お金のコトをもっと身近に|みんかね

金利スワップとは。主な3つの取引方法と具体例をご紹介!

Large pexels photo 24981 1
目次

1980年代に通信技術とパソコンに代表されるIT技術の発展によりデリバティブと呼ばれる金融派生商品が出始め、金融市場そのものに錬金術が生まれてからは、金融経済は実際のもの中心の実体経済から乖離を始めるようになりました。

1990年代のインターネットに代表されるIT技術の発展により、デリバティブや流動化商品に代表される金融派生商品は本格的に拡大し、世界の金融市場は実体経済の10倍以上の規模を誇る金融経済の世界として展開されています。

我が国でも金融市場は多様化、拡大し、金利スワップも盛んに行なわれるようになってきました。
そこで、今回はその金融派生商品、デリバティブである金利スワップについて見てみることにします。

金利スワップとは


金利スワップは、デリバティブの一つですが、各国の同一通貨での金利水準には短期と長期、変動金利と固定金利で金利差があります。
特に我が国の場合、バブル崩壊後、金利水準は超低金利水準と言われるように過去に無い低い水準で推移しており、現在ではマイナス金利にまでなっています。

そのため、企業や金融機関はその低い金利を享受しようと変動金利による長期借入や長期の社債発行を行なっています。
金融市場では一般に、低金利時代には、金利上昇リスクを回避するため長期金利は短期金利よりも高い状態にあり、変動金利により、低い短期金利に近い水準で長期借入を行なうようにしたのです。

しかし、企業や金融機関は、常にこの異常な低金利がいつか終わり、金利が上昇するのではないかという危惧を持っていました。
そのため、いざ金利が上昇したときのためにリスクヘッジ、すなわち金利を上昇してもその上昇による利息増大を抑えるための回避策、すなわち金利ヘッジ策を模索していました。

一方で、現在の長期の固定金利で借入し、将来的に金利が上昇しても現在の長期金利の水準で我慢しようとする企業、金融機関もあります。
そこで、変動金利で借りた企業や金融機関は、現在の低い短期金利の利息部分を長期の規定金利の利息部分と交換して払うことにより、金利が上昇したときでも一定の水準以上には金利負担が増えないようにしたのです。

逆に固定金利で調達している企業にとっては、変動金利の低い水準での利払いですむことになり、両者の思惑が一致したのです。これを金利スワップと言います。
現在では、変動金利と固定金利の間だけではなく、変動金利同士、固定金利と短期金利などさまざまな形で金利スワップは行なわれています。

<下に続く>

金利スワップの取引条件とは?


金利スワップをする場合には、特定の商品としての市場があるわけではなく、個別の企業同士が取引条件を決めることになります。
すなわち、

・想定元本 → 金利を支払う対象になる金額
・取引期間 → どれ位の期間の利息を対象とするか
・金利の種類 → 短期金利の基準金利と長期金利の基準金利を何にするか
・利払いの方法 → いつどこで支払うか

金利の種類については、短期金利であれば、かってはコールレートが一般的でしたが、現在ではLiborが一般的であり、長期金利は長期プライムレートが使われていました。この金利をスワップ金利と呼びます。

また、利倍に方法については、基本的には高い金利の方が差額を支払う形になり、その差額をいつの時点の基準金利に基づいて計算するかがポイントとなり、その差額分をそれぞれ相手の指定した金融機関に支払うことになります。

金利スワップの3つの主な取引方法とは?

金利スワップで現在よく行なわれている代表的な3つのパターンについ、それぞれの取引方法を後生かします。

金利スワップの主な取引方法①固定金利と変動金利の交換

まず最初は、一番ポピュラーな固定金利と変動金利の交換です。

想定元本は、基本的には、現在企業が借入をしている金融機関が、相手を探してきますが、相手の想定元本と合わせるため、片方が金額が少ない場合には、いくつかの企業の借入をまとめて一つの相手企業と組み合わせます。

また、取引期間も同様ですが、期間が違う場合は、組み合わせの中に金融機関自らが入ることになります。
金利の種類は、当然固定金利と変動金利になりますが、基本的にはLiborと長期プライムレートが一般的で、それらを市場ではスワップ金利として認識されており、そのスワップレートプラスマイナスいくらという形で決められます。

また、利払いは、毎月の場合もしくは3ヶ月程度毎に支払いますが、そのスタート時点の基準金利に基づいて計算されます。

金利スワップの主な取引方法②変動金利と変動金利の交換


変動金利と変動金利同士であっても、1ヶ月もの、3ヶ月ものと6ヶ月ものではそれぞれ金利は違います。
また、長期金利でも5年物と10年物で金利は違います。

想定元本と利払いについては固定金利と変動金利の交換と同じですが、取引期間と金利の種類は違ってきます。
取引期間は、それぞれの元本の違う企業が混在するため、間に入る金融機関が参加するケースがより多くなります。

また、金利の種類は、それぞれの期間に合わせてスワップ金利が計算されていますが、15年物などは取引が薄く、リスクが大きいためにプラスマイナスは大きくなります。

金利スワップの主な取引方法③固定金利と無担保コールオーバーナイト物の交換
無担保コールオーバーナイト物というのは、金融機関などがコール市場において一晩だけ調達してくるレートのもので翌日物コールとも言います。

現在はマイナス金利になっていますね。
コール市場に参加できるのは金融機関だけであり、企業などでは、この無担保コールオーバーナイト物の借入はありませんが、金融機関を相手として固定金利と無担保コールオーバーナイト物金利でスワップを行なうことは可能です。

<下に続く>

金利スワップの取引条件とは?

取引条件(想定元本、取引期間、金利種類、利払い等)については当事者間で予め取り決めることになるといった内容を紹介します。

金利スワップ取引の仕組みとは?具体例を用いてご紹介

ある企業の立場に立って、取引を想定して、その仕組みをご紹介したいと思います。
A企業は、1億円を期間5年の長期プライムレートの固定金利3%で借入れました。
ただ、現在の変動金利は1.5%であり、低い金利を享受できたらと考えています。

そして、2年間はこの低金利は続くと見て、変動金利にスワップすることにしました。
スワップ金利は1.5%となっています。
そこで、取引銀行に相談してみると、

・想定元本   8千万円
・取引期間   1年半
・金利の種類  2年もののスワップ金利+0.2%
・支払い等   各月の月初のスワップ金利+0.2%との差額が取引銀行の口座に月末に入金

と言う条件で取引が出来ると言われました。ただ、どうしても1億円全部に対して2年間取引をしたいために、銀行に申し入れたところ、銀行が元本差額2千万円と期間半年分は酸化してくれることになり、

・想定元本   1億円
・取引期間   2年
・金利の種類 2年もののスワップ金利+0.3%
・支払い等   各月の月初のスワップ金利+0.3%との差額が取引銀行の口座に月末に入金

という形でスワップの取引が決まりました。

これによって、本来、毎月の利息支払いは25万円から15万円と実質10万円負担が減ることになりました。
銀行は、想定元本と期間の差を他のスワップ取引の逆の立場に使うことで、0.1%の実質的な手数料を儲けています。

金利スワップを用いた金融商品とは?


金利スワップを用いた金融商品は基本的にデリバティブであり、リスクが存在します。
金利の変動、為替の変動などを組み合わせており、ギャンブルに近いものとも言えます。

金利スワップを用いた金融商品①「リバースフローター債」

リバースフローター債という商品は、金利スワップの金利に一定のレバレッジ率で拡大したものと、金利キャップを組み合わせて組成した債券のことです。

金利キャップと言いますのは、これも金利ヘッジ商品であり、変動金利と最初に取り決めしたヘッジ金利(変動金利が越えると支払いが生じる金利)を契約して、ヘッジ金利を超えた場合にはその差額を相手に払う取引を言います。
通常の変動利付債券は変動金利を支払っていくだけですが、リバースフローター債は「固定金利×レバレッジ率―変動金利×(レバレッジ率-1)」と言う金利になります。

従って、変動金利が上昇しますと低くなり、逆に変動金利が低下しますと高くなります。
しかも、その変動に対する実際の利払い金額(受取、支払とも)はレバレッジ率が大きければ大きいほど大きくなります。

従って、現在のような超低金利が続くか、さらにマイナス金利が大きくなるのであれば、大きな受取利息を受けられますが、金利が上昇した場合には想定していた受取利息は受取れないリスクが存在します。

金利スワップを用いた金融商品②「リバース・デュアル・カレンシー債」

リバース・デュアル・カレンシー債は、逆デュアル債とも呼ばれる債券でり、払込と償還は日本円、利払いは外貨になる外国債券のことです。

我が国の超低金利時代の中では、債券を購入しても金利水準が低いため、金利の高い外国債券に投資したいが為替変動が不安だと言う場合に買われる債券です。

投資家にとっては、元本の為替リスクだけをヘッジしており、かつ、受取利息は海外の高い債券の金利を受取れることになります。
しかも、円安になれば、さらに大きな受取額になります。
但し、円高が進みますと、受取利息は小さくなり、海外の高い金利を享受できなくなります。

いずれにしても、元々の外債を元に想定元本を設定しているだけにギャンブルに近い商品と言えるでしょう。

<下に続く>

金利スワップとは。主な3つの取引方法と具体例をご紹介!のまとめ

金融経済の担い手である金融市場は膨大に拡大し、その中で金融派生商品、デリバティブの一つである金利スワップが生まれました。

金利スワップは、現在の超低金利恩恵を目一杯享受しようと変動金利で借りた企業と現在の水準の固定金利の水準で我慢して将来に備えようとする企業が、互いのリスクと現在の不利な金利を交換するために生まれたものです。

そこに銀行などの金融機関が介在して参加して、低い金利の中で手数料を確保しています。
当初は変動金利と固定金利の交換でしたが、現在では期間の違う変動金利同士の交換や固定金利と翌日物コール金利との交換なども出ています。

また、現在では、超低金利の資金の運用難を材料に、金利キャップや為替変動などを組み合わせた債券などの商品も出ており、金融経済のさらなる拡大は続いています。

みんなのお金ドットコム(みんかね)とは

みんなのお金ドットコムでは、「お金のコトを身近に」をミッションに節税や保険、投資、ローン、クレジットカード、節約などお金に関する情報を正しくわかりやすく専門家や編集部から配信しています。
みんかねを通して、家計や資産形成などをはじめとするお金に関する事を能動的に考えて対処していくきっかけを作る事を目指しています。

Thumb minkane logo
written by
「お金のコトをもっと身近に」というミッションで、みんなのお金ドットコム(みんかね)を運営しています。 投資・節税・保険・ローン・クレカ・節約などのテーマの情報を各領域の専門家や編集部を通して記事配信していきます。
関連記事
おすすめ記事