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金貨や純金にも相続税が?総額税額や金相続のメリット・デメリットを解説

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目次

金貨や純金にも相続税はかかる

金貨や純金は資産となりますので、相続や贈与が行われた場合には相続税や贈与税の対象となります。

被相続人(亡くなった方)から相続や遺贈によって財産を受け継いだ方全員の課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合に相続税がかかります。課税価格の合計額が基礎控除額以下の場合には相続税の納税および申告は不要です。

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金貨や純金にかかる相続税額

それでは金貨や純金にはどの程度の相続税がかかるのでしょうか。基準となる価格や税率について解説します。

基準となる価格

相続の場合、被相続人が亡くなった当日の小売価格(時価)が相続税の評価額となります。被相続人が死亡した日に相続人が金貨や純金を再取得したという考え方です。また、贈与の場合は贈与成立日の小売価格(時価)が贈与税の評価額となります。

税率と控除額

相続税の税率は累進課税になっていますので、一定の税率ではありません。税額は以下の速算表を用いて計算されます。

法定相続分に対する取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円
2億円超~3億円以下45% 2,700万円
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

相続後の売却時について


金貨などの財産を相続により受け継ぎ、その後売却した場合について解説します。譲渡所得は資産の所有期間によって算出方法が異なるため、いつから所有していたかが問題になります。

実際に相続人が金を手にしたのは相続時ですが、この場合に限っては被相続人の所有期間を引き継げる事になっています。

例えば、被相続人が3年間所有した後に亡くなり、相続人が1年後に売却した場合は合計4年間所有していた計算になります。

また、損益の計算は被相続人が取得した時の価格と売却した価格の差額を計算する事になっています。

金貨や純金の売買利益がでた時

金貨や純金の売却により得た利益には原則として譲渡所得がかかり、給料など他の所得と合わせて総合課税の対象になります。譲渡所得の課税価格は金貨や純金を取得してからの保有期間によって算出する方法が異なります。

短期譲渡所得:取得後5年以内に売却した場合

金貨や純金の売却益+その他の譲渡益 - 50万円 = 課税価格

長期譲渡所得:購入後5年経過後に売却した場合

(金貨や純金の売却益 + その他の譲渡益 - 50万円)×1/2 = 課税価格

複数の金貨や純金を売却するなどして、保有期間が短期のものと長期のものが混在する場合は最初に短期譲渡所得から控除額を差し引き、控除額が残っている場合は長期譲渡所得から差し引くことになります。

金貨や純金の売買損失がでた場合


金貨や純金を売却した際に、購入価格よりも低い場合は所得区分によって異なります。譲渡所得、雑所得、事業所得について解説します。

譲渡所得

その年に他の譲渡所得がある場合、売却損をその範囲内で控除することができます。ただし、譲渡所得以外の他の所得と損益通算する事はできません。

雑所得

その年に他の雑所得がある場合、売却損失をその範囲内で控除することができます。

ただし、雑所得以外の他の所得と損益通算する事はできません。給与所得者で収入が年間2,000万円以下の方は、給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額から金の売却損を差し引いた額が20万円以下の場合は申告をする必要はありません。

事業所得

自営をしている場合などは事業所得となり、売却損は他の所得と損益通算できます。さらに、純損失が残る場合は青色申告であれば翌年以降3年間、繰越控除が可能です。

金でできた美術品の形で相続する場合

相続税には課税対象とならない財産があります。その中の一つに『祭祀財産』があります。祭祀財産とは民法では系譜、墳墓及び祭具を挙げています。系譜は掛け軸や巻物として残されている家系図などが該当します。墳墓は墓碑・棺・霊屋のほか、敷地である墓地も含まれると解されています。

祭具とは、祭祀に用いられる器具の総称で、位牌や仏壇、神棚など、祭祀に直接供するために欠くことのできないものであり、具体的には位牌、仏壇、仏像、神棚、神体、神具、仏具、庭内神祠が該当します。

ここに目をつけて金の仏像や仏具を作ることで相続税の節税対策をするという方法は以前からありましたが、平成27年の相続税増税を機にメディア等で紹介される機会が増えました。金で作られた仏像や仏具を購入することで祭祀財産として非課税にし、相続税を節税するという考え方ですが、かなりリスクが高い方法です。

日常から金の仏像や仏具に手を合わせ、本来の使い方をしているのであれば非課税財産として認められると思います。しかし、仏壇がないのに金の仏像だけがあるなど、祭祀の対象として状況が不自然である場合は、一般の財産と税務署は判断します。一般の財産と判断されると当然相続税の課税対象となります。

また、金の仏像や仏具は、金そのものの価値にプラスして加工費や美術品としての価値が上乗せされる分、価格は割高になります。それだけではなく、貴金属として売却する際には逆に加工費や美術品としての価値は反映されずに金の重さ分だけの価格となります。

つまり金の仏像や仏具は相続税の節税対策としてリスクが大きいため、単に税金対策という観点だけで金の仏像や仏具を購入することは控えた方が無難です。

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金で相続するメリット


金は安定資産として知られています。世界的に金の数量は限られているため、供給量が増えることがないので大きな値崩れがないことが特長です。現金はそれ自体に価値がある訳ではなく、価値の交換手段として社会的な信用の上で成立しているものにすぎません。

100年前の1円と現在の1円の価値が異なるように、現金は長期間保有することにリスクがあります。最悪の場合紙屑になる可能性も0ではありません。

ところが金にはそれ自体に価値があります。工業製品としての使用価値や、美術品への利用価値もあります。100年後であっても価値が0になることは考えにくいのです。

現物資産として比較される不動産との違いですが、不動産の場合は保有しているだけで固定資産税がかかります。その点、金の場合は保有していても税金はかかりません。また、換金性に優れているということもメリットとして挙げられます。

金で相続するデメリット

まずデメリットとして挙げられるのが、相続人が金の存在を見逃してしまうことです。

自宅の金庫や銀行の貸金庫に金の延べ棒や金貨を保管していれば相続人は簡単に見つけることができますが、貴金属業者に現物を預けている場合や純金積み立てなどをしている場合は自宅に現物がないため相続人が財産を見つけ出すことは難しくなります。

取引内容の通知などが郵送される場合は気づくこともありますが、インターネットで取引している場合は一切郵送物が届かないこともあります。このような事態にならないためにも、貴金属業者に金を預けていることなどを家族に伝えておくか、遺言を残しておくとよいでしょう。

不動産と金との比較でもデメリットはあります。土地であれば賃貸住宅を建てて賃貸収入を得るという投資効果が期待できますが、金は配当金や金利などの価値を生むことはありません。

また、最近はビットコインとも比較されるようになっていますが、ビットコインはそれ自体に価値があるわけではなく価値交換手段としての機能です。価値の保存機能としては圧倒的に金や不動産が勝っています。

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金貨や純金にも相続税が?総額税額や金相続のメリット・デメリットを解説のまとめ


一昔前は金の仏像を購入して相続税を節税する方法が巷に出回りましたが、今そのようなことをしても税務署に否定されてしまうだけです。

相続税はかかるものとして考え、安全資産を後世に引き継ぐという気持ちで相続する意味では効果はあるのかもしれません。

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