約払戻金とも呼ばれています。
保険を選択する際の重要な項目ですが、詳細が分からないまま契約していることも多いようです。

今回は、そんな保険の解約返戻金についてご紹介していきます。

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解約返戻金とは


保険の契約期間途中で、保険を解約した場合に、払い戻される金銭を解約返戻金といいます。保険契約の解除は、契約者、保険会社のいずれから解約を申し入れても解約返戻金は支払われます。

また、解約返戻金の金額は、保険の種類、解約までの期間などで金額は異なりますし、保険料の支払期間満了前であれば、解約返戻金の金額は総額を下回ります。

更に、保険料の支払期間が短ければ、累積の支払金額に対する回収率は低下します。これは、保険募集や契約に係る費用を保険期間全体で割り振りしていますので、この経費を契約から解約までの期間(回収期間が短い)で回収するからです。

解約返戻金がある保険とその特徴

保険には、二通りの機能があります。保障と貯蓄の機能で、解約返戻金は、貯蓄の機能に関する保険料が対象となります。保障に重点を置く医療・介護保険や掛捨て保険では解約返戻金はありません。特に掛捨てタイプは、保険料が安価であることが特徴になります。

保険を選択する際には、目的を明確にすることが重要です。保障を重視するのか貯蓄機能を重視するかを明確に意識しての選択でないと後日に後悔する事になりかねません。
 

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解約返戻金は必ず戻ってくるの?

解約返戻金のある保険では、契約満期前に解約されると原則解約返戻金が支払われますが、前述のように保険の募集や保険契約に要した費用は、保険金の払込み期間で回収します。そこで、解約までの期間が短いと、この費用が解約返戻金を上回るような状態になることがあります。

この場合には、解約返戻金がありませんので、ご注意下さい。

途中解約の場合は、違約金はとられるか?


保険に関しては、途中解約しても保険の契約者(保険料を払う人)が違約金を払うことはありません。

因みに、保険募集人(保険のおばちゃん)は、早期に解約されると貰った手数料(保険のおばちゃんの収入)を返さなければならない場合があります。ただ、これは保険業界サイドの問題ですので、契約者は気にする必要はありません。

満期の場合

保険会社から支払われる金額ということであれば、解約返戻金も満期金も同じようなものですが、満期(契約期間が終了した時点)に保険会社から支払われる満期金が定められて保険であれば満期金が支払われます。このタイプの保険は、養老保険、学資保険といった保険になります。

いつもどってくるか

解約返戻金の振込み日は、本社の受付窓口に到着後、所定の営業日(5営業日が多い)後になります。約款(契約書)に記載されていますので必ず確認して下さい。また、保険会社の都合でこの日数が延びた場合は、遅延利息が支払われます。

計算方法

解約返戻金の計算方法は、以下の次第です。契約者価格とは、個々の保険契約で、保険金受取人に支払われた金額を控除した本保険の現在価格を表します。また、解約控除は、保険募集や保険契約に関する費用を保険料の払込み期間で回収する設計になっているために契約解除に伴う未回収部分を回収するための部分です。

解約返戻金=(契約者価格-解約控除)×払戻率

この差額に払戻し率を掛けたものが解約返戻金の金額となります。

解約返戻金は税金がかかるのか?


解約返戻金に係らず保険会社から支払われた金額と保険料の総額(保険料として支払った金額)の差額がプラスの場合には注意が必要で、この場合、差額が一時所得という所得の区分になります。一時所得の計算方法は、以下の次第です。

一時所得=解約返戻金-保険料の総額-50(万円)
50万円:一時所得の特別控除(50万円以下の場合は、その差額)

よって、一時所得がプラスの場合(差額が50万円を超えるとき)は、注意して下さい。ただし、一時所得に係る税金(課税の対象となる金額)は、この1/2の金額に税率を掛けることとなります。

また、給与所得者(サラリーマン)であれば、一時所得の課税の対象となる金額が解約返戻金にかかる金額を含めて20万円以下であれば確定申告の必要はありませんので、税金はかかりません。

給与所得者で解約返戻金のみとして事例を見てみますと、以下の次第となります。ただ、この場合はかなり高率の回収率(解約返戻金/保険料の総額)となっていますのでご注意下さい。

解約返戻金(580万円)-保険料の総額(500万円)=80万円
一時所得=80万円-50万円=30万円
課税の対象金額=30万円×(1/2)=15万円 < 20万円
この場合には、確定申告の必要はありませんので、解約返戻金に関する課税はありません。

解約返戻金(600万円)-保険料の総額(500万円)=100万円
一時所得=100万円-50万円=50万円
課税の対象金額=50万円×(1/2)=25万円 > 20万円
この場合には、確定申告の必要があります。また、税率は、他の所得(例えば給与所得)との合算となります。
例えば、給与所得が685万円(税率20%)のとき、一時所得の課税対象金額が25万円あるとすると、以下のようになります。

合算所得=685万円+25万円=710万円(税率23%)

このように、合計の所得に対して税率が決まりますので、ご注意下さい。

解約返戻金はいつが一番お得か知る方法

解約返戻金の払戻率は、個々の保険商品により異なりますので、このタイミングが“一番お得”ということは一概に言えません。また、この保険を選択した理由や、現時点での状況により多面的な検討が必要となります。

多くの商品では契約後10年で70%程度の払戻率になります。また、保険料の払込み期間が終了すれば100%を超える場合があります。

金額の効率だけを考えた場合には、約款に記載されている払戻率の加入年数による変化をグラフにして、払戻率が安定する直後の時期が効率的と考えられます。

親名義の保険を自分にしたが相続対象


保険に関する登場人物は、三名の方で、保険契約者(保険金を払う方)、被保険人(保険の対象となる方)、保険金受取人(保険金を受取る方)です。保険の名義人というと保険契約者になり、その方の固有の財産となります。

保険契約期間の途中で、契約者である親から子に名義を変更した場合は、親の相続が開始される前(親が存命中)であれば、親の固有財産を子に移転したことになるので贈与税の対象となります。

保険契約者、被保険人、保険金受取人が親で、この状態で相続の開始があれば、保険金は親の固有財産ですので相続の対象となります。また、この保険金は以下の金額まで相続税の非課税財産となります。相続人が3名であれば、1500(万円)までが非課税となりますので、相続税の納税原資として利用できます。

非課税金額=500(万円)×相続人の数

保険の解約返戻金とは。基本的な特徴や税金の計算方法まとめ

保険の選択のポイントは、保険に加入する目的を明確にすることです。また、契約期間が長期に及ぶことからライフプラン(結婚時期、子供の入学・卒業、家の購入など)を意識して考えることが必要です。

例えば、子育て期間中は、家族の生活保障や学費の確保などを考慮しますが、子離れ後は学費を考慮しないで済みます。ただ、老後の年金が心配ですので、個人年金として保険の活用を考えます。このように保険加入の目的を明確にして選定します。

損をしない方法論は困難ですが、良いとはいえない選択はあります。例えば、20代で15年や20年の定期保険や養老保険への加入です。20代であれば保険料は比較的安価でお手頃で40代である程度まとまった金額を手に入れることができますが、それで終わりです。40代後半で再び保険に加入すると保険料は高額となります。

今後の年金情勢を考慮すると、20代で60歳-65歳の保険料払込満了の終身保険への加入がライフイベントに柔軟に対応できると思われます。保険料払込期間の満了後に想定外のイベントが発生した場合に保険料総額以上の解約返戻金を受取れます。

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